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学校であった須賀い話 えーっと、次は私が話すね 皆さんは占いって信じていますか? …嘘かどうかは別にして迷ったら何か投げて 表なら裏ならっていうのは誰でもやったことあると思うんです 大体の占いってこれの延長みたいなものなんだと思うな それでね、私の一個下の友達でA子Aちゃんっていう子がいるの この子、実家は神社なんだけど 普段はそういうオカルトチックなことって興味なさげにしてるんだ だから占いも雑誌の星座占いのようなものをちらっと見るぐらいにしか気にしていなかったの だけど、ある時インターネットによくある無料のジョーク占いで 運命の人占いっていうのをやったんだって ほんの暇つぶしぐらいの気持ちでね 自分の名前を入れて、占ってみるっていうボタンを押すと運命の人の名前が出てくるっていうもの よくあるよね、そういうの そしてAちゃんは自分の名前を入力してボタンを押してみたの…すると、 『あなたの運命の人は須賀京太郎さんです』って、出たんだって ……ちなみにこの時は京太郎君の事を知らなかったんだよ? で、Aちゃんもその時は「ふーん」って感じでさっさとそのサイトを閉じたの そして8月も半ばの頃に夏休みで長野県から奈良県に遊びにきた子がいたんだ Nちゃんっていう古い友達なんだけどね、その子が紹介した数人の友達の中にいたのが… 何とあの時の占いに出ていた運命の人、須賀京太郎君 その時のAちゃんの顔よく覚えているよ、本当に幽霊にあったような顔って感じで そりゃあ驚くよね、私だったら気絶してたかも 後で占いの事は教えてもらったけど、このときはAちゃんの事情を知らなかったから、 凄く取り乱した様子で自己紹介をしてても、ああ、男の子相手だから怖がってるんだなって納得しちゃったんだけど、 その後、京太郎君の好きな食べ物とか聞いたり、 奈良にいる間の予定を聞いたりして、猛アプローチし始めたからびっくりしちゃったよ 私達の知ってるAちゃんなら考えられない行動だもん それでNちゃん達が泊まるのは私の実家が旅館を経営しているから、そこに宿泊することになってたんだけど、 Aちゃんが「私も一緒に泊まりたい!」って言い出してね 私は別に構わなかったし、Nちゃん達も歓迎していたからいいんだけど、 あまりにAちゃんの様子がおかしかったから、こっそり何があったのか聞いてみたの そしたら占いの話をしてくれたんだよ 顔真っ赤にして「ああ、どうしよう、どうしよう」ってもじもじするAちゃんは可愛かったけど… でもねぇ…たまたま同じ名前の人に会ったからってここまで積極的になれるものなのかなぁ… しかも、男の子嫌いな子がだよ? もしかしたらさ、Aちゃんは人生で初めての一目惚れをしちゃったんじゃないかな ほら、京太郎君って誰から見ても素敵な男の子でしょ Nちゃんに紹介される前から京太郎君を一目見て、とっても気になっていたけど、 それが男の子を見た不快感なのか恋心なのか分からなくて、 でも名前を聞いて運命を感じたら、それが恋する気持ちだって気づいたんだよ だからここで運命の人を逃がしたくない、これで恋が成就したら男性恐怖症も克服できるかもしれない、 そんな気持ちもあったと思うよ ……Aちゃんの事を単純だって思う? でも、恋する瞬間なんて誰にも分からないと思うよ 何年も友達だと思っていた相手に、ある日のある一瞬に恋をしてしまう…そんな話は珍しくないもんね 恋は時間に関係なく、一瞬で訪れるものじゃないかな …話を戻すね こうして京太郎君と一緒にいる時間をゲットしたAちゃんだけど、問題があったの それは京太郎君にべったりな女の子が少なくとも二人はいた事 しかも付き合ってるんじゃないかってぐらいの距離で話していた事だったの ………Aちゃんは凄く怒っていた 「私の運命の人にあんなにべたべたと!」