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  「もしも脇役がギャルゲーの主人公になったら」 咲「…なにこれ」 和「さあ?」 咲「さあじゃなくて」 和「そう言われましても…私だってこんなの送りつけられて困ってるんですから」 咲「送り主って誰なの?」 和「龍門渕さんからですね」 咲「ああ…合宿でもやたらと和ちゃんに対抗意識燃やしてたよね」 和「アニメでも原作でも、合宿中じゃ描写されてませんけど」 咲「やめたげて」 和「私はあちらを意識していないのに、彼女はドラマCD第2局で……」 咲「おい」 咲「ところで…何であの人はこんなものを?」 和「『相手の心情を察する感性は、女性にとって必要なステータスの一つです』」 和「『原村和…あなたと私のどちらがより女性として優れているか、試させていただきましょう!』とかなんとか」 咲「ふーん…で、この携帯機にゲームデータが入っているんだね」 和「ええ。プレイデータはリアルタイムであちらに送信されるそうです」 咲「…随分に凝ってるね」 和「こんなものを拵える位なら、麻雀の研究でもしていた方が良いと思うのですが」 咲「もう散々やってるだろうけどね」 咲「…ところで、一つ聞きたい事があるんだけど?」 和「はい?」 咲「何でこのゲームって、主人公が京ちゃんそっくりなの?」ゴッ 和(…怖っ!) 和(いやいやいやいや…咲さんあなた、合宿の時須賀君へのお土産を忘れかけてたじゃないですか) 和(部員の中で付き合いが一番長い割には、作中でもほとんどしゃべった事ないですし!) 和(…穏乃たちと疎遠になってた私が言う事じゃないでしょうけどね!後付?咲フェス?…知らない子ですね) 咲「…和ちゃん」 和「な、何でしょう?」 咲「早くゲームを始めようよ。私は機械とかからきしなんだから、和ちゃんにやってもらわないと」 和「…そうですね。では、始めましょうか」 ※ゲーム中の人物はすべて仮名です。 タコス『Kタロー…お前は本当によく出来た犬だな!』 Kタロー『だから俺は犬じゃねえって』 タコス『照れるな照れるな。このタコスに仕えることを、光栄に思うんだじょ!』 Kタロー『つってもお前、何もかもがちんちくりんだからなー…』 タコス『それはどうかな…私はあと2回も変身を残している…』 Kタロー『…それって結局、最後はちんちくりんになるよな?』 タコス『きーっ!』 咲「ねえ和ちゃん、これって…」 和「このゲーム、萩原さんお一人が一晩で作ったそうですね」 咲「ああ…」 タコス『お前のような犬がいて、私は幸せだじぇ!』 Kタロー『(ああ…結局恋も麻雀も上手くいかなかったな)』 BAD END 和「…」 咲「…」 和「優k…じゃなかった、タコスの出てくる選択肢は一度だって選ばなかったんですけど」 咲「わt…じゃなくて、リンシャンのイベントばかりこなしてたよね」 和「プレイ回数延べ1004回…このエンディングばかり目にするのは、流石にきついですね」 咲「ところで和ちゃん…何で友達の嫁太を頼らないの?」 和「友達に聞けば何でも分かるとか、そんなもので人間関係がどうにかなったら苦労しません」 和「というか、そんなオカルトありえません…というか、それをやったら負けみたいな気がします」 咲「まあ…ね。でもこのままだと、私たちの身が持たないよね」 和「…諦めるしかありませんか」 こうして二人は、嫁d…じゃなくて嫁太を使ってみる事にした……。 嫁太『おおう、リンシャンちゃんは良い嫁さんだなァ』 Kタロー『いや、コイツとはそんなんじゃないってば』 嫁太『俺の情報、特別に見せてやるよ!』 Kタロー『おっ、サンキュー!』 嫁太『今の所…好感度はこんなもんだな』 Kタロー『ふぅ~む…なるほどなるほど、なるほどー』 嫁太『コンサートのチケット、やるよ!』 Kタロー『いいのかよお前…これって結構高い奴じゃ』 嫁太『いいんだよ…俺、彼女にフラれちまったからさ…』 Kタロー『嫁太…』 和「どうして嫁太君は、ここまで献身的なんでしょう…?」 咲「ゲームなんだし、そこはどうでもいいような気がするけど…はっ!」 