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第9話「スペース・ゲート」」(2014/02/28 (金) 21:01:41) の最新版変更点

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和「ふぅ…早く帰らないと怒られてしまいますね……」 ピカ…ピカ… 和「あれ…なんでしょうかあの光は……?」 キイイイイ…… 和「あれ……段々光が大きくなって……いや、もしかしてこちらに向かってきている!?」 ピカァァァァン! 和「きゃあああああああああ!」 その光は和をのみ込み、彼女と共に消えていった。 そして彼女が目を覚ますと、そこは見た事もないような場所であった。 和「ここは…どこでしょうか…?」 池田「ようやく目を覚ましたみたいだし」 和「あれ…あなたは確か風越の」 池田「華菜ちゃんだし!ようこそ宇宙軍へ…だし!」 和「宇宙…軍?なんですかそれは?それよりもどうして私はここにいるんですか!?」 藤田「それは私が説明しよう」 和「あなたは確か…藤田プロ!」 藤田「やあ…久しぶりだな原村和、元気そうで何よりだ」 和「どういう事ですか藤田プロ!どうして私をこんな所に監禁するんですか!早く家に帰してください!」 藤田「まあまあ…まずは私の話を聞いて欲しい」フゥ… 池田「耳穴かっぽじってよく聞くんだし!」 藤田「まずは自己紹介しなければな……私は宇宙防衛軍G部隊、隊長の藤田だ」 池田「同じくG部隊隊員の華菜ちゃんだし!」 和「宇宙……防衛軍?何ですかそれは」 藤田「宇宙防衛軍とはその名の通り、地球外生命体から地球を守る軍隊の事だ」 藤田「主に地球にやってくる生命体の監視を任務としている。…無論、時には戦闘も起きるがな」 和「地球外生命体?なにを言うのかと思えば…そんなオカルト」 藤田「あり得ませんってか?……よろしい、ならば窓を見てみろ。オカルトかどうか…自分の目で判断するんだな」ピッ 和「窓?窓に一体何が……ってええ!?」ガバッ 藤田「フフ……綺麗な地球がよーく見えるだろう?私達は今、地球の外にいるのだよ」 池田「どうだ!びっくりしただろー!」 和「そんな……こんなのあり得ません…オカルトです…」ガクッ 藤田「確かに認めたくない気持ちは分からんでもないが……だが、君は確かに地球の外にいて地球を眺めているのだ…」 和「……なぜですか?なぜ私が地球防衛軍なんかに呼ばれたんですか!私と一体なんの関係が――――!」 藤田「うむ、ここからが本題だ。実は最近、とある地球外生命体が地球に対して侵略を開始したという情報をキャッチしたんだ」 和「地球……侵略…ですか…?」 藤田「そうだ、我々はその生命体をクボ・コーチ星人と名付けた」 和「クボ…コーチ星人ですか?」 池田「華菜ちゃんが命名したし!」キラッ 藤田「クボ・コーチ星人は脅威の戦闘能力で我々に対し、幾度となく攻撃を仕掛けている……もはや一刻の猶予もないのだよ」 池田「このままだと他の宇宙人もやってきて宇宙を舞台にした大戦争が起きちゃうし!」 和「宇宙…大戦争…という事ですか?」 藤田「そうだ、そんな最悪の展開を迎える前になんとしてもクボ・コーチ星人との戦いを終わらせねばならない」 和「だから……私をここに呼んだのですか?」 藤田「そうだ、原村和…君には我々と共に戦ってもらいたい…地球を守る戦士として」 池田「華菜ちゃんも地球の戦っているし!だからお前も戦うんだし!」 和「む…無理ですよ…私なんかが宇宙人に勝てる訳がありません…」 池田「なにを弱腰になっているんだし!お前は地球がクボ・コーチ星人に侵略されてもいいのか!?」 和「ですけど!」 藤田「原村和……お前には大切な人がいないのか?」 和「えっ……?」ドクン 藤田「お前には守りたいもの…守りたい人がいないのか?その人がクボ・コーチにやられても構わないというのか?」 その時、和の脳裏に咲の笑顔が浮かんできた 和「………私にはいます!