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とき「ごほっ、ごほっ…」 とき(今日も苦しいままやなぁ…ウチ、ずっとこのままなんやろか…) 看護婦「怜ちゃん、起きとる?」ガチャ とき「ん、おきとるよ。おかーさん来たん?」 看護婦「いいえ、まだよ。そうじゃなくてな、今日から怜ちゃんと同じ病室に入ることになる子、連れてきてん」 とき「ここに?」 看護婦「そそ。この子なんやけど 」[ピピピッ!ピピピッ!] 看護婦「あ、コールが!ゴメン、ちょっと行ってくるわ!あ、君のベッドは怜ちゃんの隣やから!」タタタタッ ???「……ごほっ…」 とき「なんや、ドタバタしとるみたいやけど、今日からここに入るんやんな?」 ???「……」コク とき「ほうか。ウチは おんじょうじ とき や。あんたは?」 ???「……ボクは――――」 ――――――― ――――― ――― ― 怜「……んぅ…」zzz 怜「…はっ!」 怜「……なんや、懐かしい夢やったな…久しぶりに見たわ」 ~~~~ 怜「~~って夢見てな?ホンマ懐かしい限りやで」 竜華「へ~、怜がちっさい頃にそんなことあってんな」 怜「せや。最初は中々喋ろうとせんかったんやけど、ウチの社交術で徐々に心開いたったわ!」ドヤ 竜華「ある意味、さすがやなぁ。で?その子は今どうしてん?」 怜「分からへん」 竜華「へ?何でなん?」 怜「突然転院して行ったんよ。一応お別れの言葉は交わしたんやけど、連絡先も知らんからな」 竜華「そうなんか…」 怜「うん」 怜(そういや、あの最後ん時に……) ― ――― ――――― ――――――― とき「もう、行ってまうん?」 ???「うん、○○ってところにある病院がボクの病気にくわしいんだ、っておとーさんが言ってた」 とき「そっか。さびしいなるな…」 ???「ときちゃん……だいじょうぶだよ!ボク、病気をなおしたらときちゃんに会いに来るから!」 とき「…うん、そやな。ウチもそん時までにはきっと病気なおしとくわ。そしたら、そん時には…」 ???「うん!いっしょにい~っぱい遊ぼう!」 とき「それもおもろそうやなぁ。でもな、ウチが言いたいんはちょっとちゃうねん」 ???「?」 とき「2人とも病気なおしたら、そん時はウチをあんたの……お嫁さんにしてくれへん?」 ???「うん、いいよ!ときちゃんみたいなかわいい子がお嫁さんだったらボクもうれしいもん!」 とき「か、かわいいて////」 ???父「お~い、○○~!そろそろ出発するぞ~」 ???「あ…もう行かなくちゃ…それじゃ、またね、ときちゃん!」フリフリ とき「ああ……きっとまた会おうな、○ちゃん」ボソ フリフリ ――――――― ――――― ――― ― 怜「お嫁さん、か…」ボソ 竜華「ん?怜、何か言った?」 怜「いや、何でも無いよ」 怜(思えば、あれがウチの初恋やったんやろな) 怜(名前も思い出せんくらい朧げな記憶になってもうたけど、あん時の気持ちだけはまだ……) 竜華「ま、それは置いといてや。今日の相手はあの『絶対王者』白糸台高校。負けられへんで!」 怜「せやな。ウチがチャンピオンなんて華麗に抑えたるわ!」 竜華「せや!その意気やで、怜!」 ~~~~~~~~~ 先鋒戦終了後・病室 ~~~~~~~~~ 竜華「怜……」 怜「そんな顔しなや、竜華…ほんのちょっと疲れただけやって」 竜華「せやけど! [コンコン] え?あ、はい」スタスタ ガチャ 竜華「?えっと、どちら様です?」 ???「~~~~~」 竜華「え?!そうですか、怜の……」チラ 怜「?」 竜華「……分かりました。