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京太郎「倍返しのホワイトデー」」(2013/11/24 (日) 18:44:34) の最新版変更点

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http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1363393348/ ――3月某日・須賀家―― 京太郎「もうすぐホワイトデーか……」 京太郎(咲達にはクッキー辺りでも渡すとして優希にはどうすっかなあ……) 京太郎「バレンタインの時はあいつから貰ったポッキーでポッキーゲームして、その後俺が渡すはずだったチョコで……」 ――…… 優希『あっ、み、耳噛んじゃ、や……』 優希『はぷっ、ちゅっ……』 優希『はっ…ぁ…ひょうたろー……』 優希『……最後は、いやじゃなかったじょ』 ――…… 京太郎「……」 京太郎「今思うと俺、よくあの時あのままあいつを襲わなかったな」 京太郎「とにかく、ホワイトデーは暴走しないように注意しよう……師匠の言葉を借りるなら男は紳士であれってな」 カピ「キュー」スリスリ 京太郎「おっ、お前もそう思うかカピ。 よしよし、今度は頑張るから応援頼むぞ」ナデナデ カピ「キュー♪」 ――同時刻・片岡家―― 優希「もうすぐホワイトデーかあ……」 優希「京太郎はなんかくれるだろうし、やっぱり私もお返しするべきなのか?」 優希「直接貰ったわけじゃないんだけどな。 あの時は……」 ――…… 京太郎『なんのことだ? ここにチョコレートがついてるのはお前がこぼしたからだろ?』 京太郎『ここも甘いな……もしかしてお前砂糖で出来てんのか?』 京太郎『口の中に、チョコレート残ってるだろ?』 京太郎『優希……お前、すっげえかわいいな』 ――…… 優希「……」 優希「あの時の京太郎、ちょっと怖かったけどかっこよかったじぇ」 優希「……また、あんな風にならないかな」 優希「……って、私は何を考えてるんだ!?」 優希「さっさと寝て変な事は忘れるじぇ……」 ――ホワイトデー当日―― 咲「京ちゃんいるー?」 京太郎「よぉ、咲。 なんか用か?」 咲「バレンタインのお返しを持ってきたんだけど……」 優希「んっ、どうした咲ちゃん?」 咲「ううん、相変わらず仲いいなあって思っただけ」 咲(もう皆慣れちゃったのか何も言わないしね……優希ちゃんが京ちゃんの膝に座って休み時間過ごしてるの) 男A「須賀のやろう、ニヤニヤしやがって……こっちはホワイトデーに返す宛もないのに」 男B「羨ましいぞ、こんちくしょう」 男C「死ねばいいのに」 咲(あ、あはは……気にしてないわけじゃあないんだね) 京太郎「じゃあ先にこっちの渡しとくか……ほら、クッキー」 咲「ありがとう、京ちゃん。 はい、私からもクッキーだよ」 京太郎「サンキュー」 優希「……」ジー 優希(見るからに手作りだな……むむむ、咲ちゃんに限ってそれはないとは思うけどなんか落ち着かないじぇ) 京太郎「んっ、なんだよ優希?」 優希「なんでもないじぇ……」 京太郎「んー?」 咲「あはは……そうだ、京ちゃん知ってた?」 京太郎「何をだ?」 咲「ホワイトデーって返す物によって意味があるんだよ」 京太郎「へぇ、そうなのか」 咲「たとえばキャンディーなら【好き】、マシュマロなら【嫌い】、それでクッキーは【友達でいよう】なんだよ」 京太郎「なるほど、だからお前もクッキーくれたのか」 咲「まあね。 