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289 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2010/10/24(日) 22:59:52 ID:T9Z+/XttO 【モモドーナツ】 モモ「暇っすねー」ゴロゴロ… 京太郎「暇だなー」ゴロゴロ… モモ「何か面白い事ないっすか京さん?暇で暇でしょうがないっすよ」ゴロゴロゴロ… 京太郎「確かに部屋で二人ゴロゴロしてても退屈なだけだしなー。……麻雀しようにも俺じゃあモモの相手にならないし……ん~」ゴロゴロゴロゴロ… モモ「そういえば近くに新しいドーナツ屋さんが出来たみたいだから、行ってみるっすか?」 京太郎「んー、ドーナツか……ちょうどお腹が空いてきたし行ってみようかな」ガバッ モモ「決まりっすね♪それじゃあ早速、制服に着替えるっすよ」 京太郎「だな。先に行ってるから鍵は閉めておいてくれよー」 モモ「っすー」ヌギヌギ ―― 京太郎「うう………寒い。もうちょっと厚着でもしときゃあ良かったかな?」 咲「あれ、もしかして京ちゃん?」 京太郎「おっ、咲と和とタコスじゃないか。お前達もドーナツを食べに来たのか」 和「ええ、そうですね………優希はちょっと不満みたいですけど」 タコス「私は甘っちょろいドーナツよりもタコスがいいじぇ!」 京太郎「全く、お前はタコス以外に食べるものがないのかよ?」 咲「ねえ、京ちゃん。京ちゃんは一人みたいだから私達と一緒にドーナツを食べようよ♪」 京太郎「ああ、悪いな咲。実は待ってる人がいるんだ……それまでは何も食べないつもりさ」 咲「待ってる人……?それってだ……」 モモ「お待たせてごめんっす京さ~ん♪」タタタ… 咲「えっ…………あなたは確か鶴賀の………」 モモ「っす?」        続く 320 名前:>>289の続き[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 00:45:31 ID:Mn9Q7qFiO 和「あなたは確か鶴賀の………東横桃子さんですよね?」 モモ「そうっすよ清澄の副将さん。大会では色々とお世話になったっす」 京太郎「遅かったじゃないかモモ、ちゃんと家の鍵は閉めておいたか?」 モモ「ごめんっすよ京さん………もちろん鍵は閉めたっすよ、はい鍵」 京太郎「ん、はいよ」 咲「鍵…………!?もしかしてその鍵って京ちゃんの家の………どうして東横さんが?」 京太郎「何でも何もモモとはさっきまで家にいたからな。そんで先に俺が出かけたんだから、モモが鍵を持っているのは当たり前じゃないか?」 モモ「京さんの家でゴロゴロしてるのも退屈っすからね~」 咲「家……?ゴロゴロ……?京ちゃん、言っている事が私には理解出来ないんだけど………」 京太郎「だから俺が先にこの店に来てだな…」 咲「違う!私が言っているのはそういう事じゃないよ!どうして、東横さんが京ちゃんの家に来てるの!?」 モモ「リンシャンさん、ちょっと声が大きいっす………周りの人の迷惑になるっすよ?」 和「それは私も少し気にしていました………須賀君、私達にきちんと説明していただけますよね?」 タコス「そうだじょ!どういう事か説明しろ京太郎!」 モモ「京さん、私達の事を清澄の人達に言ってなかったっすか?」 京太郎「ああ、そういえば言ってなかったな。特に皆に話す必要はないと思ってたし………まあ、いいか。この際だから言っとくかな」 モモ「それが良いと思うっすよ。後々、問題になるのもイヤっすしね」 321 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 00:47:29 ID:Mn9Q7qFiO 咲「それじゃあ、やっぱり二人共…」 京太郎「ん、俺達付き合ってるんだよ」 モモ「……………っす」コクリ 咲「―――――!」 タコス「な、なんだと~!?それは本当なのか京太郎!」 京太郎「嘘を言ったってしょうがないだろーがタコス」 和「い、いつからですか須賀君…?」 