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私達の方のざしきぼっこの話です 明るい昼間、みんなが食堂や教室でご飯を食べているとき、麻雀部の部員が二人、校庭で遊んでおりました ところが部室のほうから、がさっがさっと物音が聞こえるのです 「何の音だろ、ちょー気になるよー」 「イッテミヨー!ヤッテミヨー!」 二人の生徒はこっそりと部室に入ってみましたが、誰もいません しかし、ちょうど昨日から岩手に遊びにきていた男の子が置いていったバッグが荒らされていました 「誰かが鍵を開けて入ってきたんだ!京太郎君のバッグが開けられてる! お、男の子の私物を盗む泥棒さんだよー!」 「ウラヤマケシカラン!!」 二人が顧問の先生に報告しようと後ろを向いたとき、がさっがさっと音がするのです びっくりして振り向いたときにはもう音の主の姿は消えていました 「わわっ!まだ部室の中にいたんだ!窓から逃げちゃったみたい、どこに隠れてたんだろ…」 「プリズンブレイク!」 彼女はあの最終回が少し不満らしいのです 「うーん、隠れられる場所もないはずなんだけど……もしかして、バッグの中に入っていたとか? 確かにかなり大きめのバッグだけど…よっぽど小さい人だったのかなー、例えば胡桃くらいの」 「ミクロキッズ!」 彼女がジョー・○ョンストン映画で一番好きな作品です 二人が立ちすくむ部室の中には、ただお日さまの光ばかりそこら一面に明るく降っておりました こんなのがざしきぼっこです …… 「京太郎!麻雀検定準2級合格おめでとう!」 岩手に遊びにきていた男の子がつい先日、ヘボなりに頑張って資格を取得していたと聞いて、 部員のみんながお祝いをしてくれました ちょうどあいているということで、とても小さい女の子の家にみんな集まりました 「いやー、ありがとうございます!俺のためにこんな…」 「キニシナイ!」 「京太郎のことなら……私達も嬉しいから」 「そういうこと!さあ食べて飲んで!」 「豊音、ちょっと運ぶの手伝ってー」 「わかったよー!」 みんな楽しく遊んでいました すると 「あ、京太郎!靴下結構汚れてるね、洗ってあげるから貸しなさい!」 「え?そうかな……うーん、でも言われてみればそうなのかも… 胡桃さんも家を汚されたくないだろうし、分かりました」 「うん!ほら脱いだ脱いだ」 小さい女の子は男の子から剥ぐようにして靴下を脱がせると、 大事そうに両手でもって何故か洗濯機があるお風呂場に向かわず自分の部屋へ走っていきました しかし、初めて小さな女の子の家に来た男の子にはそんなことわかりません しばらくして、女の子が戻ると男の子に新しい靴下を渡しました 「ほら、これ履いて」 「あ、すみません」 しかし、その靴下は確かに新品らしいのですがどうも男の子のサイズにぴったりなのです ですが、お父さん用なのかなと考えることにしました 「………胡桃、ずるい」 そのお祝いパーティはあまりに楽しかったので帰るときになっても、 男の子は何かをこの家に置き忘れている気がしましたがとうとう思い出せませんでした こんなのがざしきぼっこです …… 夜、泊まっている旅館の部屋で男の子が寝ていたときのことです 夢うつつに布団のなかに何か小さいものがもぐりこんで来たような気がするのですが、 なにぶん半分寝ぼけているので家のカピバラと思い込んで、 その体を上から下まで全身撫で上げました 入ってきたものはびくんびくんと反応していましたが、男の子はかまわず手を動かし続けました それは男の子がすっかり意識をうしなっても一晩中続きました 朝になって、目が覚めると昨夜のことを思い出して、あれは何だったのだろうと考えました 更に不思議なことには、暑くて寝汗をかいたわけでもないのに自分の着ていた浴衣と布団の一部が濡れていて、 窓を開けて日を拝もうとしたとき、鍵が開いたままになっているのに気づき、 そうしてもう一度思い返してみると、布団のなかにいたものはカピバラの割にはやけに柔らかかったのです こんなのがざしきぼっこです …… 長野に男の子が帰るときになり、持ってきたバッグを肩に背負うと、妙に重たいのです お土産を買いすぎたのかしらんと思いながらも、そのまま駅へ向かい、みんなに見送られました しかし、どういうことか一人足りません みんなも「どうしたんだろう」と顔を見合わせるばかりでした 結局、電車がきて男の子は長野へ帰っていきました こんなのがざしきぼっこです カンッ

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