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─病室─ 京太郎「肌綺麗ですねー」 竜華「そ、そう?」 京太郎「ていうか、髪とかも凄く綺麗だしシルエットがなんか凄く綺麗!」 怜「……そのアタマ悪い竜華評やめーや」 京太郎「でもマジでびっくりしましたよ。まさか怜さんのお友達がこんな美人なんて……」 怜「……」 怜(はあ。何で見つかってもうたんやろ。京太郎だけには竜華を見付けて貰いたく無かったわ……) 竜華「す、須賀くんはお世辞上手いなぁー!照れるやん!」てれてれ 怜(はあ。案の定既に竜華は京太郎に"好印象"や) 怜(どないしよ。絶対竜華はさりげなく会おうとしてくるやろし、調整が大変になるなあ)どんより 京太郎「今日はいつお帰りに?良ければメシ食べてきません?」 竜華「えっ!?うーん……そやなあ……」あせあせ 怜「こらこら。京太郎、いくら竜華が可愛いからって、口説いたらアカンで。釣り合っとらんで」じとっ 京太郎「そんなつもりじゃないですよー。ただ、お近づきにはなりたいですね」どっ 竜華「な、なんやぐいぐいくるなぁ……私そんな大した存在ちゃうけどなぁ」あせあせ 京太郎「またまた、本当は自分に自信あるでしょ?」 竜華「ないわっ!い、いや、完全にないわけでもないんやけどな?そんな自信たっぷりみたいな感じじゃ……」 京太郎「そうですかー。竜華さんなら何もかも上手く行き放題って印象ありますけどね。初めて会うのに失礼かもしれませんが」あはは 竜華「あはは、流石に過大評価しすぎやん須賀くん。こっちに言わせて貰えば、須賀くんのほうが"上手く行き放題"に見えるで」 竜華(……怜ともえらい深い仲みたいやしな) 怜「もう時間やね。二人とも、来てくれてありがとう」 京太郎「好きで来てるだけですから。怜さんと話すの、もう趣味みたいなもんだし」 怜「そ、そーか。そう言ってくれると嬉しいわ」 怜「……」ちらっ 竜華「……?」 怜「……」 怜「京太郎と出会えてから、うちな、本当に楽しく毎日を過ごせとるんや。京太郎も同じなら……嬉しい」 京太郎「同じですよ。怜さんと過ごすのは凄く落ち着いて、安心しますし、それに怜さんは」 京太郎「俺の運命を変えた人だから」 怜「……そっか」にこっ 竜華「……」 ─ファミレス─ 竜華「須賀くんて……怜と出会ってどんくらいなん?」 京太郎「うーん……一年くらいじゃないですかね」 竜華「えっ!?そんなに!?」 京太郎「え?」 竜華「いや、自慢やないけど、うちは怜のことならかなり知ってるって自負してんねん」 竜華「だから一年も須賀くんの存在自体を感じられなかったのは、不思議やなって」 京太郎「まあ……多分怜さんの計略だと思いますよ」 竜華「どういうこと?」 京太郎「怜さんはあれでかなり繊細というか、寂しがりな人ですからね」 京太郎「俺が怜さんの友達に出会ってしまえば、必然的に二人で会う時間は減ると思うので、それを怜さんは嫌がったんじゃないかな」 竜華「ほぇー……須賀くんて、本当は少し腹黒い人なん?」 竜華「正直驚いたわ。怜の気持ち、完璧に気付いとるやん」 京太郎「勘弁して下さいよ……そういうわけじゃありませんから」 京太郎「ただ、俺と怜さんが深い絆で繋がっていると……信じたいだけです」 竜華「……」 竜華「そういや、怜を"運命を変えた人"と言ってたけど、理由とか聞いてええ……?」 京太郎「……気になります?」 竜華「当然!」