絶対に守りたい人が一人!」 藤田「じゃあ、お前は…その人のために戦えるか?」 和「――――戦えます!戦ってみせますとも!絶対にクボ・コーチの魔の手から守ってみせます!」 藤田「決まりだな………改めて地球防衛軍へようこそ原村和。我々は君を歓迎しよう」 池田「これからは私がお前の先輩だし!よろしくな、新人!」 こうして、原村和の戦争が始まった。 【その次の日】 藤田「さて、原村和…訓練を始めるぞ!」 池田「ちんたらしてんじゃないし!さっさと準備するし!」 和「は…はい!」 藤田「先ずは反射神経を鍛える!これを見ろ!」スッ 和「これは……バレーボールですか?」 藤田「本来はゴムボールを使うんだが…お前はまだ新人だから怪我をする危険性がある。よってバレーボールを使う」 和「はぁ…ですが、バレーボールを使って何をするんですか?」 池田「簡単な話だし!全周囲から撃ち出されるバレーボールをよこるだけだし!」 藤田「池田の言う通りだ!しかしながら撃ち出されるスピードはかなり早い上、時には数個同時に撃ち出される事もある!」 藤田「当たれば痛いぞ…覚悟は出来ているか!?」 和「は…はい!出来ております!」 藤田「よろしい!では先ずは池田が手本を見せる…池田、前へ出ろ!」 池田「了解だし!」スチャッ 池田「おい、新人!今から華菜ちゃんが手本をみせてやるから、よーく見ておくんだし!」 和「はい!」 藤田「行くぞ~!」バシュン 池田「ふん、チョロいし!」ヒョイッ 藤田「よし、次いくぞ!そりゃ!」バシュン 池田「へへーん!当たらないし~!」ヒョイッ 藤田「中々やるな!それじゃあ次は二個いくぞ!」バシュン バシュン 池田「むっ、そりゃあ!まだまだだし!」ヒョイッ ヒョイッ 和「すごい……難なく避けていますね」 池田「どうだ新人!華菜ちゃんの凄さが分かったか!?」ヒョイッ 藤田「よーし!再び二個いくぞ!」バシュン バシュン 池田「はははは!余裕余裕!」ヒョイッ ヒョイッ バギャッ 池田「ぐはぁっ!?」ミシミシ… 藤田「すまんすまん!三個同時だったワハハハハ」 池田「気をつけて欲しいし!凄く痛かったし!」ヒリヒリ 藤田「悪い悪い!次からは気をつけるよ!じゃあ次は三個だ!」 バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン 池田「な……なぁ!?そ…そんなたくさ」 バギャッ バギャッ バギャッ バギャッ バギャッ バギャッ 池田「ぎゃあああああああああああああああああああああ!」ミシミシミシミシミシミシ… 和「ちょ…ちょっと撃ち過ぎではありませんか!?」 藤田「ん~?どうやら機械が故障してしまったようだなぁ~?」 池田「そ…そんな……た…助け」 バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン バシュン 藤田「はははは、すまない池田…もう少し耐えてくれ」 池田「ぎゃは~!」バギャッ バギャッ バギャッ バギャッ バギャッ バギャッ バギャッ 池田「うう……」ピクッ ピクッ 藤田「おーい、池田ー!生きてるか~?……おっ、動いた生きてるな…助かって良かった良かった!」 和「ピクンピクンしてますけど……?」 池田「し……死ぬ所だったし…」 和「普通だったら死んでいると思いますが…」 藤田「まあ、池田はその耐久力の高さを買われて宇宙防衛軍にいるからな」 池田「どうだ、新人!華菜ちゃんの凄さが分かったか!」 和「はあ…ある意味ですごいと思いました」 藤田「さて、機械が壊れてしまった事だし…訓練は一旦中止としよう」 池田「……私はなんのために?」ガクッ 和「元気を出してください池田さん…」 池田「おい、新人!私の事は先輩と呼べ!」 和(………なんだか腹が立ちますね…) そんなこんなで一通りの訓練を終えた和は初めての実戦を迎える事となった。 藤田「敵は小規模ながらも、相手は狂暴なクボ・コーチ星人だ!