京太郎「うーん、大会が終わってからかな……まぁ、こうなるまで色々あったけどよ」 モモ「うん………本当に色々あったっす。……でも今はこうして京さんと一緒にいられるから幸せっすよ♪」 京太郎「ハハハ……それは俺も同じだよモモ」 咲「………………」プルプル 和「宮永さん………?何だか様子がおかしいですけど大丈夫ですか…?」 タコス「咲ちゃん……………」 咲「………ごめん私、急に用事を思い出したから帰るね」クルッ 京太郎「そうか、気をつけて帰れよ咲。お前はいつもドジだからな~」 咲「うん…………大丈夫……心配しなくていいから…それじゃあバイバイ」タッタッタッ…… 和「宮永さん………ごめんなさい、私も帰ります」タッタッタッ… タコス「私も……ちょっと体調がすぐれなくなったじょ……」タッタッタッ… 京太郎「行っちまった……何なんだあいつら、急に帰っちまうなんて」 モモ「………いいじゃないっすか京さん。これで二人だけになったからゆっくりと過ごせるっすよ♪」 京太郎「………それもそうだな。それじゃあ何を食べる?モモが好きなのを選んでも良いぞ」 モモ「京さんと一緒でいいっすよ♪」 モモ(――――リンシャンさんが何を思っていたのか……私には分かるっす。きっとリンシャンさんは京さんの事を………。 でもね、リンシャンさん…これは自業自得っすよ?あなたが………京さんを一人ぼっちにするから……。それに京さんは私の――――) 322 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 00:48:58 ID:Mn9Q7qFiO モモ(あれは私が6歳の頃だったっす) ――――― 【公園】 近所の子供A「いくぞー!シュート!」 近所の子供B「うわー!すごーい!」 幼モモ「・・・・・早くお母さん帰ってこないかな・・・」 近所の子供「アハハハ!そーれ!」 幼モモ「・・・どうして私だけ皆と一緒に遊べないっすか・・・?どうして私の事に誰も気が付いてくれないっすか・・・?」 幼モモ「グスッ・・・グスン・・・ヒック・・・一人は嫌だよぉ・・・」 ???「・・・だいじょーぶ?」 幼モモ「えっ・・・!?」 ???「きみ、どこか痛いところでもあるの?」 幼モモ「えっ……?えっ……?もしかして………私の事が見えるっすか……?今まで誰も…私の事に気が付いてくれなかったのに……?」 ???「・・・なにを言ってるの?そういえばきみ、いつもこのベンチの上に座ってるよね?どうして皆と遊ばないの?」 幼モモ「・・・・遊びたくても誰も私に気が付いてくれないっす・・・だからお母さんが迎えに来るまで、ここで待ってるっす……」グスッ・・・ ???「うーん、きみの言ってることがよく分からないけど・・・つまり遊びあいてがいないんだね、きみ? だったらさ・・・ぼくと一緒に遊ぼうよ!ここで待ってるだけなんてつまらないと思うよ?」 幼モモ「え………?きみと…一緒に?」 ???「ダメかなぁ?」 幼モモ「ううん!ダメじゃないっすよ!・・・・本当に私と遊んでくれるっすか?」 ???「うん!きみの事をなんて呼べばいーい?」 幼モモ「私は桃子・・・モモって呼んで欲しいっすよ!」 ???「教えてくれてありがとう!これからよろしくね、モモちゃん!」ギュッ 幼モモ「あっ・・・・」 ???「ん?どうしたの?」 幼モモ「・・・いきなり手を握られたから…びっくりしたっす…」 ???「あっ、ごめんね!モモちゃんの事をびっくりさせちゃって…」 幼モモ「でも・・・それ以上に嬉しいっすよ・・・!きみの名前は……?」 ???「ぼく?ぼくの名前は――――」 323 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 00:50:29 ID:Mn9Q7qFiO モモ(あの時、生まれて初めて……私の手を自分から握ってくれる人――――京太郎に出会えたっす。 本当に、本当に嬉しかったっすよ………) ――― 幼京「よーし!あの木まで競争だー!よーい、ドン!」 幼モモ「待ってっすよー!京くんー!」 幼京「アハハ、まったくモモは遅いなぁ~!今日もぼくの勝ちだよ!」 幼モモ「はぁ…はぁ…いつもずるいっすよ京くん!