京ちゃんは大切なお友達だから」 京太郎「俺としては咲は保護対象みたいなもんだけどなー」 咲「むっ、どういう意味かなそれ」 京太郎「迷子のお前を探す的な意味だ」 咲「……いつもお世話になっております」 京太郎「うむ、くるしゅうない」 優希(友達でいよう、か……じゃあクッキーが手作りなのに深い意味はなさそうだじぇ、ふふっ)モゾモゾ 京太郎「ちょっ、おい優希」 優希「なんだー?」 京太郎「人の膝の上で身体揺らすなよ」 優希「どうして?」 京太郎「どうしてってそりゃ……まあ、何というか」 咲「京ちゃん……」 京太郎「な、なんだよ、そんなかわいそうなものを見る目で見るなよ! しょうがないだろ、俺だって男なんだから!」 京太郎(ただでさえ最近優希を変な風に見ちゃう時があるっつうのに、こんな風にもぞもぞされたらヤバいに決まってんだろう!) 優希「ほほう、なんだかよくわからないけど京太郎の弱点を見つけたじぇ!」モゾモゾ 京太郎「だから動くな、やめろ、色々ヤバいから! 咲からも何とか言って……おいこら、逃げるな薄情者ー!」 男A「リア充爆発しろ」 男B「リア充不幸になれ」 男C「リア充に呪いあれ」 ――放課後―― 京太郎「ったく、さっきはひどい目にあった……優希のやつ、自分のしてる事にたいして無防備過ぎて困るっつーの」 ガチャッ 京太郎「ちわーっす」 咲「あっ、京ちゃん。 さっきぶりだね」 京太郎「さっきはよくも人を放置して逃げてくれたな、咲~」 咲「だ、だってチャイム鳴ってたし。 私にはどうしようもなかったんだもん」 京太郎「……はあ、いや別にいいんだけどさ。 ところで他にはまだ誰も来てないのか?」 咲「うん。 和ちゃんと優希ちゃんは来てすぐまた出ていっちゃったけど」 京太郎「ふうん、じゃあそんなにしない内に帰ってくるか……」 ガチャッ 和「今戻りました」 優希「ご帰還だじぇー!」 咲「おかえり、和ちゃん、優希ちゃん」 和「ありがとうございます、咲さん」 優希「おぉ、元気にしてたか、京太郎!」 京太郎「つい一時間前まで一緒だっただろうが。 よっ、和」 和「こんにちは、須賀君。 あっ、そうそう、バレンタインのお返しを持ってきたので受け取っていただけますか?」 京太郎「おっ、サンキュー。 和もクッキーかなんか?」 和「いえ、ホワイトデーというくらいですから白い物がいいかなと思いまして……はい、どうぞ」 京太郎「」 咲「あ」 優希「じょ?」 和「あ、あら? お嫌いでしたか……マシュマロ」 ――少女事情説明中―― 和「す、すいません、まさかマシュマロにそんな意味があったなんて……」 京太郎「いいんだ……お嬢様の和が知らないのも無理はないのわかってるし、わざとじゃないのもわかってるから……」 優希「のどちゃんだったらこんな回りくどい真似しないで、はっきり『あなたなんか嫌いです』って言うからな!」 和「ゆ、ゆーき! それではまるで私が血も涙もない冷血漢みたいじゃないですか! というか今の変な裏声は私のまねですか!?」 咲「あっ、そういえば私、昔和ちゃんに退部を迫られたような……」 和「咲さんまで何を言うんですか!?」 咲「クスクス、大丈夫だよ和ちゃん。 和ちゃんはちょっと生真面目なだけで優しい子なのは知ってるから」 和「もう……いたずらにしては悪質過ぎます!」プイッ ガチャッ まこ「相変わらず賑やかじゃのう」 優希「あっ、染谷新部長のご到着だじぇ!」 咲「新部長って……普通に部長でいいんじゃないかな」 和「染谷部長、こんにちは」 まこ「おう。 で、そこでうなだれてるのはどうしたんじゃ?」 京太郎「ああ、気にしないでください。 予想以上にショックがでかかっただけですから……」 まこ「ん? よくわからんが、まあこれでも食べて元気を出しんしゃい」 京太郎「これは?」 