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番外編―まことイチゴと京太郎―
まこ「うーん、困ったのう」
京「どうかしたんですか先輩?」
まこ「おお、京太郎か。実はのう…明後日ウチの店でイチゴを大量に使うイベントがあるんじゃけど…」
京「なるほど、料理に使うイチゴを調達するのに手間取っているって訳ですか」
まこ「そうなんじゃ……イベントまで時間がないっちゅうのに…ほんに困ったわい…」
京「あの、もし良かったら俺の親戚にイチゴの業者の方がいますから、その人にいえば安くイチゴが手に入るかもしれませんよ」
まこ「ほんまか!? 京太郎、悪いけどその人に話をしてもらえんかのう?」
京「ええ、良いですよ」
まこ「恩に着るわ京太郎! じゃあ、お金を渡しておくから、出来るだけ沢山のイチゴと交換しておいてくれ!」
京「任せてください染谷先輩! 出来るだけ沢山のイチゴて交換してきますよ!」(ニヤリ
――帰り道
京「しめしめ、親戚の人に言えばイチゴはタダ当然で手に入るからな…このお金は俺が…フフフ」
京「ん……これはまさか!」パッ
京「どこに行ってもなかった新作のゲームじゃないか!まさかこんな所にあったなんて…。 ああでもお金が…」
(ふと、鞄の中にあるまこから渡された金が目に入る)
京「うう…この金は…まぁ、どうせ俺の金になるんだしいいか!すいませーん、これください!」
――自宅
京「いやー!やっぱりモンスターバスター3は面白いな!買って正解だったぜ! おっとそろそろ親戚に電話しないと…」
プルルルル…
京「あれ…おかしいなぁ…電話が繋がらねーや」
ガチャッ
京「あ、おじさん…京太郎だけどさ」
電話『ただいま、旅行に行って一週間は帰ってくる事が出来ません。 用事のある方はピーと…』
京「……………」
―――二日後の喫茶店にて
まこ「全く京太郎の奴、いつまで待たせるつもりなんじゃ! もうお客さんが一杯来とるっちゅうのに」
京「や、やあ染谷先輩…」
まこ「おお、やっと来たか京太郎!で、イチゴの方は大丈夫なんじゃろうな?」
京「は、はい……もちろん大丈夫ですよ……」
(大きな箱をまこに手渡す)
まこ「おお!思ったより沢山ありそうじゃの! どれどれ…」
京「ちょっと待ったぁ!」
まこ「な、なんじゃ京太郎。いきなりデカイ声を出して…」
京「まだ箱を開けてはいけません先輩。このイチゴは非常にデリケートなため、外気に触れると鮮度が落ちていくんですよ。
ですから、調理する前に箱を開けた方が良いって親戚の人は言ってました」
まこ「そ、そうか…なら箱は開けん方がええな」
京「じゃあ俺はこれで…」
まこ「待ちんさい京太郎、せっかくだからウチで食べていけ! お前には感謝しとるんじゃからの」
京「いえ、咲との約束がありますから……」
まこ「ほう……おぬし、咲とのデートがあったんか!そりゃあすまんかったの!」
京「ははははは……じゃあ俺はこれで失礼しまーす!」ピュー
まこ「なんじゃアイツ……まぁ、ええわ!とにかくイチゴを運ばんと」
まこ「ぐっ…重い…イチゴってこんな重いもんじゃったけ……」
客「おーいまこちゃん!そろそろイチゴ料理が食べたいんだけど!」
まこ「はい、すまんのう!今から新鮮なイチゴを皆に見せるけん待っとれ!」
ドスンッ
まこ「ほれ、これが今日、皆にご馳走する…イチゴじゃ~♪」
パカッ
一同「へ……?」
客「これは……ワカメ?」
まこ「な…な…なんじゃこりゃ~!!」
客「どういう事だい、まこちゃん!今日はワカメじゃなくてイチゴを食べに来たんだけど!」
まこ「あ、いや……ワシにもさっぱりじゃ…」
まこの親戚「まこちゃん!イチゴはどうしたのイチゴは!どういう事か説明してくれ!」
まこ「いえ……だからその……」
―――次の日の麻雀部
ガシャーン!
鎧武者まこ「京太郎の馬鹿はどこじゃ!どこにいる!」
久「す、須賀君ならイチゴ狩りを楽しんでくるって静岡に行ったわよ……」
―終―
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