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京太郎「えっと、この時の捨て牌がこうだから、ここで切るべきは……」ペラ… ペラ… 照「京ちゃん、お菓子ちょうだい」 京太郎「あ、照さん。お菓子ですか?えっと……あったあった、はいどうぞ」 照「ん、ありがと」 淡「あ、テルーいいな~。キョータロー、私にも~!」 京太郎「はいはい、ほれ」 淡「やった~!おっ菓子~おっ菓子~♪」 京太郎「ふぅ……」 尭深「お疲れ様、京太郎くん。なんというか、ゴメンね?あの2人を押し付けるような形になっちゃってて」 京太郎「いえいえ、気にしないでください、尭深さん。でも、確かにもう少し落ち着いては欲しいですね……」 尭深「宮永先輩と同学年の弘世部長はあんなに落ち着いてるのにね……」 京太郎「全くですよ……」 誠子「自由奔放に生きてる方が麻雀強くなんのかねぇ?」 京太郎「どうなんでしょう?規則正しくって言い方が正しいかは分かりませんが、そういった部類の菫さんや     尭深さん、誠子さんも強いですし」 誠子「止せよ、京太郎。弘世部長はともかく、私らはそこまで強くなんて無いんだから。    ちょっとスタイルが火力寄りで宮永先輩や弘世部長、淡と同じチームになれたからレギュラー取れただけさ」 尭深「うん、本当に。あの2人は別次元だよ……」 京太郎「あはは……それじゃあいっそ、あの2人の異常な強さは白糸台の七不思議にしてしまってはどうでしょうか?」 誠子「お、それいいな、って言いたいとこだけど、実は既に白糸台七不思議ってちゃんとあるぞ?」 京太郎「え?マジですか?」 尭深「うん。階段に浮き出る男の顔だとか、夜中に睨んでくる音楽室の肖像画だとか」 京太郎「あ~、やっぱり大分在り来たりなものではあるんですね」 尭深「家庭科室の裸エプロンの幽霊とか」 京太郎「え、何それ、見た~い」 誠子「京太郎……」ジト(;¬_¬) 京太郎「いや、だって珍しいじゃ無いですか!決してやましい気持ちではありません!」 菫「ほ~ぅ?本当か?」 京太郎「うぉわっ!?菫さん!?いつの間に!?」 菫「今戻って来た。それにしても随分とまた懐かしい話題だな。去年の夏頃だろう?それが流行ったのは」 尭深「お疲れ様です、弘世部長。そうですね、大体1年前くらいです」 淡「むむ?なんか面白そうな話してる~?ねぇねぇ、何の話?」 京太郎「ああ、白糸台の七不思議についてな」 淡「七不思議?って何?」 京太郎「ん?知らないのか?ある地域に起こる不可思議な現象を7つを纏めて言う言葉、まあ平たく言えば地域の怪談話だな」 淡「か、怪談……?」 京太郎「そうだ、どうせなら今夜調べてみません?丁度明日は学校も部活も休みですし」 淡「え゛!?」 菫「さすがに放課後の、しかも夜に学校の敷地内に入ることは許されんぞ?生徒会長にでも頼めばなんとか   なるかも知れんが……」 淡「ぶ、部長!わ、私達は麻雀部なんですから、麻雀を頑張っていればそれでいいのではないでしょうか?!」 菫「あ、ああ、確かにその通りなんだが……」 誠子「あ、淡?どうしたんだ、お前?」 淡「な、な、何が?私はただ麻雀部のなんたるかを……」 尭深「淡ちゃん、もしかして怖いの苦手?」 淡「!?」 京太郎「あ~、なるほど。夜の学校に行きたくないから必死になってんのか」 淡「そ、そんなことないもん!淡ちゃんは高校百年生なんだからお化けなんて怖くないもん!」 京太郎「そんじゃあ、今日の放課後、七不思議探検な」 淡「の、望むところよ!」 菫「おいおい、だからそれは……」 京太郎「菫さん、これはひょっとしたらチャンスかも知れませんよ?」 菫「チャンス?」 京太郎「淡がビビリまくっている中、皆が全く動じなければ、今後それをネタに淡を多少は     大人しくさせられるかもしれません」ポソポソ 菫「…………生徒会長に掛け合ってこよう」ガララッ 尭深「……凄い誘導術。将来詐欺師になれそうだね」 京太郎「ふっふっふ、そう褒めないでくださいよ……」 誠子「いや、褒めてないだろ、どう考えても……」 ガララッ 菫「夜8時、校門に集合だ。いいな?」 