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おもち少女3」(2013/05/24 (金) 22:10:15) の最新版変更点

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~京太郎~ 結果から言えば、俺達の作戦は成功に終わった。 何度か危ない場面こそあったものの、俺達はなんとか誰にも会わずに大浴場へと駆け込み、その汚れを落とせたのだから。 途中、俺が上重さんの着替えを持ってきてもらえるよう、モブさんたちに伝えた時は、ニヤニヤとした目を向けられたが特に追求される事はなかった。 誤解しているのは確かだろうが、やっている事がやっている事だけに否定は出来ない。 結果、俺は曖昧な笑みを浮かべながら、その場を後にし、自分の部屋の後始末に終始していた。 京太郎「(まさかこんなところで磨きあげた雑用スキルが役に立つとは思わなかったが…)」 芸が身を助けるという言葉の意味を実感しながらのそれは大変だった。 何せ、俺や上重さんが眠っていた布団はお互いの体液でベタベタになり、匂いも染み込んでいるのだから。 もってきたタオルで出来るだけ粘液を拭き取り、部屋中に制汗剤を撒いたけれど、誤魔化しきれているか自信がない。 だが、洗濯が出来ず、また俺に残された時間も殆どない以上、他に尽くすべき手は見当たらなかった。 京太郎「(お陰でそわそわしている事をモブさんたちに突っ込まれていたけれど…)」 今日が合宿の最終日とは言え、実質、合宿そのものは昼で終了だった。 ソレ以降は観光を含めた自由時間であり、それが終われば解散になるのだから。 自然、最後の対局は和やかな雰囲気のまま進み、俺が意図的に和了を避けている事には気付かれなかった。 それが彼女たちにとって、俺と上重さんの恋話の方が重要だったのか、或いは俺が和了を誤魔化す手段が上達しているのかは分からない。 ただ、終了を告げる代行さんの笛が鳴り、モブさんたちが去っていった後、俺の肩にズシリと疲労感がのしかかってきたのは確かだった。 漫「お、お疲れ」 京太郎「…上重さんもお疲れ様です…」 にこやかに去っていったモブさんたちとは対照的に俺たちの表情は何処か濁っていた。 それはさっき思いっきり二人にからかわれ続けた事だけが関係しているのではないだろう。 お互いに忙しくて顔を合わせる暇はなく、アレからろくに会話も出来ていなかったのだ。 心の中に積もり積もったそれが俺たちを追い詰め、表情を強張らせているのを感じる。 漫「とりあえず…ちょっと庭にでも出えへん?」 京太郎「そう…ですね」 これから昼食の時間も含めて、ここから先は自由行動だ。 その後はお互いに元の学校へと帰るのだから、ここでこの蟠りを解消するしかない。 その意思をはっきりと感じさせる上重さんの言葉に頷きながら、俺達はそっと歩き出す。 しかし、そんなお互いの間に会話らしい会話はなく、何処か気まずい雰囲気が流れていた。 京太郎「(昨日までは…こんな事なかったんだけれどなぁ…)」 昨日はとても和やかで、まるで数年来の友人のように接する事が出来ていた。 しかし、今はその面影すら見えず、ぎくしゃくとした緊張を強く感じる。 たった一日でここまで変わってしまったと言う事実に目を背けたくなるが、自分がやってしまった事であるだけにそれも許されない。 今の俺がするべきなのは逃げる事ではなく、上重さんに誠心誠意謝る事だ。 漫「ここらへんでええかな…」 そう言って上重さんが足を止めたのは立派な日本庭園の中にある小さな休憩所だった。 本館から少し離れたその場所は周囲を池に囲まれて、心地良いせせらぎの音が鳴っている。 普通であれば安らぎ、リラックス出来るその休憩所の周囲には人影は見えなかった。 丁度、今はお昼時であるので、きっと皆は食事をしに、街へと繰り出しているんだろう。 漫「それで…えっと…やね…」 京太郎「…っ」 そんな場所に腰を下ろしながら、上重さんが気まずそうな言葉を紡ぐ。 緊張の所為か、微かに震えるそれは、それだけ俺が上重さんを傷つけてしまった証だろう。 そう思うと胃の中から吐き気が沸き上がり、背筋に不快感を貼りつけた。 憔悴に良く似たそれに俺は我慢出来ず、その場に膝を下ろし、勢い良く頭を下げる。 京太郎「すみませんでしたぁ!」 漫「…へ?」 所謂、土下座の形で這いつくばる俺の耳に不思議そうな上重さんの声が届いた。 一体、俺がどうして謝罪するのか分からないと言うようなそれにズキリと良心が痛む。 それもこれも俺が前もってちゃんと詳細を上重さんに伝えていれば、防げた事なのだから。 そう思うと頭をあげる気にはどうしてもならず、俺はその場で土下座した姿勢のまま固まった。 漫「ちょ…何で須賀君が謝る必要があるん?しかも、土下座なんて…易々とするもんやないってこの前言ったやろ?」 京太郎「いえ…でも、今回は全部、俺が悪いんです!」 漫「悪いって須賀君は何も悪くないやん。今回の件は…その…全部、うちが誘惑したものなんやし…」 俺の事を擁護しながらも、少しずつ尻すぼみになっていく上重さんの言葉は羞恥に満ちていた。 昨日は痴女のような迫り方をしていたとは言え、本当の上重さんは初心で優しい女性である。 こうやって昨日の事を口にすることだって恥ずかしくて仕方がないんだろう。 それを思うと心臓が握りつぶされるような息苦しさを感じるが、俺は逃げる訳にはいかない。 ここまで巻き込んでしまった以上、例え軽蔑されようとも上重さんに全てを伝えなければいけないのだから。 京太郎「いえ…違うんです。実は…」 そう言って土下座したまま語り出した俺の言葉を上重さんは聞いてくれていた。 以前、別の子にも同じような現象が起こった事。 その時も誘惑され、そしてそれに乗ってしまった事。 そして、それが上重さんの様子と一致するという事に気づいていた事。 それでも尚、俺は上重さんを拒めず、襲ってしまった事。 そのどれもが上重さんに嫌われても仕方のない事で、出来るなら隠しておきたいものだ。 でも、今の俺には少しでも格好つける資格なんてない。 この質の悪い能力の全てを上重さんに伝え、少しでもその重荷を軽くしてあげなければいけないのだ。 京太郎「と…言う事です…」 漫「……」 語り終えた俺に対して帰ってきたのは痛いほどの沈黙だった。 あまりにも荒唐無稽な話に呆れているのか、或いは真実を知って軽蔑されているのか。 顔をあげる事の出来ない俺にはそのどちらかを探る事も出来ず、背中に冷や汗が流れていく。 纏わりつく不快感と共に沙汰を待ち続ける俺に、上重さんが立ち上がる気配が届いた。 漫「須賀君、顔をあげ」 京太郎「…はい…」 強い言葉にゆっくりと顔をあげた俺の目に入ったのは俺の前で膝をついた上重さんの姿だった。 その顔には呆れが強く浮かび、今にもため息を漏らしそうな表情をしている。 