あの、ほんなら怜をお願い出来ますか?ウチもまだ試合が残っとって…」 ???「~~~~!」 竜華「ありがとうございます。怜、ウチ頑張ってくるわ。怜はしっかり養生しときや!」 怜「ほ~い」 竜華「それじゃ、後はよろしくお願いします」ペコリ 怜(ん~?誰なんやろ?) ???「先鋒戦、お疲れ様です、園城寺さん」 怜「えっと…誰?」 京太郎「清澄高校麻雀部1年、須賀京太郎です。覚えてませんか?」 怜「清澄の、須賀?いや、聞いたことあらh…あれ?」ポロッ 怜「あれ…あれ?何でウチ、泣いて」ポロポロ 京太郎「え~っと…そうだ、こう言えば思い出せますか?また会いに来たよ、”ときちゃん”」 怜「あ…もしかして、”きょうちゃん”…?」 京太郎「!はい、そうです。お久しぶりです、園城寺さん、いえ、怜さん」 京太郎「俺、きっちりと病気治して、今では麻雀部の雑用までバリバリに出来るほどになりましたよ」 怜「あはは、ホンマに久しぶりやなぁ…でも、ウチは京ちゃんとの約束守られへんかったわ。ウチの病気、まだ治っとらへんねんよ」 京太郎「みたいですね。それでも、俺はあなたにまた会えたことが嬉しいです」ニコ 怜「…せやな。お互い連絡先も交換せんと、アホな約束だけして。もう会えんと思っとったわ」 怜(それでも、約束をちゃんと覚えててくれた、それだけでウチの心はあったかくなったわ) 京太郎「それで、ですね…あの…」 怜「ん?なんや?どないかした?」 京太郎「その……”あの約束”って、まだ覚えてますか?」 怜「あ、”あの約束”って?」 怜(え?え?これ、もしかしたらもしかするん?!) 京太郎「あれですよ…病気を治したら怜さんを俺のお嫁さんにする、っていう…」 怜(!!お、覚えとってくれたんか!……でも、ウチは…) 怜「……う、うん、一応覚えとる、よ?」 京太郎「!で、でしたら!」 怜「でもな、さっきも言ったけど、ウチはまだ病気治っとらんねんよ。もしかしたら、もう治らんかも知れん。やから…」 京太郎「……そうですか。分かりました」 怜「うん……」 怜(思ったよりあっさり引き下がったな……やっぱ治らんかも知れん病気に罹っとる女なんて重いだけやもんな……) 京太郎「だったら、”お嫁さん”ではなく、俺の”彼女”になってくれませんか?」 怜「…………ふぇ?」 京太郎「怜さんがなんと言おうと、俺はそう簡単には諦められません。だって怜さんは…俺の初恋の人なんですから!」 怜「……」ポロポロ 京太郎「!?す、すいません!な、泣くほど嫌でしたか……」 怜「っ!!ちゃ、ちゃう!ちゃうねん…ウチな、嬉しいねん…」ポロポロ 京太郎「え?う、嬉しい…?」 怜「ウ、ウチもな、京ちゃんのこと好きなんよ。ウチも初恋やねん」 怜「けど、ウチは病気が治らんかも知れん。そんな、京ちゃんに負担しかかけへんような事はしたなかってんよ…」 京太郎「怜さん…」 怜「でも、でもな?やっぱ、ウチも気持ちは抑え切られへんみたいやわ…今京ちゃんに告白されて、こんなに嬉しいんやもん…!」 京太郎「っ!怜さん!俺は怜さんを見捨てるようなことは絶対にしません!何があっても、絶対に!」 怜「うん…うん…なあ、京ちゃん、ウチこんなんやけど、京ちゃんさえ良かったら京ちゃんの彼女にしてくれへん?」 京太郎「勿論OKです!それに、俺の病気も治ったんです。怜さんの病気も一緒に頑張って、いつか必ず直しましょう!」 怜「うん…うん!これから、よろしくな、京ちゃん!」ニコッ 京太郎「はい、よろしくお願いします、怜さん!」 カン!

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