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咲「何見てるの、京ちゃん?」 京太郎「ああ、咲か、日本史の教科書だよ。」 咲「ふーん、なんか珍しいね、そういうの見てるの。」 京太郎「まあなー、なんか昔見たもんがあったからな、それで物思いにふけってた。」 咲「見たものってその写真のよくわからないの?」 京太郎「剣なんだってさ、なんかすげー昔に見たんだよ、これ。」 咲「嘘だあ、京ちゃんってこういうもの見に行かないタイプでしょ。」 京太郎「お前なぁ……、まあ否定はしねーけどな、なんでか行った事はあるんだよ、これがあるとこに。」 咲「そうなんだ、それだけにしては随分ぼーっとしてたね。」 京太郎「まあこれ見ただけならそこまで考え込まないけどさ、これ見てるときに一緒にいた子がいたなーって思い出してさ。」 咲「変わった子がいたんだね、よかったらその話聞かせてよ。」 京太郎「ああ、いいぞ。変わった感じの子だったな、なんか大人しくってさ、思い出した、その子俺より年上だった、一緒に見た後確か……」 あれは私が小さかった時、自由研究のために入った博物館での事。 古くてボロボロな剣をただただ見てたら、隣に私と同じぐらいの男の子がいた。 剣に刻まれた文字と同じ色をした髪が特徴的な、私とは正反対な子だった。 よくわからない、というその子に、私は剣についてたどたどしく説明をしたのを覚えている。 そんな説明にも目を光らせて聞いてくれた彼の姿は、目の前にある、錆付いた、されど輝いている剣の姿と重なった。 そのあと、私はその子と一緒に博物館を巡った。 展示物の説明をしたり、一緒に説明を聞いたり、見て回ってたらあっという間に時間は過ぎていった。 その子は遠くら来たらしく、別れの時間が来るのは早かった。 しょげている私に、また会おうといってくれた、お土産店で買ってくれた髪飾りは、今も身に着けている。 最初に私たちが出会った場所にあった剣をモチーフにした髪飾りは、今も彼の髪と同じ金色に光っている。 髪から髪飾りをはずし、握り込む。 ある筈のない刃とあの子の姿が、視界の端で映った、そんな気がした。 カン

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