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ありがとう、京太郎くん。 あの時、背中を押してくれなかったら……私の恋は終わってた。 だから……私、必ず幸せになるから。あの人と幸せになるから。 京太郎くんも好きだと言ってくれた、キラキラな笑顔で―― ――夜の公園 京太郎(大好きだったあの人から届いたメールなのに……) 京太郎(初恋が終わったのに、何故だか不思議と悲しくないな) 京太郎「……」 「隣、いいかな?」 京太郎「無理して座らなくても、座るなら他にもありますよ?」 「ううん、私は……京ちゃんの隣がいいかな」 咲「駄目かな?」 京太郎「………………なんだ、咲か」 咲「むっ、なんだは無いんじゃないかな」 京太郎「別にいいだろ…………今は一人になりたいんだ。だから、さっさと帰って――」 咲「よいしょっと」座り 京太郎「おい!」 咲「いいから、いいから」 京太郎「あのな、俺がよくな――」 咲「はい、ホットコーヒー。私のおごり」 京太郎「……」 咲「……」 京太郎「…………貰うよ」 咲「はい、どうぞ」 京太郎「……」咲「……」 京太郎「……聞かないのかよ」 咲「聞いて欲しいの?」 京太郎「別に……」咲「なら、聞かない」 京太郎「……」咲「……」 京太郎「……」咲「……」 京太郎「今日さ……」咲「うん」 京太郎「……あの人とのデートしてたんだ」 咲「あの人?あ、あの人のこと?」京太郎「その人」 京太郎「デート中にふと、あの人が悲しそうな顔で何かを見てることに気がついてさ」 京太郎「…………視線の先にあの人の好きな人が信号待ちの車に乗ってた」 京太郎「今日さ、実はその好きな人が結婚する日だったらしくてさ」 京太郎「好きな人が幸せになるならって自分を偽って、俺とのデート中も無理して笑って」 京太郎「それ知ったら、俺。気がついたら、あの人の背中押してた」 『好きなら――!!』 『無理して笑わないと駄目なぐらい好きなら!!簡単に偽るなよ!!告げろよ、気持ちを!!』 『まだ間に合うだろ!!なら走れよ!!そいつの所まで!!今すぐに!!』『京太郎くん……』 『俺は……俺は……アナタのキラキラした笑顔が好きなんだ……だから』 『また、あなたが大好きな笑顔に戻れるように……今は走ってください』 『告げてください、自分の気持ちを……』『ありがとう……京太郎くん――』 咲「……そうだったんだ」 京太郎「バカだよな、俺……自分の気持ちを偽ってるのはどっちだって……」 京太郎「……」咲「……」 咲「…………京ちゃんは優しいね」 京太郎「なんだよ、それ……ただ、ヘタレ――」 ――すっと人差し指を伸ばし、咲は京太郎の口を塞いだ。 咲「京ちゃんは優しいから。誰かのことを考えられる優しい人だから」 咲「だから、自分のことを後回しにしちゃうだけ……私ね」 咲「そんな優しい京ちゃんが、私は大好き」 咲「京ちゃんの笑顔はいつも、私に笑顔をくれるから……」 ――人差し指を京太郎の口から離し、咲が優しく微笑む。 ――優しい笑顔で胸の中が暖かくなる。 ――その暖かな気持ちがゆっくりと広がっていくのを感じた。 京太郎(そっか……俺、憧れてたんだ。あの人に) 京太郎(いつも笑顔で、みんなを笑顔に出来る……そんな姿に憧れて) 京太郎(追いかけてたのはあの人みたいになりたくて……) ――初恋は実らない。 ――そりゃそうだ。"憧れ"は"恋"ではない。 ――なら、俺もいつか……あの人みたいに笑顔になろう。 ――これが本当の"恋"の始まり。 ――まずはこの気持ちを育てよう。 数年後……。 友人として、京太郎と咲はあの人の結婚式に参列した。 好きな人と結ばれ、キラキラな笑顔をしたあの人が真っ白なドレスに包まれていた。 咲「あ、ブーケ・トスするみたいだね」 京太郎「ブーケ・トス?」 咲「うん、受け取った女性が次に結婚ができるんだ」 京太郎「へー」 京太郎(…………背中を押したんだ。ちょっとぐらいならバチは当らないだろ) あの人が咲の居る方へとブーケを投げる。宙に浮くブーケを京太郎は高く飛び上がり、キャッチした。 それを見て、京太郎が何をするのかを気がつき、あの人は軽く唇を動かした――京太郎くん、ありがとう。 咲「ちょ、ちょっと!?京ちゃん!?駄目だよ。京ちゃんが取っ――」 京太郎「――咲!」咲「へ?」 咲の目の前に立ち、ブーケを突き出す。 京太郎「好きだ」咲「え?」 京太郎「好きだ、咲。一人の女の子として、俺はお前が、咲が好きだ!咲が大好きだ!!」 咲「え?あ!それって……//////」 京太郎「だから――」 咲「あ、う、えっと/////」 京太郎「俺と結婚してくださいっ!」 京太郎「……」咲「その/////」 咲「きょ、京ちゃん/////」 咲「順番が、逆だから……ね/////」 咲「まずは恋人からだよ/////」 京太郎「あ!」咲「だけど//////」 咲「幸せにしてね、京ちゃん/////」 京太郎「幸せにするよ、必ずな!」咲「うん!」 カン

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