それが一体、何を原因にしているかまでは分からないものの、嫌われたのは確かだろう。 それに胸の奥が悲鳴のような痛みを発した瞬間、上重さんの両腕が俺の首に回った。 京太郎「え…?」 漫「もう…仕方のない子やね…」 そう優しく耳元で言ってくれる上重さんのそれに俺は困惑を広げた。 軽蔑されたり、罵られたりする事は予想していたとは言え、こんな事は想像もしていなかったのだから。 俺にとっては脈絡がなく、そして現実感も薄いそれに呆然とした声が漏れる。 漫「うちだって薄々、それくらい気づいとったよ。まぁ…何となくってレベルやし…お風呂に入っとる時やったけれど」 京太郎「じゃ…じゃあ、どうして…!」 気づいていたなら、もっと怒っても良いはずだ。 俺を殴って、罵ってもおかしくはないはずだろう。 それなのに上重さんは寧ろ、俺に優しくしようとしてくれている。 それがどうしても理解出来ず、俺は叫ぶように疑問を投げかけた。 漫「そんなん須賀君だけの責任やないに決まっとるやん。最初に欲望に負けたんは須賀君やなくて、うちやねんから」 京太郎「っ…!でも…それは俺の所為で…」 漫「そう。でも、うちはそれに何て言うた?」 京太郎「何…って…」 漫「受け止めるって…そう言わへんかった?」 優しく言い聞かせるような上重さんの言葉に俺は言葉を詰まらせる。 確かにあの場で上重さんは俺を受け止めると言って、麻雀に向き合うきっかけをくれた。 でも、それは上重さんが俺の能力の詳細を知らず、俺もまたそれを言おうとしなかったからである。 もし、上重さんが知っていれば、あの場であんな事は言わなかっただろう。 漫「例え知ってても…うちはそう言ったで」 京太郎「…っ」 そんな俺の心の中を読み取ったように上重さんが言う。 真っ直ぐに俺の目を見据えて、逃がさないようなその言葉が俺の胸へと突き刺さり、言い訳を封じていった。 俺の中の逃げ場すら奪おうとするような力強いそれに、俺は何も言えず、そっと視線を背ける。 漫「アレはうちが須賀君の力になりたいって思ったからや。だからこそ、絞り出した勇気や。それまで…否定せんとって欲しいな」 まるで逃げ出そうとしているような情けない俺。 だが、それとは対照的に上重さんは俺のことをはっきりと見つめたまま、穏やかに叱るような言葉をくれる。 罪へと向き合い、謝罪しようとする俺ではなく、許しから逃げようとする俺を窘めるそれに拳に力が入った。 それでも俺は自分自身を許す事が出来ず、上重さんの言葉を完全に受け入れる事も出来ない。 漫「それとも須賀君はうちの事を嘘つきで、簡単に発言を翻すような女やって思うとるん?」 京太郎「ち、違います…!」 それが卑怯な物言いであるという思考は俺の中にもあった。 だが、ソレ以上に自分自身を貶めるような上重さんの言葉に我慢出来なかったのである。 そして、半ば、反射的にそれを否定した時にはもう遅い。 俺は自分自身で自分を許してしまう道筋を作ってしまったのだ。 漫「だったら、もうちょっとうちの事信頼してぇや。うちはその程度で怒るほど、狭量な女やないって」 何処か冗談めかした言葉に俺はそっと項垂れる。 そうやって許してくれる上重さんの言葉は優しいが故に、俺にとっては辛いものなのだから。 だが、その一方で情けなくなるくらいに救われている自分がいる。 それに自嘲が浮かび、肩がそっと落ちた瞬間、俺の目の前で上重さんが小さく唇を動かした。 漫「それに…まぁ…嫌って訳じゃなかったし…」 京太郎「えっ」 漫「えっ!?」カァ それに思わず聞き返してしまった俺に上重さんが驚いた顔を見せた。 まるでそんな事を言うつもりなんてなかったと言わんばかりのそれに俺の思考が少しずつ動き出す。 一体、嫌ではなかったとはどういう意味なのか。 それをギシギシとシナプスを軋ませながら、思考する俺の中に一つの答えが生まれた。 京太郎「そ、それって…」 漫「う…い、いや!言わんとって!」 その答えを口にしようとした瞬間、上重さんの顔が真っ赤になって目を背けた。 さっきの俺の姿を模倣するようなそれに俺の中の悪戯心がムクムクと沸き上がってくる。 とは言え、今はとても真面目な話をしている真っ最中なのだ。 ここで上重さんを弄って遊んだりするような余裕はない。 そうは思いつつも、何処か小動物めいた様子の上重さんを見ていると悪戯心が何時までも消える事はなかった 漫「ま、まだ…うち自身も分かってへんし…その…保留って事で…」マッカ 京太郎「え…と…はい…」 幾ら俺が鈍くても、そうやって言われれば、大体の予想はつく。 正直、何時からそうなのかまではまったく理解できないし、理由なんて思いつかないが、どうやら俺は上重さんに好かれているらしい。 自分でも信じがたい事だし、夢ではないのかという気持ちもあるが、太ももを抓れば、はっきりとした痛覚が脳へと伝わる。 どうやら、未遂とは言え、初めての告白された ―― しかも、上重さんほどの美少女に ―― のは夢じゃないようだ。 漫「ま、まぁ…その…だから…うちはそんな感じやし…須賀君の事を嫌いになった訳やあらへん」 漫「だ、だから、問題は次や次!」 京太郎「次…ですか?」 それに胸の奥底からジワジワと喜びが沸き上がってくる俺の前で上重さんがそっと立ち上がった。 そのまま恥ずかしそうに椅子へと座り直す姿が微笑ましくて、思わず笑みを浮かべてしまう。 だが、上重さんはあくまでも俺のことを真剣に考え、そして向かい合おうとしてくれているのだ。 何時までも笑っている訳にはいかないと自分を戒め、向かい合うように上重さんの前へと座る。 漫「さっきモブちゃん達に聞いといたけど、様子がおかしゅうなったんはうちだけみたいや」 京太郎「つまり…俺の能力が発動するには何らかの条件がある…と…?」 漫「多分…やけど…でも、それが分かったら対策も立てやすいやろ?」 京太郎「はい…ありがとうございます」 俺が落ち込んでいる間に上重さんは先を見越して、情報を仕入れてくれていたらしい。 それに感謝しながら、俺はまったく前を見ていなかった自分を恥じた。 これでは上重さんに好かれるような立派な男とは到底、言えない。 そう自分を叱咤しながら、俺はそっと頭を下げた。 漫「それで…その…もう一人の犠牲者…原村さんやったっけ?その人とうちとの共通点やけれど…」 京太郎「んー…真っ先に思いつくのは麻雀が強い…ですけど…」 どちらもインターハイ出場校のレギュラーを張る実力者だ。 正直、今の俺ではよっぽど天運に恵まれなければ、勝てない相手だろう。 いや、恵まれたところで終盤にひっくり返される可能性が高い。 本当に麻雀が強い人達の闘牌と言うのは時に理不尽なくらいの偏りを見せるのだから。 それを全国で嫌と言うほど見てきた俺にとって、両方共、勝てるビジョンが浮かばない相手であった。 漫「でも、モブ1ちゃんやモブ2ちゃんやって他の高校やったらレギュラーになれる実力者やで」 京太郎「確かに…言われてみれば…」 そもそも名門の呼び名高い姫松で一軍ないしその候補に入っている時点でかなりの実力者である事は確定だ。 