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咲「今日はエイプリルフールかぁ……」 咲「嘘つくのは嫌だけど、いつもからかわれてるしたまにはいいよね?」 咲「どんな嘘ならいいかな?大嫌いとかでいいかな?」 咲「大嫌いはちょっと可哀想かな……ちょっと嫌いくらいにしとこうかな」 京太郎「お前、そんなとこで一人でぶつぶつなに言ってるんだ?」 咲「き、京ちゃん!?」 京太郎「お、おう。そんな驚くことか?」 咲「も、もう!いるならいるって言ってよ!」 京太郎「俺か?これって俺が悪いのか?」 咲「そーだよ。京ちゃんが全部悪い」 京太郎「へいへい。どうもすみませんね」 京太郎「で、咲はこんなとこでなにしてたんだ?」 咲「それは……え~っと」 京太郎「はは~ん。さては道に迷ったな?」 咲「学校でまで迷わないもん!」 京太郎「どうかな。咲のことだから、案外慣れた道でも迷うこともあるかもな」 咲(あ、この流れ) 咲「またそうやって子供扱いして!京ちゃんってホント、デリカシーないよね」 京太郎「咲?」 咲「バカだし、えっちだし、すぐどこかの女の子と仲良くなってくるし。今までずっと我慢してたけどホントはもううんざりなの」 咲「京ちゃんなんて大っ嫌い!」 京太郎「……」 咲(い、言っちゃった……あれ?そういえばこれどういうタイミングで嘘だって言えばいいんだっけ?) 京太郎「そっか」 咲「あ、き京ちゃん今の」 京太郎「なぁ、咲」 京太郎「俺もお前が大嫌いだよ」 咲「…………へ?」 京太郎「本ばっか読んでて暗いし、いっつも迷子になるし、おまけに今度は俺の交友関係まで口出しか?」 咲「あの、京ちゃ、」 京太郎「暇潰しにちょっと相手してやっただけで今度は彼女面か。偉くなったもんだな」 咲「っ…………う、」グス 京太郎「お前なんて所詮、遊びの女だ俺の私生活にまで口を出すな。気色悪いんだよ」 咲「う、うあ。ひく、うえぇぇぇ……」ポロポロ 咲「ごめ、ごめんなざい!謝るから、悪いところ、う、全部、直すから……嫌いにならないでぇ」ポロポロ 京太郎「……」 咲「ふええぇぇえぇぇぇぇ……」 京太郎「バーカ」ギュゥ 咲「ふぇ?き、京ぢゃん……?」メソメソ 京太郎「俺が咲のこと嫌いになるわけないだろ?」 咲「ほ、ぐす、ほん、とぅ?」 京太郎「ああ、俺の方こそごめんな?嘘とは言えちょっと言い過ぎた」ナデナデ 咲「わだし、のこと、嫌いにならない?」 京太郎「ならないよ。何があっても俺は咲が大好きだ」 咲「よかったぁ……」グス 京太郎「ああ、もう。ほら洟かめ」 咲「うん……」チーン 京太郎「落ち着いたか?」 咲「う、うん」 咲「も、もう、酷いよ京ちゃん!あんなに言わなくてもいいじゃない!」 京太郎「だから悪かったって。けど、先に言ってきたのは咲の方だろ?」 咲「それは、そうだけど……」 京太郎「俺だって内心結構ショックだったんだからな」 咲「う、ごめんなさい」 京太郎「あーあ、なんか言いたい事言ったらなんかすっきりしたな」 咲「言いたい事って、もしかしてさっきのって全部本音?」 京太郎「さぁ、どうだろうね?でも、全部が全部嘘って事もないかな」 京太郎「他人に不平不満がない人間なんていないし、嫌いな部分がないものを好むならそれはただの品評だ」 京太郎「良い所も悪い所も、全部愛する。少なくてもそれが俺の愛情だ」 咲「……」 京太郎「な、な~んちゃって……ガラにもないこと言っちゃったな。今のなしな?」 咲「……」フルフル 咲「京ちゃんの言う通りだよ。私も、不満がないって言ったらそれこそ嘘になるけど」 咲「けどそれ以上に京ちゃんのいいところいっぱい知ってるし、それを含めて京ちゃんが好き」 京太郎「咲……」 咲「うん。私はこれからもずっと、京ちゃんが大好き!」 カン!

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