まこ「バレンタインのお返しじゃ。 ホワイトデーじゃから白い物がいいと思っての」 咲「あれ、なんかデジャヴ……」 優希「さっきもこんな光景があったような……」 和「まさか……」 まこ「ほれ、マシュマロじゃ」 京太郎「」 ――再び少女事情説明中―― まこ「いやあ、すまんすまん! マシュマロはよくホワイトデーに使っとるからそんな意味だとは思いもせんかった」 京太郎「普段そういうの見せる事少ないから、はっきり言う和よりダメージがでかくなりそうなんですけど」 咲「確かに和ちゃんと部長なら部長の方がショックかも」 優希「のどちゃんはクールビューティーだからな! やっぱり違和感がないんだじぇ!」 和「須賀君も咲さんもゆーきも私をなんだと思ってるんですか……!」 京太郎「それにしてもお菓子業界もわざわざ嫌いだなんて意味をお菓子につけんなよな……モグモグ」 まこ「確かにの。 まあそれはさておいてそろそろ練習を始めるとするか!」 咲・和・優希・京太郎「はい(だじぇ)!」 まこ「よし、それじゃあ一年組は卓につけ。 わしは京太郎を後ろから見ておくからのう」 京太郎「あっ、ありがとうございます」 まこ「気にする必要はないぞ。 京太郎には夏の雑用ばかりさせていた期間を取り戻す勢いで教えていくつもりじゃからな」 京太郎「はい!」 まこ「和、対局が終わったらわしと交代して京太郎を見てやってくれんか。 咲と優希は感覚型の打ち手じゃから教えるのは不向きじゃしの」 和「わかりました」 まこ「咲と優希はとにかく打って実力を高めていけ。 去年全国三位の辻垣内や チャンピオンの宮永照とやり合ったお前さんらは互いを相手にするだけでいい経験になるじゃろう」 咲「はい」 優希「……」 まこ「それじゃあ始めるぞ!」 ――…… 京太郎「えっと、これは……この牌かな」タンッ まこ「うむ、それで正解じゃな」 京太郎「やった!」 優希「……」タンッ 和「ゆーき、それロンです」 ――…… 和「須賀君、ここはこうした方が……」 京太郎「あっ、そうか……ありがとな、和」 和「いえいえ、どういたしまして」 優希「……」タンッ 咲「優希ちゃん、ロンだよ」 ――…… 京太郎「……よし、リーチ!」 咲「ごめんね、通らないよ京ちゃん」 京太郎「ぐへぇ!」 咲「が、頑張って!」 京太郎「おう……よっしゃ、仕切り直しといくか!」タンッ 咲「ふふっ、その調子だよ京ちゃん!」タンッ 優希「……」タンッ まこ「優希、それロンじゃ」 ――…… まこ「うーむ」 部内対局総合結果(半荘5回) 宮永咲……一位3回、二位2回 原村和……一位1回、二位2回 染谷まこ……一位1回、三位1回、 須賀京太郎……二位1回、三位4回 片岡優希……四位5回(その内二回はトビ) まこ「まさかの結末じゃなあ……」 優希「」チーン 京太郎「俺が一回もラスにならなかったなんて初めてだぞ……」 咲「ゆ、優希ちゃん、調子でも悪いの?」 優希「大丈夫、だじぇ」 和「……どこか対局に集中出来てないようでしたが?」 優希「っ……」 まこ「なんじゃ、何か気になる事でもあったのか?」 優希「それは……」チラッ 京太郎「ん?」 咲(あっ、もしかして……) 和(まさかゆーき、あなた……) まこ(ああ……そういう事か) まこ「京太郎」 京太郎「はい、なんですか?」 まこ「今思い出したんじゃが、今日わしは店に出なきゃいけないんじゃ」 京太郎「はあ」 まこ「じゃから後の事を頼んでもいいか? これ部室の鍵じゃ」 京太郎「あっ、はい」 まこ「じゃあまた明日な。 クッキーはありがたくもらっておくからのう」 ガチャッ、バタンッ 京太郎「なんなんだ、いきなり……」 咲「あー!」 京太郎「おわっ、なんだよ咲!?」 