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  京太郎「すこやおねーちゃん!」 健夜「どうしたの?京太郎君」 京太郎「おねーちゃん、これからおうじゃとたたかうんでしょ?きをつけて、っていいにきた」 健夜「おうじゃ?…あぁ、王座のタイトル戦のことかな。気を付けるってどうしたの?」 京太郎「テレビでみたんだけどおうじゃはこわくてつよくてとってもわるいやつなんだ!! おねーちゃんもゆだんしてたらへびにたべられちゃう!!」 健夜「(なんのことかわからないけど…)大丈夫だよ。すこやおねーちゃんこう見えて麻雀だけは強いから」 京太郎「うん!まーじゃんのことはよくわからないけど、おねーちゃんはまーじゃんだけはすごいっておとうさんもおかあさんも、てれびのひともいってた!」 健夜「あ、あはは…」 京太郎「ほんとうならわるいやつはおれがやっつけるとこだけどおねーちゃんにまかせるよ! 『ぬまじゃ』のがんぱうだーをえんじょうさせてやっつけてよ!!」 健夜「(『ぬまじゃ』って大沼プロのことだよね…)うん、京太郎君の分も頑張ってくるね」 京太郎「うん!そしたら『らいだーばとる』みたいにおれがおねーちゃんのねがいごとを1つかなえてあげるんだ!」 健夜「ふふ、嬉しいな。じゃあ私が勝ったら京太郎君に何をしてもらおうかな?いきなり言われても困っちゃうなー」 京太郎「しょうがないなぁ、おれがきめてやるよ。おねーちゃんが『ぬまじゃ』をやっつけたらおれがねーちゃんとけっこんしてあげる!」 健夜「もうっ、京太郎君はませてるなー。たしかに京太郎君の年齢だと年上のおねーさんが気になっちゃうもんね!」 京太郎「ううん、だっておねーちゃんもてなさそうだし」 健夜「えっ」 京太郎「おねーちゃんがけっこんできるかふあんだっておばさんもしんぱいしてた。だから、しかたないからおれがおねーちゃんをもらってやる」 健夜「べ、別にもてないわけじゃないんだよ!お、おねーちゃんはね、その…麻雀が恋人なの!って子供相手に必死になって何言い訳してるんだろ私…うぅ」 京太郎「どうしたんだ、すこやおねーちゃん?」 健夜「…いや!私まだ十代だし、うん!」 京太郎「んー?」 健夜「ごめんね、今はまだだけど京太郎君が結婚できる年齢になる頃には素敵な旦那さんと子供も出来てるんだ。 だからおねーちゃんは京太郎君とは結婚してあげられないんだー」 京太郎「そっか!それならよかった!!おれ、もうかえんないといけないからおねがいはまたこんどきくね!とにかくおねーちゃんがんばってね!!」 恒子「―――で、その結果がこれとは痛ましいねーすこやん」 健夜「だ、だって!十年近く前の話だし、まさかこんな風になるとは思ってなくて」 恒子「こんな風って、アラフォー独身女?」 健夜「アラサーだよ!」 恒子「逃した魚は大きかった、というより捕まえた時点で奇跡的だったのにまさかその魚を自分から逃がすなんて…まさにアラフォーの典型だね。体を張ったアラフォー芸、流石っすわ」 健夜「ちょっとこーこちゃん、酷過ぎない!?」 恒子「だってさー、すこやん。その京太郎君はこともあろうか、すこやんにゾッコンじゃん。正直、やっとこさ幸せを手にしたアラフォーの自慢話にしか聞こえないんだけど。」 健夜「京太郎君が私の事すっ、好きでいてくれるのは嬉しいんだけど…私にもプライドが」 恒子「プライドぉ?そうやって意地張ってると京太郎君取られちゃうよすこやん!ほら、清澄だっけ?女の子ばかりの部に男子一人だよ!?若い子だよ?若い肉だよ!すこやん!」 健夜「肉って、こーこちゃん…」 恒子「いや、わりとマジでやばいってすこやん!部活の仲間以外でも女の子の知り合いいっぱいいるみたいだし…それになによりあの様子だと瑞原プロも狙ってるって!京太郎君が年増好きだったら捕食されちゃうよ!!」 健夜「うぅ…」 恒子「ええい!立たんかー!すっこやーん!!」 健夜「そうだね…私、決めたよこーこちゃん。今から京太郎君のとこに行ってくる!!」 恒子「よーうし!いいぞーすこやーん!栄光は目の前だーそのまま婚約決めてこーい!!」 健夜「うん!ありがとう、こーこちゃん!!」 恒子「やれやれ、世話のかかるアラフォーだぜ。応援してるよ、すこやん」 カンッ!  

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