いきなりかけっこを始めるっすから……」 幼京「ごめんごめん、後でジュースをあげるから許してよ!」 幼モモ「本当っすか?私は桃のジュースがいいっす!」 幼京「また桃のジュースが飲みたいの?モモはいつもそればっかり飲むよね。 それじゃあかくれんぼの後に買ってあげるよ!」 幼モモ「うん!」 幼京「最初はぼくが鬼になるね!いくよー!いーち!にーぃ!」 幼モモ「そーれ!逃げるっすよ~!」タッタッタッ… 幼京「さーん!」 幼モモ「どこに隠れようかな……?いつも京くんは私を見つけちゃうから、今日こそは京くんに見つからないように頑張るっす!」 ガサガサ……… 幼モモ「ここは前に、見つかった場所だからダメっすね・・・木の裏もバレちゃっているからダメで・・・・ん?」 幼モモ「この木・・・良く見たら穴が空いているっす。それに周りに草がいっぱい生えてるし・・・ここなら見つからないかもしれないっすね!よーし・・・」コソコソ・・・ 幼京「ひゃーく!よーし、行くよ~!」タッタッタッ… 幼モモ「数え終わったみたいっすね京くん、見つからないように頑張るっす」 シーン・・・・ 幼モモ「ふふふ・・・京くんがここに来ないって事はどうやら今日は私の勝ちみたいっす♪」 324 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 00:51:33 ID:Mn9Q7qFiO シーン・・・ 幼モモ「・・・京くん遅いっす……まだ探しているのかなぁ?……早く探して欲しいっす…」 ポツ・・ポツポツ・・・ザァァァァ…… 幼モモ「あっ……!雨が降ってきたっす……どうしよう……出られなくなっちゃったっすよぉ……」 ザァァァァァァァァ… 幼モモ「寒いっす……もしかして京くん、雨が降ってきたから帰っちゃったっすかな……?もしそうなら私は・・・」 ゴロゴロ・・・ピシャアアアアン! 幼モモ「ひゃあっ!雷さんまで鳴ってきたっす・・・怖いっす……もし私のいる所に落ちてきたら……」 ゴロゴロゴロ・・・ 幼モモ「グスッ・・・グスッ・・・こんな事になるなら……京くんに見つかるような場所に隠れるんだったすよ・・・」 ピシャアアアアン! 幼モモ「ひいっ!誰か…誰か助けてっす……グスン……グスン……」ポロポロ… ギュッ……… 幼モモ「えっ・・・?」 幼京「モモみーっけ…!もう………!こんな所に隠れるなんて……さがすのがたいへんだったぞ!」 幼モモ「京…くん………?帰ったんじゃなかったんすか……?こんな大雨なのに……服がびしょびしょになってるじゃないっすか…」 幼京「なに言ってるんだよ、モモを置いて帰るわけないじゃないかー!それに……」 幼モモ「それに……?」 幼京「約束したから………かくれんぼが終わったらモモと一緒にジュースを飲むってさ!はい」スッ… 幼モモ「これは…桃のジュース……!」 幼京「へへへ、缶がびしょびしょになっちゃってるけど……雨が止むまでジュースをのみながら一緒にここで待とう!」 幼モモ「う………う…うわぁぁぁぁぁぁぁん!」ポロポロ… 325 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 00:52:36 ID:Mn9Q7qFiO 幼京「と、どうしたんだよモモ!?急に大泣きして、そんなにジュースが飲みたかったのか!?」 幼モモ「だって……だってぇ……!京ぐんが……ぎょうぐんがぁ~!わぁぁぁぁぁぁん!」ポロポロ… 幼京「泣くなよモモ~!そんなに泣いたらぼくが困るよぉ~!もうぼくは何をしたらいいのか分からないよー!」 ――――― モモ(その後もしばらくの間、私は泣き続けちゃって京太郎を困らせてしまったっす。 大雨と雷の中、私を助けてくれた京太郎はあの時の私にとって・・・白馬に乗った王子様だったっす・・・こんな時間がいつまでも続いて欲しかったっす。 ――――だけど、京太郎との別れは突然にやってきたっす) ―――― 幼モモ「引っ越し・・・!?引っ越すって本当っすか京くん!」 幼京「うん・・・昨日、お母さんがぼくに言ったんだ……ぼくはここにいたいって言ったんだけど…ダメだって」 幼モモ「そんな……!