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助っ人京ちゃんSeason6 まこ「………」バンッ 優希「………」バンッ 和「………」バンッ 咲「………」バンッ まこ「………」バンッ 優希「………」バンッ 和「………」バンッ 咲「………」バンッ まこ「……ふむ、脇のしめが甘かったのう」 優希「……うーん、私はやっぱり軽すぎるからもう少し勢いが欲しいじぇ」 和「……気づいたら重心のバランスがズレてました」 咲「…………これじゃ殺れない」 まこ「……ふぅ」 優希「……はぁ」 和「……んん」 咲「………」 久「…ここはいつからサンボの教習所になったのかしら?」 まこ「近頃は物騒じゃからのう、女子でも身を守るためのたしなみじゃ」 久「護身術のレベルを明らかに超えているんですけどそれは」 優希「使っている人形は『ダミーヒッサちゃん』っていうんだじょ、それぞれ後に1号、2号、V3、Xってつくじぇ」 久「ああ、マンはいないんですね、わかりました」 和「今回顔は描けませんでしたが、身長と体重は完璧に再現してあります この際、衝撃を受けたら声が出るようにしておけばよかったかもしれませんね…」 久「完璧にって…誰のを再現してあるんですかねぇ」 咲「……」 まこ「この中じゃ体力が一番ないはずの咲が最も熱心に練習しているんじゃ」 久「あら、そう…割と知りたくない情報だったわ…」 咲「京ちゃん…演劇部に貸し出し…うちだけかと思ったら色んな高校に… 昨日は鶴賀で『走れメロス』、おとといは風越で『シンデレラ』、三日前はうちで『ポラーノの広場』…」 まこ「風越では京太郎が王子役になったものだからシンデレラ役を巡って、 殴り合いになりそうだったと言うしのう… 鶴賀ではメロス役の京太郎が裸になると思っておった連中が、 結局、京太郎が脱がなかったので暴動が起きかけたと聞いておるわ」 和「こんなに各高校の演劇部が劇を催すなんて…ひどい偶然もあったものですね」 久「え、え~とね…須賀君っていろんな助っ人に行ってたから自然に長野県内で広く知られるようになっちゃったのよ… それで他の高校も須賀君を借りたいって言い出したんだけど、競技的なものには出られないから演劇でってことで… それにしても須賀君ってほぼ当日参加みたいなものだったのに、すぐに台本覚えて舞台に立てちゃうってのも凄い話よねぇ~…」 優希「要するに自分のせいではなかった、といいたいわけなんだな……?」 久「はい…」 まこ「今日は龍門渕か…早いとこ戻ってきてもらわんと咲のストレスがもう限界を突破しそうじゃからのう」 和「咲さんは…いま裸絞めの練習をしていますね」 咲「……」ギリギリギリ… ブチィッ まこ「おお、人形の首が派手に千切れおったわ!耐久に少し問題があるんかのう、改良せんと」 久「ひさ…ひささささ…!」カタカタカタ… ………… 龍門渕高校 英語劇「テンペスト」(ウィリアム・シェイクスピア)上演中 透華(エアリアル)「Prospero,allthisserviceHaveIdonesinceIwent.」キラキラキラキラ 京太郎(プロスペロー)「Mytricksyspirit!」 演劇部員A(アロンゾ)「Thesearenotnaturalevents;theystrengthen」 ??「ハギヨシよ!きょーたろーの英語もなかなかのものではないか! 目を閉じて聞けば外つ国人と間違うほどだ! …しかし、とーかの衣装は空気の精にしては少し…いや相当に派手ではないか? それにやはりエアリアルは男だったはずではないか…?」 ??「左様でございます、 しかしながら透華お嬢様がどうしても彼と共演をしたいと仰りましたのでキャスティングに若干の変更がございます… ミランダが女性役では最も目立つと知ってはいましたが、結婚シーンを嫌がりまして… そこでエアリアルを女性にして、更にプロスペローには従っても対等な友人という設定にしたという事でございます… ですので『Sir』と呼びかける部分では名前を呼ぶように変えてあります」 ??「ふむ…まあ、とーかがそれで楽しんでいるのであれば衣はよいのだが……」 京太郎「Nowmycharmsareallo'erthrown, AndwhatstrengthIhave'smineown, Whichismostfaint:now,'tistrue, Imustbehereconfinedbyyou, OrsenttoNaples.Letmenot, SinceIhavemydukedomgot Andpardon'dthedeceiver,dwell Inthisbareislandbyyourspell; Butreleasemefrommybands Withthehelpofyourgoodhands: Gentlebreathofyoursmysails Mustfill,orelsemyprojectfails, Whichwastoplease.NowIwant Spiritstoenforce,arttoenchant, Andmyendingisdespair, UnlessIberelievedbyprayer, Whichpiercessothatitassaults Mercyitselfandfreesallfaults. Asyoufromcrimeswouldpardon'dbe, Letyourindulgencesetmefree.」 ワァァァァ パチパチパチパチパチパチパチパチパチ!ブラボー!ブラボー! 透華「ウェヘヘヘ……目立ってますわ…最っ高に目立ってますわぁ~…ウェヘヘヘ」キラキラキラキラキラ… ??「なに言ってたか分かんないけどとにかく拍手だしー! 今度またもっかいうちでシンデレラやって私を主役に指名しろだしー!」パチパチパチ ??「姉ちゃん…それよりあの妖精さんの顔が怖いんだし…なんぞにとりつかれてそうだし…」 ??「ああんもうっ!ああんもうっ京太郎くんってばどこまで素敵なのー!! 走れメロスで脱がなかったのは残念だけど!!いいわ!今度あなたの目の前で私が脱いであげるぅー!!」 ??「ワハハ…かおりん、そんなこと叫んだら場合によっちゃ逮捕されるかもしれないぞー……」 ??「とーーかー!素敵だったよー!京太郎君もかっこよかったよー!」 ??「ああ、舞台の最後であんな顔を晒さなければ更によかったよな…」 まこ「…結局わしらも来てしまったが」 和「あの…劇中の台詞って全部英語なんですけど……それも覚えたんでしょうか」 咲「うーん、覚えてたっていうほうが正しいかも…京ちゃん中学のとき”私と一緒に”シェイクスピア読んだことあるし」 優希「そうだったのかー、そんな”遠い遠い過去に”読んでたのを覚えてたんだな~」 咲「……」 優希「……」 久「私の身の安全は確保された筈なのに何故かしら…今度はお腹が痛くなりだしたわ…」 ………… 京太郎「ははは、なんだあの時みんなで観に来てくれてたのかー!」 咲「うん!かっこよかったよ京ちゃん!」 まこ「やれやれ…咲の機嫌も戻って何よりじゃ」 和「もう少しダミーヒッサちゃんで遊んでいたかったんですけどね」 優希「あれ全部片付けたはずだったけど…あのとき千切れた頭が見つからないんだじぇ……」 京太郎「部長が議会の仕事が終わってこっちくるまで、ちょっと仮眠取らせてもらおうかな…… ん?なんかベッドの下に転がってるな……なんだこれ、人形の頭っぽいけど…」 清澄ーズ「!?」 京太郎「ふーむ……」 清澄ーズ「……」アセダラダラ 京太郎「Alas,poorYorick!Iknewhim,Horatio……ってか、はは」 清澄ーズ「……」ホッ… 咲「は、ハムレットだね!中学の時に”私のそばで一緒に”読んだ」 優希「へー”ずーっとずーっと昔に”読んだハムレットかぁ~」 咲「………」 優希「………」 京太郎「?」 まこ「…まだ機嫌は完全にはなおりそうにはないのう」 カンッ

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