実際、モブ2さんなどは一昨日、大勝し、卓の総合成績一位をもぎ取っていったのだから。 そんな二人からも和了っているのに、まったく能力が発動する気配もないというのはおかしい。 漫「それに…後天的に得る能力ってのは大抵、思い入れとかそういうのから来てるんや」 漫「うちと原村さんの共通点で、須賀君が思い入れがありそうなものってないのん?」 京太郎「思い入れ…ですか…」 漫「うん。なんかこう…これがあれば生きていける!的なものでもええねんけど…」 京太郎「……」 漫「……」 京太郎・漫「「…あ」」 そこでシンクロしてしまったと言う事は上重さんも大体、同じ予想に到達したのだろう。 今まで出た情報が重ね合わさる部分と言うのは恐らく、これしかないのだから。 とは言え、それを口にするのは恥ずかしくて、俺は口を噤んでしまう。 それは上重さんも同じみたいで、顔を微かに紅潮させながら、チラチラとこっちを見ていた。 漫「あの…須賀君…もしかして…」 京太郎「すみません。言わないで下さい。今、自分で気づいて凹んでいるんです…」 漫「い、いや…でも、向きあわへんかったら…何時までもそのままやで?」 正論すぎるほど正論な上重さんの言葉に俺はそっと項垂れながら頷いた。 確かにここまで来てしまった以上、認めない訳にはいかない。 そもそもここで確認を怠ってしまうと俺はまたあの思考の迷宮の中に堕ちてしまうのだから。 悶々とした気持ちがひたすら続くそれがどれだけ辛い事かなんて俺はもう痛いほど知ってしまっている。 それから逃げる為ならば、今、ここで自分の情けなさに立ち向かう方がよっぽど気が楽だろう。 京太郎「多分…俺の能力の発動条件は…巨乳か否か…だと思います…」 漫「それしかないやんなぁ…」 呆れたような上重さんの言葉に俺はガクリと肩を落とす。 俺をあんなに苦しめていた能力の詳細がこうにも馬鹿らしいものだと、バカバカしすぎて逆に笑えなくなるくらいだ。 被害者の数はまだ何とか抑えられているとは言え、被害の質が酷いのもそれに拍車を掛けている。 漫「い、いや、でも、能力になるくらいおっぱいが好きって凄いやん!」 京太郎「何かもうホント、すみません…」 そんな俺を何とか上重さんが慰めようとしてくれているのは分かるが、そこを褒められても正直、困る。 勿論、上重さんに悪気がないのは分かっているが、それは俺がどれだけ彼女たちを性的な目で見てきたかと言う証左でもあるのだから。 性欲真っ盛りな男子高校生とは言え、人に迷惑を掛けてしまうほどの性癖となると自分で引く。 もう本気で麻雀するのを止めようか。 半ば、自棄になった心の中でそんな感情が浮かんでくるのを感じながら、俺は一つ大きなため息を吐いた。 漫「あぁ、もう…そんな落ち込まへんの。能力の詳細が分かったんやから、一歩前進やん」 京太郎「そりゃ、そうかもしれないですけど…」 漫「それに能力言うても千差万別やで。もしかしたらON-OFFの切り替えが出来るかもしれへんし、対策だってあるかも分からへんやん」 京太郎「あ…」 上重さんの言葉に俺の頭の中に光明が差し込んだ。 確かに全国クラスの打ち手の中にも明らかに条件を満たさなければ発動しないタイプがある。 そうでなくともオカルト対策と言うものは、どの学校もかなり力を入れているものだ。 もしかしたら、その中に俺の能力に対しても有効なものがあるかもしれない。 そう思うと下火になりかけた麻雀への情熱がふつふつと燃え上がり、先行きが少しだけ明るく感じる。 京太郎「そう…ですね。落ち込んでなんかられません」 漫「そうそう。須賀君は元気なんが一番やで」 そう言って、俺の頭を撫でながら、上重さんがニッコリと笑ってくれた。 心の底から俺の復調を喜んでくれているその表情に嘘や陰りは見えない。 あんな事をした原因は俺にあるのに、本気で上重さんは俺のことを嫌っていないらしい。 それがようやく実感となって沸き上がってきた俺の目尻が熱くなり、視界が滲んでいくのを感じる。 京太郎「すみません…もう何から何まで…」 漫「もう乗りかかった船やし、別に構わへんよ。それに…」 そんな俺の前で言葉を区切りながら、上重さんは胸元からハンカチを取り出した。 それを俺の頬に当てるようにして涙を拭ってくれる仕草はとても優しい。 一回一回丁寧に涙を拭っていくそれに俺の心も少しずつ落ちつき、涙が細くなっていく。 漫「今日でお別れやし…色々とポイント稼いどかへんかったらあかんやろ」 京太郎「う…」 冗談めかしたその言葉に、思わず呻いてしまうのは決して嫌だったからなどではない。 寧ろ、そうやって笑う上重さんが堪らなく魅力的に見えてしまったからだ。 現金過ぎて馬鹿らしい話だが、上重さんが俺の事を好きかもしれないと言う事が俺の意識を揺さぶっている。 元々、上重さんがかなり俺の好みに一致する女性だという事もあって、欲情とは違うドキドキ感が俺の胸を支配していた。 京太郎「そ、そうだ!何でもやるって言ってた件を覚えてます?」 そんな自分を上重さんに知られるのが妙に気恥ずかしくて、俺は強引に話題を逸らそうとする。 しかし、努めて明るくしたその声は悲しくなるくらいに白々しく、そして動揺を表すように大きなものだった。 微かに上ずったその声のおかしさに上重さんも築いたのだろう。 俺の前でニンマリと意地悪い笑みを浮かべながら、上重さんがそっと首を傾げた。 漫「何?うちと付き合ってって言ったら、付き合ってくれんの?」 京太郎「い、いや、それは上重さんに悪いって言うか…そういう事で決める事じゃないって言うか…」 漫「…ヘタレ」 京太郎「うぐっ」 ストレートに俺の胸を突き刺す言葉に呻く俺の前でクスリと上重さんが微笑んだ。 何時もどおり俺を弄って遊ぶその姿が嬉しい半面、悔しいのはプライドの問題か。 しかし、今の俺には反撃の手段はなく、ヘタレの汚名も甘んじて受けるしか無い。 漫「まぁ、正直に言うと、別にそんなもん要らへんよ。と言うか、昨日のダッツで帳消しや」 京太郎「いや、でも…結局、ろくに食べれませんでしたし…」 確かに昨日のハーゲンダッツはお礼とお詫びを兼ねて買ってきたものだ。 だけど、そんなもので上重さんへの感謝の気持ちを表現出来ているとは到底、思っていない。 文字通りの意味で、上重さんは俺を二回も救い、そして許してくれたのだから。 そんな上重さんにこれからは気軽に会う事も出来ない距離になる訳だし、出来るだけ今の間に返せるものは返しておきたい。 京太郎「それに俺は今、上重さんの犬な訳で…」 漫「…何?須賀君ってそういうのもイケる口?そやったらうちも責める方、頑張るけど…」 京太郎「違います!」 まぁ、確かに上重さんだったら優しく責めてくれるだろうし、悪くはないと思うが、今はそういう事を言っているんじゃない。 そうは思いつつも制服の中でムスコがピクンと反応してしまったのはオスの性と言う奴か。 