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<p>阿知ポの京太郎の能力を極めれば誰もあがれず、<br /> リー棒が増えまくったあと、やっすい手で1万超えの打点を稼ぐ…というのを妄想した<br /><br /> -------決勝前夜<br /><br /> 咲たちは決勝の前夜で、今まで打ってきた強豪の人たちと練習していた。<br /><br /> 一人抜け、誰か来るのを待っていた咲はそこで意外な人がやってきた。京太郎だ。<br /><br /> 「咲、ここに座ってていいか?」<br /><br /> 「えっ……京ちゃん、やめたほうがいいと思うよ……」チラッ<br /><br /> それもそのはず、卓は一人抜けてはいるが、衣、そしていつの間にか静かに、氷のような雰囲気を放つ竜華が座っている。<br /><br /> いずれも咲に劣らない、かなりの手練れだ。<br /><br /> 「京ちゃんと言ったか、腕に自信がありそうだな。咲、知らなかったぞ」<br /><br /> と衣は口の端を広げて笑う。<br /><br /> 「まさか、男に我を身震いさせるほどのものがいようとは……いいぞ、大儀ないぞ、座れ」<br /><br /> ええーっ!? 驚きの余り声に出してしまった咲を横目に、京太郎は座る。<br /><br /> それを見ていた久が、やってくる。<br /><br /> 久「あら、打つの? 須賀くん」<br /><br /> 京太郎「はい。 ……咲。照さんと仲直りしたいのか?」<br /><br /> 咲とは違い、驚いたふうには見えない久に、ますます混乱する咲に、京太郎の問いにびっくりしてしまう。<br /><br /> 咲「……知っているの? 照さんのこと」<br /><br /> ああ、と呟いた京太郎は信じられないことを言う。<br /><br /> 京太郎「咲。お前とは中学からの知り合いと言ってはいたんだけれど……10年以上前から知り合っていたんだ」<br /><br /> ------これは、10年前の■■京太郎が、今の須賀京太郎に至るまでのおはなし。<br /><br /> ■■京太郎は、姉が一人、双子の妹が一人いた。<br /><br /> 姉はインターハイに出場するほどの打ち手で、妹は病弱で、足が不自由ながらも明るかった。<br /><br /> もちろん、その時、咲とも知り合っていた。照とも。<br /><br /> 家族ぐるみで仲が良かった時代だ。<br /><br /> その話をしよう。打ちながら、な。<br /><br /> カンッ</p>

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