油断するんじゃないぞ!」 池田「了解だし!新人、足手まといになるなよ!」 和「は…はい!分かりました!」 藤田「来るぞ!クボ・コーチ星人だ!」 クボ1「イケダァァ!」 クボ2「イケダァァ!コラァァ!」 池田「出たなクボ・コーチ星人!相変わらず狂暴な顔付きだし!」 和「なんだか池田先輩の名前を呼んでいますけど…」 池田「あれが奴の鳴き声だし!忌々しい叫び声で鬱陶しいし!」 藤田「無駄話はここまでだ!いくぞ!」チャキッ 池田「よし!一人残らず退治してやるし!」チャキッ 和「宮永さん……私に力をください…」チャキッ クボ軍団「イケダァァァァ!」 池田「やってやるし!」パララララ クボ「ギャアアアアア!」 和「あれ…?弾が…発射されない!?」ガチャ…ガチャ… 藤田「どうした和!?」パララララ 和「銃の弾が…出ない…!」ガチャ…ガチャ… 池田「何やっているんだし!?全く役に立たない奴だし!」パララララ 和「あれ……どうして!」 藤田「バカ、貸してみろ!お前……何で弾が入ってないんだ!」 和「へ………確かそれは池田さんから渡された…」 藤田「池田ァ!お前何やってんだ!?」 池田「ご…ごめんだし!新人の銃の事を全く忘れてたし!」パララララ クボ「イケダァァァァ!」 和「きゃあああ!?(宮永さん…!助けて…!)」 藤田「のどかぁぁぁぁ!」 ダァーン! クボ「ギャアアアアア…!」バタンッ 和「へっ………今のは一体?」 ダァーン! ダァーン! ダァーン! 和「すごい…クボ・コーチが次々と倒されていきます!」 池田「もしかして援軍だし!?それにしても一体どこから撃っているんだ…?姿が全く見えないし!」 藤田「この狙撃の命中精度の高さ……まさかアイツか!?」 京太郎「聞こえるかG部隊!こちらK部隊副隊長の須賀京太郎!苦戦しているみたいだな…手を貸そう!」 和「えっ……この声はもしかして須賀君!?どうしてこんな所に?」 京太郎「…………………」チャキッ ダァーン! ダァーン! 京太郎「……説明は後だ、今は目の前の敵に集中しろ!」 【三十分後】 和「ふぅ……敵は撤退したみたいですね」 池田「まあ、華菜ちゃんの手にかかれば楽勝だし!」 藤田「誰のせいで苦戦したと思っているんだ!」 和「それにしても須賀君…どうしてこんな所に?」 藤田「そういえばお前達には言ってなかったな…須賀はK部隊の副隊長で、地球防衛軍随一の狙撃手でもある」 池田「そんな凄い奴なんだし…?」 藤田「ああ…アイツの狙撃の腕は信用できる……だが…」 和「どうかしましたか隊長…?何やら難しそうな表情を浮かべていますが」 藤田「――――いや、ここから先は私が言う事ではないだろう…それよりも早く帰還するぞ、敵の援軍が来る前にな」 池田「了解だし!もうお腹ペコペコだし!」 和「須賀君……何も言わずに帰ってしまいましたけど……どうしてなのでしょうか?」 【母艦】 池田「おい、新人!ちょっと付き合え!」 和「はい?どうしました池田先輩」 池田「いやねえ…どうやらさっきのK部隊の副隊長さんがこちらの母艦にいるらしいんだ、さっき私達アイツに助けてもらっただろ?」 池田「だからお礼の一つも言っておこうと思ってな!」 和「須賀君がこの母艦に…分かりました、私も須賀君に色々と聞きたい事があります…一緒に行きましょう」 池田「よし!さっそく副隊長さんの行くとするし!」 タッタッタッ… 池田「確かここにいると思うんだけどな~?」 和「あ…もしかしてあそこではありませんか?明かりがついているみたいですし」 池田「おっ!じゃあさっそく……」 ざわ…ざわ… 和「あれ…なんだか騒がしいですよ?」 池田「どうしたんだろ~?ちょっと覗いて見るし」スー 京太郎「どういう事だって聞いてるんだよ!オイ!」バキッ K隊員「つあ…!」ガシャーン! 池田「な…!いきなり暴力だし!?」 和「須賀君…!何をしているんですか…!?」 京太郎「捕虜に逃げられやがって……K部隊の恥さらしが!」ドゴ 京太郎「こっちはお遊びで戦争してんじゃねーんだよ!