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205 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/10/25(日) 23:29:20 ID:eXBC3K/Z 「ふぅ・・・」 ボク・・・国広一が読書をしている横で、ともきーこと沢村智紀は、大きくため息をついた 「どうしたの? ともきー」 「はじめ・・・ううん。なんでもない」 心配するボクからの問いにも、上の空で答える 「そんな大きなため息して、なんでもなくはないと思うんだけどな~。何か悩みがあるなら言いなよ。『家族』でしょ?」 「家族・・・」 我ながらくすぐったい台詞、嬉しいような恥ずかしいような。だけどともきーが心を開くには十分な一言となったみたいで 「・・・もし女性多数・・・ここでの例としては5人の中に、男性が1人混じっていたら」 「・・・? いたら?」 「女装するのかな」 「・・・は?」 その突飛な台詞を理解するのに、ボクは少々の時間を要した 「・・・別にやらないと思うけど」 「確かめたい」 「は、はぁ・・・」 だから、別にやらないだろうって! 確かめるまでもないよ! そもそもなんでともきーは、そんな事考えてるんだろう? ・・・ん? 待てよ、女5人に男1人って、最近どこかで見たような・・・ 「ここに、清澄高校麻雀部部長の携帯電話の番号がある。地方決勝に残った高校の部長同士で番号交換しあってたから、透華から見せてもらった」 そう言ってともきーは、生徒手帳から紙片を出した あ、そっか。そういや清澄が男1人って状態だったなあ。確か名前は・・・んん、金髪の・・・ああ、名前は知らないや ボクが清澄の金髪クンの顔を思い出そうと記憶の片隅を探っていると、ともきーは紙片をまた手帳に戻した 「あれ? その番号に電話して確かめるんじゃないの? 清澄も女性多数に男性1人だよね。僕はてっきり・・・」 「・・・こんなこと聞くのは、ちょっと・・・」 「ああ、まあ・・・確かに、ちょっと恥ずかしいね」 ちょっとどころじゃないけどね 「うん」 その日の会話はそんな感じで終わった 次の日 「やっぱり、電話して聞いてみようかな」 「・・・何を?」 「清澄の須賀京太郎君の事・・・」 「あ、ああ。そっか、そのコトか」 ごめんともきー、一日経ってその話のコトすっかり忘れてたよ。っていうか清澄の金髪クン、「すがきょうたろー」って言うんだ・・・ともきーはなんで知ってるんだろ 「うん。疑問解決に邁進すべく、電話しちゃってもいいと思うよ。女装はしてないと思うけど」 「もしもし、清澄高校の竹井さんですか? 私、龍門淵高校麻雀部の・・・」 「って、もう電話してるし!」 ───── 「・・・はい、そうですか。ありがとうございます・・・いえいえ。・・・はい、ではまた今度・・・失礼します」 ともきーの電話が終わったみたいだ。疑問の結果は・・・まあ、聞くまでもないよね 「やっぱり女装してるんだって」 「だよね~。まっ、それが当たり前・・・・・・・・・って、ええ!!!!? してるの!?」 「してるんだって」 そう言ったともきーの顔は、なぜかとても満足そうだった・・・ 「じゃあ、私部屋で同人・・・じゃなかった。えーと、勉強するから」 去っていくともきーの後ろ姿を見ながら、ボクは「すがきょうたろー」なる男の事を必死に思い出していた 記憶の断片を辿ると・・・たしか純の試合の時に、仲間に食べ物差し入れしてたけど・・・  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・・アレ。けっこうイケメンじゃなかったっけ・・・? 記憶が曖昧だからこう言うのもなんだけど、人は見かけによらないってホントだね・・・うへえ。あんな顔して女装好きの変態だなんて・・・ 「ふふふっ」 ふと口元が緩んだ。え? ボク、なんで笑ったんだろ? ・・・ああ、そっか。うん 「興味、沸いちゃったかも・・・なんか面白そうだし」 一度「すがきょうたろー」と、ちゃんと会って話してみたいな・・・なんて ボクも結構物好きだよね。ともきーに負けず劣らずさ 清澄高校 「ねえ、須賀く~ん。