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「ちわーっす」 いつものように部活に顔を出すと、迎えてくれたのは大勢のチームメイトではなく犬耳を付けた宮永先輩一人だった。 うん、我ながら意味わからん。 「須賀君?どうかしたの?」 「真顔で首かしげないでください反応に困ります。  …他の皆はどうしたんですか?」 「いつも頑張っている須賀君へのご褒美だって出て行った。  …どういう意味か、分かる?」 そう心底不思議そうに問いかけてくる先輩。 すごく…可愛いです…。 ん?ちょっと待てよ? なんだご褒美って? まるで俺が先輩の事好きだってばれてるみたいな言いぐさ…。 まさか…そんな…。 「顔色が良くない。保健室に言った方がいい」 あいも変わらず無表情でそう告げる宮永先輩。 垂れた犬耳が普段より庇護欲を誘ってくる。 頭…撫でたいな…。 「今度は赤くなった…。大丈夫?」 「頭撫でていいですか?」 「へ…?」 そんなことを無意識に呟いていた。 何やってんだよ俺!!! 好きな相手に向かってとんだセクハラかますなんて!!! これで嫌われたら海の底で物言わぬ貝になろう…。 そう決意する俺に先輩は…。 「べ、別に構わない…」 頬をわずかに赤らめながらそう返してきた。 「ほ、ホントですか!」 思わず大きな声が出る。 「…ん。皆の言うとおり須賀君はとても頑張ってる。だからご褒美」 珍しく少し笑みを浮かべながら先輩は答えた。 そして続けて…。 「そ、それに須賀君なら…。  別に嫌じゃない…。から…」 「カハッ!!」 「す、須賀君?」 あまりの可愛さに意識を失うところだった。 千載一遇のチャンス。無駄にするわけにはいかない! 男須賀京太郎!いざ!! 「……」 「んっ…」 「……」 「…フフッ」 「ど、どうですか…?」 「なかなか…気持ちいい」 「あ、ありがとうございます?」 「うん、もう少し…このまま…」 そのまま先輩は目を閉じて黙ってしまった。 それこそ、本当の犬のように。 「俺、明日あたり車にはねられたりしないよな…」 俺はと言えば、降ってわいたような幸運を堪能しつつ、明日の我が身を心配するのであった。 カンッ 「ねー!いつまで隠れてればいいのー?」 「もう少し我慢してやれ!  大会前の、せめてものねぎらいだ」 「むー!きょうたろーばっかずっこい!  私もてるーを撫でたいもん!」 「お前は…。そっちなのか…」 「へ?そっちって…どっち?」 「もう、いい…」 モウイッコカンッ

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