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『決勝戦決着ー!!優勝は清澄高校1年、宮永咲ー!!』 照「強くなったね・・・・・咲」 咲「お姉ちゃん・・・・・・うんっ!」 大歓声に包まれながら二人の姉妹は数年ぶりにようやく笑い合った。 まこ「こりゃ本気でたまげたわい・・・・・・」 久「ホント!まさかいくらチャンプの妹とはいえ優勝しちゃうなんてねぇ」 優希「こうしちゃいられないじぇ!咲ちゃんのところへ行くじょ!」ダダダッ 和「あっ、もうゆーきったら!」タタッ 激戦を見守っていた部員たちも一斉に咲の下へ駆け出す。 ただ一人須賀京太郎を除いて。 京太郎「遂にこの時が来たか・・・・・思えば長かったな」 京太郎は目を閉じ、宮永姉妹のこれまでを思い返す。 ・・・・・・・・・ 照と咲の中がここまで拗れた原因は色々あるが、その中で最たるものはやはり咲の両親の離婚だった。 照は母についていき東京へ、咲は父につき長野に残った。 物理的にも心情的にも遠く離れた二人。 照と咲、二人の仲はここで完全に引き裂かれたと思われた。 しかし、心の奥底では二人ともそんなことを望んでいなかった。 たとえ口では何と言おうがやはり二人は仲のいい姉妹だった。 また昔みたいに二人寄り添って笑い合えたらと思っていた。 だから必要だった。 傷ついた咲が心を閉ざす前に優しくその心を開かせられる人物が。 麻雀を嫌いと言っているにも関わらず、強引にでも再び麻雀に触れさせる機会を作る人物が。 そして全国で姉との再会を果たせるよう彼女に全力で麻雀に取り組める環境を作れる人物が。 だがそんな都合のいい人物など存在するはずもない。 京太郎「――だから俺が生まれた」 並外れたオカルトは時にこの世の摂理すら動かしうる。 照と咲。屈指のオカルトを持つ姉妹の強い願いはある一人の人物を"創り出した"。 須賀京太郎。宮永姉妹の仲違いを解決させるためだけの存在。 そんな彼は自分の使命に従い、その望みを果たした。 それが彼の身に何をもたらすのか。 京太郎「ハハッ。まぁ、やっぱこうなるよな」スゥゥ… 彼が両の掌を見ればその先の床まで透けて見えていた。 須賀京太郎という存在は生まれ方に多少の違いはあれどほぼ幽霊といわれるものと同様だった。 幽霊は未練を果たせば成仏する。 ならば使命を果たした京太郎も存在する理由を失ってこの世から消滅するのだろう。 そして本来この世に存在するはずのなかった存在のもたらした結果は世界によって修正される。 きっとこれまで今日太郎に関わってきた人物すべての記憶から須賀京太郎は消える。 それは生み出した二人の脳内からも。 京太郎「別に消えるのが、忘れられるのが怖いわけじゃない。それこそが俺の生きる意味だったんだから」 あくまでその顔に穏やかな笑みを浮かべながらその身を空に解かしていく。 そして須賀京太郎は最後の瞬間に願った。 京太郎「咲。きっとこれからも色々あると思うけどもうお前は一人じゃない。 もう架空の幼馴染なんかいなくても照さんや麻雀部のみんながきっとお前の力になってくれる。 だから・・・・・・」 ・・・・・・・・・ 優希「咲ちゃーん!おめでとうだじょー!」ダキッ 咲「ゆ、優希ちゃん?!」 和「ゆーき!嬉しいのはわかりますがせっかく宮永さんがお姉さんと話していたのに・・・・・・」 照「気にしないで。それにこれからはいつでも咲とは話せるから」ニコッ 咲「お姉ちゃん!」パァ 久「あら、お姉さんとは仲直りできたのね。よかったわ」 まこ「泣かせる話じゃのう」 ――咲、幸せにな・・・・・・―― 咲「あれ?涙が・・・・・」ポロッ 照「咲?泣いてるの?」 咲「えっ、あれ?何でだろ・・・・・」ポロポロ 優希「きっと嬉し過ぎて涙が止まらないんだじぇ!!」 和「そうですか。よかったですね、咲さん」ニコッ 咲「・・・・・・うん!」ニコッ カンッ!

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