和「どうかしましたか?」 咲「きっと嫁太君って、主人公に気があるんだよ!!!」 和「それだとゲームが変わってしまうんじゃ…とは言い切れないのが何とも」 咲「というか、それでなくても嫁太君って気になって仕方ないよね」 和「ええ…」 嫁太『ようようお二人さん。今日は二人で仲良く登下校かあー?』 ドラロー『え、えっと…』/// Kタロー『恥ずかしいからちゃ、茶化すなよな…』/// 嫁太『俺が上手く誤魔化しとくから、二人で行ってきな!』 Kタロー『すまねえ、恩に着るぜ!!』 嫁太『いいってことよ』 Kタロー『…俺、もうダメ』 嫁太『あきらめんなよ!!ドラローのこと、好きなんだろ!!!』 Kタロー『嫁太…』 嫁太『3年ってあっという間だったよな…けど俺、お前に会えてよかったぜ!』 和「よ…よ…嫁太ーっ!!!」ブワッ 咲「うっ、うう…」ウルウル 和「あなた…こんな主人公の為に3年間も…!!!」 和(Kタロー君も良い人なんですけど…けど!) 咲「あなたも青春しなよ!!!」 咲(それ以上に嫁太君が良い人過ぎるの!) 咲「こうなったら私が嫁太君の物語を書くんだよ!」 和「ええ!!!是非幸せにしてあげましょう!!!」 咲「じゃあまずは相手の人を決めないとね」 和「ですね。嫁太君がよく一緒にいて並々ならぬ情愛を注いでいたのは……」 咲&和((主人公ことKタローじゃねえか!)) 京太郎「ちーっすー…って、どうしたんだよ二人とも!」 咲「て、徹夜してたの…」 和「もう、指一本動かせません…」 京太郎「部室で徹夜とか一体何やってたんだか…ただでさえ二人は色々噂されてるのに」 京太郎「ん…なんだこりゃ?」 Kタロー『他のどんな女の子よりも、俺は…お前のことが好きなんだ!』 Kタロー『お前なら、いい嫁さんになれるって…俺と一緒に生きていけるって信じてる!!』 Kタロー『信じてるんだ…嫁太!!!』 嫁太(そんな…!) 嫁太「俺は…お前を見守ってるだけで…それだけで、それだけでよかったのに……」ポロポロ... 京太郎(ホント何があったんだー!?)ガビーン  
  「もしも脇役がギャルゲーの主人公になったら」 咲「…なにこれ」 和「さあ?」 咲「さあじゃなくて」 和「そう言われましても…私だってこんなの送りつけられて困ってるんですから」 咲「送り主って誰なの?」 和「龍門渕さんからですね」 咲「ああ…合宿でもやたらと和ちゃんに対抗意識燃やしてたよね」 和「アニメでも原作でも、合宿中じゃ描写されてませんけど」 咲「やめたげて」 和「私はあちらを意識していないのに、彼女はドラマCD第2局で……」 咲「おい」 咲「ところで…何であの人はこんなものを?」 和「『相手の心情を察する感性は、女性にとって必要なステータスの一つです』」 和「『原村和…あなたと私のどちらがより女性として優れているか、試させていただきましょう!』とかなんとか」 咲「ふーん…で、この携帯機にゲームデータが入っているんだね」 和「ええ。プレイデータはリアルタイムであちらに送信されるそうです」 咲「…随分に凝ってるね」 和「こんなものを拵える位なら、麻雀の研究でもしていた方が良いと思うのですが」 咲「もう散々やってるだろうけどね」 咲「…ところで、一つ聞きたい事があるんだけど?」 和「はい?」 咲「何でこのゲームって、主人公が京ちゃんそっくりなの?」ゴッ 和(…怖っ!) 和(いやいやいやいや…咲さんあなた、合宿の時須賀君へのお土産を忘れかけてたじゃないですか) 和(部員の中で付き合いが一番長い割には、作中でもほとんどしゃべった事ないですし!) 和(…穏乃たちと疎遠になってた私が言う事じゃないでしょうけどね!後付?咲フェス?…知らない子ですね) 咲「…和ちゃん」 和「な、何でしょう?」 咲「早くゲームを始めようよ。私は機械とかからきしなんだから、和ちゃんにやってもらわないと」 和「…そうですね。では、始めましょうか」 ※ゲーム中の人物はすべて仮名です。 タコス『Kタロー…お前は本当によく出来た犬だな!』 Kタロー『だから俺は犬じゃねえって』 タコス『照れるな照れるな。このタコスに仕えることを、光栄に思うんだじょ!』 