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「あの……パソコンを買ったんですけど」 「初めに何をしたらいいのかよくわからなくて……」 「上埜さんならわかるかと思ったんですけど……」 「そうですか……」 「えっ? 清澄の男子部員さんですか?」 「私、男の人って少し苦手で……」 「い……いえ! せっかくの上埜さんのご厚意ですから」 「その男の子を私に紹介してください!!」 ………… ……… 「この間はありがとうございました」 「上埜さんにも来ていただいて……本当に助かりました」 「須賀君にもお礼を言っておいてください」 「とんでもないです! とてもいい子だと思いました!」 「それでですね……今度はプリンター?の使い方がわからなくて……」 「できたらまた須賀君に、と思いまして……」 ………… ……… 「何度もありがとうございます」 「須賀君にはわかりやすく説明していただいて……簡単なメモまで……」 「あの、それでですねっ……改めて直接須賀君にお礼を申し上げたいので」 「須賀君の電話番号を教えていただけませんか!?」 「いえそんな! こちらからお礼を申し上げるわけですから」 「私のほうからかけます。もうっ、電話くらいなら大丈夫です」 ………… ……… 「ごめんなさい、上埜さん。また須賀君をお借りしちゃって……」 「いえ、そんな! それに須賀君ならもう2人きりでも大丈夫ですから」 「怖い人じゃないってわかっているので……」 「今回ですか?」 「電子レンジでいろいろなお料理ができるって後輩に聞いて……」 「それで須賀君に教えていただこうと……」 「えっ? ああっ、そうですよね……どうしてあの子じゃなくて須賀君を呼んだんでしょう?」 ………… ……… 「はい、この間は京太郎君と2人で街のほうに行きました」 「あのスマートホンっていうのが欲しかったんですけど……」 「よくわからなかったので、京太郎君と同じやつにしちゃいました」 「その後2人で喫茶店で……はい?」 「あっ……はい/// この間、私がつい京太郎君を名前で呼んじゃって……」 「京太郎君にも私のことを名前で呼んでもらってます///」 ………… ……… 「上埜さん、京太郎君のお家ってすごく大きいんですね!」 「私びっくりしちゃいました! 大きなお庭があって……」 「あ……この間、2人でお出かけしたときに京太郎君がカピパラを飼っているって聞いて……」 「私が見たいってお願いしちゃったんです」 「そ、そんなっ……何もなかったです!」 「私は京太郎君のことを信頼していますから」 「でももし……いえっ、なんでもありません///」 「えっ……? はい、京太郎君のお母様にも会いましたよ」 「京太郎君をよろしく、と言われました」 ………… ……… 「聞いてください、上埜さん! 父がひどいんです!」 「日頃のお礼に夕食をご馳走しようと思って、京太郎君をウチに招待したんです」 「はい、私が作りました。お料理は好きですし、京太郎君に食べてもらいたくて……」 「そのとき、たまたま父もいたんです。」 「といっても休日だったので普段もウチにいることが多いんですけど……」 「ですからウチの家族と京太郎君の4人で夕食を食べたんです」 「父も京太郎君のことを気に入ってくれたみたいで、珍しくお酒を飲んでました」 「私たちも楽しく過ごしてたんですけど……」 「突然京太郎君に『君が美穂子を貰ってくれるなら大歓迎だよ』なんて言ったんです!」 「私、すごく恥ずかしかったんですよ! 京太郎君も戸惑ってました」 「京太郎君とはまだそんな関係じゃないのに……」 「えっ? 私、『まだ』なんて言いましたか///?」 「そ……そんなことよりウチの父です!」 「そのあともしばらく私と京太郎君をからかってました」 「私はともかく、京太郎君はお客様なんですから困らせないであげてほしいです」 「母ですか? 母からは結構前から言われているのでそんなに……」 「とにかく! 大人なんですからお酒に飲まれるなんてだめですよね!?」 ………… ……… 「京太郎君って麻雀部ではどうですか?」 「はい。最近は本当に上手になって、教えている私のほうも楽しくて」 「この間なんて、強くなれているのは美穂子さんのおかげですって言われて」 「私、本当に嬉しかったんです!」 「そのときの京太郎君の顔が、かっこいいのにどこか可愛くてですねっ」 「胸がキュンとなってしまって……あ、いえ……そうではなくてですね……」 「その、清澄の麻雀部は男子は京太郎君しかいないじゃないですか……」 「女の子と上手くやれているのか気になってですね……」 「抱きっ……密着っ!? そんなの駄目です!! 上手くやりすぎです!」 「京太郎君は麻雀をやる上で今が大事な時期なんです」 「そんな状態で麻雀を教わるなんてよくありません!」 「上埜さんのほうからも注意してください!」 「まったく……他の子にそんな風に教わらなくても」 「私がいつも教えてるのに……」 「私も今度からもっと……」ブツブツ ………… ……… 「上埜さん……私、京太郎君とお付き合いすることになりました!」 「ありがとうございます!そ……そんなにわかりやすかったですか、私?」 「はい……京太郎君のほうから言ってくれて」 「私、すぐによろしくお願いしますってお返事したんですけど……」 「嬉しいのに涙が止まらなくなって……」 「自分がどれだけ京太郎君のことを好きだったか、とか……」 「ずっとこうなりたいと思ってたのねって考えたらもっと涙が止まらなくなって……」 「でも京太郎君が強く優しく抱きしめてくれたんです」 「すごく胸がドキドキしたんですけど、少し落ち着けたので……」 「その……私のほうからキスをお願いしてしまいました///」 「あう……ごめんなさい。私ったら嬉しくてつい……///」 「……京太郎君と付き合えたのも上埜さんのおかげです」 「男の人が苦手だった私にとても素敵な恋人ができました」 「だから一番に報告したかったんです」 「本当にありがとうございました」 「これからもよろしくお願いしますね!」 ………… ……… …… … 「京太郎君が浮気しているかもしれないんです……」 「私、こんなことを相談できるのは上埜さんしかいなくて……」 「昨日、京太郎君にその……してくださいってお願いしたんです」 「そうしたら『今日は勘弁してくれ』って……」 「いつもは一緒に寝るんですけど、昨日はそれもしてくれなかったんです!」 「え? 前にした日ですか?」 「一昨日です」 「そういえば、あの時もこちらからお願いしたんですけど一度断られて……」 「でも結局、一緒に寝てるときにそういう雰囲気になったので……」 「はい。そのときも京太郎君は嫌がるフリをしていました」 「でも、それは最近の京太郎君の合図みたいなものなので……」 「はっ! そんなことを知っているなんて……上埜さん、まさかっ……!」 「ひぅっ! ごめんなさい……」 「そうですよね、上埜さんに限ってそんなことないですよね」 「それにしても……これってやっぱり浮気なんでしょうか?」 「……」 「……っ!? そうですよね!!」 「これからは京太郎君が他の子としたいと思わなくなるくらい」 「私が満足させてあげればいいんですよね!」 「京太郎君のためにも!!」 「私、もっと頑張ります!!」 「あの、上埜さん……なんでそんなに笑っているんでしょうか?」 カンッ

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