好みのタイプであり、尚且つ、好意を示唆してくれる美少女にこんな事を言われるとどうしてもハッスルしてしまうのだ。 流石にガチ勃起とまではいかなくとも、昨夜の情事を思い出し、ムクムクと硬くなっていくのを自覚する。 京太郎「と、とにかく!何か俺にやって欲しい事とかあったら言って下さい。出来るだけ力になりますから」 漫「んー…」 そんな自分を振り払うように力強く言い放つ。 それに上重さんが顎に手を当てながら、そっと考えこむ仕草を見せた。 元々が結構な童顔な所為か、そんな姿も絵になる…と思うのは流石にちょっと失礼か。 だが、俺の悩みを受け止めてくれた先輩の可愛らしい姿に思わず頬が緩むのは否定出来なかった。 漫「それってどれくらいまでオッケー?」 京太郎「俺が他人に迷惑を掛けたりしない事なら何でもやります!」 勿論、上重さんがそんな酷い事をさせたりしないと信じている。 人のことをからかって喜ぶ気質ではあれど、その本質はとても優しくて、包容力のある人なのだから。 故にそれは上重さんの提案を制限する為ではなく、気兼ねなく上重さんが俺に命令出来るようにする為のものだ。 漫「それじゃ…早速で悪いねんけれど…」 京太郎「えぇ。どうぞ」 そんな俺の気遣いが上重さんに届いたのかは分からないが、上重さんはそっと唇を開いた。 微かにこちらに身を乗り出すような姿勢になったその姿は、まるで隠し切れない興奮を表現しているように思える。 昼の暖かな日差しが当たる頬が微かに紅潮しているように見えるのも、俺がその印象を抱く原因になっているのだろう。 そんな自意識過剰も甚だしい自分に自嘲した瞬間、上重さんの口はゆっくりと開き、言葉を放った。 漫「…うちと一緒に家族風呂入ってくれへん?」 京太郎「…え?」 ……… …… … 見目麗しい美少女からの誘い。 しかも、相手は間違いなく好みのタイプで恩人な上、俺に好意を向けてくれている。 その上、『ちょっと須賀君の能力関連で試したい事があるから』と大義名分までくれたその誘いを、断れるような男が果たしているだろうか。 京太郎「(少なくとも俺は無理でした…)」 例え、お互いが水着を着ると言っても、狭い個室の中で半裸に近い男女が二人っきりになるのだ。 自然、如何わしい想像が俺の脳裏に浮かび、ムスコがムクムクと硬くなっていく。 結果、いけないとは思いつつもズルズルと流され、こうして上重さんと家族風呂の前 ―― つまりこじんまりとした脱衣所に立っている。 その身体は緊張と興奮でガチガチに固まって、手に持つ荷物が妙に重く感じられた。 漫「思ったより中、狭いんやねぇ…」 そんな俺とは対照的に、上重さんの仕草はそれほど緊張が見られない。 一度は自分を犯した相手と一緒に風呂に入ると言うのに、まるで身構えないその様は誘っているんじゃないかとさえ思うくらいだ。 だが、これは上重さんが俺の為に試したい事があると提案してくれた事なのである。 今までの人生の中でそうして自意識過剰になって良い事なんて一つもなかったという事もあり、俺は暴走しそうになる自分を必死に抑えていた。 京太郎「ま、まぁ…貸切のお風呂みたいなものですし」 それでも上重さんの呟きに答えるそれはどもった上に震えていた。 分かりやすいほどに緊張と興奮を混じらせる自分に自嘲が湧き上がるが、上重さんは俺に何も言わない。 上重さんも『試したい事』以外に期待しているのか、或いは適当に流しているだけなのか。 普段、俺を嬉々として弄ってくる上重さんの様子から察するに前者だと思うが、正直、確信は持てなかった。 漫「カップルや子ども連れのお客さんがメインターゲットやからなぁ」 普段ならここで『うちらもカップルって思われたかな?』と言う一言くらいあってもおかしくはない。 でも、もしかしたら、俺の誤解かもしれないし…と思うと悶々としてしまう。 こういう時、人の心が読めれば…と思うが、人生それほど甘くはない。 でも、人を発情させるオカルトよりはそういった読心能力のほうが良かったと思うのが、今の正直な気持ちだった。 漫「さて…それじゃ時間もないし…とっとと脱いで入ろっか」 京太郎「…思い切り良すぎじゃないですか?」 漫「だって、もう後、ちょっとしかないねんもん…オロオロしとったらあっという間やで」 俺の言葉に頬を膨らます上重さんの言う通り、解散の時間は刻一刻と迫っていた。 こうして俺の手に二人分のバッグがあるのもそれが理由である。 既にチェックアウトして、部屋に入れなくなった以上、荷物はフロントに預けるか、自分で持ち歩くかしかない。 そして、これから家族風呂に入ろうとしている俺たちには後者しか選べないという訳だ。 漫「よいしょ…」 京太郎「う…」 とは言え、そうやって何の躊躇いもなく自分の上着を脱いでいく上重さんのようには中々、なれない。 勿論、俺だって時間がないのは分かっているものの、やっぱり気恥ずかしさと言うのが先に立つのだ。 既にお互いの裸をこれでもかとばかりに見ているとは言え、それは興奮で思考が滅茶苦茶になっていた時である。 こうして冷静な時に自分で服を脱ぐのとはまた違って、妙にぎくしゃくしてしまう。 漫「うちの脱衣シーン…そんなに色っぽい?」 京太郎「…割りと」 漫「へへ…♪それやったら…もうちょいサービスしてあげよっかなぁ…♥」 そう言って上重さんが制服のシャツにそっと手を掛けた。 そのままこちらへと胸を突き出すように背筋を曲げながら、一つ一つボタンを外していく。 ぷち…ぷち…と一つずつ確かめるようにボタンを外す姿はまるで俺を焦らしているようだ。 その想像に思わず生唾を飲み込んでしまう俺の前でゆっくりと上重さんの肌色面積が増えていく。 そんな中、俺の視線は水色のブラを身につけ、両腕に挟まれて強調されている胸元へと伸びていた。 漫「ふふ…♪これ結構、見られてる方もドキドキするんやね…♪」 京太郎「だ、だったら止めたら良いじゃないですか…」 漫「ここで止めると須賀君に負けた気がするから嫌やし…それに…」 そこで言葉を区切りながら、上重さんが、そっと背筋を正す。 前屈みになって胸元を強調するような姿から普段通りの直立姿勢へ。 だが、それが妙に色っぽく思えるのは、上重さんのボタンが既に外されきっているからだろう。 拘束が外れて両側へと開いたシャツの間に肌色のラインがすっきりと通っている。 何処かチラリズムを彷彿とさせるその独特の隙間に興奮を擽られる俺の前で上重さんがそっと自分のスカートを手に掛けた。 漫「じっとうちの裸見とるやん…♥須賀君も…こういうの嫌いやないんやろ…?」 京太郎「う…」 そのまますっと上へとあげられ、衣服としての役割を果たさなくなるスカート。 その向こう側から見えたのはブラと同じ水色のレースで作られた下着だ。 微かに肌色を透けさせるそれはまさしく勝負下着と言う奴なのだろう。 京太郎「(しかも…濡れて…)」 昨日のように俺の能力が左右した訳じゃない。 今日の俺はまったく和了っていないし、発動する余地もなかったのだから。 