イヤっす!イヤっすよ!京くんと別れたくないっす!」 幼京「………ゴメン、ぼくもモモと別れたくないけど……どうしようもないんだ……本当にゴメンね…」 幼モモ「また……また私は一人ぼっちになるっすか…?もう一人じゃないと……ずっとずっと京くんと一緒だと……思っていたのに……」グスッ…… 幼京「モモ……」 幼モモ「これから私はどうしたらいいの…?京くんがいなかったら私……」ポロポロ… 幼京「……モモ、今は離ればなれになっちゃうけど……いつか必ず、また二人で遊べる時が来るよ。だからもう…泣かないで」 幼モモ「・・・本当?本当に京くんと一緒に遊べる時がくるっすか?」 幼京「うん、約束する!だからその日が来るまで……泣いちゃ駄目だよ?」 326 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 00:54:01 ID:Mn9Q7qFiO 幼モモ「うん……私、もう泣かないっす!京くんと約束するっすよ! だから京くん……私の事を忘れないで欲しいっす」 幼京「うん!ぼく、モモの事を絶対に忘れない!モモも…ぼくの事を忘れないでね」 幼モモ「はいっす!…京くん、指切りをしようっす」 幼京「分かったよモモ。それじゃあ、ゆびきりげんまん」 幼モモ「うそついたら針千本のーます!」 幼京・幼モモ「指切った!」 幼モモ(・・・私、頑張るっす……京くんと笑顔でまた会うために……) ―――― モモ(それから数日後に京太郎は引っ越して行ったっす。最初は心細かったけど、あの約束を守るために 自分の存在を皆に分かってもらえるように努力をしたっすよ。 だけど・・・どんなに頑張っても私の存在に気付いてくれる人がいなかったっす。そんな事が続いたせいで私も努力するのを諦めるようになってしまって 挙げ句の果てに・・・京太郎との約束さえも忘れてしまったっす。そして・・・そして私は―――――京太郎に対して・・・あんな酷い事を・・・してしまったっす……)      続く #comment
289 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2010/10/24(日) 22:59:52 ID:T9Z+/XttO 【モモドーナツ】 モモ「暇っすねー」ゴロゴロ… 京太郎「暇だなー」ゴロゴロ… モモ「何か面白い事ないっすか京さん?暇で暇でしょうがないっすよ」ゴロゴロゴロ… 京太郎「確かに部屋で二人ゴロゴロしてても退屈なだけだしなー。……麻雀しようにも俺じゃあモモの相手にならないし……ん~」ゴロゴロゴロゴロ… モモ「そういえば近くに新しいドーナツ屋さんが出来たみたいだから、行ってみるっすか?」 京太郎「んー、ドーナツか……ちょうどお腹が空いてきたし行ってみようかな」ガバッ モモ「決まりっすね♪それじゃあ早速、制服に着替えるっすよ」 京太郎「だな。先に行ってるから鍵は閉めておいてくれよー」 モモ「っすー」ヌギヌギ ―― 京太郎「うう………寒い。もうちょっと厚着でもしときゃあ良かったかな?」 咲「あれ、もしかして京ちゃん?」 京太郎「おっ、咲と和とタコスじゃないか。お前達もドーナツを食べに来たのか」 和「ええ、そうですね………優希はちょっと不満みたいですけど」 タコス「私は甘っちょろいドーナツよりもタコスがいいじぇ!」 京太郎「全く、お前はタコス以外に食べるものがないのかよ?」 咲「ねえ、京ちゃん。京ちゃんは一人みたいだから私達と一緒にドーナツを食べようよ♪」 京太郎「ああ、悪いな咲。実は待ってる人がいるんだ……それまでは何も食べないつもりさ」 咲「待ってる人……?それってだ……」 モモ「お待たせてごめんっす京さ~ん♪」タタタ… 咲「えっ…………あなたは確か鶴賀の………」 モモ「っす?」        続く 320 名前:>>289の続き[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 00:45:31 ID:Mn9Q7qFiO 和「あなたは確か鶴賀の………東横桃子さんですよね?」 モモ「そうっすよ清澄の副将さん。