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京太郎(岩手の風は心地いいな。それはいいのだが、ここはどこらへんなのだろうか?) 京太郎(駅からそんなに離れてはないが……岩手で迷うというと、遠野物語を思い出す。にしても、腹が減ったな) 京太郎(岩手といえばわんこ蕎麦!だが蕎麦じゃ俺のわがままな胃袋は満たされない。ならば……!)スタスタ… 京太郎(あった!焼き肉屋!) 京太郎「……よし」 店員「いらっしゃいませ!お好きな席にどうぞ!」 京太郎(奥の席は……よかった空いてる。さてと、メニューはこれか。どれどれ……) 京太郎(あった!やはり冷麺は欠かせないな。となると、脇を固めるのは……いわて牛?そうかいわて牛か!) 胡桃「すいませーん!ホルモン盛りと、あと五種盛りと野菜盛りに、烏龍茶6つと、ライスは?」 トシ「私は小盛りでいいよ」 塞「わ、私も小盛りで……」 エイスリン「おおもりー!」 豊音「わたしもー!」 白望「ふつうでいーよ」 胡桃「じゃあ私は大盛りで!」 胡桃以外「え!?」 京太郎(あの子食べるなぁ。まさに小さな巨人。さて俺は……うむ、決まりだ) 京太郎「すいません」 店員「はい、ご注文どうぞ」 京太郎「えと、烏龍茶と冷麺とライス大盛り、それとホルモン盛りと五種盛り、あとナムル盛りをお願いします」 店員「はい、かしこまりました。先に火をつけさせていただきます」 京太郎(あそこの席につられて注文してしまった感があるが、それもまた一興だろう) 店員「お待たせしました。烏龍茶と、こちらナムル盛りに、お肉になります。冷麺もう少々お待ちください」 京太郎(冷麺はまだ少し時間かかるのか。まぁ、取り敢えずは肉だ!ほら、ほら、焼けろ焼けろ……) 胡桃「……お、おおい」 塞「大丈夫?な、何なら私がちょっと……」 豊音「食べきれなかったら私がたべるよー!」 胡桃「ありがと豊音。でも大丈夫!育ち盛りだから!」 塞「…………」 白望「食べさせてー……」 エイスリン「……」ササッ…パッ! 『鳩尾に膝をいれた絵』 白望「……」チッ 店員「お待たせしました、冷麺です」 京太郎(きたきた!これが食べたかった!肉はまだ焼けていないな。よし、冷麺にお酢をかけて……) 京太郎「いただきます」 京太郎(冷麺特有の香りが酢と相まって、鼻の奥を食欲と一緒にそそる。では……うん、これだ!俺はこれが味わいたかった!) 京太郎(独特の麺の食感、深みのあるだしと、キムチの程よい辛さに、酢のアクセントが見事!) 京太郎(おっと、もう肉が焼けるな……うむ、俺好みの焼き加減だ!) 京太郎「はむ、ハフ、ふ、ハフぅ!」 京太郎(いわて牛……話には聞いていたが、赤身の旨味が怒涛のように襲ってくる!米との相性が抜群だ!ホルモンも美味い!箸が止まらない!) 京太郎(箸休め程度に頼んだナムルも絶品だ。これだけでライスは大4つはいける!) 京太郎「がつ、ハフ、あむぅ、ハフハフぅ!はむ、ハフぅ!」 京太郎(ふぅ……迷ったかいがあったな。まさにこの店が、俺にとっての迷い家になったわけだ。ま、持ち帰るのはガムだろうけど……) ーーーーそして 京太郎「ごちそうさまです」 店員「ありがとうございました」 京太郎(なんか、他の人と同じタイミングて店を出るのは、ちょっと気まずい) トシ以外「ごちそうさまでしたー!」 トシ「いいんだよ。さて、それじゃ、また明日から頑張るよ!」 トシ以外「はーい!」 塞「胡桃、ほんとに大丈夫?」 胡桃「食べ過ぎたぁ……」 京太郎(さてと、駅はどっちだろう?) 白望「……」チョンチョン 京太郎「ん?」 白望「駅あっち……」 京太郎「え、あ、どうも……」 塞「シロ、あの人知り合い?」 白望「……べつに」 京太郎(……帰るか) カンッ!

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