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  和「須賀くんのどこが好きでそんなに気を揉んでいるんですか。咲さんや優希は」 咲「どこが好きって、それが分からない和ちゃんじゃないでしょう」 和「いいえ、分かりませんね。いつも下心ばかりで八方美人な須賀くんですから」 京太郎「おいおい、手厳しいぜ和。俺にだっていいところの一つや二つあるだろきっと」 和「そうですね、せめて今感じている抱き心地くらいは認めてあげましょう」 京太郎「もし気に障ることでもしたなら謝るからさ、機嫌直してくれよ」 和「あなたに特別落ち度はありませんよ。そんなことより、しっかり腕を回してください」 京太郎「ああ、ごめん。これくらいなら抱き締めても苦しくないか」 和「ちょうどいい塩梅ですね。私としてはもう少し強くても構いませんが」 京太郎「それはよかった。和とこうして抱き合えるなら俺も役得だからな」 和「セクハラを告発して父のお世話になりましょうか?」 京太郎「冗談きついぜ、勘弁してくれ」 和「ふふふ、私にだってジョークの嗜みくらいあるんです。参りましたか」 京太郎「はいはい参った参った。それで、なんの話をしてたんだっけ」 咲「京ちゃんのどんなところが好きかって話でしょ。蚊帳の外にしてくれちゃって」 京太郎「ああ、咲は俺のことが好きなのか。全然知らなかったぜ」 咲「たった今嫌いになりそうだけどね。そもそも和ちゃんが相手じゃ勝ち目なんてないし」 和「勝ち目とは? 咲さんが須賀くんとお付き合いする上で私が障害になるんですか?」 咲「え」 和「え?」 咲「和ちゃんと京ちゃんって、随分前から付き合ってるんだよね?」 京太郎「何言ってるんだお前、俺なんかが和と付き合えるわけないだろ」 和「ありませんよ、そんな事実。どうして私たちが交際しているだなんて思ったんですか?」 咲「現に今だってピッタリ抱き合ってるじゃん! それはどういうことなの!」 京太郎「ああ、これは和が毎日せがむから充電してるだけだよ」 和「何故だか得も言われぬ満足感があるんですよ。こうして須賀くんを抱き締めると」 咲「へえ! なんでだろうね! すごく不思議!」 和「とにかく、別に付き合ってるわけじゃありませんから。私たち」 咲「じゃ、じゃあ私が京ちゃんに告白して、今ここで付き合うことになってもいいの?」 和「え?」 咲「京ちゃんのことなんか好きじゃないんだよね? 和ちゃんは」 和「それは、その」 京太郎「そうなのか? 和」 和「…………」 咲「…………」 和「何故でしょう。恋人同士になったお二人を想像すると、胸が痛いです」 京太郎「和」 和「須賀くん」 咲「…………」 咲(あ、これダシにされた奴だ)  

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