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新説・マヨイガ伝説 たまには少し遠出をしようと、京太郎は妻を誘って岩手の山へハイキングをしにいった 今の時期なら山菜はフキが採れる ついでにそれを探しにこうと提案した 山につくと、それぞれわかれて探し、多く取れたほうがフキ料理を作るという話になった 京太郎は女には負けまいと意気込んで山に入っていった しかし、他の山菜採りが見つけていったのか中々思うように集まらない そこで奥へ奥へと入っていく事にした するとフキがたくさん生えている場所へ出た これは穴場を発見したと採っていく京太郎 作業に没頭していると、どこからか牛の声がしてきた こんな山の中に牛…? 不思議に思った京太郎は、声の方へ歩いていった すると、大きな日本家屋の屋敷を発見した 山奥に居を構えるとは中々に面白い人だ、と興味を持った京太郎は少しそんな人物と話をしてみたくなった 生来の人なつこさと好奇心から出た行動である インターフォンはなかったので、家人の姿を探そうと少し庭を歩いて回ると大きな牛舎があった 近くに馬小屋、そして鶏小屋もあり、どの小屋にいる動物もみな毛並みが良くたくましかった 先ほどの牛の声はここからか、と考え、ここは農家だろうかと思ったが、屋敷の周りには畑らしきものが見えなかった まさか道楽でこれほどの数の家畜を飼っているわけではあるまい ますます家の主人が気になった京太郎は玄関へ戻り、声を二、三かけてから屋敷の中へと入っていった 中は広く、やはり外と同じく純和風の様相が拡がっていた 京太郎は誰かいないかと声を出しながら進んでいく 何故だか屋敷の奥に何があるのか気になって仕方がなかった 部屋から部屋へ移動していく度に目に入ってくる数々の調度品は、 そうしたことに疎い京太郎から見ても素晴らしく、やはり住んでいるのは相当な富豪であろうと思わせた そして行き着いた部屋にあったのは、不思議な事に雀卓であった 上には牌が並べられている 誘われるように京太郎は、卓に近づき、牌を一つ手に取った 京太郎の頭のなかに岩手の山、麻雀、そしてある物語、女性、と連想が浮かんだ それは京太郎が十代の時に出来た岩手県の高校の女友達から聞いた遠野物語のマヨイガの話であった その友達は小瀬川白望と言い、京太郎が結婚報告をしてから行方が知れなくなったという話を聞いていたが、 彼女がかつて話してくれたマヨイガ伝説に、今自分がいるこの家が実によく似ているということを今更になって思い出した 急に恐ろしくなった京太郎は急いで屋敷を出て、来た道を戻り、山を下りた 屋敷を出て行く今日太郎の後姿を、中から白い髪の女がじっと見ていた事に気づきもせずに 妻と合流し山であった出来事を話したが、妻は笑った 京太郎もそんな彼女を見ていると、何をあそこまでうろたえていたのか分からなかった ただ、山のなかに大きな屋敷があった、それだけの事ではないか そして、何か持ち帰ればよかったかもな、と笑い返した 自分達の家に帰り着き、妻を先に風呂に入れさせて、 自分のリュックを開けて荷物を整理していると、何か小さく四角いものが底のほうに見えた 手を伸ばして、触った瞬間、ぞっとする思いがした そして取り出して、自分の目で確認すると小さい悲鳴が口からこぼれた 麻雀牌であった しかも、これは屋敷の中で見たのと同じようであった いつの間に入り込んでいたのか、何か言い知れぬものを感じていると、携帯電話が鳴った びくっとしたが、電話の番号を見ると「小瀬川白望」と名前が表示されていた 行方不明だった白望から突然の電話にさまざまな疑問符が浮かんだが、通話ボタンを押さずにはいられなかった そして耳にあてて、聞こえてきた声は… 「京太郎今から迎えにいくよ」 風呂から上がった京太郎の妻は、夫の姿を探したが家のどこにもいなかった そして、それからも京太郎が見つかることはなかった カンッ ………… 妻は夫が消えたその日の晩、ある夢を見た 京太郎が白い髪の女を抱いている夢だった 京太郎の妻は声も出せず、体も動かせず、夫がその女を抱いている光景を延々見せられ続けた 涙が溢れ、激しい憎悪を女に向けるが、どうすることもできなかった やがて行為を終えると女は優越感に満ちた表情をこちらに向けた その顔は見覚えがあるものだった 朝、目が覚めて全てを悟った彼女は涙で腫らした顔もそのままに 岩手へと向かった もいっこカンッ

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