にっ 京太郎「俺、一年前までかなり適当に暮らしてきたんですよ」 京太郎「所謂軽い男みたいな……なよなよしてて、ふらふらしてました」 京太郎「病院で怜さんに出会って、怜さんの話を聞いて、怜さんに触れて、俺は自分が変われると確信したんです」 京太郎「怜さんと一緒に居れば、俺の求めてたものをくれるって。実際、足りてなかったものが埋められていく感覚を、手に入れられましたから」 京太郎「性格も、本当はこうやって竜華さんと話したり出来なかったですよ、昔は。緊張が先に出て」 京太郎「怜さんのおかげです。何事も落ち着いて見ることが出来るようになった……俺の世界が変わりました」 京太郎「怜さんと会えて、本当に良かった……」にこっ 竜華「……そうか」 竜華「……」ぎり 竜華(そういや、怜も一年前くらいかな、それくらいからよく笑うようになったわ) 竜華(そういう仕組みやったんやね。成る程なあ、お互いに、本当に良い出会いになったってことか) 竜華(羨ましいなあ。私そんなんしたことないわ) 竜華「……」じっ 京太郎「はは。サムイ話しちゃって申し訳ないです」 竜華(ええなあ、怜。こんなええ男にこんな想われてて) 竜華(……ええなあ、羨ましいなあ)ぎりぎり 竜華(って。嫉妬しとるんか。情けないなうちも。怜に運命的な出会いがあったってええやんな。病弱で辛い毎日送っとったわけやし) 竜華(不運に染められた生活の苦痛は、同量の幸運によって取り払われるってわけや) 竜華(良かったやん、怜) 竜華(祝福するし、応援するで。須賀くんのこと好きなんやろ?わっかりやすいでほんま) 竜華(でも……でもな) 竜華(正直言ってな) 竜華(私のほうが、怜より須賀くんを幸せに出来ると思うねん) 竜華(解るやろ?怜は色々と"制約付き"やもんね) 竜華(病院で須賀くんに言ったこと、撤回やね。私いま、凄く自信に溢れとるわ) 竜華(なあ、怜。うちら親友やろ) 竜華(おすそ分けをもらうくらい、許してほしい) 京太郎「……?どうしたんですか、竜華さん」 竜華「え?」 京太郎「すっごい楽しそうな笑顔してますけど」 竜華「……」 竜華「──あ、そう?そうか……はは、いや、心温まる話聞かせてもらったしな、そういうカオにもなるで、あはっ」 竜華「……なあ、須賀くん」 竜華「このあともうちと、遊びに行かへん……?」 竜華「大阪のおもろいとこ、たくさん知っとるで……♪」 ── ─一月後─ 竜華「怜ー!お見舞いきたでー!」 怜「もうちょい静かにしいや……」あきれ 怜「……ん?」 京太郎「こんにちは、怜さん」ひょこっ 怜「……なんで京太郎もおるん?なんで二人で来てん」 竜華「なんか偶々会ってな?なあ、"京太郎"?」 京太郎「ま、まあ、そういう事ですね」 怜(おかしいなあ……何かおかしい) 怜(何なんやろ。何がおかしいんやろ?) 怜(京太郎と竜華が今、肩が触れ合うくらい近くに立ってるのも) 怜(お揃いのアクセサリーをカバンに付けてるのも、下の名前で呼び合ってるのも) 怜(一ヶ月という期間を考えれば、そんくらい仲良くなるのは自然なことやんな) 怜(うーん……うちは何をおかしいと思っとるんやろか?) 竜華「……」ぺろり 竜華(怜。感謝しとるで) 竜華(うちと京太郎を引き合わせてくれて) 竜華(京太郎はとんでもなく良い男や。本当に、心から申し訳無く思うで) 竜華(──ごめんな、怜) 竜華(その白いベッドからただただ指をくわえて) 竜華(これから先も、ずっと二人で生きていくうちと京太郎の姿を見せてしまうことを……ふふっ)にこっ 竜華「あはははっ……♪」 怜「……?」じとー カンッ

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