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  ふと、考えることがある。 エビフライが食べたいと、考えることがある。普段、煮物や刺身などを食べていれば、他のものが食べたくなり、だからこそ美味しく感じるのだ。 その思い出は、かくも美しく美化されてしまったものなのかもしれない。本当は、そこまで美味しくなかったかもしれない。 案外、油が多くて胃もたれを起こすのかも知れない。 だけど、食べたい。いや、欲しいんだ。自らの欲望を抑えきれない。心の奥底から、じわりじわりと私の中の熱と引き換えに、上がってくる。 この思いは、きっと傷つける。私も。彼も傷つける。持っていてはいけないものなんだ。だけど。けれども。捨てられない。離せない。置くことが出来ない。 どうすればいい?簡単だ。盗ればいい。捕ればいい。獲ればいい。そしてそばにおけばいい。悪意が二人を別つまで。簡単だ。単純明快。あくびが出る。いや、おくびには出さない。 気づかれてはいけない。ばれてはいけない。彼にも。従者にも。家族にも。メイドにも。全部私が頂くのだ。 私は知恵なき獣ではない。だが、魔物だ。故に、私は縛られない。檻には繋がれないし、鎖には縛られない。だからこそ、魔物なのだ。 悪意とは、いずれ消えるもの。魔王は勇者に討たれ、犯罪者はご用だと捕まるもの。悪なんて、そんなものだ。 だが、私を動かしているのはまさしくそれだ。だから、私はこれを口にする。悪意ある私の、精一杯の善いことを。 「いただきます」  

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