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京太郎「ゆーこ先輩」
由子「あ、京太郎」
トテテ
由子「お待たせしちゃったかな?」
京太郎「いえ、そんなに待ってないですよ」
由子「ほんとに?」
京太郎「はい。それに待つのは割と好きなんで」
由子「そか、そういってもらえれば助かるのよー」
京太郎「それで、今日はどこに?」
由子「特にこれといって目的があるわけやないんよ」
京太郎「そうなんですか?」
由子「たまには、無目的にぶらぶら歩き回るのもいいやろ?」
京太郎「はは、そうですね」
繁華街
京太郎「結構込んでますね」
由子「そうやね、わ、ととっ」
京太郎「おっと、大丈夫ですか?」ポス
由子「あ、ありがとうなのよー」
京太郎「下手したらはぐれそうですね」
由子「そやね。あっ、なら」ギュゥ
京太郎「せ、先輩」
由子「これなら、はぐれたりしないやろ?」
京太郎「そそ、そうですね!」
由子「~♪」
京太郎「……クスッ」
由子「ん~、どうかしたん?」
京太郎「いえ、なにも」
由子「お昼まではまだ時間あるし、もう少し歩き回ろか」チラリ
京太郎「そうで、…………はっ!?」
その時、京太郎に電流走る
京太郎(男物の、腕時計……だと!?)
京太郎(まさか、いやしかしゆーこ先輩の圧倒的可愛さを考えれば…)
京太郎(以前にも誰かと付き合った経験があっても別におかしくは、だが……)
由子「ん、どうかしたん?」
京太郎「いえ、その、なんでも……」チラッチラッ
由子「? ……………………!」
由子「ふふっ」クスクス
京太郎「な、なんですか?」
由子「ううん。可愛いなって思って」
京太郎「?」
由子「これな、小学生の時にお父さんがプレゼントしてくれたものなのよー」
京太郎「あ、ああ~なんだ、そうなんだぁそうかぁ。…………え?」
京太郎「な、なんで俺は腕時計のこと見てたって」
由子「視線でバレバレなのよー」
京太郎「う、そうですか……」
由子「男の嫉妬はみっともないのよー?」
京太郎「返す言葉もありません……」
由子「うそうそ、愛情の裏返しやもんね? 逆になにも感じなかったらそれはそれで傷付くのよー」
京太郎「あはは。まぁそういってもらえれば」
京太郎「それにしても、小学校から使ってるなんてよっぽど大事にしてるんですね」
由子「せやね、けどもう3年も前に、ね……」
京太郎「……すみません。俺は無神経で、そんな深い事情があるなんて知らずに」
由子「京太郎はなにをいってるのよー? 3年前に単身赴任になって、忙しくてなかなか会えないだけなのよ」
京太郎「お父さんって生きてるんですか?」
由子「あたりまえやん。最後まで人の話をよく聞くのよー」
京太郎「先輩のさっきの言い方で勘違いしない奴がいないと思いますか? 冗句としても最低です」
由子「なんで私が悪い事になってるのよー」
カン!