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久「ん~……須賀くん、遅いわね~」キュッキュッ まこ「確かにのぅ。それより珍しいのぅ、あんさんが自分から牌磨いとるなんて」 久「全国大会も終わったことだし、これからは私が雑用に回って須賀くんに打たせてあげようと思ってね~」キュッキュッ 和「そうですね。須賀くんは文句も言わずにずっと私達のサポートに回ってくれていましたし、申し訳ないことをしました」 優希「でもあの犬、地区大終わったくらいから上手くなっていってたじぇ?」 和「そう言えば、そのようですね。ネット麻雀は続けていたようですし、そのおかげでしょうか?」 久「それでも、実際に打つこと以上に上達する道は無いものだし、今日からはビシバシ行くわよ~」 まこ「ふぅ…ほどほどにしときんさい…」 優希「それにしても、咲ちゃんも遅いじぇ。寝坊か?」 和「朝、携帯でお話しましたので違うと思いますよ。きっともうすぐ…[タッタッタッタッ]あ、噂をすれば…」 ガラッ! 咲「た、大変!!大変だよ!!京ちゃんが…京ちゃんが!!」 久「ちょっとどうしたの、咲?要領を得ないわ。落ち着いて話しなさい」 まこ「ほれ、咲。深呼吸じゃ」 咲「は、はい。スーッ、ハーッ…」 和「それで、何があったんですか?」 咲「そ、それがね…京ちゃん、今日で部活辞めて転校する、って……」 一同『ええぇぇっっ!?!?』 久「ちょ、ちょっと、咲!それどういうこと!?」 咲「わ、分からないんです…京ちゃんはたった一言、ごめんって言っただけで…」 優希「っ!!」ダッ 和「あっ、優希!!」タッ 久「私達も追うわよ!」 まこ「今はそれが最善じゃのぅ!ほれ!咲も急ぎんさい!」 咲「は、はいっ!」 ~~~~~~ 京太郎「お待たせしました」 京太郎「いや、いいんだ。俺がここの部には合ってなかった。きっとそれだけだから…」 京太郎「あはは。そうだな。あの人はとても…」 ―――― 優希「っ!!見つけたじぇ!!」 久「よくやったわ、優希!」 まこ「?妙じゃのう?京太郎の奴、何一人言呟いておるんじゃ?」 優希「おいっ、犬っ!」 京太郎「!?」 優希「お前、なんで辞めるんだじぇ!!」 久「そうよ、須賀くん!どうしてこんな急に!?」 京太郎「………」 まこ「のぅ、京太郎。黙っとらんと何か言ってはくれんか?」 京太郎「……俺は…」 咲「み、みん、な…ハァ、ハァ…速い、よ~」 和「ま、全く、です…ハァ、ハァ…あら?貴女は鶴賀の?どうしてここに…?」 っぱりさすがッスね、おっぱいさん」スゥ… 久優ま咲「!?」ビクッ! モモ「今は割と意識してステルスしてたッスけど、京さん以外にこれだけはっきり見えるのはおっぱいさんくらいですよ?」 優希「お、お前は!鶴賀の副将!」 久「東横さん、だったかしら?和の質問を繰り返すようだけど、どうして貴女がここにいるのかしら?」 モモ「どうして、って…そんなの、京さんを迎えに来たに決まってるじゃないッスか」 咲「っ!!」 まこ「……それはつまり、鶴賀が京太郎を唆した、とそういう事なんかの?」 モモ「唆したなんて…」 ゆみ「それは少し人聞きが悪過ぎやしないか?」 久「!!ゆみ…」 モモ「あ、先輩~、遅いッスよ~♪」 ゆみ「いや、すまない。少しご老人に道案内をしていたものでな」 モモ「も~、先輩はホンットにいい人ッスね!」 京太郎「おはようございます、ゆみさん」 清澄s「!?」 ゆみ「ああ、おはよう、京太郎」 久「……ゆみ?一体これは、どういうことかしら?」 ゆみ「ん?ああ、これは…」 京太郎「いえ、いいです、ゆみさん。