ちょっと頼みがあるんだけど~」 右手に学校指定のセーラー服、左手にまこの店のメイド服、そしてクラッとくるような上目使いで、部長は言った 「な、なんですか部長・・・その頼みとやら、嫌な予感しかしないんですが」 「私のため、じゃなかった部のために!」 「部のために?」 「女装して写真に撮られて!」 「イヤです」 「そんなキッパリ断らなくてもいいじゃない!」 そう言って部長は頬を膨らまし、セーラー服、メイド服のハンガーを武器に、京太郎の胸をポコンと小突いた 「急になんじゃ一体。理由くらい言わんと京太郎も困るじゃろ」 まこが理由を聞く 「うん、実は深~~いワケがあるのよ。さっき、龍門淵の沢村さんから電話があってね・・・」 沢村智紀が言うには。「研究のため」女性の中に男性が1人いてなにか弊害はないのか調べている、特に男性の心理状況に及ぼされる影響云々がどうこう・・・ まあ端的に言って、「京太郎は女装してるのかどうか」という、なんとも変な質問をしてきた 「で、な~んか面白そうだったから、つい・・・『うん、してるわよ~。いつも女装してお茶汲みさせてるの~』って・・・」 「つい・・・って何ですか!! そんなの俺やったことないでしょ!」 「だから私もすぐ『な~んて冗談よ!』って言おうとしたのに! 沢村さんが・・・沢村さんが・・・!」 「沢村さんが?」 「須賀君の女装写真を送ってくれたら、龍門淵家が経営してる高級プール施設の無料券を100枚綴りでくれるって・・・」 「・・・は?」 「サウナやエステサービスもあるって・・・」 「・・・で?」」 「仕方なかったのよ・・・!」 「うん、それは仕方ないのう」 「んなワケ無いでしょーー!!?」 悲痛な声をあげる京太郎だったが、プールタダ券100枚に動かされている先輩二人に抵抗する手段もなく・・・ 「でも、前々から須賀君って、女装とか似合うんじゃないかな~って思ってたのよね~」 「安心せい京太郎。和や咲や優希にはバレないようにしちゃるから」 「いやー! やめてーー!!」 「ちょっとくらいいいじゃな~い!」 「あーー!!」 ───── これは後の話であるが、今年の沢村智紀の同人誌最新作は過去最高の人気を誇ったらしい #comment
205 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/10/25(日) 23:29:20 ID:eXBC3K/Z 「ふぅ・・・」 ボク・・・国広一が読書をしている横で、ともきーこと沢村智紀は、大きくため息をついた 「どうしたの? ともきー」 「はじめ・・・ううん。なんでもない」 心配するボクからの問いにも、上の空で答える 「そんな大きなため息して、なんでもなくはないと思うんだけどな~。何か悩みがあるなら言いなよ。『家族』でしょ?」 「家族・・・」 我ながらくすぐったい台詞、嬉しいような恥ずかしいような。だけどともきーが心を開くには十分な一言となったみたいで 「・・・もし女性多数・・・ここでの例としては5人の中に、男性が1人混じっていたら」 「・・・? いたら?」 「女装するのかな」 「・・・は?」 その突飛な台詞を理解するのに、ボクは少々の時間を要した 「・・・別にやらないと思うけど」 「確かめたい」 「は、はぁ・・・」 だから、別にやらないだろうって! 確かめるまでもないよ! そもそもなんでともきーは、そんな事考えてるんだろう? ・・・ん? 待てよ、女5人に男1人って、最近どこかで見たような・・・ 「ここに、清澄高校麻雀部部長の携帯電話の番号がある。地方決勝に残った高校の部長同士で番号交換しあってたから、透華から見せてもらった」 そう言ってともきーは、生徒手帳から紙片を出した あ、そっか。そういや清澄が男1人って状態だったなあ。確か名前は・・・んん、金髪の・・・ああ、名前は知らないや ボクが清澄の金髪クンの顔を思い出そうと記憶の片隅を探っていると、ともきーは紙片をまた手帳に戻した 「あれ? その番号に電話して確かめるんじゃないの? 清澄も女性多数に男性1人だよね。僕はてっきり・・・」 「・・・こんなこと聞くのは、ちょっと・・・」 「ああ、まあ・・・確かに、ちょっと恥ずかしいね」 ちょっとどころじゃないけどね 「うん」 その日の会話はそんな感じで終わった 次の日 「やっぱり、電話して聞いてみようかな」 「・・・何を?」 