Kタロー『つってもお前、何もかもがちんちくりんだからなー…』 タコス『それはどうかな…私はあと2回も変身を残している…』 Kタロー『…それって結局、最後はちんちくりんになるよな?』 タコス『きーっ!』 咲「ねえ和ちゃん、これって…」 和「このゲーム、萩原さんお一人が一晩で作ったそうですね」 咲「ああ…」 タコス『お前のような犬がいて、私は幸せだじぇ!』 Kタロー『(ああ…結局恋も麻雀も上手くいかなかったな)』 BAD END 和「…」 咲「…」 和「優k…じゃなかった、タコスの出てくる選択肢は一度だって選ばなかったんですけど」 咲「わt…じゃなくて、リンシャンのイベントばかりこなしてたよね」 和「プレイ回数延べ1004回…このエンディングばかり目にするのは、流石にきついですね」 咲「ところで和ちゃん…何で友達の嫁太を頼らないの?」 和「友達に聞けば何でも分かるとか、そんなもので人間関係がどうにかなったら苦労しません」 和「というか、そんなオカルトありえません…というか、それをやったら負けみたいな気がします」 咲「まあ…ね。でもこのままだと、私たちの身が持たないよね」 和「…諦めるしかありませんか」 こうして二人は、嫁d…じゃなくて嫁太を使ってみる事にした……。 嫁太『おおう、リンシャンちゃんは良い嫁さんだなァ』 Kタロー『いや、コイツとはそんなんじゃないってば』 嫁太『俺の情報、特別に見せてやるよ!』 Kタロー『おっ、サンキュー!』 嫁太『今の所…好感度はこんなもんだな』 Kタロー『ふぅ~む…なるほどなるほど、なるほどー』 嫁太『コンサートのチケット、やるよ!』 Kタロー『いいのかよお前…これって結構高い奴じゃ』 嫁太『いいんだよ…俺、彼女にフラれちまったからさ…』 Kタロー『嫁太…』 和「どうして嫁太君は、ここまで献身的なんでしょう…?」 咲「ゲームなんだし、そこはどうでもいいような気がするけど…はっ!」 和「どうかしましたか?」 咲「きっと嫁太君って、主人公に気があるんだよ!!!」 和「それだとゲームが変わってしまうんじゃ…とは言い切れないのが何とも」 咲「というか、それでなくても嫁太君って気になって仕方ないよね」 和「ええ…」 嫁太『ようようお二人さん。今日は二人で仲良く登下校かあー?』 ドラロー『え、えっと…』/// Kタロー『恥ずかしいからちゃ、茶化すなよな…』/// 嫁太『俺が上手く誤魔化しとくから、二人で行ってきな!』 Kタロー『すまねえ、恩に着るぜ!!』 嫁太『いいってことよ』 Kタロー『…俺、もうダメ』 嫁太『あきらめんなよ!!ドラローのこと、好きなんだろ!!!』 Kタロー『嫁太…』 嫁太『3年ってあっという間だったよな…けど俺、お前に会えてよかったぜ!』 和「よ…よ…嫁太ーっ!!!」ブワッ 咲「うっ、うう…」ウルウル 和「あなた…こんな主人公の為に3年間も…!!!」 和(Kタロー君も良い人なんですけど…けど!) 咲「あなたも青春しなよ!!!」 咲(それ以上に嫁太君が良い人過ぎるの!) 咲「こうなったら私が嫁太君の物語を書くんだよ!」 和「ええ!!!是非幸せにしてあげましょう!!!」 咲「じゃあまずは相手の人を決めないとね」 和「ですね。嫁太君がよく一緒にいて並々ならぬ情愛を注いでいたのは……」 咲&和( (主人公ことKタローじゃねえか!) ) 京太郎「ちーっすー…って、どうしたんだよ二人とも!」 咲「て、徹夜してたの…」 和「もう、指一本動かせません…」 京太郎「部室で徹夜とか一体何やってたんだか…ただでさえ二人は色々噂されてるのに」 京太郎「ん…なんだこりゃ?」 Kタロー『他のどんな女の子よりも、俺は…お前のことが好きなんだ!』 Kタロー『お前なら、いい嫁さんになれるって…俺と一緒に生きていけるって信じてる!!』 Kタロー『信じてるんだ…嫁太!!!』 嫁太(そんな…!) 嫁太「俺は…お前を見守ってるだけで…それだけで、それだけでよかったのに……」ポロポロ... 京太郎(ホント何があったんだー!?)ガビーン  

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