京太郎・尭深・誠子「はい」 淡「うぅ……は、はい……」 照「ん」 誠子「あ、宮永先輩、いつの間に」 照「今。夜の学校、楽しみ」ワクワク 京太郎「ですね!」 ~~~夜~~~ 菫「で、照だけがいない、と」 京太郎「あはは……みたいですね」 尭深「寝てしまったんでしょうか?」 誠子「或いは忘れてしまったとか?」 淡「…………」プルプル キョロキョロ 菫「まあ、ともあれ、このメンバーで行くしかないか」 京太郎「ですね。行きましょう!」 淡「うぅ~……」プルプル ~~~~ 菫「入口から近いのから順に行くか」 尭深「そうなると一番最初は……」 誠子「一階廊下の逆さ首、ですね」 淡「さ、逆さ……?」 尭深「その昔、まだ日本が戦火に見舞われていた頃のこと……度重なる空襲の魔の手は遂にこの白糸台高校にも伸びてきたの。    当然警報と共に学内にいた生徒達は皆逃げ出したのだけど、当時高校2年生だった一人の学生が逃げ遅れて……」 淡「……っ」ゴクリ 尭深「炎に包まれ崩れ落ちた校舎一階から、ギャアアアァァァァ…………と悲鳴が……」 淡「ひっ!?」ビクッ 尭深「その後校舎は建て直されたんだけど、その学生が亡くなったと思われるこの廊下では、    夜中になると潰されてしまった天井から、ズルリ……と首を覗かせているんだとか……ほら、あ~んな風に……!」ピカ 淡「○×△※□〒~~~っっ!!??」ギュッ 京太郎「おっと。あ~、こりゃ相当苦手みたいですね。ってか、尭深さん。いつの間にあんな物を……」 誠子「ん~?あ、肌色の風船か、これ。それにお面被せて……ちょっと怖っ!」 菫「尭深のイタズラは抜きにしても、夜の校舎はそれだけで中々に雰囲気があるな。っと、   あまり時間を掛け過ぎてもなんだ。次へ行こうか」 京太郎「あ、はい」テクテ… 淡「!?ま、待って!置いてかないで、キョータロー!!」ギュウッ 京太郎「……淡、怖いんだったらしっかり掴まってな」 淡 コクコク 京太郎(なんか超かわいい……) ~~~~ 尭深「―――――という怨霊がこの教室に……」 淡「×☆※〆♭★~~~っっ!?!?」 ~~~~ 尭深「―――――といった具合に男を誘惑して……」 淡「△■§▽○~~……っ!?!?」 ~~~~ 菫「なんだかんだでここが最後の7つ目になるんだが……」 淡「うぅ~~……」ギュッ プルプル ナミダメ 京太郎「尭深さん、ちょっとやりすぎでは……?」 尭深「……百物語では手を抜かない派なので」 誠子「ま、まあ、ちゃっちゃと終わらせてしまいましょうか」 菫「うむ、そうだな」 ガラッ 誠子「えっと、ここは確か、指導室の地縛霊、ですね」 尭深「かつて白糸台高校に誰の手にも負えない暴れ者が在籍していました。余りの暴れっぷりに    手を焼いた当時の校長が秘密組織にとあることを依頼。    その日から3日間、その問題児は姿を見せなかったそうです。    ところが、3日後、指導室の椅子で変わり果てた姿で見つかった。    どうやら秘密組織によって拷問に架けられ、全身の骨という骨が砕かれて……    以来、この指導室では夜になると骨が一本一本砕かれる音g」 パキッ  淡「ひぃぃぃっ!?!?」 コリッ   京太郎「お、音が……」 ポキッ  誠子「断続的に続くな~」 バキッ  菫「これはどんな仕掛けなんだ、尭深?」 ピキッ  尭深「…………わ、私、ここには何も仕掛けては……」 京太郎・誠子・菫「…………え?」 京太郎「そ、それじゃあ……」ダラダラ 誠子「こ、この音は、まさか……」ダラダラ 菫「ほ、本物……?」ダラダラ 尭深「…………」ソロ~リ ソロ~リ 誠子「あっ、尭深、一人だけ逃げようとするな!」ダダッ 尭深「っ!」ダダッ 菫「こ、こ、こらっ、お前達っ!わ、私を置いていくなっ!!」ダダッ 京太郎「や、やべぇっ!!淡、逃げるぞ!!」ギュッ ダダッ 淡「もうヤダ~~!!おうち帰るぅ~~~~!!!!」ダダダッ パキッ  ピキキッ  ボリボリ 照「……おせんべ、美味し」 翌日から照を除いたレギュラー陣+京太郎が大量のお守りや梵字の書かれた御札を部室に持ち込み、 注目の的になっていたとか…… カン!

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