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【第二章超弩級少女と主人公Start】 京太郎「……あー」 京太郎(確か、俺はあの風呂場で気絶して……?) 京太郎(あの後はどうなったんだろう?起きた感じだと外は夜じゃないみたいだし) ??「……すー」 小蒔「すぅ……」 京太郎「……何で神代さんがここに?」 京太郎(落ち着け、落ち着くんだ須賀京太郎。ここは神代さんの家だ。神代さんがどの部屋で寝ようとおかしくはない) 京太郎(でもおかしいだろ、俺の横で寝ているなんて!?) 京太郎「と、とりあえずは起こしてみよう」ユサユサ 小蒔「ん……っ」 京太郎(…………神代さんを揺らして起きたのは息子でした。また、弾道が上がる)ピキーン 京太郎(だって!だってさ!身体揺らしたら胸も一緒に揺れるって超ロマンじゃねえか!) 小蒔「うー。さわがしいですよー」パチリッ 京太郎「あ」 小蒔「悪霊の残滓が残っている須賀さんをしっかりと見張っているのに……邪魔をするのは誰です、か?」 京太郎「どうも、お久しぶりです。とはいってもそんなに時間も経ってはいませんけど」 小蒔「す、すすすすっす!須賀さん!お久しぶりとかはとりあえず置いておいて!」 小蒔「起きて大丈夫なんですか!御身体の調子は!」 京太郎「まあ、ぼちぼちっていう所ですかね。とりあえずは動けます」 小蒔「よ、よかったです……須賀さんの体に何かあったらと思うと、心配で心配で……!」 京太郎(ど、どうしよう……神代さんを落ち着かせないと!) 京太郎(誰かを呼ぼう……!) 京太郎(だけど、こんな状態の神代さんを他の人に任せていいのか?) 京太郎(そんな適当な態度を神代さんにとっていいのか?) 小蒔「け、結局!須賀さんの御身体は大丈夫なんですか!」ズイッ 京太郎「あ、いきなり近づかれると色々とヤバいことに!」モニュン 小蒔「へ?」 京太郎「あれ?」モニュンモニュン 京太郎(この柔らかい感触……もしかしてオパーイ!?)モニュンモニュンモニュン 京太郎(思わず、手を前に出したらその両手が神代さんのオパーイを掴んでいたなんて!)モニュンモニュンモニュン 小蒔「あっ……やんっ」 京太郎(このおもちの感触……パーフェクト……!)モニュンモニュンモニュン 小蒔「ちょ……須賀さんっ……強すぎ…………っ 京太郎(鹿児島に来なければ永遠に味わうことがなかったと思えばすばらっ!)モニュンモニュンモニュン 小蒔「もっと、優しくっ……!」 京太郎(鹿児島っていいね!)モニュンモニュンモニュン 京太郎「って、俺はいつまで揉んでいるんだーーーっ!」 小蒔「ひゃうっ!?」 京太郎「すいません、神代さん。まだ寝起きで意識がはっきりしてなかったんで」キリッ 小蒔「そうですか……なら仕方ないですね」 京太郎(霞さんといい薄墨さんといい神代さんといい……騙されやすいなあ。大丈夫なのか、この人達?) 京太郎(とりあえず、落ち着いたみたいだし誰か呼ぶか……) 京太郎「そういえば、まだこの家にちびっこい金髪の女の子っていませんでしたか?」 小蒔「ああ、天江衣さんですね。彼女なら今は疲れたと言って隣の部屋で休んでいますが……」 京太郎「そうですか、じゃあちょっと行ってきます。彼女には色々とお礼を言わなくちゃいけないんで」 小蒔「駄目ですよ!須賀さんの御身体も十分に危ないんですから!」 小蒔「お願いですから無理をしないでください……。貴方には返しきれない恩があるのですから」 京太郎「そんな大げさな。あそこで俺が通りすぎなくても誰か別の人が助けてくれましたって」 小蒔「そんなことないですっ!あれはまるで――運命の出会いみたいで……嬉しかったんですっ」 京太郎(運命の出会いか。もしかして、神代さんは本気であれは運命の出会いだって思っているのか?) 京太郎(俺が助けなくても誰か別の人が助ける。それは変わらない) 京太郎(俺は、自分勝手で優しくなんかないさ……さっきみたいなことを起こすぐらいだから) 京太郎「言い過ぎですって。俺はそこまで感謝される「違いますっ!」……っ」 小蒔「須賀さんが私を助けてくれたって事実は何を言われても変わりません」 小蒔「貴方の言葉に救われて。私は再び前を向くことが出来ました」 小蒔「だから、そんな事言わないでください」グスッ 京太郎「神代さん……」 ドターン 衣「きょーたろーっ!ちゃんと無事に生きているかー!!!」 小京「「うわあっ!?」」 衣「お前はまた、衣というものがありながら他の女とイチャついて……後でじっくりと説教だ!」 京太郎「ははっ……お手柔らかに」 衣「とりあえず、心配だったからもう一人、この家の者を呼んどいたぞ!」 初美「調子はどうですかー、京太郎」 京太郎「薄墨さんですか……」 衣「万が一があったら困るから衣が呼んでおいたんだ!どうだ、偉いだろーっ!」 京太郎「そうですね、衣さんは偉いですねー」ナデナデ 衣「にゅふふー。本当のことを言っても困るぞー」ニコニコ 京太郎「いえ、衣さんにはココに来る前から色々と助けてもらっているので」 衣「なに、当然のことだ。あんなナリのお前を無視はできなかった」 初美「なになに、二人にはどんな経緯があったのですかー」 小蒔「む……私の知らない須賀さん。私、気になります!」 京太郎(さすがにあのことだけは話せないな……俺の個人的な事情にここの人達を巻き込みたくないし) 京太郎(それを言ってしまえば、衣さんとかには申し訳ない事をしてしまったな……) 京太郎(あの時の俺は相当参っていたから仕方ないのかもしれない) 京太郎(でも、それを理由に俺が許されていい理由にはならない。墓場まで自分一人で持っていければよかったんだけどなあ) 京太郎「それは企業秘密というものですよ」 小蒔「そこまで言われると気になりますよ~」 初美「私もですねー。ラブ臭がしますしー」 京太郎「はははっ、そんな恐れ多い。衣さんと俺では立場が違い過ぎますしね」 衣「…………」 衣(きょーたろー……立場というものはそんなにもお前にとって大きいものなのか?) 京太郎「俺は……達成したい目標があるんで。その目標に向かう為に俺は前に進まなくちゃいけない」 衣(麻雀で誰よりも強くなって見返すというのは他の全てを捨ててでも叶えたいものなのか?) 京太郎「一度は逃げたけれど、俺は……決めたんです」 衣(その過程で、衣は路傍の石程度の価値しか無いのか?) 衣(それならば……立場程度で塞がる思いならばっ!この立場なんて……いらない) 京太郎「だから、恋愛とかそういうのにうつつを抜かすのはやめているんですよ」 初美(あちゃー……これは霞には厳しいことになりそうですよー) 小蒔(……須賀さんがそこまでして叶えたい願いってなんでしょうか?) 初美(うーん、なんか簡単に聞ける内容ではなさそうですしやめておきましょうかー) 小蒔(気になるけど……本人があまり話したがらないことを聞くのはだめだよね) 衣(きょーたろー……) 京太郎(まあ、軽々しく話すものではないよな……俺自身も進んで話そうとは思わないし、聞かれるのはちょっと嫌だし) 京太郎「そういえば、仕事を教わっている途中でしたね。今からでも教えてくれませんか?」 初美「それは構わないのですけどー。大丈夫ですか?別に今日無理しなくてもいいのではー?」 小蒔「そうですよっ。一日ぐらい休んでもバチは当たりません」 京太郎「とはいっても、仕事ですし……。ここで住み込みで働くからにはきちんと仕事をこなしたいですし」 衣「無理は良くないぞー。無理をして身体を壊してしまったら元も子もない」 京太郎「皆さん心配しすぎですって。悪霊も完全に祓ってくれたんですし。体も元気元気ー」 衣小初「「「……」」」ジーッ 京太郎「何ですか、その疑いの眼はっ」 京太郎『本当に平気ですって。嘘は言ってません』 初美「怪しいですよー。私に誓ってそう言えますかー」 京太郎『勿論ですよ。何を言ってるんですか』 初美「……ならいいです。まあ、寝ているだけだといらないことも考えてしまいそうですしねー」 衣「きょーたろーっ!無理はするなよー!」 小蒔「また倒れたら泣いちゃいますからねっ」 京太郎「大げさですねぇ……」 小蒔(やっぱり、どこか距離を置かれている気がします……) 小蒔(ここは一つ距離を近づける為にも私が何かしなくては!) 小蒔「は、はっちゃん!」 初美「なんですかー、姫様」 小蒔「私も須賀さんについていってもよろしいでしょうか」 京太郎「うぇっ!?」 初美「それは構わないですけど面白いものではありませんよー」 京太郎「仕事を教わるだけですしね。俺の身体を心配しているなら別に……」 小蒔「む~~~~~~!須賀さんは私がついていくのが嫌なんですか!」 京太郎「そういうことではありませんよ。ただ、衣さんが一人になってしまいますし」 衣「衣、一人ぼっちなのか?」 初美「……衣さんも連れてってはどうでしょうかー」 ハギヨシ「それには及びません」シュタッ 京太郎「お、ハギヨシさん」 ハギヨシ「衣様がいつの間にかに消えていたと思ったら、まさかここに戻っていたとは」 衣「また、余計な時に」ボソッ ハギヨシ「衣様。さあ、帰りますよ。透華様も心配していらっしゃっています」 衣「やだー!衣はきょーたろーといるんだー!」ジダバタ ハギヨシ「なりません。衣様、ここは一度引くのも大人の女への第一歩かと」 衣「それは本当か?」 ハギヨシ「ええ、神に誓って」 京太郎(嘘だ……ハギヨシさんは口が上手いなあ) ハギヨシ「とりあえず、衣様は連れて帰りますので。皆様はどうぞ、仕事に戻っていただければ」 衣「仕方ない……」 京太郎「では、俺達はこれにて。ああ、衣さん」 衣「何だ?」 京太郎「すいませんでした、本当は何かお詫びがしたいんですけど俺、今何も持っていないんで」 衣「よい。衣はお前が心の底から笑ってくれるだけで……それだけでいい」 衣「それと、このような時はすいませんじゃない。ありがとう、だ」 京太郎「……ありがとうございました」 衣「では、さらばだ。今度はたっぷり、衣に付き合ってもらうからな」 衣(立場なんて関係ない。衣は……お前のことが……いや、これは今は言わぬ方がいい) 衣(この気持ちが本物なのか、しっかりと確かめなくてはな) 初美「――というのが仕事の内容なのですよー。家を案内しながらでしたから長くなってしまいましたー」 京太郎「とりあえず、俺がやることは薄墨さん達の補佐的なことからですね。仕事に慣れてったら一人で掃除やら洗濯やら料理やら」 初美「そうですねー。