咲「図書館で借りてた本、返却日が今日までだったんだ! ごめん、私も帰るね!」 京太郎「はっ、おい、待てよさ……」 ガチャッ、バタンッ 京太郎「本当になんなんだ……」 優希「……京太郎」 京太郎「ん?」 優希「のどちゃんも用事があるって帰っちゃったじょ」 京太郎「はあああああ!?」 京太郎「……」 優希「……」 京太郎(なんかすっげー気まずいんだけど) 京太郎「優希」 優希「えっ、な、なんだじょ!」 京太郎「いや、なんでもない……」 優希「そ、そうか……」 京太郎「ああ……」 京太郎(なんでこんな空気になってんだ、おい) 京太郎「あー……ネト麻でもやるか」 優希「……」ピクッ 京太郎「優希、前みたいに先生やってくれるか? 調子悪いなら今日は終わりにしてもいいけど……」 優希「や、やる! 喜んでやらせてもらうじょ!」 京太郎「お、おぉ、そうか。 じゃあよろしく頼む」 京太郎(急に元気になったな……さっきまでのあれはなんだったんだ?) 京太郎「……」カチカチ 優希「……」ジー 京太郎「えっとここは……なあ優希」 優希「……」ジー 京太郎「優希?」 優希「えっ」 京太郎「いや、えっじゃなくてここはこれでいいよな?」 優希「あ、ああ、うん」 京太郎「よし、じゃあ……」ロン 優希「あ」 京太郎「あっちゃあ、地獄単騎かよ。 竹井部長みたいな事しやがって……」 優希「ご、ごめん」 京太郎「いや、謝らなくてもいいって。 これはさすがに予想外だったしな」 優希「うん……」 京太郎「気を取り直して続き、続きっと」 京太郎「そういえばさ」カチカチ 優希「じょ?」 京太郎「久々にこうして2人きりになれたな」 優希「なっ!?」 京太郎「元部長……竹井先輩が卒業してから皆今まで以上に気合い入れて活動してたから、 あんまり2人きりで過ごせてなかっただろ?」 優希「……確かに京太郎の指導は染谷先輩とかのどちゃんばっかりがやってたな。 私は咲ちゃんとひたすら打たされてたじぇ」 京太郎「まあ、お互いに麻雀上手くなるために必要な事だったんだろうけどさ。 俺としては少し寂しくもあったわけだ」 優希「……のどちゃんにデレデレしてたくせに」 京太郎「それは誤解だぞ!? そりゃ確かに和が魅力的なのは認めるけどデレデレなんか……」 優希「ジトー」 京太郎「そ、そんな目で見なくてもいいだろ! ああ、じゃあ証拠にこれやるから!」 優希「これは……」 京太郎「部活前に急いで買ってきたキャンディーだよ。 お返しどうしようかなーって ずっと考えてたけど咲に教えてもらったし、そういう意味もこめてそれにしてみた」 優希「そういう意味……」 咲『ホワイトデーのお返しには意味があるんだよ。 キャンディーなら【好き】』 優希「……」 京太郎「しっかしわかんねえよな。 なんで一番安そうなキャンディーなら好きなんだ?」 優希「……」ガサガサ 京太郎「よし、これで今日は終わりっと……なんだかんだで7時近くなっちまったな」 優希「……」パクッ 京太郎「遅くなって悪かった、優希。 じゃあ帰るか……」 優希「んっ」チュッ 京太郎「」 京太郎「……は?」 優希「んんっ!」コロン 京太郎(なんか優希の口から転がってきた……ああ、さっきやったキャンディーか、これ……って!) 京太郎「ちょ、ちょっと待て待て、待って!」 優希「わわっ!?」 京太郎「い、いきなりなんだよお前! 別にするなとは言わないけどこっちにも心の準備って奴が必要だろ!」 優希「……甘かっただろ?」 京太郎「えっ、ああ……レモン味だったな」 優希「そういう事だじぇ」 京太郎「はい?」 優希「キャンディーが好きだって意味の理由。 キスはレモンの味だって言うからな!」