コラァ!らあっ!」ゴッ バキッ K隊員B「副隊長……もう許してあげてくださいよ…こいつは情けをかけて水をあげた所を襲われたんですから…」 京太郎「――――――情け……だって?」ギロッ 池田「う……な…なんだか揉めてるみたいだし」ガタガタ 京太郎「お前らなぁ……そんな生温い考えじゃ戦争に勝つどころか……すぐに弱みを突かれて何もかも奪われるぞ…」 和「須賀君………?」 京太郎「………俺のダチみたいにな!騙されて、殺されてからじゃあ全ては遅いんだよ!」 京太郎「…情けをかけたら、この世界では生きる事は出来ないんだ…!」 和「須賀君…私の知っている須賀君と全然違う…」 藤田「これが須賀京太郎の問題点だ…」 池田「うわっ!?隊長、いつの間にここに来たんだし!」 和「隊長……須賀君について何か知っているんですか?」 藤田「ああ、知っているさ…アイツは私のかつての部下だからな」 池田「ええ、そうだったんですか?じゃあ、どうしてK部隊なんかに…」 藤田「……最初の頃のアイツは和が知っているような奴だったよ」 藤田「お調子者で、どこか抜けていて、敵の事さえも考えてしまう優しい奴だった。―――あの事件が起きるまではな」 和「あの事件…?」 藤田「アイツには同期の友人がいた……アイツの話によると幼少からの付き合いだったらしい……」 藤田「名前は確か…井伊嫁助だったかな?イイ嫁さんだなァとよく京太郎をからかっていた…」 池田「その人がどうかしたんだし?」 藤田「あれは、捕虜を捕まえた時だった。その捕虜は弱っていてとても話せる状態ではなかった」 藤田「軍は京太郎と嫁助の二人に捕虜の面倒を見る事を命じた」フゥー 池田「それで………?」モグモグ 藤田「二人共、敵の捕虜でありながらもよく面倒を見ていたよ……特に嫁助はな。だが、それはそもそも間違いだったんだ」 和「どういう事ですか、それって」 藤田「その捕虜が脱走したんだよ…嫁助を人質にとってな」 藤田「嫁助は最後の最後まで説得したよ、だが―――京太郎の目の前で殺された」 池田「酷すぎるし…」ムシャムシャ 京太郎「んで、その捕虜はすぐに俺が殺したって訳だ」 池田「うわっ!?いつの間に!」ムシャムシャ… 和「須賀君…」 京太郎「人の話を盗み聞きなんて良い趣味とはいえねーなぁ」 和「須賀君…」 京太郎「よぉ、和。まさかお前が防衛軍にいるなんて思わなかったぜ…まぁ、俺には関係ないけどな」 藤田「須賀、久しぶりだな」 京太郎「これはこれは…G部隊の隊長さんじゃーないですか。壮健そうで何よりです」 藤田「お前の方も相変わらずみたいだな。……少しは手加減してやったらどうだ?」 京太郎「藤田さんには関係ないでしょう。それともあの悲劇を再び繰り返すおつもりかな?」 藤田「………………」フゥー 京太郎「和」 和「はい…?」 京太郎「昔のよしみで一つだけ忠告しておいてやるよ」 京太郎「…どんな状況であれ、敵には情けをかけるな…それが例え昔の仲間であろうとも、絶対にだ」 和「………須賀君」 池田(なんだか面倒くさい話になってるし)モグモグ 和が地球防衛軍に入隊してから数ヶ月が過ぎた。 和「敵の全滅を確認しました!戦闘を終了します!」 池田「よし!ようやく終わったし!それじゃあ帰ろ…帰りましょう、和副隊長!」 藤田「今日も大活躍だったな和!お前が副隊長に任命されるのも頷ける話だ」 和「いえ、私はそんなに活躍してないですよ!皆が頑張ってくれたから勝利出来たと思います!」 池田「そうそう!私の活躍があったからだし!出世した後輩のサポートをするのも先輩である私の役目だし!」 お前「はクボ・コーチにいじめられただけだろう!偉そうにするな!」 和「まぁまぁ、池田隊員も頑張ったみたいですから…」 池田「おっ、さすがは副隊長!器が大きいし!」 【母艦】 池田「バグバグムシャムシャ」 和「そんなに早食いしたら喉に詰まらせますよ池田隊員」 池田「はひほいっへふんはひ!