最初は私みたいなお付の巫女の補佐からですよー」 小蒔(私は関係ないから須賀さんとはあまり会えないのかなぁ……寂しい) 小蒔(でも、こうして付いてきて須賀さんの行動パターンがわかりました!これで偶然を装って会うことはできます)ムフーッ 京太郎「ああ、そういえばなんですけど……」 京太郎「霞さんはどうしたんですか?あの人にも迷惑をかけちゃったしお詫びしないと……」 初美「あー……。霞はですねー今はちょっと触れない方がいいですよー」 京太郎「えっ!?まさか、俺のせいで悪霊の影響を受けたとか!」 初美「いえいえ、そうではなくてー……まあ本人の名誉があるんで追求は勘弁して下さいー」 【霞の部屋】 霞「ど、どうしましょう」 霞「私、京くんに……告白しちゃった!」フトンゴロゴロー 霞「きゃーー!!きゃーーーー!!何もあんな所で告白なんて雰囲気もないじゃない!」 霞「これはまずいわ、ひっじょ~~~~~~~~~にまずいわ!」 霞「いきなり会ってすぐの男の子に一目惚れだからっていきなり告白はマズかったわ……何でそこら辺を考えなかったの、私!」 霞「あの状況で何とかしなくちゃって思って告白はダメよ!ドン引きよ!」バンバンッ 霞「あ、あああああああ!しかもよく考えるとあの時私……全部見られても構わないとか……!きゃーーーーーっ!」ドゴンドゴン 霞「全裸で告白とか何処の変態よ!あの時はノリでやっちゃったけど……ぅぅっ」 霞「もっと、いい雰囲気でしっとりと大人のおねーさんの余裕を見せて告白した方が成功したんじゃないかしら」 霞「例えば……夜の庭園で京くんと二人きり。私は京くんの手を退いて大人のエスコート」 霞「【ふふっ、京くん。月が綺麗ね】」 霞「【はい、とても綺麗です。でも……】」 霞「【あら、何かしら】」 霞「【霞さんも綺麗です】」 霞「【うふふっ、そんなお世辞を言ってもおねーさんには通用しないわよ?】」 霞「【すいません……でも、それが俺の本心だから】」 霞「【うふふっ。京くん……おねーさんのこと好き?】」 霞「【そ、それは……】」 霞「【……おねーさんはね、京くんのことが好きよ。貴方のことを愛してる。だから――私と付き合ってくれないかしら?】」 霞「【か、霞さんっ!お、俺も霞さんのことが……っ!】」 霞「【いいのよ、おねーさんに全部任せて……そのまま】」 霞「そのまま――きゃーーーーっ!なんちゃって!なんちゃって!そのままゴールインっ!」バタンバタンバタンッ 霞「これで京くんとラブラブ間違いなし……!なのに、何であんな告白しちゃったのよぉ!」 霞「もう、京くんの顔……恥ずかしくて見れないじゃない!でも見たい!だって好きなんだもん!きゃーーーっ!」 巴(なにいってだこいつ) 巴(悪霊に取り憑かれた新人さんと戦って倒れたらしいから……心配して見に来たはいいんですけど、近寄リたくないです) 巴(とりあえず、放置しましょう。これに巻き込まれたら碌なことが起きない気がします) 巴(例えると私の出番が減るとか……自分でも何言ってるかわかりませんけど) 初美(正直あの状態の霞さんと京太郎を会わせたら碌なことが起きないですよー) 初美(はっちゃんめんどくさいことは嫌ですよー) 京太郎「まあ、それなら仕方ないか……」 京太郎(告白の返事とかもしっかりしときたかったんだけどな) 京太郎(……断らなくちゃいけないな) 京太郎(もし、受けたとしよう) 京太郎(そしたら、俺はきっと――霞さんに甘えてしまうから) 京太郎(俺に誰かを頼る資格なんざない。あんなひどいことをしといて……) 京太郎(背負ってやるさ。重さに潰れそうになっても、俺は立ってやる) 京太郎(――――いつか、俺が強くなって……最強を手に入れるまで) 初美「さてと……これからどうしましょうかー」 春「話は聞かせてもらった、人類は滅亡する」ババーン 京太郎「な、なんだってー!?」 初美「ノリがいいですねー」 小蒔「えっと……えっと……」 春「冗談はともかく、須賀」 京太郎「はい、なんでしょう」 春「また料理作るの?」 京太郎「えっと……まだ作るとは決まってませんね」 春「須賀の作ったご飯が食べたい。作って」 京太郎「んー。そういうのは俺の一存で決めれるものではありませんし」 春「作ってくれたら黒糖あげるから」 京太郎「いや、黒糖って……」 京太郎「わかりました、作りましょう!」 春「!」 京太郎「ただし、滝見さんも一緒にです」 春「えー」 京太郎「えーじゃないです。それに、滝見さんの作る料理も食べてみたいですし」 春「めんどくさい」 京太郎「一人で料理を黙々と作るのは簡単ですけど……やっぱり二人で作った方が食べ比べもできますし」 春「じゃあ他のメンツに任せればいい」 京太郎「俺は、滝見さんと一緒に料理がしたいなって思ったんですよ」 小蒔「!?」 初美「!?」 春「……仕方ない。須賀の美味しい料理を食べる為。私も動く」 京太郎「ありがとうございます」 初美(むむっ!料理と言えばはっちゃんなのにー!昼の雪辱を晴らすという意味でも誘われると思ったのですがー) 小蒔(須賀さんと一緒にお料理したかったなぁ……)グスン 京太郎「さあ、作りましょうか」 春「作るといっても何を作るの?」 京太郎「うーん、和食ですかね。和洋中全部作れることは作れるんですけど」 春「じゃあ、どれか適当でいいじゃん」 京太郎「いや、この家って和風じゃないですか。だから、和食が一番かな~って」 春「…………」 京太郎「ん?何かいけないことでもいいましたか?和食が駄目な人でもいるとか?」 春「……何か違和感あると思ったら須賀、敬語使ってる」 京太郎「ああ、そうですね。一応は」 春「敬語はいらない。年だって同じだし」 京太郎「いいんですか……?」 春「いい。それと滝見さんじゃなくてはるるって呼ぶ。それが私のあだ名みたいなものだから」 京太郎「ホントにいいんですか?」 春「私がいいって言うならいい。また敬語が出てる」 京太郎「じゃあ、はるる……」 春「うん、それでいい。私も須賀のことも京太郎って呼……これじゃあはっちゃんと被る」 京太郎「いや別にかぶってもいいじゃ……だろ」 春「やだ。個性が減る。ちょっと待ってて、考えるから」 京太郎「いやどうでもいいって。そんなこと」 春「よくない。私と須賀の親愛の証みたいなものだからまじめに考える」 京太郎「……別にそこまでしてくれなくてもいいんだけどなぁ」 春「……京」 京太郎「きょう?」 春「うん、しっくりくる。これから須賀のことは京って呼ぶ」 京太郎「まあ、いいけど」 春「じゃあ、京。かったるいけど作ろう」 京太郎「作るのは何人分?」 春「京を入れて五人」 京太郎「あれ?ここに来る途中もっと人がいたような……」 春「食事も仕事も使用人ごとにグループ分けされている。京は私達のグループだから食事と仕事は一緒」 京太郎「ということは神代さんは?」 春「姫様は家族と一緒に食べてるから。たまに混ざってくるけど」 京太郎「ふーん。つうか、さっきの料理対決は丁度俺達の使っていい時間だったんだな……」 京太郎(だから、薄墨さんは余分に作っていたのか) 春「お風呂については入る時間が分かれている。後で教えておく」 京太郎(ああ、だから霞さんとばったり会ってしまったのか……他の人と会ってたらひどいことになっていたな) 春「とりあえず、今はご飯を作ることに専念する」 京太郎「そこまで、ご飯に執着してるのかよ……。えっと、はるると薄墨さん、霞さんに俺。後一人は?」 春「巴。眼鏡巫女。地味。キンクリ」 京太郎「……いいのかよ、そういう事言って」 春「いい。事実だし」 京太郎「まあ、いいや。和食は皆食べれるよな?」 春「うん。基本的には嫌いなものはないと思うけど」 京太郎「この冷蔵庫の中は共有して使っていいのか?」 春「そうだよ。適当に使ってもばれない。その辺りは早い者勝ちでいい」 京太郎「そうか。じゃあ、どうしよう……和食といっても色々あるし」 京太郎「じゃあ、肉じゃがでも作りましょう」 春「やったね、それは巴の大好物。好感度アップ間違いなし」 京太郎「とは言っても、俺まだ会ったことないんだけどなぁ……」 春「食事の時には嫌でも会うんだからいい」 京太郎「まあそうだけどさ……はるるは何作るんだよ」 春「な・い・し・ょ」 京太郎「そんな可愛く言っても一品追加とかしないからな」 春「チッ。チョロくない男」 京太郎「ほんと、お前言いたい放題だなあ!?」 京太郎「まあ、いいや。とりあえず、食べる時を楽しみにしているよ」 春「そうした方がいい。私の料理で京はきっと二度と包丁を握れないくらいに感激すると思うから」 京太郎「それだけはねーよ!」 春「とりあえず、作ろう」ガッツポ 京太郎「おう」ガッツポ ・ ・ ・ 京太郎「……ふぅ。肉じゃがは強敵でしたね」 春「その意味不明な敬語は何?」 京太郎「いや、ちょっとしたネタ的会話だと思ってくれれば」 春「そう。さっさと作る」ホウチョウニギー トントントントントスッ 春「あっ」 京太郎「どうした!?」 春「指切っちゃった。でも、大丈夫この程度」 京太郎「何言ってるんだ。バイキンが入ったらどうするんだよ」ユビペロッ 春「!???」 京太郎「ああ、もうっ。じっとしてろ」ペロペロ 春「は、恥ずかしいんだけど……」 京太郎「恥ずかしさよりも怪我をちゃんと治す方が大事だ。んー、ポケットの中に絆創膏があったような……」 春「ううっ……京に辱められた」 京太郎「ただ、指舐めただけだろ!」 春「私の初めてだったのに……」 京太郎「そんな初めて溝に捨てちまえ!」 京太郎「ともかくこれからは注意して包丁を握れよ」 春「……うん」 京太郎「なぜ顔が赤い」 春「それは京の気のせい」 京太郎「いやどう見ても赤い」 春「そういう乙女の事情には首を突っ込まない。そういう事言ってたらモテないよ?」 京太郎「いや、別にお前からモテてもなぁ……」 春「む。それは私には魅力がないってこと。これは教育」ズイッ 京太郎「そういう訳ではないんだけどさ。はるるって何かダチっていうか……」 京太郎「気軽に話せて楽っつーか」 京太郎「だから、はるるに魅力がないって訳じゃねぇよ」 春(褒められているのはわかるけど) 春(何か複雑) 春(胸がモヤモヤして……気持ち悪い) 春(このモヤモヤは何?) 春(私は、私は……) 春(京と今以上の関係になりたいのだろうか) 春(同僚以上?友人以上?恋人未満?) 春(難しくて、わからない) 春(とりあえず、今はこの空間を楽しもう) 京太郎「はるるのも俺のもできたな」 春「いい出来。持って行こう」 京太郎「そういえば、何処で食べるんだ?」 