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えり「はぁ・・・・・・」
咏「あれー、えりちゃんどうしたの?」
えり「あ、三尋木プロ・・・・・・いえ、プライベートのことでちょっと」
咏「ふーん、まあ知らねーけど」
えり「ええ・・・・・・、はぁ・・・・・・」
咏「・・・・・・あんまり溜息ついてると幸せと一緒に男に逃げられるぜ」
えり「!?!?!?!?」ガタガタッ
咏「隠し通してるつもりかもしれねーけど分かる奴には丸分かり。今もほら、情報誌のチョコレートのところを凝視してるし」
えり「あ、い、いえこれは! そう! 友チョコのことをですね!」
咏「へー、えりちゃん友チョコなんてくれるんだ、ラッキー。じゃ、一等高い奴を期待してるぜー」
えり「わ、わかりました! わかりましたから! とにかく、これはそういうんじゃないので!」
咏「わかったわかった、落ち着けえりちゃん」
えり「ふー・・・・・・」
咏「で、須賀キョータローのことだけど」ニヤニヤ
えり「わきゃああああああ!?!?」ドンガラガッシャン
咏「おーうこれまた芸術的に転げ落ちたねー、知らんけど」
えり「ななな、何で三尋木プロがその名前を知ってるんですか!」
咏「んー? そりゃ従兄弟だもん」
えり「・・・・・・は?」
咏「あれ? 私もキョータローも言ってなかったかぃ?
私とキョータローは母親同士が姉妹の従兄弟だぜ?(まあ私が口止めしてたんだけど)」
えり「初! 耳! です! え、ちょっと待ってください・・・・・・じゃ、じゃあ私と京太郎君のことは・・・・・・」
咏「おーう、愛すべき従兄弟にちょこーっと脅は・・・・・・質問したら洗いざらい吐いてくれたぜ?
いやー、えりちゃん以外と乙女なんだねー。えりちゃんのことがわっかん――」
えり「忘れてください」ゴゴゴ
咏「え、えりちゃ・・・・・・」
えり「全て、京太郎君から聞いたこと何もかも忘れてください」ゴッ
咏「あ、あははは・・・・・・わっかんねー、おっかねぇよえりちゃん・・・・・・も、もちろん誰にも言わないってば・・・・・・ジョークジョーク」
えり「・・・・・・まあいいです。ええ、ご存知の通りです。私は須賀京太郎君とお付き合いさせていただいてます」
咏「おう、うちの馬鹿従兄弟が迷惑かけてるみたいだねぃ。知らんけど」
えり「それで、これまたご存知の通りもうすぐバレンタインです。それで、彼に贈るチョコレートをどうしたものかと・・・・・・」
咏「なるほどねー(まあキョータローならえりちゃんから貰ったものなら何でも感動の涙を流すくらい喜びそうだけど・・・・・・)」
えり「有名店のチョコレートを色々調べてどれがいいのか考えていたんですが・・・・・・
三尋木プロが京太郎君の従兄弟なら話は早いですね。彼の好みを教えていただけませんか?」
咏「それはかまわねーけど・・・・・・わっかんねーな。えりちゃん、手作りチョコとかやんねーの?」
えり「そ、そんな・・・・・・! 料理も苦手な私なんかが手作りチョコレートなんて・・・・・・
それに・・・・・・その、恥ずかしいですし・・・・・・」モジモジ
咏「」キュン
咏(えりちゃん可愛いなあおい! 馬鹿のキョータローの惚気だと聞き流してたけどこいつはマジで乙女じゃね、知らんけど)
咏(そういやキョータローが言ってたっけ。えりちゃんの手料理食べてみたいけど
頼んでも断られて未だに一回も食べたことないって・・・・・・)
咏(まあ手作りチョコは無理でもできることはあるからねぇ。
よーし、ここはいっちょ可愛い愚弟のためにも咏姉ちゃんが一肌脱いでやろうか!)
咏「えりちゃんえりちゃん、ちょい耳貸しな」
えり「? なんですか?」
咏「キョータローは・・・・・・で・・・・・・だから・・・・・・だぜ・・・・・・知らんけど」
えり「ふむ・・・・・・えっ・・・・・・えぇぇえ! そ、そんな・・・・・・は、はい・・・・・・ぅうう・・・・・・」
咏「とにかく! キョータローはいつもこれをやりてーって言ってたから、えりちゃんが
自発的にやってくればアイツのハートは鷲掴み間違いなしじゃね、知らんけど」
えり「で、でも・・・・・・そんなは、破廉恥なこと・・・・・・」
咏「わっかんねー。『本当に京太郎が好きなら(強調)』、こんなこと朝飯前なんだけどねぃ。こりゃちょっと荷が重すぎたかな」ニヤニヤ
えり「むっ・・・・・・いいでしょう、その挑発にあえて乗ります。三尋木プロのこと、信じますからね」
咏「おう! (喜べキョータロー、今年のバレンタインチョコは甘くてエロいぜ)」b
その年のバレンタインデーの夜、三尋木咏の自宅へと怒りを剥き出しにして
歩を進める謎の女性の姿があったという。彼女の肌のいたるところには、
甘い香りを放つ謎の茶色い物体が張り付いていたとか何とか。
カンッ