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「須賀君は、長い髪が好きなんですか」 言葉に詰まったのは、多分、自覚のなかった好みを指摘されたからだと思う。 二つに括った桃色の髪。歩くたびにたなびいて、いつの間にか和と目が合っていて。 「…胸を見られるよりは、はるかに良いと思います」 …また言葉に詰まったのは、自覚のあった好みへの行いを指摘されたからだ。 くすくすと笑う和と対照的な表情を隠すように口元に手を当てる。 「やっぱり分かりやすいか?」 「ええ、須賀君が思ってるよりも、視線は分かりやすいんですよ」 思わず泳ぐ視線。その先にある膨らみは相変わらず…と、察知されたようで和の腕に隠される。 「ほら…見てるじゃないですか。他に見るところはないんですか?」 「そうは言っても…」 しかし、禁止されたら仕方ない。 細すぎず、けれど太いとは思えない白い足。腰は胸よりずっと華奢で…胸を飛ばすと、夏のせいか、いつもより開いた首元が目に入る。 少し焼けたのか…ほっそりとした鎖骨、隙間に見えるブラの紐。そして、桃色のカーテンから覗く柔らかな首筋。 きめ細かいうなじは綺麗な曲線を描いて、可愛らしい顔に向かう。理知的な瞳が…? 少し、赤い。 「…見すぎ、です」 「…ごめん」 謝罪を一つ。そして目を離そうとして…振り返った和の首筋に、思わずごくりと喉が鳴った。 「っ、須賀君!」 「いや…! すまん!」 怒ってるのか怒ってないのか、飛んできた声にはイマイチ鋭さが無い。それでもここは謝っておくのが当たり障りのないところだろ。 「もう…今度は首筋がいいんですか…」 呆れた声。ため息を一つ、小さく唇から漏らした後、なんともったいないことにリボンをほどいていった。 「あ……和?」 「夏の間はこうしておきます。須賀君に襲われたら大変ですから…ふふっ」 流れる桃色の髪は一つに纏まって、桜色の川が首筋を覆う。和はいやに楽しそうだけど… ――多分、俺的にはそっちの方がヤバイ―― 小さく小さく、覆った口元から漏れた声。和は苺みたいに真っ赤になって、ちらちらと俺を窺っていた。 カンッ

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