ふぁなふぁんふぁはははっふぁふんおふあへふえいふふわえはひ!」 藤田「口に食べ物を入れたまま喋るのはやめろ!」 和「もう、池田隊員ったら…」クスッ 和(宮永さん…あなたは元気にしているでしょうか?私は今、地球を…そしてあなたの笑顔を守るために戦っています…) 藤田「ところでお前達に朗報だ、先ほどクボ・コーチの本拠地と思われる基地を発見した」 和「ほ…本当ですか藤田隊長!」ガタッ 藤田「ああ、おそらく総力戦になるだろう。戦いに備えてしっかりと準備しておけよ!」 和「了解です!」 池田「ぐえ…………苦し…息が…!」トントン 藤田「お前は人の話を聞いていたのか池田よ?」 【クボ・コーチ軍、イケダァ要塞】 池田「うわぁ~!思っていたよりも敵が多いし!」 藤田「当たり前だ、何せ敵の本拠地だからな。あっちも必死なのだろう」 和「この戦いが終われば宮永さんに会える…!」 京太郎「よお、まさかお前らが生き延びてたなんて思ってなかったぜ」 和「須賀君……やはりあなたもここに」 池田「フーッ!やな奴が現れたし!」 藤田「そういえば我々G部隊とK部隊は同じエリアを攻める予定だったな」 京太郎「ええ、あまり足を引っ張らないように頼みますよ藤田さん。こちらとしても味方に撃たれるのは嫌ですからね」 池田「うるさいし!お前なんかに言われなくても、こっちはこっちで活躍するし!」 京太郎「………誰だお前?ペットはちゃんと檻の中に入れておけよな」 池田「ペ……ペットじゃないし!華菜ちゃんだし!」フーッ! 京太郎「おう、和。まさかお前が副隊長に出世するなんてな!意外とやるじゃないか」 池田「無視するな~!」 和「須賀君、あなたはこの戦いが終わったらどうするつもりなんですか?」 藤田「和…?」 京太郎「この戦いが終わったら?…別にどうもしないな、また新しい戦いを始まるだけさ」 和「…須賀君はなんのために戦っているんですか?あなたの戦いに終わりは来るんですか!?」 池田「和副隊長……(また面倒くさそうな話になってきたなー)」モグモグ 京太郎「………………」 和「黙っていないで答えてください須賀君!」 ジリリリリリリ… 京太郎「そろそろ作戦が始まるみたいだな。それじゃあ俺は行くわ」 和「待ってください須賀君!私の質問に答えてください!逃げるつもりですか!」 京太郎「俺はただ…自分のために戦うだけさ。戦うなんてそれで十分だろ」 和「須賀君――!」 京太郎「和、俺が最初に言った事を覚えているか?」 和「えっ…?」 京太郎「…どんな状況であれ、敵には情けをかけるなよ…それが例え昔の仲間であってもだ……じゃあな」タッタッタッ… 池田「行っちゃったし…」 和「須賀君…あなたは一体何を考えているんですか…?」 【基地付近】 藤田「そろそろ作戦が始まるぞ!カウント3…」 和「宮永さん…あなたのために必ず勝利してみせます!」チャキッ 藤田「2!」 池田「忌々しいコーチをやっつけてやるし!」チャキッ 藤田「1!」 京太郎「……………」スチャッ 藤田「0!……行くぞ!長い戦いの…これで最後にするんだ!」 クボ星人1「イケダァァァァ!」 クボ星人2「タルンデンジャネーゾイケダァァァァ!」 池田「予想通り、敵がウジャウジャいるし!」パラララララ 和「数に惑わされないでください!雑魚クボは敵に向かってくるしか攻撃パターンはありません!」パラララララ 藤田「和の言う通りだ!今は少しでも多く敵を倒して、他の部隊の支援をするんだ!」パラララララ クボ星人「イケダァァァァ!」 池田「副隊長危なーい!」 ダァーン! クボ星人「ギャアアアアア!」バタンッ 京太郎「やれやれ……やっぱり和は危なっかしい」チャキッ ダァーン! ダァーン! 和「須賀君…やはり須賀君の狙撃の腕はピカイチですね」パラララララ 池田「華菜ちゃんも負けてられないし!うおおおお!」タッタッタッ… 藤田「おい!何をしている池田!軽率な真似はよせ!」 池田「大丈夫大丈夫!華菜ちゃんには不可能はないし!」 クボ星人「イケダァァァァ!