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  放課後。まだ部活の開始までもう少し時間がある。 そのため、いくら強豪校とはいえそこは高校生。率先して卓に着こうというのもは少なく各々好きに時間を潰している。 部室内には弛緩した空気が漂っており、たぶんにもれず俺もその空気に身を任せる。 文庫本を片手に窓際に置いた椅子に体重を預けている。 由子「意外に首、細いんやね」 背中越しに声が響き、次いで首筋にひんやりとした感触。声の主は3年の真瀬由子先輩。 左右の、同世代では少しばかり細く短い五指が滑らかにうなじを撫でる。 京太郎「まだ背ぇ伸びてるっぽいので、まぁ将来的に180台はかたいっすよ」 空いている方の手を肩口に回し、首に触れる先輩の指先に自分の指を絡める。 由子「それはすごいのよー」 背後から腕を回し、前傾で凭れ掛かってくる由子先輩。 自然と顔の位置が近くなり、緊張で僅かに身を硬くする。 京太郎「まぁ俺の数少ない取り柄の一つですよ」 由子「あはは。それは謙遜し過ぎやない?」 由子先輩は「でも……」と言葉を続けながら、触れるか触れないかの距離まで唇を寄せる。 耳元を撫でる吐息がこそばゆく、少々気恥ずかしい。 由子「キスするとき、目一杯背伸びしないといけないから大変そうなのよー」 この位置であってもかろうじて聞き取れるくらいの小声でそう囁く。 俺の鼓動が、小さく跳ねた。 恭子(また部室でイチャイチャしとる) 洋榎(リア充爆発せいや) カン!  

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