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  京太郎「なんかすいません。いきなりお家まで押しかけたうえ、お茶まで出してもらっちゃって」 玄「『お姉ちゃんは留守だから』って帰すのもなんか気の毒だし、別に大したことじゃないから」 京太郎「松実さん、今日はどこかへお出かけしてるんですよね」 玄「ちょうど旅館の会合に顔を出してるんだよ。お姉ちゃんは長女だし、次の女将さんだからね」 京太郎「女将さん、ですか」 玄「…………」 京太郎「へへ」 玄「随分と鼻の下が伸びてるみたいだけど、実の妹の前だってことを忘れてないよね。須賀くん」 京太郎「とんでもないです! 和服美人だとかうなじがセクシーだとか、そんなことは決して!」 玄「えっち」 京太郎「仕方ないじゃないですか! 松実さんすっごく美人だし、おっとりしていて可愛いし!」 玄「それは私もそう思うけど。須賀くんの口から聞かされると、なんか微妙な感じ」 京太郎「相変わらず手厳しいですね。玄さんは」 玄「…………」 京太郎「玄さん?」 玄「須賀くんはさ、やっぱりうちのお姉ちゃんのことが好きなの?」 京太郎「なんですか、いきなり」 玄「答えて」 京太郎「…………」 玄「お姉ちゃんは多分あなたのことなんか好きじゃないと思う。だから下手に傷付く前にいっそ」 京太郎「好きですよ」 玄「須賀くん」 京太郎「始めはただの憧れだったかもしれませんけど、今なら自信を持って言えます」 玄「…………」 京太郎「だから」 玄「もういい」 京太郎「え?」 玄「須賀くんの気持ちは分かったから。本当は全部、最初から分かってたことだから」 玄「だから、もういい」  

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