ナメテンジャネーゾコラアァァァ!」ガシッ 池田「し、しまった!」 クボ星人「イケダァァァァ!ブッコロシテヤルイケダァァァァ!」ドゴッ バキッ ドガッ 池田「ぎゃああああ!」 和「池田隊員~!」 藤田「全く…池田はあそこまで馬鹿だったのか…」 和「ああ、池田隊員がクボ星人にボコボコにされている…早く助けないと!」 藤田「和副隊長、今は敵を倒すのが先だ!」 和「そんな…池田隊員を見殺しにするつもりですか!?」 京太郎『聞こえるか、こちら京太郎!今からウザネコ隊員を救助する!』カチャッ 和「須賀君!?一体何をするつもりですか!」 京太郎「なーに!ロケットランチャーで一気に敵を殲滅するだけさ……発射!」ズドン! ヒュウウウウ…… ドカァァァァン! 池田「ひいいいいいい!」 京太郎「よし、上手く命中したな」グッ 池田「ひどいし…私ごと撃つなんて…!」ピクピク 藤田「しかし、これで多数の敵を倒す事が出来た!やったな池田!」 和「普通だったら死んでますけどね…」 京太郎「さてと、狙撃に戻るとするかね」カチャ クボ星人「イケダァァァ!」 和「これで最後です!」パララララ クボ星人「ギャアアアアア!」バタンッ 池田「ようやく全滅したみたいだし……かはっ!」 和「大丈夫ですか池田隊員?」 池田「問題…ないし…まだまだ華菜ちゃんは頑張れるし…」シュウウウ… 和「…本当に大丈夫ですか?なんだか焦げ臭いですけど」 藤田「――了解!お前ら、これよりG部隊とK部隊は敵の中枢部へと侵入する!敵はまだまだいるから気をつけろよ!」 和「了解!」タッタッタッ… 京太郎「俺もいくかね……」タッタッタッ… 【イケダァ要塞 中枢部】 藤田「よし…周辺の敵は粗方片付けたな」 和「ですが、敵の総帥が見付かりません…どうやら逃げられてしまったみたいですね」 池田「なーに!こんだけ友軍がいるんだからすぐに見付かると思うし!」 ピリリリリリ 藤田「――――それは本当か!?分かった、他の隊員に知らせよう!」 和「藤田隊長…もしかして敵の総帥が見付かったんですか!?」 藤田「ああ…総帥は友軍の手によって捕縛された……我々の勝利だ!」 池田「本当だし!?ようやく…全ての戦いに決着がついたのか!?」 京太郎「こちらでも確認した……間違いないみたいだな」 和「ついに…ついにやったんですね私たち!」 藤田「さあ帰るぞ…帰って宴の準備をしないとな!」 池田「私も手伝うし~!」 和「もう、まだ敵がいるかもしれないんですよ?安心するのは早いと思います」 藤田「そう固い事を言うな和!お前は嬉しくないのか?ようやく自分の家に帰る事ができるのに」 和「それは…嬉しいですけど」 藤田「なら、もっと喜べ和!」 和「はい…」 藤田「それじゃあ帰還するとするか!和副隊長の言うとおり、敵が潜んでいるかもしれないから一応注意はしておけ!」 和(ようやく帰る事ができる…!宮永さんの所に…!) 京太郎「……………………」 和「…どうかしたんですか須賀君?戦いは終わったのに嬉しそうではありませんね…」 京太郎「いや……………別に」タッタッタッ… 和「…………………?」 【母艦】 池田「ふぅー!ようやく、家に帰る事ができるし!早くチビ達に顔を見せてあげないとな!」 和「池田さんには妹さんがいるんですか?」 池田「うん、三人の妹がいるんだけど今頃きっと私を泣きながら待っているに違いないし!早く家に帰りたくて仕方ないよ!」 和「そうですか…池田さんは家族のために戦っていたんですね」 和(宮永さん…元気にしているでしょうか?ゆーきや部長、染谷先輩にも早く会いたいなぁ…) 藤田「さてと…そろそろ宴を始めると」 隊員A「た…大変です隊長!」 藤田「どうしたんだ急に…せっかく宴を始めようとしたのに」 隊長B「宴どころではありません!イケダァ基地が…イケダァ基地が…!」 池田「イケダァ基地がどうかしたのか?」 隊長A「イケダァ基地が…攻撃を受け、占拠されました!謀反が発生した模様です!」 藤田「な……なんだって!?」 