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昨日の話の流れから湧いたネタを一つ 全国大会が終わってしばらく経ち、京ちゃんに彼女が出来た 相手は私も知ってる人で私はその時よかったねと祝福したのを覚えている 周りに嫁さんだのとからかわれることもウンザリしていたしこれでそんなことも言われないと正直私も嬉しかった 彼女が出来たからといって京ちゃんとの間になにか変ったことがあるでもなく、相変わらず迷子になりやすい私を探すのは京ちゃんの役目だった でもなぜだろうか、段々心の中にぽっかりと穴が開いて大切なものを失ったような気がしてきた これは徐々に大きくなったけれど全国をきっかけにお姉ちゃんとも仲直りできた上に知り合いも増えた私にとってはそれがどういうものか全く分からなかった しかしある日、京ちゃんが彼女と仲良くデートしているのを偶然見かけたとき理解してしまった そこは私の場所なんだ、彼の隣で笑っているのは私じゃなきゃ嫌なんだ 気付いてしまえばすぐだった。それまでたくさんの本を読んでいた私にとって恋とは劇的なものであり私はまさに恋に恋するお子様であったのだ 私を理解し、中学の寂しかった時から手を差し伸べてくれていた彼こそ私が憧れていたものだった しかし今更気付いたところでもう遅い、現に彼には仲のいいお似合いの恋人がいる 幸せの青い鳥が近くにいることに気付かなかった私にはそれを遠くから見ていることしか出来ない そのまま家に帰って部屋に戻ると同時に堰を切るように涙が溢れてきた きっと彼はこれからも私のいい友達でいてくれるだろう、しかし私は決して彼の一番の女性にはなれないのだと思い、それが無性に悲しかった お父さんが心配して部屋まで様子をうかがいに来てくれたが私にはそれに構う余裕もなくただひたすら泣くだけだった いつの間にか私は眠ってしまっていたらしく、起きたら部屋の時計はお昼を指していた お父さんは気を効かせて学校に休みの連絡を入れていたらしく皆から心配するメールが買ってもらったばかりの携帯に届いていた その中にはもちろん彼からのメールもあり、この携帯を選んだり設定する時に助けてくれたことを思い出してまた涙が出てきた でも私には悲しむ資格なんてない、思いも自覚できなかったのだから… 夜になり、帰ってきたお父さんにお礼を言って翌日からいつも通りにしようと努めた 相変わらず彼は私に世間話として彼女との惚気話を聞かせてくるのでその度に表情が強張りそうになるのを頑張って我慢した 時は流れ、彼から別れたと聞かされた 浮気や喧嘩とかじゃなく、お互いに話して納得した上でのことだと言っていたがやはり少し落ち込んでいたようだった …ねえ、京ちゃん。今ならいいかな? あの時ちゃんと始められないまま終わった私の初恋、今改めて始めても 傷心気味な京ちゃんに付け込むようでちょっと卑怯かもしれないけどさ やっぱりこの気持ちは簡単に捨てられなかったよ 空いた京ちゃんの隣、私の居場所にさせてほしいな 「ねえ、京ちゃん。実は私ね…!」 カンッ

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