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  【あらすじ】 インハイ後の日本では、『薬品』によって人工のオカルト持ちが増やされていた! しかしその薬は副作用が強く素質のない者が服用すると苦しんだ末に絶命してしまう。 咲たち一行はこの事件を調査し、ついに咲が薬の制作者を追い詰めたが・・・・・・? 咲「嘘・・・だよね・・・・・・そんな、まさかっ・・・!」 そこにいたのは、予想外の人物。 咲が信頼を寄せそして頼りにしていた須賀京太郎だった。 京太郎は咲の質問に沈黙を持って答える。 京太郎「・・・・・・」 咲「お願い、嘘だって言ってよ京ちゃん!」 それでもなお、一分の望みにすがろうと必死で可能性を模索する咲。 しかし、京太郎の口から帰ってきた返事は咲の予想の、最も悪い面を投影したものだった。 京太郎「咲、残念だけど事実だ」 京太郎「薬を作ったのも俺だし、それで大勢苦しませて殺しちまったのも俺さ」 咲「そんな・・・なんでそんな事・・・・・・」 咲「京ちゃんはずっと努力していたじゃない!」 咲「どんなに苦しくても、『いつかみんなと麻雀を打てるようになるんだ』って言って笑ってたのに!」 咲「なのにどうしてそんな・・・そんな事を!」 京太郎の諦観したような物言いに、咲は必死に反論する。 まるで京太郎の発言のどこかに決定的な矛盾があり、そこを指摘すれば京太郎が無実になれるのだとでもいうふうに。 京太郎「努力していたのに・・・か・・・・・・」 しかし、そんな咲の思いは無残にも砕かれる。 京太郎は咲に対し、笑いながら言った。 京太郎「はは、助詞を間違えるなんて文学少女らしくないなァ、咲」 京太郎「努力していた『のに』、じゃあないぜ」 京太郎「努力していた『から』、だよ」 京太郎「確かに俺は努力して、強くはなったさ・・・以前よりずっとずっと強くな」 京太郎「だが皮肉なことによ、咲」 京太郎「努力して、努力して、強くなっていけばいくほど俺は一生お前らには勝てないということがはっきりと確信を持って理解できてくる」 京太郎「本当に皮肉だよな、追いつきたい一心で努力すればするほど、やはり俺なんかでは敵わないんだと言葉でなく感覚で伝わってくる」 京太郎「あまりにその背中が遠く!そして高すぎるんだと!そして、きっとその地平へは『努力』だけでは到達できないんだと!」 京太郎の悲鳴にも近い内面の吐露を受け、咲は何も言い返すことができなくなってしまう。 それは咲自身、どこか京太郎の言うことに理を感じてしまっているからだろうか。 咲「そんな・・・でも・・・!それでも・・・・・・!」 京太郎「咲、本当に残念だけれど、俺とおまえはもう分かり合えないんだ」 京太郎「それで、どうする?」 咲「私は・・・京ちゃんを止める」 咲「麻雀でならきっとわかりあえる!京ちゃんを思いなおさせてみせるよ、この麻雀で!」 京太郎「ああ、咲ならそう言うと思ったよ・・・それじゃ、始めようか」 ―――対局後――― どちらが勝っていてもおかしくなかった勝負。 制したのは咲だった。 京太郎「俺の負けか・・・」 咲「京ちゃん・・・なんだってこんな・・・・・・こんなことを・・・」 ぽろぽろ、と大粒の涙をこぼして京太郎に尋ねかける。 そんな咲を見て、京太郎は優しい顔をして答える。 京太郎「咲、辛かったんだよ俺は」 しかしすぐにその顔は曇ってしまう。 京太郎「でも、最後の最後までお前と分かりあえないのは残念だな・・・」 京太郎「風越の池田さんや姫松の末原さんならきっとおれの気持ちがわかるだろうなァ・・・」 京太郎は上を向き、晴れやかな顔で咲に告げる。 京太郎「咲!俺は後悔していない・・・」 京太郎「たとえひと時でも、人間を、人間の限界を超えられた・・・その充実感を持って地獄へ行くよ」 京太郎「じゃあな、咲」 それを最後に京太郎はがくん、とまるで発条が切れたようにその場に倒れこんだ。 咲「京ちゃん!?京ちゃあああああん!」 その場には、たった一つ、咲の絶叫だけが残った。 いくら京太郎の声を呼べど、何の反応もない。 どんな言葉よりも、どんな行為よりも、沈黙によって咲は京太郎の死を理解した・・・。 カン  

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