ドヤァ 京太郎「……」 優希「京太郎?」 京太郎「っ!」グイッ 優希「えっ」ドサッ 京太郎「……」 優希「京太郎……?」 京太郎「お前さ、ちょっと警戒心低すぎだろ」 優希「な、なんの話……」 京太郎「いつも暇さえあれば人の膝の上に座って、抱きついてきて、挙げ句にこれ…… 俺が人畜無害なんかじゃないのはバレンタインの時に理解したんじゃないのか?」 優希「それは……」 京太郎「それでも我慢したよ。 ああ、我慢したさ。 お前を傷つけたくないし、 二度とあの時みたいな暴走だけはしないって心に誓ったから、 お前をこうして押し倒してやりたい気持ちをずっと押さえ込んできたんだ」 優希「……」 京太郎「なのにそんな事されたら我慢なんか出来るかよ! なんなんだよ、お前誘ってんのかよ、これ以上俺を勘違いさせないでくれよ……!」 優希「……」 京太郎「……変な事して悪かった。 悪いけど落ち着きたいから少しだけ1人にして……」 優希「勘違い、じゃない」 京太郎「……えっ?」 優希「私が、軽い気持ちでこんな事してると思ってたのか? 私が何にも考えないでこんな事出来る子供だとでも思ってたのか? 京太郎こそ、私を甘く見るな……!」 京太郎「優希、お前」 優希「恥ずかしくないわけない! 京太郎が狼な事なんか理解してるに決まってるじょ! それでも、それでも私は……」 京太郎「はは、じゃあなにか? お前、ずっとこうさせるために誘ってたのか?」 優希「……そんな事、言わせるな、バカ!」 京太郎「ああ、なんだよ……本当にバカみてえだ。 必要もない我慢だけずっと繰り返してたとかよ……」 優希「京太郎……ひゃっ!?」 京太郎「……もう、我慢なんかしねえ。 今さら泣き事言っても、止まってなんかやらねえからな」 ――…… 優希「んん、んっ!」 我慢なんかしないという言葉の通りなのか、今日初めての京太郎からのキスはバレンタインの時のような激しいもので。 最初は自分の中に入ってくる舌に優希も自分のそれで拙く対抗していたが、 そんなものはまるで通じずいつしかただ蹂躙され翻弄されるだけになってしまっていた。 優希「はふっ……はあっ……」 京太郎「っ……!」 京太郎はキスの勢いを弱めると、自分の首に回した優希の腕の力が 離さないと言うかのように強くなる事に気付き心の中で驚喜する。 自分は目の前の少女に求められているのだ、それだけで胸が熱くなり下手をすれば涙すらこぼれてしまいそうになる。 京太郎(……ああ、誰かに求められるってこんなに嬉しいもんだったんだな) 今年は雑用としてしか部の力になれなかった自分。 来年もやめずに麻雀部に残ると決めはしたものの、新入生も入部してくるだろうそこに はたして自分の居場所はあるのか……もうすぐ二年生となる京太郎は漠然とした不安を抱えていた。 優希「京太郎っ……京太郎ぅ……」 だけどもう、そんな不安はほとんどない。 わかるからだ、彼女は自分を必要としてくれている、どんな理由だとしても他でもない須賀京太郎を欲してくれているのだと。 優希「京太郎……なんで泣いてるんだ?」 京太郎「えっ……」 優希「もしかして、これから私とそういう事が出来るから感激のあまり涙が出てきたのか!?」 京太郎「……」 優希「なーんて冗d……」 京太郎「……ああ、そうかもな」 優希「うえっ!?」 自分で言い出したのに慌てふためいている優希がたまらなく可愛く見えて。 京太郎は一年近く前なら考えられなかったな、などとのん気に思いつつその小さな身体を抱きしめた。 優希「あの、京太郎」 京太郎「どうした?」 優希「あんまり見ないでほしいじぇ……」 部室にあるベッドに場所を移し、制服の上着を脱いでから急にそんな事を言い出した優希に京太郎は疑問符を頭に浮かべる。 