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第4話「孤独の海よ」」(2014/02/28 (金) 20:58:46) の最新版変更点

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モモ「こちらモモ……清澄の麻雀部に潜入したっす…」 ゆみ「ご苦労、モモ。引き続き任務を遂行してくれ」 モモ「任務了解っす…」 ピッ…… モモ「今回の任務……清澄高校の麻雀部についての調査っすか…龍門渕さん達比べたら楽っすね…」 ガサガサ… モモ「普通の人間では私を見つける事は出来ない……私は存在しない」 ガタガタ…… モモ「ここから先は……ステルスモモの独壇場っすよ…!」 モモ「それにしても誰もこないっすね……何をしているっす…」 京太郎「ふぅー疲れた!」 モモ「来たっすね…!」スウッ…… モモ「アイツは確か須賀京太郎っていう空気さんっすね……呑気そうに欠伸なんかして良いご身分っす」 優希「京太郎!ここにいたのか!」 京太郎「おっ、タコスじゃねーか…どうしたんだ」 優希「この馬鹿犬!今日は一緒にタコスを食べる約束だろう!?何を呑気に欠伸なんかしてるんだじぇ!」 京太郎「あれ?それって明日じゃないのかよ?今日はちょっと用事があるから無理だ、すまん!」 モモ「…何やら揉めているみたいっすね……仲間割れっすか?」 優希「分かったじぇ!明日必ず、タコス屋に来るんだじょ……いいな、犬!?」 京太郎「はいはい分かった分かった……だから耳元で叫ぶなよタコス」 優希「それじゃあ私はのどちゃんの所に行くからな!明日の約束、絶対に破るんじゃないじょ!京太郎!」 京太郎「はいはい…転ばないように気をつけろよタコス!」 優希「ふん!犬なんかに言われなくても分かってるじょ!」 タッタッタッ…… モモ「麻雀しないっすか……?というよりも空気さんは何をしにここに来たっすか……」 京太郎「さてと……そろそろ時間かな…」スウッ モモ「むむっ……何やら始めたっすよ…!」 京太郎「もしもし……俺です、京太郎です。こっちは順調に事が進んでますよ」 モモ「一体誰と会話をしているっすかね?」 京太郎「ふふふ…分かってます…あなたの妹は相変わらずですよ……照さん」 モモ「照……?照って誰っすか…?」 京太郎「もちろん、他の皆には気が付かれてはいませんよ?」 京太郎「まさか俺が…宮永照の命を受けて派遣された白糸台のエージェントである事を…」 モモ「なんだって…!?白糸台って確か先輩が言っていた……」 京太郎「いつも通り情報は渡しておきます……まあ、あまり必要のないものでしょうけどね…ハハハ…」 モモ「すごい事を聞いたっすよ……!まさか清澄の空気さんが私と同じスパイだったなんて……」 ガタンッ モモ「しまっ……!」 京太郎「……ちょっと待ってください、何やら物音が聞こえました…調べてきます」 ギシッ…ギシッ…ギシッ… モモ「や……やばいっす……空気さんがこっちに来るっすよ…!」 京太郎「確かこのへんだよな…」 ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン モモ「目の前まで来たっす…!もう駄目っすよ…!」 そして京太郎はモモが隠れているロッカーに手をかける モモ「くっ……!こうなったら戦うしかないみたいっすね…」チャキッ ガタンッ ネズミ「チューチュー!タコチュー!」 タッタッタッ…… 京太郎「なんだネズミかよ……びっくりしたぜ…」スッ 照『どうしたの京ちゃん?何がいたの…?』 京太郎「ああ、なんでもありませんよ…ネズミがいただけです」 照『そう…なら、良いんだけど…本当にネズミで間違いないのね…』 京太郎「ハハ、誰かが隠れて聞いていた訳ではないみたいですよ…」 京太郎「無論……その場合は…ただで帰すつもりはありませんけどね」ニヤリ モモ「――――――!」ゾクリ 京太郎の歪んだ笑い顔にモモの背中に戦慄が走る モモ「……バレなくてよかったっす…もし空気さんにバレたら何をされるか分かったモンじゃないっすよ……」 京太郎「そろそろ他の部員が来る頃でしょう…また後で連絡します…それでは」ピッ 優希「京たろお~!」 タッタッタッ…… 京太郎「おいおい、どうしたんだよタコス…またタコスを買ってこいなんて言うんじゃないだろうな?」 