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煌「ホントの勇気見っせーてーくれーたらー♪」 姫子「花田、嬉しそうやね。良かことでもあったと?」 煌「あっ姫子。へへ、やっぱり分かる?」 姫子「そりゃ、そがん楽しそうに歌いながら歩いとったら…」 煌「えへへ。実は私、明日誕生日なんだけど…彼氏の家に泊まりに行くんだ。丁度家に誰もいないらしくて」 姫子「あー、例の遠恋の彼。へー、誰もいなか彼氏の家へ…って、えぇっ!?そ、そいって」 煌「うん、まぁ…そのつもり…えへ」 姫子「ひゃ~…そいけん、あんなん浮かれとったと…。…ばってん花田も彼もまだ高校生やけん、すっぎいかんよぉ…」 煌「それはそうだけど…。彼、私と付き合い始める前は私の後輩の事好きだったみたいで…」 姫子「そいって…原村さん?」 煌「うん。彼とおんなじ学校だし、私は遠距離だし…信じてはいるけど、やっぱり不安に思う事もあるって言うか…」 姫子「花田…そか。そいない私は何も言わん、花田の事ば応援すっとよ」 煌「姫子…ありがとう!」 姫子「あ、避妊ば忘れたらいけんよ?やぐらしか事んなるのは花田やろ」 煌「ひ、姫子!もう!」 姫子「きゃー!おっかなか、退散退散。そいぎ、また来週!よか土産話期待してるけん」 煌「う…ま、またね!」 煌(避妊ヒニン…うぅ、『する』って思うと生々しい…今絶対顔真っ赤…こう言う時に使うんでしょうか。…ぬっか、です)  ~夜~ 煌「え…明日、駄目になったんですか…?」 京太郎『申し訳ないです…急遽親の用事に付き合わされる事になってしまって』 煌「い、いえ…親御さんの都合なら仕方ないですね」 京太郎『でも、折角の煌さんの誕生日なのに…こんなんじゃ俺、彼氏失格ですよね…』 煌「もう、すばらくないですよ?別に他の日だってデートは出来るんだから」 京太郎『はい…この埋め合わせは必ずしますから』 煌「ふふっ。ええ、楽しみにしてますからね」  ~~~ 煌「そんな事が…優希の悪戯好きは相変わらずですね、困った後輩です。…ん、もうこんな時間…そろそろ寝ないと」 京太郎『ですね。…本当ごめんなさい…』 煌「だからぁ、謝るのはナシ!今度会った時はいっぱい甘えさせて下さい。それでチャラにしましょう?」 京太郎『は、はい!任せて下さい!』 煌「よろしい。それじゃ、お休みなさい」 京太郎『ええ、お休みなさい』  ツー。ツー。 煌「はぁ…ショックぅ…なぁんて事は!……ありますよね、そりゃ…楽しみだったし、覚悟も…少し期待もしてたし…」 煌「カッコ悪ぅ…姫子になんて話そう…」 煌「部長たちにも当然広まってるでしょうし…」 煌「誕生日に彼氏にキャンセルされました、どうぞ笑って下さい!とか?」 煌「江崎先輩あたりはウケてくれるかも?」 煌「アハハハ」 煌「はぁ…寝よ」  ~翌日~ 煌「さて…今日はどうしましょうか。完全に予定が消え去ってしまいましたね」 煌「部の皆の所へ顔出すのはあれだし…春大会に向けてネトマに費やしますか。レギュラーの座も実力で磐石にしたいし」  カチッ、カチカチ 煌「はぁ…京太郎くんに会いたかったなぁ…」  ピンポーン 煌「…?郵便か何かでしょうか?はーい、今出まーす」  ガチャッ 京太郎「こんにちは。来ちゃいました」 煌「……え?」  ~~~ 煌「それじゃあ、あれから直ぐに電車に?」 京太郎「ええ。親父に頭下げて許可貰って、鈍行乗り継いで行けるとこまで行って…朝になったら即効こっちへ向かいました」 煌「朝を待ってからでも良かったのでは…?」 京太郎「まあそうなんですけど。でも煌さんに会いたいって事しか頭に無くて、気付いた時には既に電車に揺られてました」 煌「…ちょっと呆れた。大体、お義父様には何と言って説得したんですか?」 京太郎「男同士の話をしました。俺の一番大切な人の大切な日だから、日を改めてくれ…と」 煌「………………馬鹿」 京太郎「ですね。どうやら俺、惚れたら一直線みたいです」 煌「ぅ…で、でも!それならそれで連絡の一つでもくれれば良かったのに」 京太郎「何と言うか…その…サプライズって言うんですか?やって見ようと思いまして」 煌「……」 京太郎「…はは、やっぱ柄じゃないですよね…って、えぇ!?泣かせる程に駄目でしたか!?」 煌「うぅん…ぎゅってしてくれる?」 京太郎「ええ、勿論」 煌「あったかい…今日は駄目だと思ってたから、会えて嬉しい」 京太郎「…煌さん、手を出してもらえますか?」 煌「…?はい。……あ」 京太郎「誕生日おめでとうございます。これ、プレゼントです」 煌「これって…」 京太郎「ええ、俺もしてます。ペ、ペアリングって奴ですね」 煌「ありがとう…えへへ、嬉しいな…」 京太郎(どう控え目に見ても天使の笑顔だ) 京太郎「どう控え目に見ても天使の笑顔だ」 煌「ふぇっ!きょ、京太郎くん…天使って」 京太郎「おっと、思考が駄々漏れだった」 京太郎(いつかエンゲージ的な指輪買うまではそのリングでリザベーションさせて下さい。とは流石に言えないけど) 煌「何だか…婚約したみたいだね…なんちゃって」 京太郎(やっぱ天使だわ。絶対結婚しよう) 煌「あ…京太郎くん、力強いよぉ…ちょっと苦しい」 京太郎「うわっ、ごめん!痛かったですか?」 煌「大丈夫です。熱烈なハグですばらでした…でも今私、汗臭いかも知れないからそこだけはすばらくない」 京太郎「いやいや、なんか甘くていかにも女の子って感じのいい匂いでしたよ?正直最高でした。ごちそうさま」 煌「えっち…そういう恥ずい事言う口は塞いじゃいます」 京太郎「……」 煌「も、もう!見てないでかがんでよぅ!背伸びしても届かないんだから!」 京太郎「すみません…あまりの愛しさに感動してました。じゃあ…」 煌「んっ……えへへ、大好き…」 京太郎「俺も大好きです」 煌「な、何だか暑くなってきちゃった…汗も気になるしちょっとシャワー浴びてくるね」 京太郎「あ、じゃあ一緒に入りましょうか。なーんちゃって…嘘です、だからジト目はやめて…」 煌「全く…そういう所だけはすばらくない」 京太郎「調子こいてサーセンした…」 煌「…いいですよ」 京太郎「…え?」 煌「一緒に入りましょう。こ、恋人なんだし…」 京太郎「ま、マジっすか?」 煌「何度も言わせないで…恥ずかしいから」 京太郎(マジかマジなのか。そりゃ当然期待はしてたけど…うおぉ心臓バクバクいってら…) 煌(姫子…今はもう、不安だからとかじゃなく私自身…したいと思ってるよ。…言えないけど) 京太郎(ここから先はお見せ出来ないんだ、すまない…。一つだけ言えるのは、サイコーだったって事かな)  カンッ

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