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京太郎「う~~レンジレンジ」 京太郎(今、レンジを求めて全力疾走している俺は大阪の姫松高校に通うごく一般的な男子生徒) 京太郎(強いて違うところをあげるとすれば、おもちに興味があるってとこかナ――名前は須賀京太郎) 京太郎「なんて言ってる場合じゃねー!学食混み過ぎなんだよ!」 京太郎「しかもレンジの前には長蛇の列!唐揚げ温められねーじゃん!」 京太郎「くそっ、どうにかならないのか……!」 「なんだよ、レンジ使えないじゃん。どうする?」 「たしか職員室か麻雀部にはあったと思うけど、どっちも入りづらいよな」 京太郎「なに?職員室と麻雀部?」 京太郎「うーむ、職員室には行きたくないけど麻雀部なら……」 京太郎「よし、行ってみっか」 ―――――― 京太郎「すいませーん」 「誰もおらんで~」 京太郎「じゃあ失礼しますねー」 「ちょっ」 洋榎「ボケスルーとかきっついわ」 京太郎「ここ、麻雀部でいいんですよね?」 洋榎「こっちの話は聞く耳なしかいっ!」 京太郎「あっ、漫才なら他を当たってください」 洋榎「なんや、つまらんなぁ。軽くへこむわ……」 京太郎「それよりレンジ使わせてもらっていいですか?」 洋榎「はぁ……そこにあるから好きに使ってもええで」 京太郎「そういえば、他の部員の人たちはいないんですか?」 洋榎「今は昼休みやからな」 京太郎「で、君は一体――」 洋榎「よくぞ聞いてくれました!強豪姫松の主将、愛宕洋榎とはうちのことやで!!」 京太郎「へー」 洋榎「反応うっす!」 京太郎「いや、名前じゃなくてここでなにやってるか聞きたかったんですけど」 洋榎「あ、そうですか」 ―――――― 京太郎「おし、温まった。唐揚げ唐揚げ~」 洋榎「お、うまそうやなぁ」 京太郎「でしょ?昨日テレビでやってて、おいしそうだったから作ってきたんですよ」 洋榎「おお!あんたも見たんか、あれ」 京太郎「てことは愛宕さんも?」 洋榎「名前で呼んでもええで。名字やとちょいややこしいからなぁ」 京太郎「はぁ……あ、俺は須賀京太郎っていいます」 洋榎「じゃあ京太郎やな。ささ、せっかくやからここで食べてけや」 京太郎「いいんですか?俺、部外者ですけど」 洋榎「唐揚げ冷めてまうやろ」 京太郎「じゃ、お邪魔しますね」 ―――――― 京太郎「うーん、我ながらうまいっ」 洋榎「……じー」 京太郎「……昼、食べてないんですか?」 洋榎「早弁してもうたわ」 京太郎「食べます?」 洋榎「ホンマに!?」 京太郎「とりあえずヨダレ拭きましょうか」 洋榎「すまんすまん……ほな、いただきまーす」 京太郎「……どうですか?」 洋榎「まぁ、うまいと思うで」 京太郎「なんかリアクション控えめっすね」 洋榎「なんというか、普通においしくてコメントに困るわ」 京太郎「くっそ、こうなったら……これだ!」 洋榎「レモン……やと?」 京太郎「唐揚げの真価はレモンをかけてからですよね」 洋榎「邪道や!うちはそんなもん認めへんで!」 京太郎「洋榎さん、まさか……唐揚げはそのままが一番派?」 洋榎「京太郎こそ、唐揚げにレモン派やったとは……」 京太郎「これは――」 洋榎「戦争は――」 「「――避けられないっ!!」」 ―――――― 絹恵「お姉ちゃーん……と誰?」 洋榎「絹!こいつは敵や!唐揚げにレモン派や!」 絹恵「え、え?唐揚げ?」 洋榎「ほら、絹も言ったれ。唐揚げはそのままが一番やって!」 絹恵「あ、あはは……」 絹恵(言えへん。基本的にかけないけど、おいしければどっちでもいいなんて言えへん) 京太郎「……」 絹恵「え、なに?」 京太郎「俺、レモン派やめます!」 洋榎「はぁ!?」 絹恵「てか、私手ぇ握られとる!?」 京太郎「是非俺とおもち……じゃなくて、お友達になってください!」 絹恵「は、はぁ……」 洋榎「こらー!絹から離れんかい!」 京太郎「洋榎さん、妹さんがいるなら俺も麻雀部に入ります!」 絹恵「えぇっ!?」 洋榎「認めへん!絶対認めへんからな!」 カンッ

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