こうなった以上、俺が自分で説明しますよ」 ゆみ「ふむ、そうか。なら任せるとしようか」 京太郎「はい」 咲「きょ、京ちゃん…」 京太郎「部長、いえ、竹井先輩。地区大の後の合宿の時のこと、覚えてますか?」 久「……えぇ」 京太郎「鶴賀の皆さんに初めて会ったのはあの時です。竹井先輩に頼まれた荷物を届けに行った際、偶々外に出てきていたモモに会いました」 モモ「いや~、あの時はビックリしたッスね~。まさか声を掛けられるとは思って無かったッスから」 京太郎「先輩に荷物を渡した後、モモと話を弾ませまして、そこに…」 ゆみ「モモを探しに来た私が来た、という訳だ。聞けば京太郎はサポートばかりで碌に麻雀を打てていないらしいじゃないか」 京太郎「そうしたら、ゆみさんが提案してくださったんです。鶴賀でよければ、清澄が休みの日に練習に付き合ってくれる、って」 ゆみ「初めの内は合宿を開いてくれた久への恩返しのつもりだった。だが…」 モモ「京さんは鶴賀でメキメキと力を付けていったッス。ゆみ先輩の指導も然ることながら、かおりん先輩と初心者同士切磋琢磨出来たのが大きかったんじゃないッスかね?」 ゆみ「私も綿が水を吸うように教えを吸収していく京太郎に興味を持つようになり、そしていつの間にか…」 モモ「私だけかと思ってたんスけどね~。先輩もだったと知った時は驚いたッスよ」 京太郎「いや、驚きの具合で言えば俺の方が大きいだろ」 モモ「ま、そッスよね~。ある日突然2人の美少女から告白なんてされたとあっちゃあ、驚くなって方がムリってもんッス!」 清澄s「!?」 京太郎「いやいや、自分で言うなよ…」 優希「ま、まさか、それが理由だって言うのか?」 京太郎「……ちょっと違う、かな?それが決定打、って言った方が正しい」 咲「そん、な…」 京太郎「俺ってさ、どうやら雑用とかするのが性に合ってるみたいでな。鶴賀で練習させてもらってる時にも清澄の時と同じくらいの量の雑用もやってたんだわ」 和「え?でも、それでは…」 京太郎「鶴賀も部員5人にプラス俺で6人。1卓囲んで残り2人がフリーになるだろ?その時間で十分こなせたんだ」 ゆみ「よく気が利いて色々なことを器用にこなし、そして麻雀も着実に上達していく。そんな京太郎を近くで見ていて、惚れるなという方が無理な注文だろう////」 京太郎「俺の方も、なんです。ゆみさんもモモも、何も分かってない俺に本当に基礎的なことから根気強く教えてくれて…気がついたら、2人に惹かれている俺がいたんです」 まこ「…………決意は、固いんじゃな?京太郎…」 京太郎「はい…」 まこ「そうか……なら、わしはもう何も言わん」 京太郎「すみません…」 久「ちょっと、まこ!そんな簡単に諦めるとか…!」 まこ「久…現実を見んさい。わしらは何もしてやれなかった、ただそれだけじゃ。それが悔しいがの…」 久「そんな…そんなこと……ほ、ほら!優希!和も咲も!何か…」 優和咲「…………」 久「うっ……」 京太郎「申し訳ないとは思っています。けれど、俺は清澄高校の麻雀部には合ってなかったんですよ、きっと… 皆さん、お世話になりました。今日までありがとう。清澄での生活も、これで色々と楽しかったよ」クルッ ゆみ「……もう、いいのか?」 京太郎「はい。お手数お掛けしました」 ゆみ「なに、問題ない」 モモ「そうッスよ。京さんは京さんのやりたいようにやればいいんスよ。これまでも、これからも、ね」 京太郎「ああ、そうだな…そうさせてもらうよ」 カン!

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