大会では色々とお世話になったっす」 京太郎「遅かったじゃないかモモ、ちゃんと家の鍵は閉めておいたか?」 モモ「ごめんっすよ京さん………もちろん鍵は閉めたっすよ、はい鍵」 京太郎「ん、はいよ」 咲「鍵…………!?もしかしてその鍵って京ちゃんの家の………どうして東横さんが?」 京太郎「何でも何もモモとはさっきまで家にいたからな。そんで先に俺が出かけたんだから、モモが鍵を持っているのは当たり前じゃないか?」 モモ「京さんの家でゴロゴロしてるのも退屈っすからね~」 咲「家……?ゴロゴロ……?京ちゃん、言っている事が私には理解出来ないんだけど………」 京太郎「だから俺が先にこの店に来てだな…」 咲「違う!私が言っているのはそういう事じゃないよ!どうして、東横さんが京ちゃんの家に来てるの!?」 モモ「リンシャンさん、ちょっと声が大きいっす………周りの人の迷惑になるっすよ?」 和「それは私も少し気にしていました………須賀君、私達にきちんと説明していただけますよね?」 タコス「そうだじょ!どういう事か説明しろ京太郎!」 モモ「京さん、私達の事を清澄の人達に言ってなかったっすか?」 京太郎「ああ、そういえば言ってなかったな。特に皆に話す必要はないと思ってたし………まあ、いいか。この際だから言っとくかな」 モモ「それが良いと思うっすよ。後々、問題になるのもイヤっすしね」 321 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 00:47:29 ID:Mn9Q7qFiO 咲「それじゃあ、やっぱり二人共…」 京太郎「ん、俺達付き合ってるんだよ」 モモ「……………っす」コクリ 咲「―――――!」 タコス「な、なんだと~!?それは本当なのか京太郎!」 京太郎「嘘を言ったってしょうがないだろーがタコス」 和「い、いつからですか須賀君…?」 京太郎「うーん、大会が終わってからかな……まぁ、こうなるまで色々あったけどよ」 モモ「うん………本当に色々あったっす。……でも今はこうして京さんと一緒にいられるから幸せっすよ♪」 京太郎「ハハハ……それは俺も同じだよモモ」 咲「………………」プルプル 和「宮永さん………?何だか様子がおかしいですけど大丈夫ですか…?」 タコス「咲ちゃん……………」 咲「………ごめん私、急に用事を思い出したから帰るね」クルッ 京太郎「そうか、気をつけて帰れよ咲。お前はいつもドジだからな~」 咲「うん…………大丈夫……心配しなくていいから…それじゃあバイバイ」タッタッタッ…… 和「宮永さん………ごめんなさい、私も帰ります」タッタッタッ… タコス「私も……ちょっと体調がすぐれなくなったじょ……」タッタッタッ… 京太郎「行っちまった……何なんだあいつら、急に帰っちまうなんて」 モモ「………いいじゃないっすか京さん。これで二人だけになったからゆっくりと過ごせるっすよ♪」 京太郎「………それもそうだな。それじゃあ何を食べる?モモが好きなのを選んでも良いぞ」 モモ「京さんと一緒でいいっすよ♪」 モモ(――――リンシャンさんが何を思っていたのか……私には分かるっす。きっとリンシャンさんは京さんの事を………。 でもね、リンシャンさん…これは自業自得っすよ?あなたが………京さんを一人ぼっちにするから……。それに京さんは私の――――) 322 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 00:48:58 ID:Mn9Q7qFiO モモ(あれは私が6歳の頃だったっす) ――――― 【公園】 近所の子供A「いくぞー!シュート!」 近所の子供B「うわー!すごーい!」 幼モモ「・・・・・早くお母さん帰ってこないかな・・・」 近所の子供「アハハハ!そーれ!」 幼モモ「・・・どうして私だけ皆と一緒に遊べないっすか・・・?どうして私の事に誰も気が付いてくれないっすか・・・?」 幼モモ「グスッ・・・グスン・・・ヒック・・・一人は嫌だよぉ・・・」 ???「・・・だいじょーぶ?」 幼モモ「えっ・・・!?」 ???「きみ、どこか痛いところでもあるの?」 幼モモ「えっ……?