春「私達の部屋のどれかでいいんじゃない?」 京太郎「そっか、じゃあ……」 京太郎「じゃあ、はるるの部屋で」 春「私の?どうして?」 京太郎「単純にどんな部屋か興味がある」 春「……えっち」 京太郎「なんでだよ!?下着漁りをするでもあるまいし」 春「女の子の部屋には夢がいっぱい。それを暴こうだなんて」 京太郎「女の子(笑)」 春「手に持ってる鍋、投げるよ?」 京太郎「すいませんでした」 春「わかればよろしい」 【はるるの部屋】 京太郎「何というか……」 春「文句あるの?」 京太郎「殺風景すぎるだろ!机と黒糖と布団しかねーよ!」 春「黒糖を馬鹿にしたらいけない。黒糖は世界を救う」 京太郎「救わねーから!」 春「全く、京は文句ばっかり」 京太郎「誰のせいだよ、誰の!」 春「……さあ?」 京太郎「さあじゃねーから!ったく、漫才やってるみたいだよ」 春「京春でコンビを組むの?大阪進出?」 京太郎「んな面倒なことしないって。いいからさっさと他の三人を呼んでこようぜ」 春「で、どうやって呼ぶの?私はここで盛り付けとかやってる?それとも逆?」 京太郎「んー、どうしよう……」 京太郎「じゃあこうしよう」 京太郎「はるるが体に三人の精神を降霊させる」 春「ばかじゃないの」 京太郎「なんだと!?これでも一生懸命考えたんだぞ!?」 春「ばかじゃないの」 京太郎「二回目!?そこまで言うかよ!」 春「だって、本当に馬鹿としか思えない」 京太郎「いやいや、やればできるかもしれないぞ。もっと、熱くなれよ!ネバーギブアップ!」 春「うおーあついぞー」 京太郎「すっげー適当じゃねぇか!?」 春「実際そんなことはできない」 京太郎「いやいや、もしかしたらできるようになってるかもしれない」 春「……嘘っぽい」 京太郎「とりあえず、振りからでもやろうぜ。巴さんは知らないから除外して……誰にしよう?」 京太郎「じゃあ薄墨さんで」 春「あまり、気は進まないけれどわかった……」 京太郎「まあ、とはいっても所詮は振りみたいなものだから」 春「京太郎!はっちゃんですよー」 京太郎「」ブフォッ 春「もーどうしたんですか?そんな鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしてー」 京太郎「」ゲホッゴホッ 春「そんな有様じゃあ困るのですよー。言い出しっぺの京太郎が信じなくてどうするんですかー」 京太郎「」ブブックッゲホッ 春「……」 京太郎「」プククッ 春「…………」 京太郎「」クックック 春「……京」 京太郎「マジすいませんでした」ドゲザーッ 春「恥ずかしかった。今日は二回も辱められた、許せない」 京太郎「今回のはともかく前回のはそんな悪いことじゃあねーだろ!」 春「女の子はデリケートだから」 京太郎「デリケートな女の子?」 春「疑問符をつけない。バカなこと言ってないでさっさと呼んでくる」ドカッ 京太郎「わ、わかったから尻を蹴るなって」 春「こうでもしないとやってられない」 京太郎「薄墨さんから捜そうと思う」 京太郎「というか捜すって言っても何処にいるかわかんねーぞ、俺」 春「多分部屋にいる。部屋にいなかったら放置でいい」 京太郎「放置でいいのかよ」 春「時間が立てばひょっこり出てくる」 京太郎「空腹で倒れるかもしれなくね?」 春「ないないノーウェイノーウェイ」 京太郎「そうだといいんだけどな……」 春「ほら、さっさといく。いなかったら他の二人を捜す」 京太郎「うーん、とりあえず薄墨さんの部屋の前に来たけどいるのか……?」 初美「呼ばれて飛び出てだだだだーん!はっちゃんですよー」 京太郎「……」 初美「もー、せっかく人がウイットに富んだジョークで挨拶をしたのにその反応は何ですか」 京太郎(どこが……?) 初美「まあそんな些細なことはどうでもいいのですよー」 初美「晩御飯ができたのですかー」 京太郎「はい。はるるの部屋で食べようかなって薄墨さんを呼びに来たんです」 初美「むっ、呼び名が変わってますよー。これはラブ臭!?」 京太郎「ラブ臭どんだけ好きなんですか」 初美「女の子は恋バナが好きなんですよー」 京太郎「然様ですか。とりあえず、さっさと行きますよ」 初美「えー。もっと二人きりで語らいましょうよー。私の好感度が上がるチャンスですよー」 京太郎「だって……ロリだし」 初美「ロリをバカにしてはいけませんよー。世の中にはこの体型が好きな人だっているんですからー」 京太郎「まあ、そうだけどさ……」 初美「京太郎もそうなりましょうよー。ほらほらー」 京太郎「ノーセンキューで」 初美「つれないですねー。これでも私は京太郎のことを好意的に思っているんですよー」 京太郎「はいはい、うれしいなー」 初美「信じていませんねー。なら――試してみますか?」クスッ 京太郎「そういうことはもう少し成長してからな。というか、犯罪だよ、ロリはっ!」 初美「残念ですよー。大人の階段のーぼるーって感じでしたのに」 京太郎(ちょっとドキッとしてしまったなんて言えない……) 初美「とりあえず、後はどうするんですか?霞と巴はどうやって呼ぶんですか?」 京太郎「部屋に殴りこみをかけます」 初美「おー。どっちから呼ぶんですかー」 初美「そうですかー。じゃあ私は巴の部屋に行きますねー。告白の返事、しないと駄目ですよー」 京太郎「わかってます。きちんとした返答で返します」 初美(答えが決まりきっているっていう点では面白みもないんですけどねー……) 初美(京太郎がいつかは霞や姫様の好意に応えてくれたらいいんですけど) 初美(それを捨ててまで叶えたい願いって何でしょうかね……) 初美(才能が憎いと言ってましたけど……彼は何を経験してそうなってしまったのか) 初美(今の私にはまだ、わかりませんよー) 初美(でも、いつかは……わかりたいです) 初美(忘れることも時には幸せになるんですよ、京太郎) 京太郎(霞さんの部屋の前まで来たはいいけど……何か入りづらい) 京太郎(まあ、せっかくしてくれた告白を断るんだから当然か) 京太郎(でも、今の俺にはそういう寄り道をしている暇はないんだ) 京太郎(強くならないといけない。今度は誰にも迷惑をかけずに、一人で) 京太郎(だから、男を見せろっ。京太郎!) 京太郎「た、たのもーーー!」 京太郎「……あれ、いない」 京太郎「どうしよう。早く呼ばないと冷めちまうし」 京太郎「トイレに行ってるだけかもしれないし少し待っているかー」 京太郎「つってもただ待つのは暇だなぁ……」 京太郎「とりあえず、部屋で待っていよう」 京太郎「漫画でもあればいいんだけど……お、あれは!?」 京太郎「霞さんの日記……か。こういうのはプライベートだし読んじゃいけないよな、うん」 京太郎「でもなー開きっぱなしだから視界に映るのは止められないなー」 京太郎「仕方ない、仕方ないなー。チラッと見えちゃったもんなー」
【第二章超弩級少女と主人公Start】 京太郎「……あー」 京太郎(確か、俺はあの風呂場で気絶して……?) 京太郎(あの後はどうなったんだろう?起きた感じだと外は夜じゃないみたいだし) ??「……すー」 小蒔「すぅ……」 京太郎「……何で神代さんがここに?」 京太郎(落ち着け、落ち着くんだ須賀京太郎。ここは神代さんの家だ。神代さんがどの部屋で寝ようとおかしくはない) 京太郎(でもおかしいだろ、俺の横で寝ているなんて!?) 京太郎「と、とりあえずは起こしてみよう」ユサユサ 小蒔「ん……っ」 京太郎(…………神代さんを揺らして起きたのは息子でした。また、弾道が上がる)ピキーン 京太郎(だって!だってさ!身体揺らしたら胸も一緒に揺れるって超ロマンじゃねえか!) 小蒔「うー。さわがしいですよー」パチリッ 京太郎「あ」 小蒔「悪霊の残滓が残っている須賀さんをしっかりと見張っているのに……邪魔をするのは誰です、か?」 京太郎「どうも、お久しぶりです。とはいってもそんなに時間も経ってはいませんけど」 小蒔「す、すすすすっす!須賀さん!お久しぶりとかはとりあえず置いておいて!」 小蒔「起きて大丈夫なんですか!御身体の調子は!」 京太郎「まあ、ぼちぼちっていう所ですかね。とりあえずは動けます」 小蒔「よ、よかったです……須賀さんの体に何かあったらと思うと、心配で心配で……!」 京太郎(ど、どうしよう……神代さんを落ち着かせないと!) 京太郎(誰かを呼ぼう……!) 京太郎(だけど、こんな状態の神代さんを他の人に任せていいのか?) 京太郎(そんな適当な態度を神代さんにとっていいのか?) 小蒔「け、結局!須賀さんの御身体は大丈夫なんですか!」ズイッ 京太郎「あ、いきなり近づかれると色々とヤバいことに!」モニュン 小蒔「へ?」 京太郎「あれ?」モニュンモニュン 京太郎(この柔らかい感触……もしかしてオパーイ!?)モニュンモニュンモニュン 京太郎(思わず、手を前に出したらその両手が神代さんのオパーイを掴んでいたなんて!)モニュンモニュンモニュン 小蒔「あっ……やんっ」 京太郎(このおもちの感触……パーフェクト……!)モニュンモニュンモニュン 小蒔「ちょ……須賀さんっ……強すぎ…………っ 京太郎(鹿児島に来なければ永遠に味わうことがなかったと思えばすばらっ!)モニュンモニュンモニュン 小蒔「もっと、優しくっ……!」 京太郎(鹿児島っていいね!)モニュンモニュンモニュン 京太郎「って、俺はいつまで揉んでいるんだーーーっ!」 小蒔「ひゃうっ!?」 京太郎「すいません、神代さん。まだ寝起きで意識がはっきりしてなかったんで」キリッ 小蒔「そうですか……なら仕方ないですね」 京太郎(霞さんといい薄墨さんといい神代さんといい……騙されやすいなあ。大丈夫なのか、この人達?) 京太郎(とりあえず、落ち着いたみたいだし誰か呼ぶか……) 京太郎「そういえば、まだこの家にちびっこい金髪の女の子っていませんでしたか?」 小蒔「ああ、天江衣さんですね。彼女なら今は疲れたと言って隣の部屋で休んでいますが……」 京太郎「そうですか、じゃあちょっと行ってきます。彼女には色々とお礼を言わなくちゃいけないんで」 小蒔「駄目ですよ!須賀さんの御身体も十分に危ないんですから!」 小蒔「お願いですから無理をしないでください……。貴方には返しきれない恩があるのですから」 京太郎「そんな大げさな。あそこで俺が通りすぎなくても誰か別の人が助けてくれましたって」 小蒔「そんなことないですっ!あれはまるで――運命の出会いみたいで……嬉しかったんですっ」 京太郎(運命の出会いか。もしかして、神代さんは本気であれは運命の出会いだって思っているのか?) 