池田「そんな!戦いはもう終わったはずだ!一体誰がそんな事を…」 隊員A「情報によりますと、今回の謀反の首謀者はK部隊副隊長の須賀京太郎との事です!」 和「す…が…君?」 藤田「なんだと……まさかあいつがそんな事をするなんて!」 池田「信じられないし!ようやく戦いが終わったと思っていたのにさー!」 隊員B「それに対して、軍では今回の事件に関しての対策を考えるために会議が開かれるようです!」 隊員B隊長も会議に参加せよとの事です!」 隊長「分かった!今いく!」タッタッタッ… 池田「あーもう!あの男…絶対に許せないし!にゃー!」 和「須賀君……どうして反逆なんか?」 【数時間後】 藤田「……我々に任務が下った」 池田「任務……だし?」 藤田「今回の任務はイケダァ基地の奪回…及び、今回の反乱の首謀者である須賀京太郎の身柄の確保だ」 和「やっぱり…そういう事になりましたか」 藤田「なお……首謀者である須賀京太郎の身柄の確保が難しいとされる場合、抹殺もやむ無し…との事だ」 池田「それはつまり、アイツを殺す事になっても構わないって事だし?」 藤田「そういう事になるな」 和「ちょっと待ってください隊長!それはいくらなんでもあんまりです!須賀君を殺すなんて…!」 藤田「私だって他の部隊に説得はしたさ!」 藤田「でも、駄目だった…アイツが交渉を拒み続けている以上、実力行使でいくしかない……それが上の決定だ」 和「そんな…そんなのってないですよ!なんで仲間同士で戦う必要があるんですか!?」 藤田「そんな事を私に聞かれても困る!」 藤田「…とにかく、もう決定した事だ!我々はこれよりイケダァ基地の制圧及び、反逆者須賀京太郎の捕縛に向かう!」 池田「あーもう!ようやく帰れると思ったのに~'」 和(だからあの時須賀君は…あんな表情をしていたんですね……) 和(でも、どうして反逆なんか…須賀君の考えている事が全く分からない…」 【イケダァ基地・中枢部】 K隊員A「副隊長!兵の配備を完了しました!」 京太郎「分かった…後は下がっていいぞ」 K隊員A「はっ!」ザッザッザッ… 京太郎「これなる事が俺に与えられた運命なのか……なぁ、嫁助…?」 【イケダァ基地】 池田「ねぇねぇ隊長…どうしても戦わないと駄目…かな?」 藤田「…もう作戦は進行している。もはやどうする事も出来ないだろう」 池田「……分かっただし。ごめんなさい隊長」 藤田「いや、いいんだ…私も池田と同じ気持ちなんだからな」 池田「これが本当の最後の戦いかぁ…なんだ嫌な気分だし」 K隊員「敵を確認!直ちに排除する!」カチャ 藤田「どうやら敵に見付かったようだな…!いくぞ二人共!」カチャ 池田「私は絶対にチビ達の所に帰るんだし!誰にも邪魔はさせない!」カチャ 和「須賀君…私は…あなたを説得してみせます!」 和「あなたが何を考えているのかは分かりませんが……こんなの絶対に間違ってますよ!」チャキッ K部隊「かかれ~!」パララララ 藤田「流石はK部隊!一筋縄じゃあいかなそうだ!」パララララ 池田「とくと見よ!華菜ちゃんの力を!」パララララララララ 和「私は須賀君と会わないといけない…!こんな所で立ち止まる訳にはいかない!」パララララ こうして、須賀京太郎率いる反乱軍との戦いが始まった。 最初のうちは反乱軍が優勢だったが、次第に数でおされていき 次第に降伏するものが現れ始めた。 藤田「よし!戦況は完全にこちらが優勢だ!和……お前は須賀の所に行くんだ!」パララララ 池田「あんの馬鹿の目を覚ましてやるんだし和副隊長!」パララララ 和「………分かりました!須賀君……今行きます!」タッタッタッ… 【イケダァ基地 中枢部】 和「須賀君!」 和の呼ぶ声に反応した京太郎はゆっくりと和の方に振り向いた。 京太郎「和か…やっぱり来ると思ってたよ」 和「須賀君…投降してください!今ならきっと間に合うと思います!」 京太郎「間に合う…か、何が間に合うんだろうな…ハハハハ」 和「須賀君…もう一度言います!