はて、自分は何かマズい事でもしただろうか……少しばかり考えて、ふと優希が胸を必死に腕で隠してる事に気付いた。 優希「京太郎が大きいの好きなのは知ってるじょ……いずれはのどちゃんみたいになるけど、今はまだ小さいから」 優希が本気で将来和みたいな胸を手に入れるつもりなのかよくわからないが、 少なくとも今は小さい胸にコンプレックスがあるのだろう。 目をそらしながらそんな事を言った優希に、大きい胸が好きなのが周知の事実である京太郎の出した答えは…… 優希「ひゃああ!?」 優希の腕を半ば無理やり引き剥がし、その起伏の乏しい胸を愛撫する事だった。 京太郎「柔らかいな……」 優希「やっ、ダメ、そこはぁ……!」 その小さな身体に見合ってるとも言えるなだらかな丘に手を這わせれば、優希は常の彼女からは考えられないような声を漏らす。 物理的に小さく、また普段は精神的にも幼く感じられる優希の女の声に京太郎は頭の理性が2、3本焼き切れたような気さえした。 京太郎「優希っ……!」 優希「はっ、あぅ……!」 もう人などほとんどいないだろうとはいえ学校で、しかもいつも皆で過ごしている部室で こんな事をしているという事実は予想以上に2人の心を熱くさせる。 心臓は痛いくらいに鼓動を鳴らし、視界はお互いしか入らず、口を開けば出るのは睦言と互いの名前のみ。 京太郎「あっ……なんか硬くなってきた」 優希「い、言うんじゃない、バ……ああっ!」 手のひらで全体に愛撫を繰り返していた京太郎は優希の胸に起きた小さな異変にすぐ気付き口に出す。 酷く羞恥を刺激するそれに当然抗議しようとした優希だったが、 その言葉は京太郎が硬くなったその突起を指で摘まんだ事によって出た嬌声にかき消されてしまった。 京太郎「さっきより声出たな……な、なあ、ここがいいのか?」 優希「そんなっ、ふあっ、い、言えるわけ……ひうっ!」 京太郎「あー……大丈夫、態度でだいたいわかるから」 このままいっても問題ないと判断したのだろう、京太郎は重点的にそこを攻めていく。 指の腹で擦り、赤ん坊のように吸い、舌を這わせ、軽く歯を立てる……その度に身をよじらせ、 掠れた声を吐き、切なげに目を潤ませる優希に京太郎の興奮はますます高まっていった。 優希「はぁ、あうっ、んんっ!」 京太郎「……」 片手で胸を弄りながら京太郎は空いた手で優希の肌を撫でていく。 腹部から脇腹、さらに太ももに優しげな手付きで腕を滑らせていき、 一瞬迷うようにその手を止まらせた後……意を決したように下腹部へと手を動かした。 優希「えっ……あっ、そこは!」 ようやく優希も京太郎が何をしようとしているのかを察し、慌てて制止するが時すでに遅し。 優希が本能的に脚を閉じるよりも、京太郎の指先がスカートの下にある秘裂に触れる方が早かった。 京太郎「ん……?」 優希「うっ、あっ……」 優希が誰にも触らせた事のない場所への接触に身体を縮こませる一方で京太郎は違和感を感じていた。 京太郎(触ったの初めてだからよくわからないっちゃわからないけど……もしかして) 京太郎「濡れ、てる?」 優希「~~~!!///」 思わず零れた声に優希は顔を真っ赤に染め、手で見られたくないと言わんばかりに隠してしまう。 その反応と指先を濡らす汗とは違うだろう水に、京太郎はようやく納得した。 京太郎「感じてたのか、胸だけでこうするくらいに」 優希「聞くな、聞くなあ! うう、恥ずかしくて死んじゃいそうだじぇ……」 京太郎「悪い。 だけどさ……」 優希「ひあうっ!?」 京太郎が指で入口をほんの少し触るとそれだけで優希の身体が跳ね、腰が浮く。 