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  どうも。小鍛治健夜と申します。アラフォー> まだアラサーだよ!何言わせるの! …コホン。失礼しました。 何故こんな改まっているのかというと、今日私は死ぬからです。 小鍛治健夜は今死んで、これからは小鍛治NEW健夜になります。 もう『おかーさんにメロン切らせるダメサー』とか言わせない。 何故今になって変わろうと思ったか。 自分にとって非常に嬉しく、そして恥ずかしい事なのですが。 かっ…彼氏ができました… そこ!妄想とか言わない!ちゃんとした人だよ!…高校生だけど。 名前は須賀京太郎くんと言って、現在高校一年生です。 出会いから成立までは恥ずかしいので割愛。 ともかく、発端は数日前。 その日、彼と両親の顔合わせを予定していたのです。そこ!がっつき過ぎとか言わない! とにかく顔合わせは大成功で両親と彼は意気投合し、おかーさんと彼は一緒に料理を作る仲にまでなったのです。 問題はここから。 おかーさんは一緒に料理を作っている途中、くだんのメロンの件を話してしまったのです。 彼は苦笑いでしたが、ここで私は今まで考えてこなかった問題があることに気づいてしまったのです。 私は自慢ではありませんが麻雀しかできません。 この長所がなくなればというかプロを引退してしまえば出来ることがなくなるのです。 その結果、このままでは京太郎くんにおんぶに抱っこ、まるで介護されているような状況になってしまい、万に一つはないとは思いますが疲弊した京太郎くんに捨てられてしまうかもしれないのです! そんなことを避けるためにひとまずは家事の練習をしようと思い立って今現在の状況なのです。 がんばるぞ、おー! まずは掃除。雑巾がけを頑張る! 健夜「よいしょ、うんしょ」ゴシゴシ ちょっと楽しいかも… 健夜「ふぅ、大体終わったかな。結構大変だっガッ「あっ」 床 ビシャー 健夜「」 失敗。 気、気を取り直して洗濯! 健夜「えっと、多分こうだよね…」ピッ ピッ 何とか動かせたは良いけれど。 健夜「洗剤は…わわっ」バシャッ「ああっ!入れすぎた!」 健夜「柔軟剤?柔軟剤ってどれぇ!?」オロオロ …一時間後 洗濯物 ぐちゃっ 健夜「ああ…」 失敗。 料理…じゃなくて包丁 健夜「せ、せめてメロンぐらいは」プルプル 包丁なんてここ数年持つ機会がなかったのでちょっと怖い。 健夜「も…もう少しで切れる…」トンッ トンッ …しばらくのち 健夜「出来た…出来たよぉ~!」ピョンピョン あまりにも嬉しくてその場で飛び跳ねて浮かれちゃった。 でも。私はその時包丁を持っていたことを忘れていて。 健夜「いたっ…」スパッ 指を、ほんのちょっとだけ切っちゃった。 健夜「っ」ウルッ そんな自分が。掃除も、洗濯も。挙げ句の果てにまともに刃物も使えない自分が本当に情けなくて。 健夜「う、ううぅ~…ひぐっ…」ポロポロ 歳も考えず、泣いちゃった。 そうしたら。 京太郎「おじゃましまーす。って健夜さん!?どうしたんですそんなに泣いて!?」 そんなときに京太郎くんが来てくれて。 健夜「ぎょおだろおくぅん…」ボロボロ 私は情けないけどすがりついて泣いた。 しばらくの間そのままで泣いて、少し落ち着いた頃に、今日の試みやその動機、情けないままで終わったことも全部。話してしまいました。 そうしたら京太郎くんは。 京太郎「ぷっ…何してるんですかまったく」ナデナデ 笑いながらだけど撫でてくれて。 京太郎「でもよく頑張りましたね。俺は今はそれだけでも嬉しいですよ」 慰めてくれた。 京太郎「それに、俺は健夜さんのことが好きなんですから。健夜さんを見捨てるなんてあり得ないし、家事だって手伝いたいなら少しづつ教えてあげますから」ナデナデ 優しい言葉をかけてくれた。 京太郎「俺たちは俺たちにぴったりの速度で、ゆっくり進みましょう?」ニコッ 手を、差し伸べてくれた。 だから、私は京太郎くんのことが大好きで、京太郎の為に変わろうと思ってしまうのです。 余談。 この日、やっぱり小鍛治健夜は死んで。 須賀健夜が誕生しました。 アラサーの花嫁訓練第零話 これにてカンッ  

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