えっ……?もしかして………私の事が見えるっすか……?今まで誰も…私の事に気が付いてくれなかったのに……?」 ???「・・・なにを言ってるの?そういえばきみ、いつもこのベンチの上に座ってるよね?どうして皆と遊ばないの?」 幼モモ「・・・・遊びたくても誰も私に気が付いてくれないっす・・・だからお母さんが迎えに来るまで、ここで待ってるっす……」グスッ・・・ ???「うーん、きみの言ってることがよく分からないけど・・・つまり遊びあいてがいないんだね、きみ? だったらさ・・・ぼくと一緒に遊ぼうよ!ここで待ってるだけなんてつまらないと思うよ?」 幼モモ「え………?きみと…一緒に?」 ???「ダメかなぁ?」 幼モモ「ううん!ダメじゃないっすよ!・・・・本当に私と遊んでくれるっすか?」 ???「うん!きみの事をなんて呼べばいーい?」 幼モモ「私は桃子・・・モモって呼んで欲しいっすよ!」 ???「教えてくれてありがとう!これからよろしくね、モモちゃん!」ギュッ 幼モモ「あっ・・・・」 ???「ん?どうしたの?」 幼モモ「・・・いきなり手を握られたから…びっくりしたっす…」 ???「あっ、ごめんね!モモちゃんの事をびっくりさせちゃって…」 幼モモ「でも・・・それ以上に嬉しいっすよ・・・!きみの名前は……?」 ???「ぼく?ぼくの名前は――――」 323 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 00:50:29 ID:Mn9Q7qFiO モモ(あの時、生まれて初めて……私の手を自分から握ってくれる人――――京太郎に出会えたっす。 本当に、本当に嬉しかったっすよ………) ――― 幼京「よーし!あの木まで競争だー!よーい、ドン!」 幼モモ「待ってっすよー!京くんー!」 幼京「アハハ、まったくモモは遅いなぁ~!今日もぼくの勝ちだよ!」 幼モモ「はぁ…はぁ…いつもずるいっすよ京くん!いきなりかけっこを始めるっすから……」 幼京「ごめんごめん、後でジュースをあげるから許してよ!」 幼モモ「本当っすか?私は桃のジュースがいいっす!」 幼京「また桃のジュースが飲みたいの?モモはいつもそればっかり飲むよね。 それじゃあかくれんぼの後に買ってあげるよ!」 幼モモ「うん!」 幼京「最初はぼくが鬼になるね!いくよー!いーち!にーぃ!」 幼モモ「そーれ!逃げるっすよ~!」タッタッタッ… 幼京「さーん!」 幼モモ「どこに隠れようかな……?いつも京くんは私を見つけちゃうから、今日こそは京くんに見つからないように頑張るっす!」 ガサガサ……… 幼モモ「ここは前に、見つかった場所だからダメっすね・・・木の裏もバレちゃっているからダメで・・・・ん?」 幼モモ「この木・・・良く見たら穴が空いているっす。それに周りに草がいっぱい生えてるし・・・ここなら見つからないかもしれないっすね!よーし・・・」コソコソ・・・ 幼京「ひゃーく!よーし、行くよ~!」タッタッタッ… 幼モモ「数え終わったみたいっすね京くん、見つからないように頑張るっす」 シーン・・・・ 幼モモ「ふふふ・・・京くんがここに来ないって事はどうやら今日は私の勝ちみたいっす♪」 324 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 00:51:33 ID:Mn9Q7qFiO シーン・・・ 幼モモ「・・・京くん遅いっす……まだ探しているのかなぁ?……早く探して欲しいっす…」 ポツ・・ポツポツ・・・ザァァァァ…… 幼モモ「あっ……!雨が降ってきたっす……どうしよう……出られなくなっちゃったっすよぉ……」 ザァァァァァァァァ… 幼モモ「寒いっす……もしかして京くん、雨が降ってきたから帰っちゃったっすかな……?もしそうなら私は・・・」 ゴロゴロ・・・ピシャアアアアン! 幼モモ「ひゃあっ!雷さんまで鳴ってきたっす・・・怖いっす……もし私のいる所に落ちてきたら……」 ゴロゴロゴロ・・・ 幼モモ「グスッ・・・グスッ・・・こんな事になるなら……京くんに見つかるような場所に隠れるんだったすよ・・・」 ピシャアアアアン! 