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「あー、久々の風呂だ・・・」
夏場であるならシャワーで済ましてしまうものだ、何より熱気が凄い
そう、熱気。サウナに入り込んだような濃厚な暑さ、否。熱さだった。
あの会場は、あの場所は、IHは。
「・・・俺じゃ行けるわけない、か。」
麻雀を始めて僅か3ヶ月と少し、初心者の殻すら破れてない彼には遥か遠い天の上にある舞台だ。
そんな場所に、彼女達はいる。
そんな場所で、彼女達は輝いてる。
誇らしい反面、嫉妬ともいえる感情が出てくる。何より悔しさの比重が大きいのは当人すら知らない。
IH終了後、自分に指導の時間を割いてもらってるのはありがたいし、感謝もしてる。
楽しい、が悔しい。
強くなりたい。
「ま、んなこと言っても仕方ねーか。」
そう言って風呂の手すりに手をかけてたら―――
「んおっ!?」
手が滑ったのか頭から湯船に入り込む。
直ぐ頭が風呂の底にぶつかり、変な形で身体を沈める形となった。
少々混乱するも酸素を得ようと体勢を整え、水面から顔を出したら―――
「・・・あんた、誰だ?」
名も知らぬおっさんが風呂に浸かっていた。
京太郎は後に知る阿佐田哲也氏との出会いである。
続カンッ