けれど、上重さんのそこはもうぐっしょりと濡れていて、べったりと恥丘に張り付いている。 盛り上がったクリトリスの形さえ分かるほどのそれは上重さんが欲情している何よりの証だろう。 漫「昨日のは随分と色気なかったからなぁ…♥今日のは特別やで…♪」 今度は腰を突き出すように姿勢を崩しながら、上重さんがクスリと笑う。 それはまだ俺が良く知る上重さんの領域に踏み留まりながらも、淫らなものを連想させる笑みだった。 普段の上重さんと、昨夜の漫が重なり…何処か誇らしげに自分の下着を魅せつけるその姿。 それに日常と非日常の境目が曖昧になり、頭がクラクラと揺れるように感じる。 漫「ほら…どう…?うちのパンツ…♥興奮…する…?」 京太郎「」コクコクッ 勿論、上重さんだって俺が興奮している事くらい気づいているはずだ。 でなければ、何処か挑発するように、尋ねてきたりはしないだろう。 だが、そうと気づいていても、俺の首は馬鹿みたいに上下して首肯を見せた。 それに上重さんは笑みを深くしながら、そっと手を離す。 京太郎「あ…」 パサリと言う音と共にショーツがスカートのヴェールへと隠されていく様に俺は思わず声をあげてしまう。 決して意図した訳ではないその呟きは思ったよりも大きく、脱衣所の中を震わせた。 まるで俺がそこに集中していた事を知らしめるようなそれに血液が顔に集まっていくのを感じる。 そんな俺の前で上重さんが頬を緩ませながら、ゆっくりと後ろを振り返った。 漫「そんな寂しそうな声あげんでええよ…♥ほら…ぁ♪」 そう言って、上重さんは俺に向かってお尻を突き出すような姿勢になった。 そのまま俺を誘惑するようにフリフリと左右へとお尻を揺する姿に俺の視線は釘付けになる。 流石に和ほど肉付きが良い訳ではないが、上重さんのお尻はとても小ぶりながら、美味しそうだ。 和のそれが埋もれるようにむしゃぶりつきたいとするならば、上重さんのそれは食い尽くすほどにむしゃぶりたい。 漫「やん…♥須賀君の視線…凄いエッチやで…♪」 京太郎「し、仕方ないじゃないですか…!」 そう言いながらも上重さんは決して逃げる事はない。 いや、それどころか、ゆっくりとその腰に手を当てて、スカートのホックを外した。 瞬間、拘束が外れてパサリと落ちていくその向こうに、さっき俺を興奮させた水色の布地がある。 クロッチの部分が変色した淫らなそれにもう一度、俺が生唾を飲み込んだ瞬間、上重さんの手がゆっくりとそこに掛かった。 漫「それじゃ…エッチな須賀君にご褒美…な…♥」 その言葉と共にゆっくりと上重さんの手が下がっていく。 ショーツの端を指に引っ掛けながらのそれは本当にゆっくりで、思わずもっと早く先が見たいと思わせるものだった。 その上、俺を誘惑するように休まずお尻が動き続けているのだから、たちが悪い。 思わず、その手に持っていた荷物をドサリと床へと下ろして、腕がそこへ伸びてしまうくらい、俺は興奮させられていた。 漫「あかんよ…♪おさわり禁止ぃ…♥」 京太郎「う…」 そんな俺の気配を感じ取ったのだろう。 上重さんは肩越しに振り返ってそう言いながら、腕の動きを止めた。 勿論、不自由な姿勢のまま固まっている上重さんに襲い掛かれば、強引に押し切る事も可能だろう。 だが、昨夜、色々とやってしまった経験が俺の中で歯止めを掛け、その腕を中空で立ち止まらせた。 漫「そう…♪ええ子やね…♥後で一杯、構ったげるから…♥」 俺が完全に止まった事を確認してから、上重さんはそっと微笑む。 媚と欲情が混ざりきったその顔はかなり頬が紅潮し、上重さんもかなりの興奮状態にある事を俺に知らせた。 そんな上重さんが一体、何をしたいのか、或いは何をさせたいのかは分からない。 分からないが…ここは上重さんの言葉を信じて、待つべきなのだろう。 漫「ほら…っ♪見えるで…っ♪もう少しで…うちのアソコぉ…♥」 そう考えた俺の意識を現実へと引き戻したのは吐息で途切れがちになった上重さんの言葉だった。 ハァハァと白いもやを吐き出す呼吸に合わせるようにして、下ろされていく下着の向こうにはもう肌色が見えている。 微かに筋が入ったその向こうに赤色の粘膜を覗かせるそこはやっぱりビチャビチャで、粘液が糸を引いていた。 興奮している所為かツゥっと何処までも伸びていくドロドロのそれがクチュリと淫らな音を立てる。 その光景に口が半開きになるほど惹きつけられた瞬間、粘液の糸が途切れ、俺の前に秘唇が晒された。 京太郎「う…おぉ…」 既に粘液で濡れたそこはテラテラと光り、ひくひくと紅潮した肌が揺れている。 それに感嘆とも興奮とも取れるうめき声をあげる俺の前で上重さんが誇らしげに笑った。 欲情を強く混じらせるそれはオスを誘惑できた事に確信を得たメスのものか。 例え、何であれ、それが心臓を鷲掴みにされるほど魅力的なのは事実だった。 漫「ほら…ぁ♪次は…須賀君の番やで…っ♥」 京太郎「は、はい…」 そうやって促す上重さんの意図はまだ分からない。 だが、こんなに魅力的な様を魅せられて、お返しもなしで良いと思えるほど俺は不義理な人間じゃなかった。 興奮で鈍くなった思考が命じるままに俺はそっと自分のシャツに手を掛け、ボタンを外そうとする。 しかし、あまりの興奮の所為か、俺の手は強張り、震えていた。 結果、ボタンを外そうとする目論見は上手くいかず、俺に何とも言えないもどかしさを与える。 京太郎「くそ…っ」 漫「もう…仕方のない子やなぁ…♥」 そんな自分の情けなさに思わず悪態が飛びでた瞬間、上重さんが俺へと近づき、その手がシャツへと伸びた。 そのままぷちぷちと手際よくボタンを外していくそれに羞恥心が燃え上がる。 自分で服も脱げないようなみっともなさを見せただけじゃなく、こうして服を脱がして貰うだなんて考えもしなかった。 だけど、それが擽ったいようで…決して不快ではないのはどうしてなのだろうか。 何だかんだ言って、上重さんが頼れる先輩として成長してきているのか、或いは男としてのプライドが揺らぐほど、俺が上重さんに心を許しているのか。 そのどちらもがありそうな気がして、俺はそっと肩を落とした。 漫「それじゃ…須賀君の逞しい身体御開帳…っ♥」 京太郎「逞しいってほどじゃないと思うんですけど…それに…」 そう言ってグワリと一気に俺のシャツを肌蹴させようとする上重さんにポツリと呟く。 けれど、それはどうやら間に合わなかったようで、俺の前で上重さんを呆然とさせた。 まるである日、コツコツ貯めていたが貯金が0になっていたようなその表情。 それに少しだけ心が痛むが、今、上重さんの前にあるのはどうしようもない現実だった。 漫「シャツやん…」 京太郎「そりゃ制服着てる訳ですし…」 漫「信じてたのに裏切られたぁ…」 クスンと鼻を鳴らしながら落ち込む上重さんはいっそ理不尽とも言えるだろう。 制服の上からでも気づいておかしくはないだろうに、勝手に期待して勝手に自滅したのだから。 