指に漏れだした愛液を絡ませながら、何回も何回もピッタリ閉じた割れ目を 擦りあげてみれば全身の産毛が逆立つような感覚が襲いかかり、優希は身体を大きく震わせた。 京太郎「俺は、嬉しいぜ?」 優希「はっ、んっ、な、なにが、ああっ!」 京太郎「お前が、感じてくれててだよ!」 経験などない自分の、おそらく下手であろう愛撫に気持ちよくなってくれているという 事実は、男としてのプライドもある京太郎にとっては嬉しい事この上ないもので。 さらに自分がこうして触る毎に水音が大きくなり、手を濡らす愛液の量が 増しているというのも、京太郎に自信を与えてくれていた。 優希「やぁ、京太郎、私、なんか、変……!」 京太郎「いいぜ、イッてくれて!」 ガクガクと身体を一層大きく震わせる優希に限界が近いのを見て取った京太郎は、指での愛撫にラストスパートをかけていく。 優希「ああぁあぁぁっ!!」 そして人差し指を浅く秘裂の中に入れ、親指で入口の上にある小さな突起を 刺激すると優希は一際高い声を上げて絶頂を迎えた。 優希「はあっ、はあっ、はあっ……」 京太郎「……すご」 京太郎は初めて自分が絶頂させた女の肢体に半分見とれていた。 それが普段からはこんな姿を想像出来ない優希である事も相まって既に自分の下腹部は痛いくらいに熱を帯びている。 京太郎(おいおい、指だけでこんな風に出来るならこの先はどうなるんだよ……) 優希「京、太郎っ……」 京太郎「続き、いいか?」 優希「……いいじぇ」 許可は出た、だけど焦ってはいけないと京太郎は今すぐにでも襲いかかってしまいそうな自分の心を戒める。 指を浅く優希の中に入れた時、京太郎はそのあまりの狭さに一瞬凍り付いていたのだ。 京太郎(俺の方は比較対象がいるわけじゃないからなんとも言えねえけど……こいつが小さいのは間違いない) はたして優希が自分を受け入れられるのか……それに疑問すら浮かぶ2人の体格差。 だからこそ先に進むためには入念な準備が必要だろうなと、京太郎は優希の肉体を解すべく再び指を浅く中に沈めていく。 優希「痛っ……!」 だがそういう時に限って失敗するものなのか、少し深めに指を中に進めてしまったらしく、優希が痛みを訴える。 京太郎「あっ、悪い! 大丈夫か?」 優希「だ、大丈夫だじょ……」 口では大丈夫だと強がっている優希だが、その目は痛みで涙を浮かべ顔は少し強ばっていて。 京太郎(少し深め、それも指でこれか……これ以上は無理、だな) 今の優希はおそらくこの先の行為にまで進む事は出来ない、やったとしてもそれはきっとお互いに禍根を残す結果になるだろう。 残念ではあるが時間も時間だ、部室の鍵も返さなければならないしここいらが潮時だったのだ…… そう判断した京太郎は学ランを脱ぐとそれを優希に渡した。 ――…… 優希「えっ、京太郎?」 京太郎「ここまでにしとこうぜ、優希。 お前、もうこれ以上出来ないだろ?」 優希「っ……そんな、事」 京太郎「震えてるのにか?」 優希「あ……」 京太郎「無理、なんだろ?」 優希「……ごめんだじょ」 京太郎「いいって。 じゃあ俺ちょっと外出てるから服着といてくれるか?」 優希「……わかった」 京太郎「また、後でな」ガチャッ、バタンッ…… 優希「……」 優希「……ごめん、京太郎」グスッ 京太郎「あー、これどうすっかなあ。 トイレでも行くしかないか……」トボトボ ――…… 京太郎「すっかり遅くなっちまったな」 優希「おー……」 京太郎「明日も練習頑張らないとなー。 見てろ優希、今年こそ俺も全国出場してやるからな!」 優希「おー……」 京太郎「……」 優希「……」 京太郎「優希」 優希「じょ?」 京太郎「んっ」ギュッ 優希「じぇ!?」 京太郎「本当俺は気にしてないから、お前も気にすんなって。 