優希「そのまさかだじぇ!」 和「もう、ゆーきったら…」 久「須賀君。タコスの他に買い出しもお願いね」 京太郎「ま…また買い出しっすか…分かりました!行ってきまーす」 咲「頑張ってね京ちゃん」 京太郎「はいよ~!」 タッタッタッ…… モモ「なんて変わり身の早い男っすか……でも、これはいい事を聞いたっす」 ゆみ『モモ、聞こえるかモモ』 モモ「あっ、先輩……どうしたっすか?」 ゆみ「いや…急にモモが心配になってな……そっちの方は大丈夫か?」 モモ「問題ないっすよ先輩……ちょっと危ない所もあったっすけど今のところは順調っす…」 ゆみ『そうか、ならいいんだがな…』 モモ「それよりも先輩、凄い情報が手に入ったっすよ……」 ゆみ『ほう……一体どんな情報だモモ?』 モモ「はい、実は清澄の須賀京太郎っていう男が白糸台のスパイだったっすよ」 ゆみ『なに…!?それは本当かモモ!?』 モモ「はい、間違いないっす…宮永照って人と話をしていた所を目撃したっす」 ゆみ『宮永照………なるほど、そういう事だったのか』 モモ「どうします先輩?まだ調査を続行するっすか?」 ゆみ『いや、もう十分だモモ…今回はもう清澄から帰って来てもいい…』 モモ「了解っす先輩」 ゆみ『だが、気をつけろよモモ…その白糸台のスパイに気が付かれないようにな』 モモ「心配ないっすよ先輩…いくら空気さんが手練れだとしても私を見つける事は出来ないっすから……」 ゆみ『そうか……だがくれぐれも油断するなよモモ』 【数時間後】 久「それじゃあ皆、解散!」 まこ「やれやれ、早く店の手伝いにいかんとのう」 優希「のどちゃーん!早くタコス屋に行こうじぇ!」 和「もう、ゆーきったら…それじゃあ、行きましょうか宮永さん」 咲「うん、分かったよ原村さん!それじゃあ京ちゃん、また明日ね」 京太郎「ああ、それじゃあな咲!」 ギイイイイ バタンッ…… モモ「そろそろ出てもいいっすよね……?…ふぅ…今日はハラハラした一日だったっすね……さてと…私も帰る事にするっす…」 ギイイイイ…… モモ「誰もいないっすね……」キョロキョロ ガシッ モモ「――――――!?」 京太郎「ふふ…ネズミはネズミでも可愛らしいネズミじゃねーか……なあ?」 扉を開けたモモの腕を京太郎は笑いながら掴んだ。 突然の出来事にモモは呆然としてしまう。 モモ「な…なんで私の姿が見えるっすかアンタ…!?私は普通の人間には見えないはずっすよ!」 京太郎「なんでもなにも……俺にはお前の姿が普通に見えるぜ……もしかしたら俺は普通じゃあないのかもしれないな?」 モモ「そ…そんな…!」 京太郎「まあ……そういう話は置いといて……」 京太郎「悪いが俺の正体がバレちまった以上、お前をただで帰す訳にはいかねえなぁ……!」ギロッ モモ「くっ…!放せ、放すっすよ!」 必死で京太郎の腕を振りほどこうとするモモであったが、京太郎はガッシリと掴んだまま放さない。 京太郎「抵抗しても無駄だぜ?大人しくしたほうがいいと俺は思うがな…?」 モモ「な……何をするつもりっすかアンタ…!?」 京太郎「さあねぇ……想像に任せるよ」 手を縛られたモモは部室の中へと連れ込まれてしまった。 京太郎「さーてと、まずはお前が何者か教えてもらおうか?」 モモ「……何も言う事はないっすよ……」 京太郎「ふーん、そういう態度を取るつもりなんだ……」 京太郎は溜め息をはくと机の中から鞭を取り出す モモ「な……なにっすか鞭なんか取り出して…!」 京太郎「ふふ…お前が俺の質問に逆らう度に鞭を使うからな…!分かったか?」 モモ「ふ……ふん…!そんな玩具で私が口を割るとでも……」 ピシィンッ モモ「きゃあっ!?」 鞭で床を叩きつける音が部室に響き渡る 京太郎「どうしたんだいお嬢さん、可愛い悲鳴なんか?鞭なんて怖くないんじゃなかったのか?」 モモ「………うるさいっす…」 自分が怯えているのを否定するかのように京太郎を睨み付けるモモ。 京太郎「おいおい、そんな怖い顔しないでくれよ全く……ゾクゾクしちまうじゃねーか」ヒュインヒュイン モモ「黙れっす、この変態!」 ピシィッ モモ「ああうっ……!」 京太郎「口の聞き方には気をつけてろよ……今のお前がいくら強がっても意味がねーんだよ!」 