投降してください!私は…須賀君とは戦いたくありません!」 京太郎「悪いがそいつは出来ないな和」チャキッ 和「……どうしてですか須賀君!どうしてあなたが反乱なんか…!?」 京太郎「……許せなかったんだよ……生温い地球防衛軍がな」 和「生…温い?」 京太郎「今回のクボ・コーチ星人の総帥がどうなったのかお前は知っているか?」 和「クボ・コーチ星人の総帥ですか…?」 京太郎「聞いた話によると、クボ・コーチ星人と和平を結ぶんだと」 京太郎「信じられるか…勝ったのにも関わらず、共に歩む道を選んだんだぜ?あり得ないだろ」 和「平和の道を共にすすむ事のどこが悪いんですか!?」 京太郎「じゃあ、この戦争で死んだ人間は何のために戦ってきたんだ。嫁助は……何のために死んだんだよ」 和「須賀君……あなたは」 京太郎「俺は、絶対に許したくない。死んでいった人達の犠牲を無駄にするなんて事を許したくないんだ」 和「………どうしてなんですか須賀君」 京太郎「なんの話だ」 和「どうしてあなたは平和を拒絶するんですか!?」 京太郎「……………」 和「あなただって平和を望んでいたんじゃなかったんですか!宮永さんや他の仲間達を守るために軍に入ったんじゃないんですか!」 京太郎「藤田さんから聞いたのか」 和「はい…須賀君は皆の笑顔を守るため戦っているって…」 京太郎「………」 和「なのに、なんで……?」 京太郎「……確かに俺は皆の笑顔を守るために軍に入隊した…嫁助と一緒に」 和「…………」 京太郎「あの頃の俺は真っ直ぐに自分の道を進んでいたつもりだった…」 京太郎「例え敵同士でも…分かり合えるかも知れないって幻想を抱いてな」 京太郎「だけど…嫁助を目の前で殺された……俺の馬鹿で下らない幻想がアイツを殺してしまったんだ」 京太郎「嫁助が死んでから、俺は自分の道を見失っちまった…」 京太郎「空っぽさ…もう俺には何も見えない…」 京太郎「信じたかった幻想も、皆の笑顔も、嫁助と語り合った夢も……何もかもが見えないんだ」チャキッ 和「須賀君何を!?」 京太郎「和…みんなにはよろしく伝えておいてくれ…」 和「やめて須賀君!銃を捨ててください!」 京太郎「じゃあな」 和「ダメぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 バァン……… 京太郎「……………」バタンッ 和「…………嘘よ、こんなの嘘よ!こんなオカルト…絶対にありません!絶対にあってはありません!」 和「ねぇ!起きてください須賀君!目を開けてください!」 京太郎「…………………」 和「いやああああああああああああああああああああああああああああああ!」 京太郎が死んでからしばらくの時が流れた。 池田は軍を除隊し家族の元へと帰り、藤田は軍に留まった。  原村和もまた軍を除隊し、普通の少女としての生活を送っていた 咲「原村さーん!一緒に学校に行こう!」 和「あっ、宮永さん。いいですよ!一緒に行きましょう」 チュンチュン… 咲「―――――でね!大変だったんだよ~!」 和「フフフ…そうだったんですか」 咲「それにしても京ちゃん…どこに行ったんだろう?」 和「はい…!?」ドキッ 咲「ずっと京ちゃんの事を見ていないからさ…ちょっと心配なんだ」 和「そ、そうなんですか」 咲「ねぇ、原村さんは何か知らない?」 和「……………」 咲「原村さん?」 和「…私には分からないですね。そのうちひょっこり顔を出すのではないでしょうか?」 咲「うーん…そうだよね!京ちゃんの事だからきっとそうだよ!」 和(……嘘をついてごめんなさい宮永さん。きっと私は一生、須賀君が死んだ事を秘密にしていくのでしょう) 和(でもこれは…罰なんです。あの時、須賀君を助ける事が出来なかった罰) 和(きっと私は十字架を背負ったまま生きていくのだろう――――) 第9話「スペース・ゲート」

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