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  界隈探して三千里、探し人は行方が知れず。 探せ探せど影さえ踏めず。 踏みし歩数に連れられて、長針はくるりと一回り。 短針半分歩いたら、頭を抱えて一捻り。 あっちに不思議、こっちに輝くお天道様。 されど見る影は何れも不正解。 何処へ行った迷い人、お前の探してたのは一体なぁに? 「なーに黄昏てるんだよ、咲。」 「あ、京ちゃん。」 寒梅厳しく身を引き締めて。 歩く姿に迷い込み、目線は不安をより語る。 生まれてこの方、この頭。 輝く姿であるならば、見るもの目印この上なし。 誰かが必要とするならば、灯台となり暮らしましょう。 帰りたければ見えるはず。 お前のランタン、仄かな導となるのかな? 「寒いんだからマフラー位してこいよ。」 「うぅ・・・また玄関に忘れたぁ・・・」 迷い人に捜し人。 片方がいるから、片方が必要なわけで。 迷った時はお互い様。 なんてことなく、手を差し出して「はい、どうぞ。」と声を掛ける。 「全く・・・しゃーねーポンコツだな。」 「ん・・・ありがと、京ちゃん。」 借りたマフラー身にまとい、北風突風なんのその。 マフラー貸して、そっぽ向き。まだまだ青い空の色。 師匠は走るこの季節、二人はゆるりと歩き出す。 歩幅はきっちり合わさって、並ぶ姿はさも自然。 今日も良いことありました、二人はそっと記憶する。 これにてカン  

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