京太郎(俺が助けなくても誰か別の人が助ける。それは変わらない) 京太郎(俺は、自分勝手で優しくなんかないさ……さっきみたいなことを起こすぐらいだから) 京太郎「言い過ぎですって。俺はそこまで感謝される「違いますっ!」……っ」 小蒔「須賀さんが私を助けてくれたって事実は何を言われても変わりません」 小蒔「貴方の言葉に救われて。私は再び前を向くことが出来ました」 小蒔「だから、そんな事言わないでください」グスッ 京太郎「神代さん……」 ドターン 衣「きょーたろーっ!ちゃんと無事に生きているかー!!!」 小京「「うわあっ!?」」 衣「お前はまた、衣というものがありながら他の女とイチャついて……後でじっくりと説教だ!」 京太郎「ははっ……お手柔らかに」 衣「とりあえず、心配だったからもう一人、この家の者を呼んどいたぞ!」 初美「調子はどうですかー、京太郎」 京太郎「薄墨さんですか……」 衣「万が一があったら困るから衣が呼んでおいたんだ!どうだ、偉いだろーっ!」 京太郎「そうですね、衣さんは偉いですねー」ナデナデ 衣「にゅふふー。本当のことを言っても困るぞー」ニコニコ 京太郎「いえ、衣さんにはココに来る前から色々と助けてもらっているので」 衣「なに、当然のことだ。あんなナリのお前を無視はできなかった」 初美「なになに、二人にはどんな経緯があったのですかー」 小蒔「む……私の知らない須賀さん。私、気になります!」 京太郎(さすがにあのことだけは話せないな……俺の個人的な事情にここの人達を巻き込みたくないし) 京太郎(それを言ってしまえば、衣さんとかには申し訳ない事をしてしまったな……) 京太郎(あの時の俺は相当参っていたから仕方ないのかもしれない) 京太郎(でも、それを理由に俺が許されていい理由にはならない。墓場まで自分一人で持っていければよかったんだけどなあ) 京太郎「それは企業秘密というものですよ」 小蒔「そこまで言われると気になりますよ~」 初美「私もですねー。ラブ臭がしますしー」 京太郎「はははっ、そんな恐れ多い。衣さんと俺では立場が違い過ぎますしね」 衣「…………」 衣(きょーたろー……立場というものはそんなにもお前にとって大きいものなのか?) 京太郎「俺は……達成したい目標があるんで。その目標に向かう為に俺は前に進まなくちゃいけない」 衣(麻雀で誰よりも強くなって見返すというのは他の全てを捨ててでも叶えたいものなのか?) 京太郎「一度は逃げたけれど、俺は……決めたんです」 衣(その過程で、衣は路傍の石程度の価値しか無いのか?) 衣(それならば……立場程度で塞がる思いならばっ!この立場なんて……いらない) 京太郎「だから、恋愛とかそういうのにうつつを抜かすのはやめているんですよ」 初美(あちゃー……これは霞には厳しいことになりそうですよー) 小蒔(……須賀さんがそこまでして叶えたい願いってなんでしょうか?) 初美(うーん、なんか簡単に聞ける内容ではなさそうですしやめておきましょうかー) 小蒔(気になるけど……本人があまり話したがらないことを聞くのはだめだよね) 衣(きょーたろー……) 京太郎(まあ、軽々しく話すものではないよな……俺自身も進んで話そうとは思わないし、聞かれるのはちょっと嫌だし) 京太郎「そういえば、仕事を教わっている途中でしたね。今からでも教えてくれませんか?」 初美「それは構わないのですけどー。大丈夫ですか?別に今日無理しなくてもいいのではー?」 小蒔「そうですよっ。一日ぐらい休んでもバチは当たりません」 京太郎「とはいっても、仕事ですし……。ここで住み込みで働くからにはきちんと仕事をこなしたいですし」 衣「無理は良くないぞー。無理をして身体を壊してしまったら元も子もない」 京太郎「皆さん心配しすぎですって。悪霊も完全に祓ってくれたんですし。体も元気元気ー」 衣小初「「「……」」」ジーッ 京太郎「何ですか、その疑いの眼はっ」 京太郎『本当に平気ですって。嘘は言ってません』 初美「怪しいですよー。私に誓ってそう言えますかー」 京太郎『勿論ですよ。何を言ってるんですか』 初美「……ならいいです。まあ、寝ているだけだといらないことも考えてしまいそうですしねー」 衣「きょーたろーっ!無理はするなよー!」 小蒔「また倒れたら泣いちゃいますからねっ」 京太郎「大げさですねぇ……」 小蒔(やっぱり、どこか距離を置かれている気がします……) 小蒔(ここは一つ距離を近づける為にも私が何かしなくては!) 小蒔「は、はっちゃん!」 初美「なんですかー、姫様」 小蒔「私も須賀さんについていってもよろしいでしょうか」 京太郎「うぇっ!?」 初美「それは構わないですけど面白いものではありませんよー」 京太郎「仕事を教わるだけですしね。俺の身体を心配しているなら別に……」 小蒔「む~~~~~~!須賀さんは私がついていくのが嫌なんですか!」 京太郎「そういうことではありませんよ。ただ、衣さんが一人になってしまいますし」 衣「衣、一人ぼっちなのか?」 初美「……衣さんも連れてってはどうでしょうかー」 ハギヨシ「それには及びません」シュタッ 京太郎「お、ハギヨシさん」 ハギヨシ「衣様がいつの間にかに消えていたと思ったら、まさかここに戻っていたとは」 衣「また、余計な時に」ボソッ ハギヨシ「衣様。さあ、帰りますよ。透華様も心配していらっしゃっています」 衣「やだー!衣はきょーたろーといるんだー!」ジダバタ ハギヨシ「なりません。衣様、ここは一度引くのも大人の女への第一歩かと」 衣「それは本当か?」 ハギヨシ「ええ、神に誓って」 京太郎(嘘だ……ハギヨシさんは口が上手いなあ) ハギヨシ「とりあえず、衣様は連れて帰りますので。皆様はどうぞ、仕事に戻っていただければ」 衣「仕方ない……」 京太郎「では、俺達はこれにて。ああ、衣さん」 衣「何だ?」 京太郎「すいませんでした、本当は何かお詫びがしたいんですけど俺、今何も持っていないんで」 衣「よい。衣はお前が心の底から笑ってくれるだけで……それだけでいい」 衣「それと、このような時はすいませんじゃない。ありがとう、だ」 京太郎「……ありがとうございました」 衣「では、さらばだ。今度はたっぷり、衣に付き合ってもらうからな」 衣(立場なんて関係ない。衣は……お前のことが……いや、これは今は言わぬ方がいい) 衣(この気持ちが本物なのか、しっかりと確かめなくてはな) 初美「――というのが仕事の内容なのですよー。家を案内しながらでしたから長くなってしまいましたー」 京太郎「とりあえず、俺がやることは薄墨さん達の補佐的なことからですね。仕事に慣れてったら一人で掃除やら洗濯やら料理やら」 初美「そうですねー。最初は私みたいなお付の巫女の補佐からですよー」 小蒔(私は関係ないから須賀さんとはあまり会えないのかなぁ……寂しい) 小蒔(でも、こうして付いてきて須賀さんの行動パターンがわかりました!これで偶然を装って会うことはできます)ムフーッ 京太郎「ああ、そういえばなんですけど……」 京太郎「霞さんはどうしたんですか?あの人にも迷惑をかけちゃったしお詫びしないと……」 初美「あー……。霞はですねー今はちょっと触れない方がいいですよー」 京太郎「えっ!?まさか、俺のせいで悪霊の影響を受けたとか!」 初美「いえいえ、そうではなくてー……まあ本人の名誉があるんで追求は勘弁して下さいー」 【霞の部屋】 霞「ど、どうしましょう」 霞「私、京くんに……告白しちゃった!」フトンゴロゴロー 霞「きゃーー!!きゃーーーー!!何もあんな所で告白なんて雰囲気もないじゃない!」 霞「これはまずいわ、ひっじょ~~~~~~~~~にまずいわ!」 霞「いきなり会ってすぐの男の子に一目惚れだからっていきなり告白はマズかったわ……何でそこら辺を考えなかったの、私!」 霞「あの状況で何とかしなくちゃって思って告白はダメよ!ドン引きよ!」バンバンッ 霞「あ、あああああああ!しかもよく考えるとあの時私……全部見られても構わないとか……!きゃーーーーーっ!」ドゴンドゴン 霞「全裸で告白とか何処の変態よ!あの時はノリでやっちゃったけど……ぅぅっ」 霞「もっと、いい雰囲気でしっとりと大人のおねーさんの余裕を見せて告白した方が成功したんじゃないかしら」 霞「例えば……夜の庭園で京くんと二人きり。私は京くんの手を退いて大人のエスコート」 霞「【ふふっ、京くん。月が綺麗ね】」 霞「【はい、とても綺麗です。でも……】」 霞「【あら、何かしら】」 霞「【霞さんも綺麗です】」 霞「【うふふっ、そんなお世辞を言ってもおねーさんには通用しないわよ?】」 霞「【すいません……でも、それが俺の本心だから】」 霞「【うふふっ。京くん……おねーさんのこと好き?】」 霞「【そ、それは……】」 霞「【……おねーさんはね、京くんのことが好きよ。貴方のことを愛してる。だから――私と付き合ってくれないかしら?】」 霞「【か、霞さんっ!お、俺も霞さんのことが……っ!】」 霞「【いいのよ、おねーさんに全部任せて……そのまま】」 霞「そのまま――きゃーーーーっ!なんちゃって!なんちゃって!そのままゴールインっ!」バタンバタンバタンッ 霞「これで京くんとラブラブ間違いなし……!なのに、何であんな告白しちゃったのよぉ!」 霞「もう、京くんの顔……恥ずかしくて見れないじゃない!でも見たい!だって好きなんだもん!きゃーーーっ!」 巴(なにいってだこいつ) 巴(悪霊に取り憑かれた新人さんと戦って倒れたらしいから……心配して見に来たはいいんですけど、近寄リたくないです) 巴(とりあえず、放置しましょう。これに巻き込まれたら碌なことが起きない気がします) 巴(例えると私の出番が減るとか……自分でも何言ってるかわかりませんけど) 初美(正直あの状態の霞さんと京太郎を会わせたら碌なことが起きないですよー) 初美(はっちゃんめんどくさいことは嫌ですよー) 京太郎「まあ、それなら仕方ないか……」 京太郎(告白の返事とかもしっかりしときたかったんだけどな) 京太郎(……断らなくちゃいけないな) 京太郎(もし、受けたとしよう) 京太郎(そしたら、俺はきっと――霞さんに甘えてしまうから) 京太郎(俺に誰かを頼る資格なんざない。あんなひどいことをしといて……) 京太郎(背負ってやるさ。重さに潰れそうになっても、俺は立ってやる) 京太郎(――――いつか、俺が強くなって……最強を手に入れるまで) 初美「さてと……これからどうしましょうかー」 春「話は聞かせてもらった、人類は滅亡する」ババーン 京太郎「な、なんだってー!?」 