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清澄高校麻雀部が奈良県の阿知賀の町に旅行に出て二日目、須賀京太郎が消えた 女子部員達が奈良の史跡を回ると言って出かけていったが、 京太郎だけは眠いので昼まで布団に入っていたいと言って松実館に残った 彼女たちが戻ってきた頃には姿が消えていた 夕食の時間になっても戻らなかったので、いよいよ不安になって探し始めたが足取りをつかむことはできなかった 次の日の朝も京太郎は帰ってこなかった 部員達は警察に連絡をし、滞在を延長して捜索を続ける事にした だが、この事件の真相に彼女達が気づく事はとても難しいであろう 「玄さん」 和が玄に招かれて来たのは、その延長が決まった翌日の夜だった 報酬を得るためである 「和ちゃん、さあこっちだよ」 旅館の地下へと玄は案内していった その使われなくなって久しい地下室の入り口は松実館の薄暗いボイラー室の奥に隠れるようにある小さな引き戸で、 それの存在を知る者は松実館内でも今はわずかであり、 従業員で唯一知っていた板前もつい先月引退して家で老後を楽しんでいる 戸を開けて電気をつけると古い電球たちが主人を迎えるようにぱっとついて階段を照らし、二人はそこを下りていった 玄達が到着すると、中から女の嬌声が聞こえてきた 「京太郎っ!ああっ、京太郎っ!」 「先生の声だね、元気だなぁ~」 「玄さん、早く入りましょう」 和にうながされて玄は戸を開けた 「京太郎、京太郎っ、んむっ…!」 中に入ると京太郎の体をむさぼる全裸の晴絵、そのかたわらに灼が同じく裸で眠っていた 部屋の隅には穏乃がやはり裸で転がっており、憧は晴絵たちから離れてその情事を凝視していながら自分の体をまさぐっていた 「…なかなか壮観な光景ですね」 「憧ちゃんたらやっぱり男の人が怖いんだね、京太郎くんはしばらく動けないのに」 「あの…玄さん、早く私も彼と愛し合いたいのですが……長くなるとみんなにも気づかれるかもしれませんし」 「心配ないよ和ちゃん、上でお姉ちゃんがうまくやっているから……でも先生がもうちょっとかかるかも」 「もう…早くしてくださいよ、誰がこの計画を考えたと思っているんですか」 和は苛々を隠せなかった 「ごめんね…もう少し、本当にもう少しだから」 玄がなだめると、和はふぅ、と大きく息をついた 「…ああ、須賀君……もうちょっとだけ待っていてくださいね、あなたの和はここにいますから」 その頃、上の松実館の廊下では咲が一人さまよっていた 「和ちゃん、どこ行ったの…?それにここどこなんだろ…うぅ……京ちゃん…京ちゃぁん…」 親友を探すはずが、すっかり元いた部屋へ戻る道を見失い、咲は途方に暮れていた と、いつの間にか薄暗い部屋に入っていたらしく、びくびくしながら奥へ進んでいくと、 開きっぱなしの戸を見つけた その戸の向こうには… 「なんだろう、この階段…」 咲はゆっくりとそこを下りていった カンッ

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