別に今すぐしなきゃ死ぬわけでもないんだから」 優希「……」 京太郎「な?」 優希「……うん」 京太郎「よし、それでいい!」 優希「だけど京太郎も変な奴だじぇ」 京太郎「どこがだよ?」 優希「こういう時男はがっつくものなんじゃないのか?」 京太郎「あー、そういうことか。 それはだな……」 優希「それは?」 京太郎「やっぱりちんちくりんだとがっつく気が起きな……」 優希「ふんっ!」ゴスッ 京太郎「ごふっ!?」 ――1ヶ月後―― ガヤガヤ…… 京太郎「うわあ、随分たくさん来たな」 咲「あわわわ、人がいっぱい……せ、先輩として恥ずかしくないようにしなきゃ……」 京太郎「……咲」 咲「な、なに京ちゃん」 京太郎「イメージを崩したくないならお前がやる事はただ1つ……何もするな」ポンッ 咲「ひどいよ京ちゃん!?」ガーン 和「たくさん来てくれたのは嬉しいんですけど、ミーハーなだけの人も多そうですね」 京太郎「全国優勝校だからなあ……まあ、有名税って事で諦めるしかないだろ」 和「さっきから胸元にチラチラと視線も感じますし……」 京太郎「あはは……」 京太郎(俺も元々そういう目的だったから責めらんねえや……ってあれ?) 京太郎「なあ、優希は?」 和「えっ、さっきムロと話した後タコスを買いに行きましたけど……」 京太郎「なんだよ、別に買いに行かなくてもちゃんと用意してあんのに」 咲「……京ちゃんって優希ちゃん大好きだよね」 京太郎「な、なんだよいきなり」 咲「いえいえ、なんでもありません」 優希「だーかーら、私は別にそういうのはいいじょ!」 京太郎「んっ?」 和「ゆーき?」 優希「あっ、京太郎、のどちゃん助けてほしいじょ!」 京太郎「どうしたんだよ?」 優希「さっきからあいつがしつこいんだじぇ!」 後輩A「い、いや僕はただ同級生同士交流を深めようと……」 京太郎「……あのな、こいつこれでも二年生だぞ?」 後輩A「ええっ!? こんなにロリっぽいのに」 和「……全国にはゆーき以上の年でもっと幼そうな人もいますけどね」 咲「衣ちゃんとかね……」 後輩A「だ、だけど年上だろうと関係ありません! 僕はあなたに一目惚れしました!」 優希「じぇ!?」 京太郎「……あ?」 優希「そ、そんな事言われても困るじぇ!」 後輩A「そんな、せめて携帯の番号だけでも!」 京太郎「……」 優希「だから私には彼氏がいるって何回言ったら……」 後輩A「略奪から始まる愛もありますよきっと!」 京太郎「……」ブチッ 優希「ううっ、こいつあの副会長より危険な匂いがするじょ……」 後輩A「はあはあ……先輩ー!」 京太郎「おいこら待て」ガシッ 後輩A「え」 京太郎「お前も麻雀部に入るつもりならさ、麻雀で話を付けようじゃねぇか」 後輩A「えっ、でも僕初心者……」 京太郎「安心しろ」 京太郎「俺達がたっぷり教えてやるからよ……なあ、咲、和?」 咲「そうだね、歓迎も込めてちょっと打とうか」ゴッ 和「……まあ、少々手荒くなってしまうかもしれませんがいいでしょう」ゴッ 後輩A「えっ、ええっ?」 京太郎「まぁ、頑張れ。 運がよければトバないから」 後輩A「ま、まさか片岡先輩の彼氏って……」 京太郎「俺だよ」 後輩A「」 京太郎「さあ早く打とうぜ、後輩君」 京太郎「ようこそ、清澄高校麻雀部へ」 咲(この後、私達と打った後輩A君が麻雀部に来る事はありませんでした) 咲(私と和ちゃんと京ちゃんの3人がかりでなにもさせないで散々トバしたからかも…… ちょっと危なそうな人だからってやりすぎちゃったかな?) 咲「反省してます」ペッコリン カン!

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