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京太郎「ちょっと待ってくださいよー!」
智葉「そのくらいの声量が出せるのならまだ歩けるだろう、だらしないぞ京太郎」
京太郎「ペースが早いんですって、もうちょいゆっくり行きましょうよ」
智葉「私は偶に縦走したりしているから体力は万全だ、付いてこい」
京太郎「縦走ってなんですかぁ」
智葉「泊まりながら幾つもの山を歩くことだ」
京太郎「えぇ、何それ凄い」
智葉「お前も一度付いて来るか?」
京太郎「遠慮しておきます」
智葉「まったく、大体京太郎が高尾山で初日の出を見たいと言って来たんだろうが、早く登らないと陽に追い越されるぞ」
京太郎「最初っから登山鉄道使えばよかったじゃないですか!」
智葉「登山鉄道に乗っても結局この山を登ることになるんだ」
智葉「まともな苦労もせずに初日の出を見たところで何になるというんだ」
京太郎「俺は智葉さんと見たいだけなんですよ!初日の出!」
智葉「……そう言ったところで何も手伝いはしないぞ」
京太郎「今一瞬迷いましたよね?」
智葉「うるさいぞ、黙って歩け」
京太郎「ちぇー」
京太郎「登山鉄道の駅、ってことはここが山頂なんですか?」
智葉「まだまだここからだ、少し休んだら行くぞ」
京太郎「凄い人の量っすねー」
智葉「人ごみは嫌いか?」
京太郎「嫌いではないですけど、はぐれやすくなるのは勘弁です」
智葉「そうか」
智葉「休憩は済んだか?」
京太郎「はい!頑張ります!」
智葉「よし、では行こうか」
智葉「マナー違反だが、はぐれてしまうのは私も願い下げだ」ニギッ
智葉「……まあ、こうしていればはぐれることはないだろう」
京太郎「もー鉄仮面のくせして優しいんですからこのこのー」
智葉「おい今何と言った」
京太郎「何でもございません!」
京太郎「……そういう優しい所が好きですよ」ボソッ
智葉「いきなり何を言うんだ、お前は」プイッ
京太郎「あれ?照れてません?顔赤くなってません?」
智葉「なってない!なってないからこっちを向くな!」カァァ
京太郎(耳まで赤くなってる)
――――高尾山口駅
京太郎「いやー初日の出綺麗だったですね」
智葉「うるさいぞ……馬鹿」
京太郎「散々顔赤くしてましたね、可愛かったですよ」
智葉「そうやってからかうなと何回言えばわかるんだ」
京太郎「さあ、死ぬまで言ってくれたらわかるかと思います」
智葉「そこまで私が付き合うとでも思っているのか」
京太郎「えっ、付き合ってくれないんですか?」
智葉「……まあ」プイッ
智葉「そう、だな」ポリポリ
智葉「……ああ、その……」カァァ
智葉「……………………吝かでは、ないな」ボソッ
ダヴァン(二人の後を尾行したのはいいデスガ)
ネリー(甘々だー)
慧宇(……しかしこの状況)
明華(完全に乱入するタイミングを見失いましたね……)