そもそも普通で考えれば素肌にシャツを着こむなんて事はしないと分かるはずだ。 しかし、そういった理性的な思考が働かないほどに今の上重さんは興奮している。 それに胸の奥が疼く反面、少しずつ頭が冷静になっていくのを感じた。 漫「もうええもん…♪後で須賀君はぎゅうぅの刑な…♥」 京太郎「それが一体、どんなものかは分かりませんがすっごい理不尽な気がします…」 漫「大丈夫…っ♥須賀君もとっても気持ちええはずやから…な…♪」 そう言って上重さんは俺の胸板に爪を立てるようにしながら、ツゥゥと指を動かす。 くすぐったさと共に微かな快感が伝わってくるそれは魅力的で、俺の心臓がドキリと跳ねた。 それなのに俺の頭の中の冷たさは変わらず、思考も妙にクリアなままである。 そう言えば…本当につい最近、これと似たような状態になっていたような気がするが…何処だったか。 それが思い出せずに首を傾げた瞬間、上重さんがそっと俺の足元に跪いた。 漫「じゃあ…どうせやし、下もうちが脱がせてあげよっか…♪」 京太郎「…じゃあ、お願いします」 京太郎「(…あれ?)」 思った以上にスムーズに出てきたその言葉に俺はそっと首を傾げた。 何時もの俺であれば、多分、思いっきりどもるか、うめき声をあげていたところだろう。 それなのに、先の俺の言葉には動揺がなく、はっきりとしたものだった。 そんな自分に違和感を覚えるものの、それは形にならないまま霧散する。 漫「それじゃ…お口か、手か…どっちがええの…♪」 京太郎「そうですね…じゃあ、口でお願いします」 漫「ふぁぃ…♥んふ…♪お客さん通やねぇ…♥」 京太郎「自分からこういう事を言い出す上重さんほどじゃないですよ…っと」 俺がそう言った瞬間、上重さんの唇がそっとズボンのチャックを捕まえ、歯で拘束する。 そのままジィィと歯でチャックを下ろしていくその様に妙な達成感と支配感を感じた。 まるで調教が進んだ自分の雌奴隷を見るような歪んだその感情に俺の手は突き動かされる。 それを俺に奉仕するように跪いた上重さんの頭にポンと置いて、髪の感触を楽しむように撫で始めた。 漫「えへ…ぇ♥なんや…ちゃんと分かってるやん…♪」 京太郎「分かってるって事は…上重さんもこうされたかったんですか?」 漫「だって…これ…ドキドキするやん…♥須賀君に所有されてるって感じがして…安心する…ぅ♪」 尋ねる俺の言葉にそっと目を細めた上重さんの動きが止まる。 興奮よりも安堵を強く浮かべたその表情に嘘偽りは見えない。 きっと本心から俺の愛撫を受け入れ、ドキドキしてくれているのだろう。 そんな健気な上重さんの姿に俺の胸は一瞬、息苦しくなるほどの興奮を覚えた。 しかし、それでも尚、冷たいままの俺の頭は次に言うべき言葉を探り、跪いた上重さんへと投げかける。 京太郎「女の人って気を許した人じゃないと髪を触らせないって聞きますけど…」 漫「意地悪…♪分かってる癖にそういう事聞くんや…♥」 京太郎「そういうの好きでしょう?」 漫「うん…♪らい好きぃ…♥」」 俺がそう問いを投げかけたのは、上重さんが俺のズボンに口を押し当てた瞬間だった。 勿論、それも意図してタイミングを狙ったからである。 邪魔し過ぎるのはアレだが、少し行動を阻害されるくらいの方が上重さんは好みなのだから。 それは俺のトランクスを歯で引っ張り出しながら答える甘い声が証明しているのだろう。 漫「ん…もうビンビン…♥ん…れろ…♪」 そう呟く上重さんの言葉通り、俺のそこはもうかなり硬くなっている状態だった。 流石に完全に勃起しきっている訳ではないが、トランクスの中が窮屈に思える程度には興奮している。 そんな場所にゆっくりと顔を近づける上重さんの顔は幸せそうに蕩けていた。 まるで俺のチンポの匂いが大好きで堪らないと言わんばかりのそれに俺の胸は跳ね、その髪を優しく撫でたくなる。 漫「ふぁぁ…♥…ん…ふぅっ♪」 そんな俺の愛撫に声をあげながら、上重さんは器用にトランクスのボタンを口だけで外してみせた。 瞬間、中で反り返ったムスコがボロンと外へと溢れだし、上重さんの鼻先に当たる。 突然の俺の反撃に、しかし、上重さんは何も言わず、それを受け入れていた。 いや、それどころか、自分から顔をずいっと近づけ、スンスンと鼻を鳴らして匂いを嗅いでいる。 男の象徴であり、弱点でもある場所の匂いを嗅がれていると思うと気恥ずかしさと共に誇らしさを覚えた。 漫「こんなおっきくて…良い匂いがするもんがうちの中に入っとったんや…♥」 うっとりとして漏らすその声にチンポの根本から疼きが走った。 まるで軽い電流を流されたようにビクンと跳ねるそれに漫さんの陶酔が強くなる。 放っておいたら、そのまま俺のムスコにむしゃぶりついてきそうなほどの表情。 それに嗜虐心を唆られた俺はそっと上重さんの頭から手を離し、口を開く。 京太郎「それじゃ、時間も勿体無いですし…早く脱いでしまいましょうか」 漫「え…あ……う…うん…」 この期に及んで突き放すような俺の言葉に上重さんは目に見えて落胆を浮かべながら、そっと立ち上がった。 そのまま自分の服に手を掛けるが、チラチラとこちらの様子を伺ってくる。 その度に手が止まってしまうので、その作業は到底、順調とは言えなかった。 だが、俺はここで助け舟を出してやるつもりも、手伝ってやるつもりもない。 そう言うのはもうちょっと焦らして…上重さんがどうしようもなくなってからになってからだ。 京太郎「それじゃあ俺、先に入ってますからね」 漫「…あ…」 そんな上重さんを一人脱衣所に残しながら、俺はそっと扉を開いて家族風呂へと踏み入れる。 そこは木目の露出した壁と石の床で出来ており、中央に大きな檜を切り抜いたような浴槽がドンと横たわっていた。 そこに乳白色の温泉がちょろちょろと流れ込む空間は決して広い訳じゃない。 だが、大きく開いたガラス窓から山の景色が見えて、実際の空間よりも広々と感じさせる。 大人数で入れる浴場形式も好きだが、こういう少人数型も落ち着いた雰囲気で良いかもしれない。 そう思いながら、ひんやりと心地良い床を蹴れば、股間でブルブルとムスコが震える。 京太郎「(まぁ…裸だしなぁ…)」 流石にここまで勃起したものを借り物の水着に押し込める気にはなれない。 とは言え、歩く度にチンポが揺れる感覚は新鮮だが、妙に落ち着かなく、俺の肩をそっと落とさせた。 だが、それでもまったく萎える様子がないのはこれから先の展開に期待を抱いているからか。 そんな自分に微かに自嘲を感じるものの、俺はもう止まれない。 頭の中こそ冷たいままだが、身体はもう興奮で熱く、今にも上重さんに襲いかかってもおかしくはないくらいなのだから。 漫「う…」カラカラ そんな事を考えた瞬間、後ろで扉が開く音がする。 それにそっと振り返れば、そこには小さな手ぬぐい以外には何も身に着けていない上重さんがいた。 何時もつけている赤いゴムすら外したその顔は真っ赤で、その両足は何かに耐えるようにもじもじとしている。 