初美「ノリがいいですねー」 小蒔「えっと……えっと……」 春「冗談はともかく、須賀」 京太郎「はい、なんでしょう」 春「また料理作るの?」 京太郎「えっと……まだ作るとは決まってませんね」 春「須賀の作ったご飯が食べたい。作って」 京太郎「んー。そういうのは俺の一存で決めれるものではありませんし」 春「作ってくれたら黒糖あげるから」 京太郎「いや、黒糖って……」 京太郎「わかりました、作りましょう!」 春「!」 京太郎「ただし、滝見さんも一緒にです」 春「えー」 京太郎「えーじゃないです。それに、滝見さんの作る料理も食べてみたいですし」 春「めんどくさい」 京太郎「一人で料理を黙々と作るのは簡単ですけど……やっぱり二人で作った方が食べ比べもできますし」 春「じゃあ他のメンツに任せればいい」 京太郎「俺は、滝見さんと一緒に料理がしたいなって思ったんですよ」 小蒔「!?」 初美「!?」 春「……仕方ない。須賀の美味しい料理を食べる為。私も動く」 京太郎「ありがとうございます」 初美(むむっ!料理と言えばはっちゃんなのにー!昼の雪辱を晴らすという意味でも誘われると思ったのですがー) 小蒔(須賀さんと一緒にお料理したかったなぁ……)グスン 京太郎「さあ、作りましょうか」 春「作るといっても何を作るの?」 京太郎「うーん、和食ですかね。和洋中全部作れることは作れるんですけど」 春「じゃあ、どれか適当でいいじゃん」 京太郎「いや、この家って和風じゃないですか。だから、和食が一番かな~って」 春「…………」 京太郎「ん?何かいけないことでもいいましたか?和食が駄目な人でもいるとか?」 春「……何か違和感あると思ったら須賀、敬語使ってる」 京太郎「ああ、そうですね。一応は」 春「敬語はいらない。年だって同じだし」 京太郎「いいんですか……?」 春「いい。それと滝見さんじゃなくてはるるって呼ぶ。それが私のあだ名みたいなものだから」 京太郎「ホントにいいんですか?」 春「私がいいって言うならいい。また敬語が出てる」 京太郎「じゃあ、はるる……」 春「うん、それでいい。私も須賀のことも京太郎って呼……これじゃあはっちゃんと被る」 京太郎「いや別にかぶってもいいじゃ……だろ」 春「やだ。個性が減る。ちょっと待ってて、考えるから」 京太郎「いやどうでもいいって。そんなこと」 春「よくない。私と須賀の親愛の証みたいなものだからまじめに考える」 京太郎「……別にそこまでしてくれなくてもいいんだけどなぁ」 春「……京」 京太郎「きょう?」 春「うん、しっくりくる。これから須賀のことは京って呼ぶ」 京太郎「まあ、いいけど」 春「じゃあ、京。かったるいけど作ろう」 京太郎「作るのは何人分?」 春「京を入れて五人」 京太郎「あれ?ここに来る途中もっと人がいたような……」 春「食事も仕事も使用人ごとにグループ分けされている。京は私達のグループだから食事と仕事は一緒」 京太郎「ということは神代さんは?」 春「姫様は家族と一緒に食べてるから。たまに混ざってくるけど」 京太郎「ふーん。つうか、さっきの料理対決は丁度俺達の使っていい時間だったんだな……」 京太郎(だから、薄墨さんは余分に作っていたのか) 春「お風呂については入る時間が分かれている。後で教えておく」 京太郎(ああ、だから霞さんとばったり会ってしまったのか……他の人と会ってたらひどいことになっていたな) 春「とりあえず、今はご飯を作ることに専念する」 京太郎「そこまで、ご飯に執着してるのかよ……。えっと、はるると薄墨さん、霞さんに俺。後一人は?」 春「巴。眼鏡巫女。地味。キンクリ」 京太郎「……いいのかよ、そういう事言って」 春「いい。事実だし」 京太郎「まあ、いいや。和食は皆食べれるよな?」 春「うん。基本的には嫌いなものはないと思うけど」 京太郎「この冷蔵庫の中は共有して使っていいのか?」 春「そうだよ。適当に使ってもばれない。その辺りは早い者勝ちでいい」 京太郎「そうか。じゃあ、どうしよう……和食といっても色々あるし」 京太郎「じゃあ、肉じゃがでも作りましょう」 春「やったね、それは巴の大好物。好感度アップ間違いなし」 京太郎「とは言っても、俺まだ会ったことないんだけどなぁ……」 春「食事の時には嫌でも会うんだからいい」 京太郎「まあそうだけどさ……はるるは何作るんだよ」 春「な・い・し・ょ」 京太郎「そんな可愛く言っても一品追加とかしないからな」 春「チッ。チョロくない男」 京太郎「ほんと、お前言いたい放題だなあ!?」 京太郎「まあ、いいや。とりあえず、食べる時を楽しみにしているよ」 春「そうした方がいい。私の料理で京はきっと二度と包丁を握れないくらいに感激すると思うから」 京太郎「それだけはねーよ!」 春「とりあえず、作ろう」ガッツポ 京太郎「おう」ガッツポ ・ ・ ・ 京太郎「……ふぅ。肉じゃがは強敵でしたね」 春「その意味不明な敬語は何?」 京太郎「いや、ちょっとしたネタ的会話だと思ってくれれば」 春「そう。さっさと作る」ホウチョウニギー トントントントントスッ 春「あっ」 京太郎「どうした!?」 春「指切っちゃった。でも、大丈夫この程度」 京太郎「何言ってるんだ。バイキンが入ったらどうするんだよ」ユビペロッ 春「!???」 京太郎「ああ、もうっ。じっとしてろ」ペロペロ 春「は、恥ずかしいんだけど……」 京太郎「恥ずかしさよりも怪我をちゃんと治す方が大事だ。んー、ポケットの中に絆創膏があったような……」 春「ううっ……京に辱められた」 京太郎「ただ、指舐めただけだろ!」 春「私の初めてだったのに……」 京太郎「そんな初めて溝に捨てちまえ!」 京太郎「ともかくこれからは注意して包丁を握れよ」 春「……うん」 京太郎「なぜ顔が赤い」 春「それは京の気のせい」 京太郎「いやどう見ても赤い」 春「そういう乙女の事情には首を突っ込まない。そういう事言ってたらモテないよ?」 京太郎「いや、別にお前からモテてもなぁ……」 春「む。それは私には魅力がないってこと。これは教育」ズイッ 京太郎「そういう訳ではないんだけどさ。はるるって何かダチっていうか……」 京太郎「気軽に話せて楽っつーか」 京太郎「だから、はるるに魅力がないって訳じゃねぇよ」 春(褒められているのはわかるけど) 春(何か複雑) 春(胸がモヤモヤして……気持ち悪い) 春(このモヤモヤは何?) 春(私は、私は……) 春(京と今以上の関係になりたいのだろうか) 春(同僚以上?友人以上?恋人未満?) 春(難しくて、わからない) 春(とりあえず、今はこの空間を楽しもう) 京太郎「はるるのも俺のもできたな」 春「いい出来。持って行こう」 京太郎「そういえば、何処で食べるんだ?」 春「私達の部屋のどれかでいいんじゃない?」 京太郎「そっか、じゃあ……」 京太郎「じゃあ、はるるの部屋で」 春「私の?どうして?」 京太郎「単純にどんな部屋か興味がある」 春「……えっち」 京太郎「なんでだよ!?下着漁りをするでもあるまいし」 春「女の子の部屋には夢がいっぱい。それを暴こうだなんて」 京太郎「女の子(笑)」 春「手に持ってる鍋、投げるよ?」 京太郎「すいませんでした」 春「わかればよろしい」 【はるるの部屋】 京太郎「何というか……」 春「文句あるの?」 京太郎「殺風景すぎるだろ!机と黒糖と布団しかねーよ!」 春「黒糖を馬鹿にしたらいけない。黒糖は世界を救う」 京太郎「救わねーから!」 春「全く、京は文句ばっかり」 京太郎「誰のせいだよ、誰の!」 春「……さあ?」 京太郎「さあじゃねーから!ったく、漫才やってるみたいだよ」 春「京春でコンビを組むの?大阪進出?」 京太郎「んな面倒なことしないって。いいからさっさと他の三人を呼んでこようぜ」 春「で、どうやって呼ぶの?私はここで盛り付けとかやってる?それとも逆?」 京太郎「んー、どうしよう……」 京太郎「じゃあこうしよう」 京太郎「はるるが体に三人の精神を降霊させる」 春「ばかじゃないの」 京太郎「なんだと!?これでも一生懸命考えたんだぞ!?」 春「ばかじゃないの」 京太郎「二回目!?そこまで言うかよ!」 春「だって、本当に馬鹿としか思えない」 京太郎「いやいや、やればできるかもしれないぞ。もっと、熱くなれよ!ネバーギブアップ!」 春「うおーあついぞー」 京太郎「すっげー適当じゃねぇか!?」 春「実際そんなことはできない」 京太郎「いやいや、もしかしたらできるようになってるかもしれない」 春「……嘘っぽい」 京太郎「とりあえず、振りからでもやろうぜ。巴さんは知らないから除外して……誰にしよう?」 京太郎「じゃあ薄墨さんで」 春「あまり、気は進まないけれどわかった……」 京太郎「まあ、とはいっても所詮は振りみたいなものだから」 春「京太郎!はっちゃんですよー」 京太郎「」ブフォッ 春「もーどうしたんですか?そんな鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしてー」 京太郎「」ゲホッゴホッ 春「そんな有様じゃあ困るのですよー。言い出しっぺの京太郎が信じなくてどうするんですかー」 京太郎「」ブブックッゲホッ 春「……」 京太郎「」プククッ 春「…………」 京太郎「」クックック 春「……京」 京太郎「マジすいませんでした」ドゲザーッ 春「恥ずかしかった。今日は二回も辱められた、許せない」 京太郎「今回のはともかく前回のはそんな悪いことじゃあねーだろ!」 春「女の子はデリケートだから」 京太郎「デリケートな女の子?」 春「疑問符をつけない。バカなこと言ってないでさっさと呼んでくる」ドカッ 京太郎「わ、わかったから尻を蹴るなって」 春「こうでもしないとやってられない」 京太郎「薄墨さんから捜そうと思う」 京太郎「というか捜すって言っても何処にいるかわかんねーぞ、俺」 春「多分部屋にいる。部屋にいなかったら放置でいい」 京太郎「放置でいいのかよ」 春「時間が立てばひょっこり出てくる」 京太郎「空腹で倒れるかもしれなくね?」 春「ないないノーウェイノーウェイ」 京太郎「そうだといいんだけどな……」 春「ほら、さっさといく。いなかったら他の二人を捜す」 京太郎「うーん、とりあえず薄墨さんの部屋の前に来たけどいるのか……?」 初美「呼ばれて飛び出てだだだだーん!はっちゃんですよー」 京太郎「……」 初美「もー、せっかく人がウイットに富んだジョークで挨拶をしたのにその反応は何ですか」 京太郎(どこが……?) 初美「まあそんな些細なことはどうでもいいのですよー」 初美「晩御飯ができたのですかー」 京太郎「はい。