「清澄の須賀京太郎君の事・・・」 「あ、ああ。そっか、そのコトか」 ごめんともきー、一日経ってその話のコトすっかり忘れてたよ。っていうか清澄の金髪クン、「すがきょうたろー」って言うんだ・・・ともきーはなんで知ってるんだろ 「うん。疑問解決に邁進すべく、電話しちゃってもいいと思うよ。女装はしてないと思うけど」 「もしもし、清澄高校の竹井さんですか? 私、龍門渕高校麻雀部の・・・」 「って、もう電話してるし!」 ───── 「・・・はい、そうですか。ありがとうございます・・・いえいえ。・・・はい、ではまた今度・・・失礼します」 ともきーの電話が終わったみたいだ。疑問の結果は・・・まあ、聞くまでもないよね 「やっぱり女装してるんだって」 「だよね~。まっ、それが当たり前・・・・・・・・・って、ええ!!!!? してるの!?」 「してるんだって」 そう言ったともきーの顔は、なぜかとても満足そうだった・・・ 「じゃあ、私部屋で同人・・・じゃなかった。えーと、勉強するから」 去っていくともきーの後ろ姿を見ながら、ボクは「すがきょうたろー」なる男の事を必死に思い出していた 記憶の断片を辿ると・・・たしか純の試合の時に、仲間に食べ物差し入れしてたけど・・・  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・・アレ。けっこうイケメンじゃなかったっけ・・・? 記憶が曖昧だからこう言うのもなんだけど、人は見かけによらないってホントだね・・・うへえ。あんな顔して女装好きの変態だなんて・・・ 「ふふふっ」 ふと口元が緩んだ。え? ボク、なんで笑ったんだろ? ・・・ああ、そっか。うん 「興味、沸いちゃったかも・・・なんか面白そうだし」 一度「すがきょうたろー」と、ちゃんと会って話してみたいな・・・なんて ボクも結構物好きだよね。ともきーに負けず劣らずさ 清澄高校 「ねえ、須賀く~ん。ちょっと頼みがあるんだけど~」 右手に学校指定のセーラー服、左手にまこの店のメイド服、そしてクラッとくるような上目使いで、部長は言った 「な、なんですか部長・・・その頼みとやら、嫌な予感しかしないんですが」 「私のため、じゃなかった部のために!」 「部のために?」 「女装して写真に撮られて!」 「イヤです」 「そんなキッパリ断らなくてもいいじゃない!」 そう言って部長は頬を膨らまし、セーラー服、メイド服のハンガーを武器に、京太郎の胸をポコンと小突いた 「急になんじゃ一体。理由くらい言わんと京太郎も困るじゃろ」 まこが理由を聞く 「うん、実は深~~いワケがあるのよ。さっき、龍門渕の沢村さんから電話があってね・・・」 沢村智紀が言うには。「研究のため」女性の中に男性が1人いてなにか弊害はないのか調べている、特に男性の心理状況に及ぼされる影響云々がどうこう・・・ まあ端的に言って、「京太郎は女装してるのかどうか」という、なんとも変な質問をしてきた 「で、な~んか面白そうだったから、つい・・・『うん、してるわよ~。いつも女装してお茶汲みさせてるの~』って・・・」 「つい・・・って何ですか!! そんなの俺やったことないでしょ!」 「だから私もすぐ『な~んて冗談よ!』って言おうとしたのに! 沢村さんが・・・沢村さんが・・・!」 「沢村さんが?」 「須賀君の女装写真を送ってくれたら、龍門渕家が経営してる高級プール施設の無料券を100枚綴りでくれるって・・・」 「・・・は?」 「サウナやエステサービスもあるって・・・」 「・・・で?」」 「仕方なかったのよ・・・!」 「うん、それは仕方ないのう」 「んなワケ無いでしょーー!!?」 悲痛な声をあげる京太郎だったが、プールタダ券100枚に動かされている先輩二人に抵抗する手段もなく・・・ 「でも、前々から須賀君って、女装とか似合うんじゃないかな~って思ってたのよね~」 「安心せい京太郎。和や咲や優希にはバレないようにしちゃるから」 「いやー! やめてーー!!」 「ちょっとくらいいいじゃな~い!」 「あーー!!」 ───── これは後の話であるが、今年の沢村智紀の同人誌最新作は過去最高の人気を誇ったらしい #comment

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