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最近ご主人様の家によく女の子が遊びに来る。 ご主人様のにおいに包まれたベッドでお昼寝していると、 どたどたという足音がしてその女の子が飛び込んできた。 「カピーちゃん、こんにちわ! 今日も元気かい?」 これまでうちに来ていた「サキ」と違って遠慮なしに僕の体を持ち上げてくる。 『やめてよ、離して!』 「そうかそうか。良かったね―」 全然わかってくれない。 これが「サキ」だったらわかってくれるのに、女の子は僕を更に強く抱きしめる。 「コラ。カピーが嫌がってるじゃないか」 「えーそんなことないよ。カピーちゃんと私は仲良しこよしだもんねー!」 『違うよ。お前なんか嫌いだもん』 見かねたご主人が女の子の襟首をつかんで僕から引き離してくれた。 僕は部屋の隅にトコトコ逃げる。 「あーもう、京太郎のせいだよ!」 「あのなあ…」 ベッドに腰かけて足をプランプランさせているる女の子の横に、ご主人様も座ってお説教を始めた。 もっと怒ってご主人様! この娘はきっと悪い子だよ。 わがままだし、かしましいし、毛が長くてウネウネしてるし。 サキのほうが多分いい子なんだから! けれど、その子はまるで聞こえてないかのようにご主人様の膝枕にごろんと寝転んだ。 ご主人様も、小言を続けながら、女の子の髪の毛づくろいを始めてしまう。 「あわー…」 気持ちよさそうな声を上げる女の子。 ずるい。 僕だってたまにしかあんなにやさしく撫でてもらえないのに。 ご主人様はあの女の子が家に来るといつもああやって毛づくろいをしている。 『ご主人様、僕にもしてよ!』 そうやって二人のもとに近づくと、女の子が僕を見てにっこりと笑って手を伸ばしてきた。 「カピーちゃん羨ましいの? でも今はだめ。代わりに私が撫でてあげるから。ほら。おいで」 …やっぱり僕はこの子が嫌いだ。 女の子に背中を撫でられウトウトしながら僕はそう思った。
最近ご主人様の家によく女の子が遊びに来る。 ご主人様のにおいに包まれたベッドでお昼寝していると、 どたどたという足音がしてその女の子が飛び込んできた。 「カピーちゃん、こんにちわ! 今日も元気かい?」 これまでうちに来ていた「サキ」と違って遠慮なしに僕の体を持ち上げてくる。 『やめてよ、離して!』 「そうかそうか。良かったね―」 全然わかってくれない。 これが「サキ」だったらわかってくれるのに、女の子は僕を更に強く抱きしめる。 「コラ。カピーが嫌がってるじゃないか」 「えーそんなことないよ。カピーちゃんと私は仲良しこよしだもんねー!」 『違うよ。お前なんか嫌いだもん』 見かねたご主人が女の子の襟首をつかんで僕から引き離してくれた。 僕は部屋の隅にトコトコ逃げる。 「あーもう、京太郎のせいだよ!」 「あのなあ…」 ベッドに腰かけて足をプランプランさせている女の子の横に、ご主人様も座ってお説教を始めた。 もっと怒ってご主人様! この娘はきっと悪い子だよ。 わがままだし、かしましいし、毛が長くてウネウネしてるし。 サキのほうが多分いい子なんだから! けれど、その子はまるで聞こえてないかのようにご主人様の膝枕にごろんと寝転んだ。 ご主人様も、小言を続けながら、女の子の髪の毛づくろいを始めてしまう。 「あわー…」 気持ちよさそうな声を上げる女の子。 ずるい。 僕だってたまにしかあんなにやさしく撫でてもらえないのに。 ご主人様はあの女の子が家に来るといつもああやって毛づくろいをしている。 『ご主人様、僕にもしてよ!』 そうやって二人のもとに近づくと、女の子が僕を見てにっこりと笑って手を伸ばしてきた。 「カピーちゃん羨ましいの? でも今はだめ。代わりに私が撫でてあげるから。ほら。おいで」 …やっぱり僕はこの子が嫌いだ。 女の子に背中を撫でられウトウトしながら僕はそう思った。

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