幼モモ「ひいっ!誰か…誰か助けてっす……グスン……グスン……」ポロポロ… ギュッ……… 幼モモ「えっ・・・?」 幼京「モモみーっけ…!もう………!こんな所に隠れるなんて……さがすのがたいへんだったぞ!」 幼モモ「京…くん………?帰ったんじゃなかったんすか……?こんな大雨なのに……服がびしょびしょになってるじゃないっすか…」 幼京「なに言ってるんだよ、モモを置いて帰るわけないじゃないかー!それに……」 幼モモ「それに……?」 幼京「約束したから………かくれんぼが終わったらモモと一緒にジュースを飲むってさ!はい」スッ… 幼モモ「これは…桃のジュース……!」 幼京「へへへ、缶がびしょびしょになっちゃってるけど……雨が止むまでジュースをのみながら一緒にここで待とう!」 幼モモ「う………う…うわぁぁぁぁぁぁぁん!」ポロポロ… 325 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 00:52:36 ID:Mn9Q7qFiO 幼京「と、どうしたんだよモモ!?急に大泣きして、そんなにジュースが飲みたかったのか!?」 幼モモ「だって……だってぇ……!京ぐんが……ぎょうぐんがぁ~!わぁぁぁぁぁぁん!」ポロポロ… 幼京「泣くなよモモ~!そんなに泣いたらぼくが困るよぉ~!もうぼくは何をしたらいいのか分からないよー!」 ――――― モモ(その後もしばらくの間、私は泣き続けちゃって京太郎を困らせてしまったっす。 大雨と雷の中、私を助けてくれた京太郎はあの時の私にとって・・・白馬に乗った王子様だったっす・・・こんな時間がいつまでも続いて欲しかったっす。 ――――だけど、京太郎との別れは突然にやってきたっす) ―――― 幼モモ「引っ越し・・・!?引っ越すって本当っすか京くん!」 幼京「うん・・・昨日、お母さんがぼくに言ったんだ……ぼくはここにいたいって言ったんだけど…ダメだって」 幼モモ「そんな……!イヤっす!イヤっすよ!京くんと別れたくないっす!」 幼京「………ゴメン、ぼくもモモと別れたくないけど……どうしようもないんだ……本当にゴメンね…」 幼モモ「また……また私は一人ぼっちになるっすか…?もう一人じゃないと……ずっとずっと京くんと一緒だと……思っていたのに……」グスッ…… 幼京「モモ……」 幼モモ「これから私はどうしたらいいの…?京くんがいなかったら私……」ポロポロ… 幼京「……モモ、今は離ればなれになっちゃうけど……いつか必ず、また二人で遊べる時が来るよ。だからもう…泣かないで」 幼モモ「・・・本当?本当に京くんと一緒に遊べる時がくるっすか?」 幼京「うん、約束する!だからその日が来るまで……泣いちゃ駄目だよ?」 326 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/11/07(日) 00:54:01 ID:Mn9Q7qFiO 幼モモ「うん……私、もう泣かないっす!京くんと約束するっすよ! だから京くん……私の事を忘れないで欲しいっす」 幼京「うん!ぼく、モモの事を絶対に忘れない!モモも…ぼくの事を忘れないでね」 幼モモ「はいっす!…京くん、指切りをしようっす」 幼京「分かったよモモ。それじゃあ、ゆびきりげんまん」 幼モモ「うそついたら針千本のーます!」 幼京・幼モモ「指切った!」 幼モモ(・・・私、頑張るっす……京くんと笑顔でまた会うために……) ―――― モモ(それから数日後に京太郎は引っ越して行ったっす。最初は心細かったけど、あの約束を守るために 自分の存在を皆に分かってもらえるように努力をしたっすよ。 だけど・・・どんなに頑張っても私の存在に気付いてくれる人がいなかったっす。そんな事が続いたせいで私も努力するのを諦めるようになってしまって 挙げ句の果てに・・・京太郎との約束さえも忘れてしまったっす。そして・・・そして私は―――――京太郎に対して・・・あんな酷い事を・・・してしまったっす……)      続く #comment

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