って でも、まさかそんな事をその女の子達に言えるわけがなかった 「占いで須賀京太郎が運命の人と出たんです、だから近づかないでください」なんてね 運命の人を信じていてもAちゃんは理性的で頭が良い子だから、そこまで常識外れの事は言えなかったんだ だから黙って見ているしかなかった それにAちゃんには作戦があった、Nちゃんに協力してもらって何とか京太郎君と二人にしてもらおうって考えたの もちろん運命の人云々っていうのは抜きにしてね、彼と話したいって言ったんだ NちゃんはAちゃんの願いを聞き入れてくれて、女の子達を京太郎君から遠ざけたの 一緒にお土産屋に行きましょうって言ってね きっとNちゃんも京太郎君と会ったAちゃんの様子から察していたんだと思うよ こうして京太郎君は部屋に一人になったの そしてAちゃんは京太郎君のいる部屋へ向かったんだ …でも、Aちゃんは京太郎君と二人きりになった何をしたと思う? 洗いざらい話したんだよ 占いで京太郎君が運命の人と出た事、自分はそれを信じているという事をね ところでAちゃんってすごく可愛い子なんだ そんな女の子にあなたは運命の人って言われたら、 普通の男の子だったらコロっといきそうだけど、京太郎君はそうじゃなかった そんな可憐な女の子が焦点の合わない目で熱っぽく語りながら、 こちらへじわじわとにじり寄ってくる様は、まるで話の通じない別次元の存在のようで、 「一緒になろう…」って言って、Aちゃんの両腕が京太郎君の顔ににゅうっと伸びてくると、 もう京太郎君は恐ろしさのあまりその場から逃げ出してしまった… 後で京太郎君から聞いた話だとこんな感じだったんだって…… 私は部屋の外で待っていたんだけど、急に京太郎君が飛び出して外の方へ必死に走っていったから驚いちゃった それで中を覗くと、Aちゃんが一人きりでうなだれながらぶつぶつ何か呟いていた まさかAちゃんが振られちゃうなんて……慰めてあげようと近づくとAちゃんの呟きが聞き取れた 「あの女達が……洗脳したんだ………Nも…敵………運命の人……京太郎………助けなきゃ………洗脳から……」 ……結局、Nちゃん達がうちの旅館にいる間、Aちゃんは家に引きこもっちゃったんだ でも、Nちゃん達が長野に帰って少しすると、急に元気な姿を見せたの 立ち直ってくれてよかった、って思ったけど、Aちゃんのお姉ちゃんから聞いた話だと何だか変なんだって あんなに興味がなかったのに自分のお父さんに宗教的な事について質問するようになったんだって、 最初はお父さんの方も喜んで答えていたけど、段々ついていけない話をするようになったらしいよ 元々、神主さんって修験者さんのように特殊な修行をするわけじゃなくて 大学とかで勉強して資格を得てなるものらしいから、さすがに限界があったみたい するともうそれきり話をすることはなくなって、部屋で何か始めるようになったって お姉さんが言うにはAちゃんの部屋からは何だかお香のようなにおいがして、 聞きなれない言語でぶつぶつ呟く声が聞こえるようになったとか… それが誰かに呪いをかけているみたいで怖いって… もしかしたら、占いのせいでAちゃんオカルトにのめりこんじゃったのかもしれないね… 私達のような麻雀打ちにはオカルトは身近なものだけど、 Aちゃんのやっていることは何だかそれとは違う魔術のようなものらしいからね ああいう魔術めいた事って本当に起こるものなのかな…? 本当に魔術があるとしたら、Aちゃんのやっていることって何なのかな もしAちゃんのお姉さんが言っていたように誰かに呪いをかけているとしたら…… 私達には以前と変わらないように見えるAちゃんだけど、家ではそういう事をやってるなんてね… ちょっと今でも考えられなくって… ……それからAちゃんの前では絶対に京太郎君達の話はしないようにしているの もし、それであの時旅館の部屋の中で呟いていた時のような顔で呪いとかの話をされたらって思うと、 想像するだけで怖くなっちゃって…… これが私のお話です… 次は誰かな…? カンッ

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