その上、俺に何かを察してほしそうに媚を浮かべて、チラチラと見てくるのだから、堪らない。 まるで全身で苛めてほしいと主張するようなそれに俺の口は我慢出来ず、勝手に開いた。 京太郎「あれ?水着は着ないんですか?」 漫「わ、分かっとる癖に…そういう事言うのは卑怯やで…っ♪」 そう俺に向かって強気な言葉を放ちながらも、上重さんは何も隠さない。 いや、それどころか、手ぬぐいを持った両腕でその大きな胸を挟み込み、人並みより長い乳首をピンと張らせている。 微かに生えた黒色の茂みやその下でひくつく大陰唇まで俺に晒しているのだ。 そんな上重さんの言葉が俺に届くはずもなく、まったくと言って良いほど動揺しない。 寧ろ、逆に嗜虐心を唆られた俺はニヤリと意地悪い笑みを浮かべながら、言葉を放った。 京太郎「何がです?分からないんで俺にちゃんと教えてもらえますか?『先輩』」 漫「ん…ぅぅ…♥」 先輩と言う文字に強いアクセントを置いた俺の言葉に上重さんがブルリと震えた。 まるで今の一言で軽い絶頂を覚えたようなその様に俺は内心、クスリと笑う。 何処までも淫らに、そして可愛くなっていく上重さんの姿と言うのは俺に堪らない達成感を与えてくれるのだ。 何処か歪んだ、けれど、はっきりとした愛しさ混じりのそれに俺のムスコが跳ねた瞬間、上重さんがオズオズと口を開く。 漫「うち…もう我慢出来へんの…っ♪須賀君が欲しくて堪らなくって…水着とか…もう着けてられへんで…ぇ♥」 京太郎「欲しいってどういう事ですか?」 ポツリポツリと漏らす上重さんの言葉の意味が分からないほど、俺は鈍感ではない。 実際、俺だって同じ意味で上重さんが欲しくて仕方がないのだから。 けれど、折角、こうして上重さんが自分から身を捧げてくれたのだ。 ここで全てを察して、受け入れてあげる方が失礼と言う奴だろう。 漫「す…須賀君に…須賀君に甘えさせて欲しくて…っ♥」 京太郎「さっき撫でてあげたでしょう?まだ足りないんですか?」 漫「いやぁ…ちが…違うの…っ♥そうやなくて…昨日…っ♪昨日みたいに…うちを…うちをぉ…♥」 そう言ってブルブルと肩を振るわせる上重さんの瞳がジワッと潤み始めた。 焦らされている興奮とギリギリまで達した欲情が、もどかしさとなって上重さんの意識を揺らしているのだろう。 そしてそれを抑えきれなくなった身体が、涙となって放出しそうとしている。 それを感じさせる姿に潮時を悟った俺はそっと上重さんの方へと手を伸ばした。 京太郎「おいで、『漫』」 漫「~~~っ♥♥♥」 昨夜の関係に戻ろうとするような言葉にパァと顔を輝かせた上重さん…いや、漫が俺の元へと駆け出した。 それに一瞬、風呂場で走るなと言う言葉が飛び出そうになるが、それよりも先に軽い衝撃が俺の胸を打つ。 全面に感じる柔らかい感触に思いを馳せるまでもなく、それは漫が俺に飛び込んできたからだ。 決して軽くはないその振動に漫の衝動の強さを改めて教えられた俺はそっとその背中に手を回し、ゆっくりと抱き寄せる。 漫「京君は意地悪やぁ…♥」 京太郎「ごめんな。でも、漫が可愛いから意地悪したくなるんだ」 さっきまでとは打って変わって、幼く甘えてくる漫の姿。 それは本当に可愛らしく、俺の胸を何度も甘く疼かせた。 締め付けるような息苦しさとは少し違うそれは多分、愛しさと言う奴なのだろう。 それがまだ一人の女性としてか、或いは愛玩奴隷に近いものかまではまだ俺にも分からない。 俺の頭は冷静で思考の巡りも悪くないはずなのに、そういった所では思考がまったく働かなかった。 京太郎「(あぁ…そうか。俺…本当に興奮しているんだ…)」 頭の中だけが興奮から除外されているように冷たいままなのは決して俺が冷静だからじゃない。 寧ろ、煮えたぎるような興奮があるからこそ、俺の頭の中が冷えていく。 俺の中の嗜虐的な欲求を満足させる為に、漫を支配している実感を得る為に、被虐的な彼女を満足させる為に。 そのどれもが興奮に身を任せているだけでは決して達成し得ないものだ。 だからこそ、俺の頭は冷たく、そして何時もは言えないような意地悪なセリフが簡単に飛び出す。 そんな自分なりの興奮の仕方を一つ発見した瞬間、俺の胸に擽ったさが広がった。 漫「…一杯…いぃっぱいぎゅうってしてくれへんかったら許さへんもん…♥」 京太郎「あぁ。分かった」 スリスリと俺の胸板に頭を摺り寄せながらのセリフは到底、許さないと言っているようには思えない。 その言葉自体もうっとりとしていて、陶酔を強く感じさせるものだから尚更だ。 けれど、それをこうして素直に甘えてくる漫に言うほど、俺は鬼畜でも浅慮でもない。 頑張った分にはそれ相応の飴をあげるのが、基本なのだから。 漫「後…ちゅうもしてくれへんかったら嫌や…♥」 京太郎「はいはい…」チュッ 漫「むぅ…ぅ」 俺を見上げながらの可愛らしい要求に俺はそっとおでこにキスを落とす。 それに漫が不満気に頬を膨らますが、取りやってやるつもりはない。 幾ら鬼畜ではないと言っても、今の俺は決して優しい訳でもないのだ。 はっきりとオネダリをするまでは、ご褒美をやるはずがない。 それを俺の表情から察したのか、漫は頬を膨らましたまま思案げに俯いた。 漫「ちゃんとうちのお口にちゅーして…ベロベロして…京君のお口でレイプしてくれへんかったらやぁ…♥」 数秒後、漫が口にした言葉はこれ以上ないくらい淫らなものだった。 普段からエロ本を読みふけっている男子高校生ならばともかく、一体、何処からそんなセリフを考えだしたのか、気になるくらいである。 もしかしたら、俺は凄い人とこういう仲になれているのかもしれない、と言う遂行が頭を過るが、それに気圧される訳にはいかない。 あくまでも主導権は俺が握っていなければ、俺も漫も満足出来ないのだから。 京太郎「本当に漫はキスが好きだな…」 漫「らって…京君…甘いんやもん…ぅ♥」 実際、昨夜だって漫は何度もキスを求めてきた。 快感で溢れた涙が顔をぐしゃぐしゃになってもまだそれを欲してきたくらいである。 そして、最早、マトモに思考が働いているかすら曖昧になっていた時だけではなく、今もまたキスを要求されているのだ。 それだけ俺が漫にとってなくてはならない存在のような気がして、満足感が胸を満たす。 そしてそれが命ずるままに俺はそっと漫へと近づいていった。 漫「ん…ぅ…♥」 そんな俺の前でゆっくりと上を向きながら、漫が目を閉じた。 それと同時に微かに突き出された唇はプルプルしていて、とても艷やかである。 ささくれ一つない美しいそれに惹かれるようにして、俺の瞳も閉じていく。 そしてそのまま触れ合った唇同士からふにふにと柔らかい感触が伝わり、俺の胸をじんわりと暖かくした。 漫「はぅ…ぅ♪」 だが、それも数秒の事。 すぐさま俺の舌は漫の唇を割り、その口の中へと入り込む。 懇願通りのそれに漫が甘い声をあげ、背筋がブルリと震わせた。 まだほんの序の口とは言え、敏感な漫は快感を感じているのだろう。 