はるるの部屋で食べようかなって薄墨さんを呼びに来たんです」 初美「むっ、呼び名が変わってますよー。これはラブ臭!?」 京太郎「ラブ臭どんだけ好きなんですか」 初美「女の子は恋バナが好きなんですよー」 京太郎「然様ですか。とりあえず、さっさと行きますよ」 初美「えー。もっと二人きりで語らいましょうよー。私の好感度が上がるチャンスですよー」 京太郎「だって……ロリだし」 初美「ロリをバカにしてはいけませんよー。世の中にはこの体型が好きな人だっているんですからー」 京太郎「まあ、そうだけどさ……」 初美「京太郎もそうなりましょうよー。ほらほらー」 京太郎「ノーセンキューで」 初美「つれないですねー。これでも私は京太郎のことを好意的に思っているんですよー」 京太郎「はいはい、うれしいなー」 初美「信じていませんねー。なら――試してみますか?」クスッ 京太郎「そういうことはもう少し成長してからな。というか、犯罪だよ、ロリはっ!」 初美「残念ですよー。大人の階段のーぼるーって感じでしたのに」 京太郎(ちょっとドキッとしてしまったなんて言えない……) 初美「とりあえず、後はどうするんですか?霞と巴はどうやって呼ぶんですか?」 京太郎「部屋に殴りこみをかけます」 初美「おー。どっちから呼ぶんですかー」 初美「そうですかー。じゃあ私は巴の部屋に行きますねー。告白の返事、しないと駄目ですよー」 京太郎「わかってます。きちんとした返答で返します」 初美(答えが決まりきっているっていう点では面白みもないんですけどねー……) 初美(京太郎がいつかは霞や姫様の好意に応えてくれたらいいんですけど) 初美(それを捨ててまで叶えたい願いって何でしょうかね……) 初美(才能が憎いと言ってましたけど……彼は何を経験してそうなってしまったのか) 初美(今の私にはまだ、わかりませんよー) 初美(でも、いつかは……わかりたいです) 初美(忘れることも時には幸せになるんですよ、京太郎) 京太郎(霞さんの部屋の前まで来たはいいけど……何か入りづらい) 京太郎(まあ、せっかくしてくれた告白を断るんだから当然か) 京太郎(でも、今の俺にはそういう寄り道をしている暇はないんだ) 京太郎(強くならないといけない。今度は誰にも迷惑をかけずに、一人で) 京太郎(だから、男を見せろっ。京太郎!) 京太郎「た、たのもーーー!」 京太郎「……あれ、いない」 京太郎「どうしよう。早く呼ばないと冷めちまうし」 京太郎「トイレに行ってるだけかもしれないし少し待っているかー」 京太郎「つってもただ待つのは暇だなぁ……」 京太郎「とりあえず、部屋で待っていよう」 京太郎「漫画でもあればいいんだけど……お、あれは!?」 京太郎「霞さんの日記……か。こういうのはプライベートだし読んじゃいけないよな、うん」 京太郎「でもなー開きっぱなしだから視界に映るのは止められないなー」 京太郎「仕方ない、仕方ないなー。チラッと見えちゃったもんなー」 ◯◯月■■日 今日は新しいお付きの人が来るらしい。しかも、男だ。 姫様は男の人に耐性がないからどうしましょう。 私みたいなおねーさんは完全に耐性があるから大丈夫だけど。 そういえば、姫様が家の神事から逃げた時、男の子に助けてもらったって興奮しながら話していたわね。 この出来事をきっかけに姫様も少しは男の人に慣れることが出来ればいいわね。 京太郎「うん、普通の日記だ。特に何の変哲もないな」 京太郎「あ、こっちのページは書きかけだ……」 ◯◯月■■日 ヤバいわ。まさか、私が一目惚れだなんて。私に限ってはないって思っていたけど。 んー、新しく入ってきたお付きの男の子、須賀京太郎君。本当に、会ったばかり。 でも、恋をしちゃった。好きになっちゃった。恋愛なんてするはずないって思っていたのに。 れ、冷静になるのよ。冷静に考えて、全裸で告白とかまともに受けてもらえる気がしないわ!そもそも…… 京太郎「……霞さん」 京太郎(縦読みで不吉な言葉が出てるのは気のせいだと思おう) タッタッタッタッタ 京太郎「あ、やっと帰って来たのかな」 京太郎(とりあえず、この日記については見なかったことにしよう) 霞「ふんふーん。さーて、書きかけの日記を一気に書いちゃ……」 京太郎「あ、どうも。おじゃましています」 霞「」 京太郎「ご飯できたんで呼びに来たんですけど……」 霞「き、ききいいっきょっっykrつぉてそおおえわてwた」 京太郎「か、霞さん?」 霞「きょ、京くん?に、日記見てないよね?」 京太郎「日記?何のことでしょうか?」ニコッ 霞「そ、そう。ならいいわ。京くんは知らなくていいことだから」 霞(もし見られてでもしたら睾丸を潰して……って何考えているのよ、私は) 京太郎「それと、先程はすいませんでした」ドゲザッ 霞「ちょ、ちょっと」 京太郎「自分の事情に霞さんや薄墨さん、衣さんを巻き込んでしまいました」 京太郎「簡単に償えるとは思いません。それだけのことを俺はしたんで」 霞「そこまで謝る必要はないわよ!?」 京太郎「いえ、これは俺のケジメなんで。今後、もうこのようなことには巻き込まないんで」 霞(それって……これからは全部一人で抱え込むってこと?) 霞(やっぱり、壁があるのかしらね……京くんと。でも、今の京くんにそれを言ってもますます壁が広がるだけね) 霞(今は、何も言わないけど。何かあったら私がまた助けるしかないわね) 霞(それと……) 京太郎「それと、告白についてですけど」 霞「ええ……来ると思っていたわ」 京太郎「霞さんが精一杯の勇気を出して伝えてくれたんです。俺もしっかりと答えます: 霞「……」 京太郎「すいません、今の俺には恋愛にかまけている余裕が無いんです」 京太郎「逃げるのは、やめて……前を向くって決めたので」 京太郎「だから、霞さんの好意に俺は……」 霞「ストップ」 京太郎「えっ?」 霞「その先はいいわ。わかりきっているもの」 京太郎「……」 霞「簡単にまとめると、今の京くんには余裕がない。だから、付き合えない」 霞「なら、京くんに余裕が生まれるまで私は待つわ。私は、諦めない」 京太郎「……霞さん」 霞「絶対、振り向かせるから。貴方を」 京太郎「……俺が言うのもどうかと思いますけどそれでいいんですか?」 霞「いいのよ、だって京くんのこと、好きだもん」 京太郎「……うっ。またストレートに言ってきますね」 霞「もうバレてるしね。隠す必要はないでしょう?」 京太郎「はぁ……強情ですね」 霞「そうでもなきゃ貴方は私を見ないもの」 霞「ただこれだけは言っておくわ」 霞「私は、石戸霞は……須賀京太郎のことが好き」 霞「それだけは“嘘”じゃないから」 京太郎『……いつか、必ずきちんとした返事を返すんで』 京太郎「とりあえず、今は御飯食べましょう?」 霞「そうね、京くんが作ったの?」 京太郎「そうですね。はるると一緒に作りました」 霞「……はるる?京くん、いつのまにはるると仲良くなったの?」ゴッ 京太郎「成り行きでさっき」 霞「……はっちゃんといいはるるといい小蒔ちゃんといい敵は増える一方だわ」ボソッ 霞(マズイわ……京くんを早くものにしないと。やっぱり、睾丸を潰して監禁……ってどこのヤンデレよ!私は!) 霞(シャレにならないわ、もう……。目指すのは王道よ、お嫁さんよ!) 霞「まあいいわ。おねーさんは余裕たっぷりで京くんを攻略するから」 京太郎(……今まで余裕たっぷりな霞さんってあったっけ?) 京太郎「っと、話をしていたら時間も結構経っていますね。早くはるるの部屋に行きましょう」 霞「そうね、京くんの手料理だなんて楽しみだわ~」 京太郎「言う程大したものではありませんけどね」 【はるるの部屋】 春「遅い」 初美「もうお腹が空き過ぎて死にそうですよー」 巴「はっちゃんは大袈裟すぎだと思うけど……」 京太郎「すいません、待たせてしまって」 霞「申し訳ないわ~」 初美「全然申し訳なさそうな言い口じゃないのは気のせいでしょうかー」 霞「気のせいよ。それよりも、早く食べましょう」 京太郎「そうですね。でも、その前に……」 京太郎「はじめまして。俺、須賀京太郎っていいます。いやぁ巴さんがこんな美人さんでびっくりしました」 霞「!?」ゴッタオッ 春「!?」ピキンッ 初美「!?」キッ 巴「えっ、え~~~~~~!?そ、そんな滅相もない!」テレテレ 京太郎「いえ、俺は本当のことを言ったまでですよ」 巴「ま、まったくもー!年上のお姉さんをからかったら駄目だよー」 京太郎「ははは。からかうだなんてそんな。お聞きしていたよりもずっと美人です」 巴「お世辞でも嬉しいよ。あんまりそういう事言われたことなかったからね」 京太郎「何を言っているんですか。巴さんの周りの男の人の眼は節穴なんですね、こんな美人を放っておくなんて」 霞「」プルプル 春「」ガリッガリッ 初美「」ギギギ 巴「もう、きょーちんはお世辞が上手いなあ」 京太郎「いやいや……ってきょーちん?」 巴「ああ、私って人にあだ名をよくつけるからさ」 巴「例えを挙げると、はっちゃん、はるる、かすみん。こまきん。姫様は一応立場が立場だから外ではあまり言えないけど」 巴「これからは一緒に働くしさ、親しみの意味も込めてきょーちんってこと」 京太郎「あはは……そんなあだ名までつけてもらえて光栄ですよ」 巴「いいっていいって。私もいざ会ってみるまでは不安だったけどね」 巴「会ってみたら面白い子でよかったよ。ジョークもわかりそうだし」 京太郎「そりゃあまあ。ここでは先輩ですから。何でも申し付けて下さい、お姫様」 巴「ぷっ。何なのさ、その執事の真似事はー」 京太郎「一応、仲の良い執事の友達に基本的なことは教わっているんですよ?」 霞「」ゴッゴッゴッ 春「」ガリッガリガリッ! 初美「」パキパキパキ 巴「へぇそうなんだー!じゃあ、今度その話を聞かせてもらってもいいかな?」 京太郎「勿論いいですよ。巴さんが聞いてて面白いかは保証できませんけどね」 巴「そんなことないよ!だって執事でしょ!いいなー憧れちゃうよー」 京太郎「まあ俺もそうでしたから。俺に教えてくれた人は完璧でカッコ良かったですし」 霞(私の時と違う……何でよ!やっぱり私には魅力がないってこと!?)ガーッ 春(よくわからないけどムカツク。京がデレデレして、すごく……ムカツク)ガーッ 初美(私にはロリだなんだで何の興味も示さないのに……!女の子としてはすっごくモヤモヤしますよー)ガーッ 巴「でも、きょーちんもその人の下で学んだんでしょ?なら、十分すごいじゃない」 京太郎「まだまだ俺は未熟ですよ。