「h28-10」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

h28-10」(2013/12/20 (金) 23:11:39) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

  京太郎「うわわわぁ!!」ドサドサァ 洋榎「お?」 京太郎「すみません、すみません」ヒロイヒロイ 洋榎「兄ちゃん、手伝ったろか?」 京太郎「あ、ありがとうございます」 京太郎「って、あなたもしかして!」 洋榎「なんや?」ヒロイヒロイ 京太郎「姫松の……愛宕選手?」 洋榎「なんやなんや、うちも有名人になったなー? あんたも麻雀部なん?」 京太郎「麻雀部は麻雀部ですけど、インターハイに出たのは女子で……」 洋榎「なんや、付き添いか」 京太郎「そうですね、応援のために。俺自身は個人戦でもう負けちゃったんで」 洋榎「付き添いでも、全国来れるのは嬉しいやろな。うちは常連やけどな!」 京太郎「それはあるんですけど」 洋榎「ん?」 京太郎「応援したい人がいるんです。その人は頑張り屋で、少し気が弱いんですけど、俺はずっと努力している姿を……」 いちご「おーい、京ちゃーん」タタッ 京太郎「ちゃちゃ姉!? なんでこんなところに?」 いちご「何でって、京ちゃんが買出しに行ったっていうから。ちゃちゃのんのこと頼ってくれてもいいんじゃよ?」 京太郎「何言ってんだよ、ちゃちゃ姉は選手だろ?」 洋榎「なるほど、鹿老渡高校か。佐々野さん、やったっけ?」 いちご「!?」 京太郎「ああ、はい。広島の鹿老渡です。ちゃちゃ姉、この人は大阪の……」 いちご「……もちろん知っとるよ、愛宕さんじゃろ」 洋榎「ぴんぽーん。明日は世話になるな」 いちご「……!」 京太郎「そうですね、一回戦で当たりますもんね。明日はよろしくお願いします」 洋榎「よろしくな、胸貸したるさかい」 京太郎「あはは……」 洋榎「貸せる胸がないやと!? 文句あるんか!」 京太郎「ええー」 洋榎「冗談やて。自分名前なんていうん?」 京太郎「京太郎です。須賀京太郎」 洋榎「須賀君な。……そっちの佐々野さんも、よろしゅう」 いちご「あっはい、よ、よろしくお願いします」 京太郎「?」 洋榎「ほななー」 京太郎「なんか面白い人だったな。強豪校だから、怖い人イメージしてたんだけど」 京太郎「……ちゃちゃ姉?」 いちご「えっ、な、なんじゃ、京ちゃん?」 京太郎「ぼーっとしてるみたいだったから。大丈夫か?」 いちご「だ、大丈夫じゃよ。ちょっと……不安になっただけじゃ」 京太郎「全国だもんな。緊張するのも仕方ないよ」 京太郎「大丈夫。ちゃちゃ姉の頑張りは俺がよく知ってるよ」 いちご「ありがとの、京ちゃん」 京太郎「じゃあ宿舎に戻ろうか。思ったより時間かかっちゃったな」 いちご「京ちゃん、その袋持つけえ」 京太郎「ああ、ありがと、ちゃちゃ姉」 いちご「ええよ。いこか」 いちご(ずっと頑張ってきた) いちご(部員のみんなと、応援してくれる人と、そして……京ちゃんと) いちご(京ちゃん……) 京太郎『ちゃちゃ姉麻雀部に入ったんだ。ちゃちゃ姉麻雀上手いからなあ』 京太郎『俺も麻雀部に入るよ。ちゃちゃ姉の夢、応援したいんだ』 京太郎『あいつらの言うことなんて気にするな。ちゃちゃ姉が本当に努力家で、麻雀が好きで、強いってこと。俺はちゃんと知ってるから』 いちご(ほんに、京ちゃんにはいつも助けられとった) いちご(負けるわけにはいかん) いちご(ちゃちゃのんの意地、見せたるんじゃ) 京太郎「ちゃちゃ姉、出番だよ」 いちご「うん。みんな、京ちゃん、行ってきます」 『中堅戦、開始です―――!!』 いちご「……」フラフラ いちご(どうしよう……こんな結果じゃ、部員のみんなにも、京ちゃんにも合わせる顔が……) 京太郎「ちゃちゃ姉」 いちご「!」ビクッ 京太郎「お疲れ様、ちゃちゃ姉。……ちゃちゃ姉はよく頑張ったよ。大丈夫、後は部長たちが挽回して……」 いちご「……京ちゃん、ちょっと一人にしてくれんか」 京太郎「えっ……分かった。控室にいるから」 京太郎「気を落とさないで、ちゃちゃ姉」 いちご「……」 いちご(うう……何てひどいこと言ってしまったんじゃ) いちご(京ちゃんはちゃちゃのんのこと心配して来てくれたんに) いちご(いくら期待に応えられんかったんが、点棒いっぱいとられてしもうたんがショックだったからって……) いちご(……京ちゃんにいいところ見せられんかったのう) いちご(あの人、強かったのう) 京太郎(やっぱり、ちゃちゃ姉落ち込んでたな……) 京太郎(俺が余計なプレッシャーを与えていたのかもしれない……) 京太郎(俺がちゃちゃ姉のそばにいて、何かできることがあるのか? 邪魔なだけなんじゃないか?) 京太郎(俺に何ができるんだろう……) 洋榎「おっ、鹿老渡の」 京太郎「えっ、愛宕さん? 今試合終わったばかりじゃ」 洋榎「うん、一旦控室に戻ったんやけど……って、これ以上言わせんといて!」 京太郎「……あっ」 洋榎「それよりごめんな、彼女さん泣かせてしもて」 京太郎「いや、そんな……って、彼女さん違います! ただの幼馴染です!」 洋榎「へー、ほー」 京太郎「なんですか、その目は……」 洋榎「いやいや、何でもあらへん。それより、その幼馴染さんのところ行ってやったほうがええんちゃう?」 京太郎「それは……」 洋榎「? なんかあったみたいやな」 京太郎「いえ、俺のデリカシーが足りなかっただけで」 洋榎「ふうん? うちは大丈夫やと思うで」 京太郎「大丈夫って、何が?」 洋榎「須賀君がそばにいてあげれば、大丈夫っちゅうこと。大事な大事な幼馴染なんやろ?」 京太郎「そ、そりゃ大事ですけど」 洋榎「もっと自信持ちいや。ちゃちゃちゃんのそばにいていいのは俺だけや! ってくらいに」 京太郎「ちゃ、ちゃちゃちゃん?」 洋榎「ちゃんちゃん焼?」 京太郎「それ有珠山の領分じゃ」 洋榎「おもちゃのちゃちゃちゃ?」 京太郎「長いですて!」 洋榎「まあともかく! その子のそばにいてやることやな。きっとそれが一番の慰めやから」 京太郎「……ありがとうございます、愛宕さん」 洋榎「んー、なんか痒いなあ」 京太郎「か、かゆい?」 洋榎「名前で呼んでくれや、須賀っち」 京太郎「矛盾してる!」 洋榎「うっかり八兵衛や。な、京太郎?」 京太郎「……それじゃまた、洋榎さん」 京太郎(何ができるか分からないけど、とりあえずできる限りそばにいよう) 京太郎(それにしても、面白い人だと思ってたけど、頼れる人でもあるんだな) いちご(……な、なんで京ちゃんがあの人と一緒にいるんじゃ) いちご(それに、名前で呼び合ってた……) いちご(なんでじゃ、京ちゃん、なんで……) いちご(麻雀だけじゃなく、京ちゃんまでとられちゃう……) カン!  

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: