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「キョータローからのメールは…と、来てる来てる♪」 私は自分で言うのもなんだけど結構さびしがりだ だから彼氏のキョータローには毎日最低3通はメールか電話をするように言っている まあ、彼氏と言っても実際にキョータローが「好き!」って言ってくれたわけでもないし、 私が言ったわけでもないけど、私には分かるんだ キョータローとこの淡ちゃんは愛し合ってるって だって、東京に遊びに来てくれた時のキョータローはすっごい楽しそうだもん 私に会えるのが嬉しくて嬉しくてしょうがない証拠だよ だから間違いなし! キョータローも同じ事考えてるよ、絶対ね! 今は長野と東京で辛い遠距離恋愛だけど、でもいいんだ いつか結ばれる二人なんだから焦ることもないし でも、それでもさびしいものはさびしい 向こうだって同じ気持ちだろうから、私も色々メールするんだ だけどさ、やっぱり彼氏からメールしてくれたほうが嬉しいじゃん? 私のメールへの返信とは違った、京太郎から私に伝えたいって想いがこもったメール 何気なくても超嬉しいよ 今日のだって 『From:キョータロー  釜玉うどんってあるだろ?  俺んとこ長野だし、それのそばバージョン作ったら結構イケてさ  これ大発明だ!って思ったら普通にネットやテレビで紹介されてたわ  ちくしょう』 「あはははっ、ばっかみたーい!あははは!」 本当にこんな事でも心があったかくなるんだ 大好きなキョータローからのメールなら 何だか二人だけのツイッターみたいでさ 「でも、キョータローが作ったなら食べてみたかったなー、っと♪」 …… 淡とのメールのやり取りを終え、俺はぼーっとしていた こいつはよく俺の話を聞きたがる けど、俺には元々そんなボキャブラリーはない メールで送る話も今日の飯がどうだとか、買ったゲームがつまらないとか、そんな類 ――だけど、俺の友人関係(特に女の子の友達)の話はあまり聞きたくないようだった でも淡は俺のつまらない話こそ楽しみにしてくれているようだから不思議な話だ 勿論、軽快な文と絵文字顔文字でリアクション良く返信してくれている淡を不快に思った事は一度もない けど、よくよく考えるとどうしてそこまで俺とメールをしたがるのかが謎だ ……いや、本当は心当たりがある でも、それは俺の思い上がりもいいところだし、 淡のような可愛い子相手なら当然といえる願望みたいなものもあるだろう 「もしかしたら淡は俺が好きなんじゃないか…?」 声に出すとますます馬鹿馬鹿しいし、恥ずかしい 白糸台は女子高だし、男友達が珍しいだけだろう 淡は麻雀の天才で、可愛くて、明るくて、ひまわりみたいに笑う女の子だ 和とは違った意味での高嶺の花 対して俺は少しハンドボールやってた事と、タッパがある以外は何ら取り柄の無い男だ 共通点といや髪の色ぐらい 「俺って釣り合わない相手を意識する癖でもあるんだろうな…」 将来、淡は間違いなくプロ雀士になるだろう それもかなり上位の 俺とは住んでいる世界が違う きっと彼女は高校生として、束の間の普通の時間を楽しんでいるんだ それでも名門・白糸台だ いくら普段能天気なあいつでも来年、再来年には俺と連絡する余裕すらなくなるかも…… 「まあ、それまではいくらでも付き合うよ」 意味は違っても付き合うという言葉が自分の口から出て、少しだけドキっとした たった今、ありえないって考えたばかりなのに ………… 今度、京太郎が東京に来てくれるらしい 何着よう、どこへ行こう、何話そう、どこで食べよう まだ少し先の話なのに、まるで明日の予定を考えるような感じ 頭の中がせわしないけど、嬉しくて、ベッドの上に身を投げ出して転がってもおさまらない 「本当に明日だったらいいのに!」 当日まで、私はずっとこんな感じなのかな? ふふっ♪ …… 今度、東京へ遊びに行くと淡に告げた よし、今回も淡と二人きりだけど、あんまり意識し過ぎないように… あいつが楽しむ事を一番に考えて、疲れた顔とかは絶対見せないように… …あれ? 「俺、もしかして淡に会いに東京行くのか?」 今更だ 時間とかに余裕が出来た時に都会へ個人旅行するついでに、あいつに会ってるつもりだったけど 考えたら東京にいる間は殆ど遊びまわる相手は淡じゃないか そう思うと何だか会いづらい気がしてきたけど 「……淡」 無性に会いたい気もしてきた ………… 「ね!次はどこいく?前来た時とおんなじコースでも私はいいけどさ!」 「それじゃちょっと捻りがないだろ、東京には何でもあるんだからよ  ちゃんと決めてるよ、次はあっちだ」 「あ、ちょうどよかった!私もいってみよっかなーって考えてたところじゃん!  早く行こっ!」 「お、おう……にしても、淡さ」 「んー?」 「前から思ってたけど…う、腕にそうやってしがみつく癖あるんだな」 「ほえ?」 「ま、まあそういう気安いところもお前の魅力……だけどな」 「……んもぅっ!急にどうしたのキョータローっ♪」 「うぉぉ!いや、つまりさ…その……」 「んふふー♪」 「そ…そうやって男の腕にぎゅって、かっ、体くっつけてるとっ、誤解されるって……こと…」 「ゴカイ?」 「あ、ああ…」 「えー、でもそれって変じゃん」 「え?」 「だって私達付き合ってるのに」 「……………」 「彼女が彼氏の腕に抱きつくなんてフツーじゃん?」 「……………」 「それにさ、お互いにあまり会えないんだから体くっつけるぐらいはしたいし」 「……………」 「…キョータロー?」 「…あはははっ!あーっはっはっはっはっは!」 「わわっ!どうしたの」 「あはっ、はっ、あはははっ…い、いや、何かさ、俺ってマジで馬鹿だって思って…」 「ちょ、ちょっとワケわかんないこと言ってるよキョータロー?」 「あー…そっか、付き合ってたんだなぁ、だから毎日メールしてくれって」 「あったりまえじゃん、そりゃ言葉に出して言ったことはないけどキョータローも同じ気持ちだったでしょ」 「あははっ、そ、そっかぁ…そうだったんだなぁ…」 「もー!だから、何が?」 「いやね、青い鳥探しに行ったら家にいたって話みたいだなって、それがおかしくてさ」 「ますますワケわかんないんだけど……」 「………淡」 「わっ、急にシリアスモード?」 「口に出して言った事ないって、そう言ってたよな」 「…う、うん」 「じゃあ……言うよ」 「え…ちょっと、何?」 「……大星淡さんっ!!」 「は、はいっ!?」 「あなたの事が大好きです!!やっと自分の気持ちに気づきました!!  俺とこれからもずっと、ずーっと一緒にいてください!!」 「………!!」 「……はーっ、スッキリした  俺、淡が好きで好きでしょうがなかったんだな…本当、気づくのが遅すぎだっての」 「……………」 「ま、まあ…これでその、なんだ?  ちゃんと言葉に出した事で、その正式にっていうか…お前の中では改めてってことなんだろうけど…  お、俺と……」 「………キョータローっ!!」 「淡……むぐっ?!」 「んんんーー!」 「んっ…ん…ぷはっ、お、お前…いきなりキスって…!!」 「キョータロー!!」 「うわ、っぷ!」 「やっぱ…超、超超大好きぃっ!!!」 カンッ

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