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「じゃあ行きましょうかー、京太郎!」
ただ、好きになった人がロリータだっただけだ、とその筋の人は言う。
そのロリコンとやらは、俺には一生縁遠いものであろうと考えていた。
「京太郎、二人で出かけるのって、とっても久しぶりな気がしますねー」
大きなおもちを持つ年上のお姉さんが好きだった。今でもそうだ。
絶壁など、眼中に無いはずだった。今でもそう思っている。
「京太郎、この服……変じゃありませんかー?……えへへ、そうですかー」
時が過ぎる度に、認めたくない自分がいることに気づく。
そんなまさか、あり得ないと思う程に、その自分は大きくなっていた。
「京太郎、おっきなワニですね!私より大きいですよー」
水着による日焼け跡と鎖骨が、随分根強く自分の目に焼き付いている。
心地の良い元気な声が、耳の中にいつまでも響いているのだ。
「あの映画、王道って感じでしたねー。私にも、相手がいれば…」
矛盾している……タイプではない、はずなのに。
今はずっと胸を占めている。他の誰よりも、大切だと感じる。
「もう終わりですか……楽しい時間は早く過ぎるなんて、ほんとですねー」
とてつもなく、楽しい、幸せな一日だった。だというのに、まだ迷っている。
言ってしまって、関係がこじれてしまわないだろうか。離れ離れになったりしないだろうか。
「じゃあ…またいつかですねー、京太郎」
迷っている俺の背中を押したのは、他でもない彼女の、一瞬だけ見えた、寂しげな表情だった。
もう逃げない。否定もしない。俺の中で出た、結論というのは。
「はっちゃん!一つだけ、いいかっ!?」
「な、なんですかー!?」
「好きだーっ!俺と…付き合ってくれーっ!」
「……よ、よろこんでーっ!」
もう、ロリコンでいいや、ということであった。
おわる