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京太郎「なぁ」
塞「なに?」
京太郎「塞は結婚って考えたことあるか?」
塞「また京太郎の無駄話が始まった。その内、人間どこから来てどこへ行くの?宇宙に果てはあるの?とでも聞くつもり?」
京太郎「悪かったよ。で、人間はどこから来てどこへ行くの?宇宙に果てはあるの?」
塞「チッ……」
京太郎「ニヤニヤ」
塞「結婚ねぇ。まぁ、私も女だしそういうのに憧れがなかったかって言われれば嘘になるけど」
京太郎「けど?」
塞「たとえば、友誼も情愛もその場の気分次第だけど結婚っていうのは社会契約なわけでしょ?」
京太郎「身も蓋もねぇな」
塞「現代の女性は古典的な結婚願望って薄れてきてるんだよね」
塞「恋愛と将来は別物だし、私は一人で生きていけるようにしてるつもりだから、相手に経済力を期待してないし」
京太郎「つまり結婚は必要ないと?」
塞「そうは言い切らないよ」
塞「こういう説がある。勤め人が職場に家族写真を飾るのは、家族愛からではなく、家庭を作り愛する程度には社会に属しているっていう自己表明らしい」
京太郎「つまり、自己の愛情ではなく社会的な体裁のための結婚ということか?」
京太郎「精神的な自己と社会的な自己の乖離。現代人の重症な分裂だな」
塞「そんな話をしてるんじゃないの。ただそういう側面もある、ってこと」
塞「逆に愛されることに飢えてるから、社会的地位も財産も度外視で結婚を求める人もいる。これは女性に多いね」
塞「私の知り合いにも何人かそういう人いるし」
京太郎「大きなお世話かも知れないが、友人は選んだほうがいいぞ」
塞「選んでたら私は真っ先に京太郎と縁を切ってる」
京太郎「それはどうもお優しいことで」
塞「聞き返すけど京太郎はどうなの?」
京太郎「どう、とは?」
塞「自分が複数の女性から好意を持たれてるっていう自覚くらいはあるでしょ?」
京太郎「え?そう……なのか?」
塞「君を水に放り込んだら頭とお尻がポッコリ浮かんできそうだね」
京太郎「いや待て。うん、多少は心当たりがないわけじゃあないけど、そうなの?」
塞「そうなの。で、その子たちの誰かと結婚ないし、せめて恋愛をしようとは思わないの?」
京太郎「う~ん。まったく何もないってことはないけど、じゃあ塞の意見が正しいとして俺が誰か特定の相手を作った場合、それ以外の子はどうなるんだ?」
塞「そんなの知らないよ。失恋で泣くんじゃないの」
京太郎「そう思うと誰に対しても明確に答えを出し辛いな」
塞「前から言いたかったけど京太郎は誰に対しても、何に対しても曖昧だね。付かず離れず否定も肯定もしない」
京太郎「複雑な現代を生き抜く処世術。中庸主義と言ってほしいね」
塞「それって、優柔不断の言い訳と何が違うの?」
京太郎「……」
京太郎「曖昧といえば俺たちの関係こそ曖昧だな」
塞「珍しく踏み込むね」
京太郎「あえて聞く。塞はなんで俺と一緒にいるんだ?」
塞「なんで、か」
塞「京太郎にはいつも助けられてるからかな」
京太郎「助けてる、か?認めたくないけど俺の方がよっぽど助けられてる気がするけど」
塞「そういうところが助かってるんだよ」
京太郎「そういうところって?」
塞「ふふ、そういうところが……かな?」
京太郎「わけがわからん」
塞「そうそう、そういうところだよ」
カン