その、師匠……ハギヨシさんって言うんですけどね」 京太郎「あの人はすごいですからね。やっぱり比べると自分が低い場所にいるってことが嫌でも理解しちゃいます」 巴「ふふっ、とりあえず御飯が冷めちゃうから早く食べようか。せっかくきょーちんとはるるが作ってくれたしね」 京太郎「そうですね。今度機会があれば色々話しますよ」 巴「あれ?どうしたの、皆固まっちゃって」 京太郎「何かおかしな事でもありましたか?」 初美「自分の胸に聞いてみろですよー!」ドカッ 春「この天然ジゴロは一回鹿児島湾に沈めた方がいいかもしれない」ドカッ 霞「京くんは胸の大きな女の子は嫌いなのかしら……」ズーン 京太郎「と、とりあえずご飯食べましょうよ!」 巴「そうだねー。じゃあいっせーのーでっ」 「「「「「いただきます!」」」」」 巴「う、うーまーいーぞー!」 巴「この肉じゃが……美味い、美味いよぉ!」モギュモギュッ 京太郎「お褒めにあずかりまして光栄でございます、お姫様」 巴「えーっ!これきょーちん作ったの!?やっるぅーー!」 巴「しかも、私の好きなものだしっ!」 京太郎「偶然ですよ、偶然。でも、喜んでもらえて何よりです」 巴「本当美味しいよ、これっ!いやー感動するなあ」モグモグモグ 霞「ぐぬぬ……」 初美「どうどうどう。落ち着くのですよー。ほら、京太郎が作った肉じゃがですよー」 霞「それは嬉しいけど……あ、ちょっとはるる!それは私の肉じゃが!」 春「弱肉強食……食卓はそういうもの」ヒョイパクヒョイパク 巴「あはは……いつもはこんなに騒がしくはないんだけどね」 京太郎「すいません、何か割り込んじゃったみたいで」 巴「いいよいいよー。こういう食事っていうのは楽しんでこそだよ」 京太郎「そう言ってもらえると気が楽になりますよ」 巴「これからが楽しくなるねー。っと、そんなおしゃべりをしている場合じゃない。きょーちんの肉じゃがを誰よりも多く食べなければ!」ガツガツガツ 京太郎(うーん、ここまで喜んでもらえるとは……頑張って作ったかいがあった)パクパク 京太郎「おっ、この唐揚げはるるが作ったのか?」 春「うん。おいしい?」 京太郎「ああ、すっげーうめえよ。もっとくれよ」ヒョイパクヒョイパク 春「よかった。私はそんなに料理が得意ではないから」 京太郎「この腕でか?そしたら俺の立場がねーよ」 春「京こそ、そんなに料理ができるのに謙遜しちゃ駄目。私の立場がなくなる」 京太郎「注意しておくよ。ともかく、今は食べよう。薄墨さんじゃないけど、俺もお腹が空いていたし」 春「そう……じゃんじゃん食べて。唐揚げはいっぱいある」 京太郎「おう。じゃあ遠慮無く」バクバクッ 春「いい食べっぷり。京のいいとこ見てみたい」 京太郎「……おだてても揚げ物だから大量には食えないからな」 春「それでも……京なら……京ならきっとなんとか食べてくれる……!!」 京太郎「食べないからな、胃もたれ辛いし」 「「「「「ごちそうさまでした」」」」」 京太郎「はーっ、食った食ったー」 巴「もう、食べられません……でもでも!また作ってくださいね」 京太郎「こんなのでよければ。今度は巴さんの料理が食べたいな」 巴「ふっふっふ……その時を楽しみにしておくが良い、きょーちん」 初美「そういえば、京太郎ー」 京太郎「ん?何かありましたか?」 初美「京太郎の歓迎会をやろうと思うんですが時間は大丈夫ですかー」 京太郎「えっ!?わざわざそんなことをしなくてもいいっすよ。準備するにも手間がかかりそうですし」 初美「別に準備なんてないですよー。ただゲームをして遊ぶだけですしー」 春「後は、お菓子でも適当に持ってくれば言い」コクトウポリポリ 霞「まあそれぐらいしかできないのが心苦しいけど」 京太郎「んなことないですって。お心遣いだけでも十分なくらいですよ」 巴「まあ、深いことは考えないで楽しもうよきょーちん」 京太郎「みなさんがそこまで言うのなら……ところでゲームって何をやるんですか?」 初美「ということでマリオカート大会ですよー」ドンドンパフパフー 巴「いえーい!」 春「待ってました」 霞「今日こそ一位はもらうわー」 小蒔「が、頑張りますっ!」 京太郎「そこまで気張らなくてもいいんじゃ……」 初美「準備をしますんで少し待っていてくださいねー」 ヒカルカーゼヲオイコシタラー 京太郎「おっ、メールだ」ピコピコ 京太郎「おっ、メールだ」ピコピコ 京太郎(えーっと……誰だ。ああ、超弩級少女さんか」 『こんな時間にごめんねー。今大丈夫だったりするかなー』 京太郎(うーん、相変わらず可愛い文体だなー)ピコピコ 『ええ、大丈夫ですよ。もう少ししたら友達とゲームしますんで反応ができなるかもですけど』 京太郎(送信……っと) 春「メール?友達?]ズイッ 京太郎「おわっ!いきなりびっくりしたなっ!」 春「ちょっと気になったから。京って友達いたんだ」 京太郎「俺をどう思っているかよくわかるなっ!」 ヒカルカーゼヲオイコシタラー 京太郎「っとすいません」 『そうなんだー。実はねー、今度友達と一緒に部活の合宿に行くんだー。 だからその自慢をしたくてメールしたんだよー』 京太郎「……合宿か」ポチポチ 春「むっ。あの女の匂いがする」 京太郎「はるるはまったく接点ないだろっ!」 『ちなみにどこに合宿行くんですか?』 春「質問にはきちんと答える。浮気は許さない」 京太郎「いつからお前の彼氏になったんだよ!?」 霞「」ガタッ 京太郎「霞さんは座っていて下さい」 霞「最近の京くんは冷たいわ……それにしても京くんはタラシなのねっ!女の子の友達がいっぱいだなんて!」 京太郎「いっぱいとは言ってないんですけどね……ネットで知り合ったんですよ、この人」 京太郎「なんでかすごく気が合ってメルアド交換してメル友になったんですよ」 霞「へ、へぇ……」 霞(やっぱり京くんはジゴロね……注意しとかないとっ) 春「それで仲良くなって会ったりしないの?」 京太郎「会うにしても住んでる所が遠すぎるんで。彼女は岩手、俺は長野なんで」 ヒカルカーゼヲオイコシタラー 京太郎「っと。ちょっとすいません」 『九州だよー。私がいる部活の顧問がねっ、昔監督してたチームにツテがあったんだよー。 そこで鍛えてもらうんだー。相手はプロだけど頑張ってくるよー』 京太郎(へぇ……超弩級少女さん、九州に来てるんだ、もしかしたら、会えるかもしれないな) 『俺も今九州にいるんですよ。今度良ければ会いませんか?』 京太郎「送信っと……」 春「ちょっと待った。京、いつの間にかにオフ会フラグ立ててる。これはギルティ」 霞「……ああ、京くんが私から離れていくわ」 京太郎「あんたら何言ってんだ」 ヒカルカーゼヲオイコシタラー 京太郎「とか言ってる内に返信が……」 『えっ、ほんとに!?ちょーうれしいよー!!! じゃあ今度暇な日教えてね!私も合わせるから!!』 京太郎「おお……すごく喜んでる。これは誘ったかいがあったかな」 初美「準備できましたー!早速始めますよー!」 京太郎「最初にやる人は誰にするんですか?」 巴「きょーちんは主役だから確定として……残り三人はどうしよう?」 春「まずは、私……」 京太郎「残りはどうします?」 初美「ここは私の出番のようですねー」 小蒔「ま、負けませんっ!」 京太郎「キャラはどうします?」 初美「私はピーチで」 春「ヨッシー安定」 小蒔「じゃあ、ドンキーで」 京太郎「俺はオーソドックスにルイージで行きますね 初美「ステージは最初ですし簡単なのにしましょうー」 京太郎「じゃあ、ルイージサーキットでいいですか」 春「何にせよ私が勝つことは確定」 小蒔「ううっ……緊張します」 初美「じゃあ、ゲームスタートですよー」 初美(キノコゲットー。このまま逃げますよー) 小蒔「あわわわっ。アイテム取り損ねちゃった……」 春「チャーンス。赤の甲羅3つ。くらえー」 小蒔「ひゃあああああああっ!」 春「追いついた。悪いけど、京の手前負けられない」 京太郎(皆、無駄に気合が入ってるなあ……) 京太郎(さて……) 京太郎(バナナか……とりあえず、置いておこう) 初美「うはっ、一位独走ですよー!」 春「姫様の犠牲は無駄にしない……さらば」 小蒔「ふぇぇ……最下位だよぅ……っ」 京太郎(神代さんが泣きそうになってる……あっ、バナナ踏んだ。もうこれで四位は神代さん確定だな) ニシュウメ! 京太郎(うーん、はるるは上手くキノコを引いて追いついてくるし、薄墨さんは独走) 京太郎(ここで止めないとなっ!) アイテームッ! 京太郎(よっしゃっ、アカのこうらだっ!) 京太郎(薄墨さん、覚悟っ!) 京太郎「ほいっと!」 初美「ひゃあっ!京太郎、卑怯ですよー」プンスカ 京太郎「ゲームに卑怯もあるかっ!」 京太郎(これで一位……このまま逃げ切るっ!) 春「そうはさせないのが私の役目) 初美「まだ、終わらないですよー!」 小蒔「私だけ蚊帳の外……」グスン サンシュウメッラストッ! 京太郎「さあ、このまま逃げ切れればいいんだけど」 春「そうさせない。私が勝って京にはお灸をすえる」 初美「はるるは引っ込んでて下さいー!」 京太郎「ざけんなっ!そう簡単に負けられるかよ」 初美「はるる!ここは協力して倒しますよー!」 春「乗った。このままだと京が逃げ切ってしまう」 京太郎「お前らの方が卑怯じゃねーかよ!?」 京太郎「うぼあー!」サーンイ 春「勝負とは時には非常なもの」イチーイ 初美「儚い犠牲だったのですよー……」ニーイ 京太郎「お前ら覚えてろよーっ!」 小蒔「私だけ全然関係ない……須賀さぁん助けてくださいー」ヨーンイ 京太郎「ああもう、神代さん落ち着いて下さい。ただのゲームですから」 小蒔「でも、私だけ……ぼっちですよー」 京太郎「はいはい、神代さんは頑張ったんですから」ナデナデ 小蒔「……えへへ」 カスミクラエーキャーアタルワー ナニガキャーダトシカンガエロヨトモエチャンアトデオシオキネー モウネムイデスーコクトウウマー 京太郎「そういえば、これで盛り上がるのはいいんですけど明日の仕事に差し支えないんですか」 初美「……」 春「大丈夫だ、問題ない……たぶん」 霞「確かに、私達は朝が早いわねー」 巴「どうしますか?今日は早いですけどお開きにします?」 「最後に一戦やりましょう」 春「私が出る」 初美「はっちゃん登場なのですよー!」 巴「まあ、お手柔らかに」 京太郎「それと、俺か。ステージは皆慣れてきたしヒュードロいけでいいか?」 巴「そうですね、多少は難しいステージの方が面白いですし」 春「私はヨッシーと運命を共にする」 初美「ピーチが一番使いやすいのですよー」 巴「じゃあ、私はマリオで」 京太郎「下手に変えるのもあれだしな……ルイージで」 初美「じゃあ、ゲームスタートですよー」 初美「うははははー!