モモ「うう……痛い……痛いっすよ…」 京太郎「まあ、俺も鬼じゃない…お前が俺の質問に素直に答えりゃあ、鞭なんて使わないから安心しろ」 モモ(助けて…助けてっす先輩……) 大粒の涙を流しながらモモは加治木ゆみの姿を思い浮かべる。 そんなモモの姿に京太郎はニヤリと歪んだ笑顔を浮かべた。 京太郎「じゃあ改めて聞くがお前は何者なんだ?」 モモ「………………」 ピシィッ! モモ「ああうっ!」 京太郎「もう一回聞きまーす!あなたは何者ですか~?」 モモ「………………」 ピシィッ モモ「くああっ!」 京太郎「いい加減しつこいなぁ……あ・な・た・は誰ですかぁ~!」 モモ「知ら…ない……っす…」 京太郎「……………やれやれ」 ピシィッ ピシィッ ピシィッ モモ「くああああああああああっ!」 【数十分後】 モモ「ハァ……ハァ……」 京太郎「全く……しぶといなぁお前……その根性だけは認めてやるよ」 モモ「余計な………お世話っす……」 京太郎「困ったなぁ……どうすれば話してくれるのか分からねーや」 コンコンコン…… ガチャ… 京太郎「だ……誰だ!?」 ?「………………」 モモ「誰だか…知らないけど……助けてくださいっす……この男は私を……」 照「この娘が京ちゃんが言っていたコソドロさんかしら…?」 京太郎「おっ、照さんじゃあないですか!わざわざ東京からお疲れ様です」 照「フフ……京ちゃんの方こそ面白い事をしているじゃない…」 モモ「――――!そんな……この人が空気さんと話していた宮永照……!?」 照「フフフ……そんなに震えて……怖いの…?」 モモ「違うっすよ…………怖いわけ……」 ピシィッ モモ「ああんっ!」 京太郎「油断しちゃあいけないなぁ……気を抜いていいなんて言った覚えはないんだが?」 モモ「ううう………」 照「京ちゃん……あまり苛めちゃ駄目じゃない……そんなのじゃあ口を割らないと思うわ」 京太郎「なるほど、確かに照さんの言うとおりですが……ならどうすればいいと思います?」 照「ねぇ……この写真…あなたのでしょう?」 モモ「な……!いつの間に私の写真を…!?」 照「この写真に写っている女の人……あなたにとって大切な人じゃないかしら?」 京太郎「………ははあ、なるほどね」 モモ「その写真はたまたま拾ったやつっす……!私には……関係ないっすよ…」 照「そう…?そのわりには声が震えているじゃない……嘘はいけないわよ?」 京太郎(全く……いつも思うけど照さんもひどいお人だねぇ……) 照「それじゃあこの写真の人がどんな目にあってもあなたには関係ないわよね…?」 モモ「な、何を言っているっすか!そんな事私には…」 照「い い よ ね ?」 モモ「……………」ポロポロ 照「あら……どうして泣いているのかしら?私はただ、質問をしているだけなのに…」 照「それともこの写真の人の事が心配でたまらないの?」 京太郎「早く答えろよ、じゃねーと照さんがこの写真の人に何をするか分からねーぜ?」 モモ「駄目っす………」ポロポロ 照「えっ…?何が駄目なのかしら……詳しく教えてちょうだい…」 モモ「お願いっす……その人は私にとって大切な人っす…だから……」 京太郎「ほー、そういう事ですか…」 照「大丈夫……あなたが私達の言う事さえ聞いてくれるなら……この写真の人には何もしないわ……」 モモ「本当っすか………?」 照「安心して……私は嘘は言わないから……だから私達の言う事を聞いて……ね?」 モモ「…………分かったっす……先輩に何もしないっていうなら……私はアンタ達のいう事を聞くっすよ…」 照「良い子ね……私はそういう子は好きよ……」ニコリ… 京太郎「それじゃあ……最初の質問だ……ちゃんと答えろよ」 モモ「はいっす………」 【数日後】 ゆみ「今日もご苦労だったなモモ」 モモ「いえ、先輩のためならいくらでも頑張れるっすよ!」 ゆみ「そ……そうか、ありがとなモモ」 モモ「はい!それじゃあ私は失礼させてもらうっす」 タッタッタッ…… モモ「こちらモモ……鶴賀学園の情報を今から送るっす…」 先輩、私は先輩を騙している最低な女っす。けれども私はいつでも先輩の事が大好きっすよ。 例え私が闇に堕ちようとも、先輩が笑ってくれるなら私は喜んで堕ちるとこまで堕ちてやるっすよ。 先輩――――。 第4話「孤独の海よ」

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