また一位スタートですよー」ドピューン 巴「まあ、堅実に行きましょう」 春「ぐぬぬ……この私がまたエンスト」 京太郎「俺は何も悪いことやってねえのに」 春「むぅ……追いつかないと」グイーッ 京太郎「っとわっ!?何で身体をこっちに寄せてくる!」 春「こういうゲームの時は身体も一緒に動かす派だから、私」 京太郎「顔が近くてプレイに集中できねえんだよ!」 霞(…………次は私もやろう) 小蒔(私も須賀さんと楽しくゲームしたいなあ……) 京太郎「んなことしてないで真面目にやるぞ……このままだと負けちまう」 春「なら、協力してトップを潰す?」 初美「!?」 巴「私は無視なの!?」 春「京と一緒なら勝てる気がする……」 京太郎(うーん、どうしようか。協力してもいいんだけど最初のアレがあるしな……) 京太郎(やっぱやめとこう。土壇場で裏切られそうだし。さっきの恨みもあるし) 京太郎「これが答えだ、はるるっ!」アカトリプルッ 春「……!?」ドガンドガンドガン 京太郎「そのまま、落ちろっ!」ドーンッ 春「……あっ」 京太郎「これで最初の借りはなしだぜ」ニコッ 初美(え、えげつないですよー……) 巴(その笑顔が逆に怖い) 春(京に信じてもらえなかった私が悪かったんだ……)グスッ 春(嫌。それは嫌……!) 春(悪いのは私。最初の時に京にひどい協力プレイをしちゃったし) 春(だから仕方ないのかな?京に嫌われても) 春「それでも、嫌だ。せっかくできた友達なのに) 春(京が私と話してくれなくなるのは嫌) 春(京が他の人と話す時は笑うのに、私の時だけ笑わなくなるのは……嫌) 京太郎(さてと、二位は巴さんか。巴さんのプレイスタイルは堅実だしとりあえずは様子見か) 巴「はっちゃんくらえー!」 初美「ぎゃーっ!何でアカのこうらが二位で出るんですかー!?」 春「…………」 京太郎「ラッキー。これで少しは追いつけるぜ!」 京太郎「よっしゃ!スターだ!」テレレッテレー 巴「わーーー!きょーちんこ~な~い~で~!」 初美「ちょ、巴!何で私の方に寄ってくるんですかー!?」 春「…………」 巴「せっかくの出番なんです!たまには私に一位を譲ってくださいよー」 初美「嫌ですよー!私だって一位になりたいですー!」 ニシュウメッ 京太郎(とりあえず、はるるはもういいとして。前の二人だな) 京太郎(スターで大分距離を詰めたから一位を狙えるぞ!)キノコダーッシュ 巴「うわっ、きょーちんがもうすぐそこまで!?」 京太郎「これで、決めるっ!」 京太郎「バナナか……とりあえず、仕掛けておくか」テテテテン 初美「うわー、三週目の時に踏んだらどうするんですかー!?」 巴「そりゃあゲームだからそういうことまで戦略として考えるでしょ……」 春「……あっ」ツルーン 初美「やたっ。はるるが踏んでくれたおかげで何とかなりそうですよー」 巴「そう言ってる内におりゃっ、アカのこうら」 初美「うわーんっ!あんまりですよー!?」 京太郎「っとその隙に失礼」 初美「抜かれましたー。このままだと三位ですよー」 サンシュウメッ 京太郎(さて、どうするか) 春(……ここで京を上手くアシストしたら仲直りできるかな?) 春(今度はきちんと京を助けないと……) 春(だから、来て。起死回生) テレレッテレー! 春(アカのこうら。これでとりあえず、はっちゃんを……切り離す!)ヒュイーン 初美「キノコゲーット!ダッシュですよー!」 京太郎「うわっ!いつの間にかに抜かれてやがる!」 春「え」 ドガン 京太郎「なーっ!なぜにーっ!」 初美「ギリギリセーフだったのですよー!」 巴「あちゃー……」 春「…………ぁ」 春(やばい、やばいやばいやばいやばいやばいやばい) 春(京を助けるつもりが逆に邪魔をしちゃった……?) 春(私、もしかして……完全に京に嫌われるの?) 春(また、私は『捨てられる』の?い、いや。いやいやいやいやいやっ!) 春(京と仲良くなって、料理も一緒にして。それが全部台無しになるのは、嫌) 春(呼ぶだけで嫌な顔をされるの?ただ、そこにいるだけで嫌な顔をされるの?) 春(もうあんな思いはしたくない……) 春(仲直りするどころか、もっと溝が深くなっちゃった……) 春(あ、ああ――――っ!) 春(京は、私のこと……捨てちゃうのかな?それだったら――――) 京太郎(くそっ。このままだと三位になっちまう……アイテムに賭けるしかねえ!) 京太郎「引き当てた……アカのこうら、トリプルっ!」 初美「やばいですよー!?」 巴「逃げ切りますよ、今回はっ」 京太郎「薄墨さんは、逃さねえ」シュピーン 初美「ぐわーーーーーですよーーー!」 京太郎「おっしゃ、二位ッ」 巴「きょーちん!最後だからって手は抜かないよっ!」キノコダーッシュ 京太郎「俺のこうらは、まだ二つあるっ!」シュピピーン 巴「くっ。でも、まだっ!」 京太郎「届けぇぇえええええええっっっっっ!」 京太郎「俺の――勝ちだあああああああっ!」 巴「負け、るかああああああああああっ!」 キーン 京太郎「……俺の勝ちですね、巴さん」 巴「そうみたい。あーあ、最後は油断しちゃったかな?きょーちんのアカトリプルがなければ勝てたのになー」 初美「……ううっ。私は三位で意味がないですよー」 春「…………京」 霞「ふんふむ……もう夜も深くなってきたことだし、ここでお開きにしましょうか」 小蒔「……ぐぅ」 霞「小蒔ちゃんはもう寝ちゃったしねぇ」 京太郎「じゃあ、ここまでですね」 巴「ごめんねー。きょーちん……まともに歓迎も出来ないで」 京太郎「いいえ、構いませんよ。こうして受け入れられてることで十分ですよ。正直、きちんと接してくれるか不安だったんで」 巴「何言ってるのさー。きょーちんは心配性だなぁ、まったく」 初美「これはあくまで私個人の思いですけどね。姫様がいて私達がいて。そして、京太郎がいて。こういう時間がいつまでも続けばいいと思ってますよー」 霞「だから、京くんはここに永久就職すればいいのよ。そしたら、私も近くにいれるし~」 春「京と……ずっと一緒」 巴「きょーちんはそんなに不覚気にすることないんだよっ」 小蒔「ふぁ~。いつのまにかに寝てました……須賀さん、おはようございます~」 京太郎「あははっ……そうですね」 『俺も、いつまでも続けばいいって思っています』 ――俺はウソツキだ。 【深夜・?????】 「テメエはホント、嘘つきだな。もう大丈夫です?返事は必ずします、いつまでも続けばいいなと思ってる?冗談も程々にしとけよ」 「……本当のことを言って傷つけるよりはましだろ。今の俺は……心の底から笑えねえし、誰かを好きになれねぇ」 「ハッ、物は言いようだなぁ!よくもあんな笑顔でいけしゃあしゃあほざいたもんだ」 「無理して笑うのは清澄にいた頃に身につけたからな。今日会ったばかりのあの人達を騙すことなんざ簡単だよ」 「あの風呂場で襲った奴等に対して申し訳ないと思わねぇのかよ?」 「それをお前に言われるのはすっごく腹が立つんだけどな。まぁ、いいよ。一応、俺は本当に心の底から申し訳ないとは思っているんだぜ」 「――だからこそ、俺の事情には巻き込まない。あの人達の足を引っぱりたくないからな」 「ほう?」 「それでも、本当の意味で一人にはなれないから締まらねえんだけどな」 「情けないことに一人で強くなれるとは思っていないからな。恥も捨ててお前に頼っていることが良い証拠だ」 「だけど、嫌いじゃないぜ?自分を客観的に見ている奴って?」 「俺は自分の実力を過小評価も過大評価もしない。あくまで客観的に見て、このままじゃあ上には昇れないって思ったんだよ」 「それで、俺を利用するのか?」 「ああ。じゃなけりゃとっくにお前を消してるよ」 「だろうなァ。いいのかァ?その嘘を本当にしなくても?あの劣等共とイチャコラしてぬるま湯に浸かることだってできるはずだぜ?」 「そうだな、そうした方がいいってことぐらいわかってる。だけど……」 「俺自身がそれを許さない…っ!その嘘を嘘にすることなんでもうできはしないんだよっ!」 「目的の為に投げ捨ててきたものを尻目に逃げる気はない。あの憎しみを、苦しみを、喜びを――なかったことにはできないからな」 「俺の目的は勝つことだ。勝って、証明するだけだ。俺は――――雑魚じゃねぇって。誰も、バカになんてさせはしねぇっ!」 「必要なのは結果だ。例え、過程が良くても結果が駄目じゃあ意味がない」 「その結果を得る為には力が必要だ。だから、こうして力を得る手がかりになるお前を完全に消していないって訳」 「お前にも甘い汁は吸わせてやる。悪いようにはしないからさ」 「“仲良く”しようぜ。お互いに目的を達成する為に」 「…………クッ」 「ヒャハッ、ハハハハハハハッエヒャハハハハハッッッッッ!アヒャハハハハハハハッヒャヒャヒャハッ!!!!」 「いいぜ、いいぜぇ!!!!気に入ったぁ!!!!!!」 「クソみてぇな奴だったら真っ先に乗っ取って殺そうと思ってたんだがよぉ!なかなかどうして、生きのいいガキじゃねぇか!!」 「おいおい。随分と猟奇的だな。これぞ、悪霊って感じだな」 「オーケー、気が変わった。テメエを食い殺すのは今は止めておいてやる。今はテメエと“仲良く”してやろうじゃねぇか」 「だが、油断すんなよ?いつでも俺はテメエを殺せるんだからよぉ!!」 「うっせ、いつでもかかってこい。その時は、返り討ちにしてやるよ」 「俺がテメエを食う時は――――テメエ自身が死ぬ時だ。よぉく、覚えとけ」 「悪いけど、そう簡単にテメエの思い通りにはならないぜ。最強の称号を手に入れるまで……俺は死ねないんだからな」 「ハンッ!その意気だ。そうでなくちゃ面白くねえ。そうだろう、京太郎?いや、力に狂うお前は“狂太郎”と呼んだ方がいいかもしれねぇな」 「そうだな、“悪霊”。お前と俺、どっちが先にくたばるか楽しもうじゃねえか……最も、楽しむ前に俺がお前を食い殺すかもしれねぇけどな?」 「いいぜぇ、やれるもんならなァ!今だけかもしれないが、テメエは俺を楽しませてくれた! 「だから、サービスをくれてやる。年長者からの施しだ。有りがたく受け取れよ、ガキ」 「……っ。これは…………!」 「おう、テメエが今まで関わってきた劣等共を捨ててでも欲しがって、何よりも嫌っていた――――才能(オカルト)だ」 【第二章超弩級少女と主人公End】

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