そう思うと妙に漫が愛しくて、ふと笑みが漏れそうになった。 京太郎「(しかし…本当にドロドロだな…)」 漫の口の中は興奮の所為か、既に唾液で一杯だった。 ほんの少し舌が動くだけでねとねとと絡みつき、俺の味覚を刺激する。 まるでシロップのような透明な甘さを感じさせるそれは何時まで味わってても飽きが来ない。 寧ろ、味わえば味わうほどドンドンとそれが欲しくなっていくような魅力を持っていた。 漫「ふぅ…ぅんんっ♪」 そんな唾液がもっと欲しくて、歯茎を這いまわる俺の前で漫が吐息を漏らす。 熱っぽく、そして甘いその吐息は密着した俺の肌を擽った。 これがまったく気にしていない相手であれば、どれだけ美少女出会っても不快だろう。 だが、相手が俺の恩人であり、妻である漫であれば、何ら気にする必要はない。 寧ろ、何とも言えない心地よさを感じた俺はより熱心に漫の粘膜を這いずりまわった。 京太郎「(熱い…)」 そうやって漫の中を舐めれば舐めるほど、粘膜が熱くなっていく。 それと比例するように唾液の量も増え、ドロドロとした感覚も大きくなっていった。 下の口という表現があるが、今の漫は上の口も堪らないくらい貪欲なのだろう。 まるでオマンコを彷彿とさせるように唾液を滴らせ、粘膜を興奮で熱くしているのだから。 漫「んふぅ…♪んくうっ♥」 そんな漫が押し殺した声をあげた瞬間、俺の胸板に柔らかい感触が一気に広がった。 それは乳首が押し潰れそうになるのも構わずに、漫が俺へと抱きついたからだろう。 脚に絡むような肉の感触もそれを肯定し、俺の胸を熱くさせる。 京太郎「(本当…可愛いな…)」 まるで我慢のきかない子どものようにもっともっとと身を寄せて、甘えるような漫の姿。 それは嗜虐的なスイッチの入った俺にとっても変わらず可愛く映り、胸に宿った熱が衝動を生み出す。 もっとこの可愛らしいメスを愛してやりたい。 そんな支配的な衝動が命ずるままに、俺の両腕はそっと下へと下がり、漫の背中からお尻へと移動した。 漫「んんん~っ♥♥」 それに漫が驚いたような声をあげるが、抵抗まではしない。 鼻息荒く俺に口を開き、胸が広がるほど抱きついているままだ。 そんな漫に胸中で暗い笑みを向けながら、俺はぎゅっと指先に力を込める。 瞬間、柔肉がクニクニと形を変えて、指に絡みついてくるのを感じた。 京太郎「(こっちは…おもちよりも柔らかいのか)」 指を飲み込もうとするような柔らかさは、胸に広がる乳肉よりも若干、強い。 しかし、その分、張りは薄く、おもちのように指を跳ね返してくるような感触は薄かった。 とは言え、それは決しておもちに劣ると言う訳ではなく、まったく違った魅力を俺に伝えてくる。 もみ心地は僅かにおっぱいの方が上だと思うが、それがおっぱい信者である俺の贔屓目かどうか自分でも判別しがたい。 京太郎「(それに…もうこんなところまで濡れてる)」 後ろから鷲掴みにした尻肉の合間には愛液が広がって、微かに濡れていた。 恐らくそれはショーツを脱ぐ前に流れ出た愛液が残っていたのだろう。 しかし、汗とは違うそのネバネバとした液体が揉む度に指に絡む気持ちは正直言って素晴らしい。 クチュクチュと微かに鳴らす音さえも俺を興奮させようとしているようで、思わずムスコが熱くなった。 京太郎「(責めてるのはこっちのはずなのに…なんてエロい身体なんだよ…)」 愛撫している俺も高められ、興奮していく。 認めたくはないが、既にガチガチに勃起して、腹筋につきそうなチンポが何よりの証拠だ。 漫の柔らかなお腹との間に挟まれているとは言え、その興奮の殆どが俺の指先や口から湧き出たものである。 それに小さいものではあるものの、戦慄を覚えながらも、俺の愛撫は止まらない。 グニグニクチュクチャと淫らな感触をお互いに伝え続けていた。 漫「はぷ…ぅ♪んんぅ…♥」 そんな俺に向かって漫の舌が突き出され、絡んでくる。 まるで今まで余ってくれなかったことを責めるように、熱々の粘膜は俺の舌を舐め回し、円を描いた。 その感覚は歯茎や唇の内側を舐めるものよりも強く、ゾクゾクとした快感を俺に伝えてくる。 本能が愛し合っていると言う事を強く認識するようなその快感に俺の舌も動き出し、淫らなチークダンスを踊り始めた。 漫「ふ…ぅ♥ふぁ…ん…っ♥」 本格的に始まったディープなキス。 それに満足気な声をあげる漫の舌はさっきよりも幾分、甘かった。 ドロドロとした粘度まで強くするようなその甘さが一体、何処から来るのか俺には分からない。 だが、その甘露が堪らなく美味しくて、俺はドンドンとそのキスに夢中になってしまう。 京太郎「(昨夜は俺が責めてるだけだったからなぁ…)」 早い内から身も心もトロトロになっていた漫はキスを懇願してはいたものの、自分からこうやって舌を動かす余裕はなかった。 結果、俺は勝手気ままに漫の口の中を貪り、上と下の口を同時にレイプし続けたのである。 そんな俺にとって、舌と舌を絡ませるこのキスは初めての経験であり、舌を動かす度にのめり込んでいってしまう。 それが拙いと言う意識はあるが、もう俺の舌は止まらない。 甘露を滑るようにして、クチュクチュと音をかき鳴らし、漫の舌を味わうのだ。 京太郎「(とは言え…そのまんまじゃあまりにも芸がないよな)」 そう胸中で呟きながら、俺は腕をそっと持ち上げる。 重力に逆らうようなその動きに掴んだままの尻肉もそっと上へと持ち上げられていった。 自然、きゅっと締まったヒップラインが形成されるのを手の感触から感じる。 勿論、俺の目的はそのラインを作り出す事…などではない。 そうやって引き締まった尻肉を揉みしだき、さらに漫を追い詰める事にある。 漫「あぅふ…ぅ♪♪」 そんな俺の狙いは外れていなかったらしい。 キスを続ける漫の動きが鈍くなり、その口から耐え切れなかったように吐息が漏れる。 口の中で熟成されたそれは唾液の匂いでも篭っているのか、さっきのものよりも遥かに甘く、そして濃い。 まるでフェロモンそのものを漏らしたようなその甘さに俺の意識がクラリと揺れてしまった。 漫「んっくぅ…ぅ♥♥」 お互いに隙を見せる濡れ場の中で、先に復帰したのは俺ではなく、漫の方だった。 立ち止まった俺の舌を囲むように舌を動かし、クリクリと舌先を尖らせて弄ってくる。 前後左右に揺れるそれは俺にまったく新しい快感を与え、硬直を長くした。 それが不満だったのか、漫の腕が俺の首へと周り、口同士を密着させる。 漫「んんっ…♪♪」 甘えん坊の漫らしい、可愛らしくも淫らな行動。 それにようやく我に返った俺の舌が動き出し、漫に応え始める。 だが、2つの唇を隙間なく触れ合わせている今のキスはさっきよりも粘っこいものだった。 まるで呼吸そのものを捨ててキスに夢中になるような貪欲なそれに復帰したばかりの俺の意識が傾倒していく。 もっとキスをしたい。 もっと漫を味わいたい。 もっと漫を貪りたい。 まるで漫のような欲求を沸き上がらせる俺の愛撫はドンドンと嗜虐的に、そして激しくなっていく。 漫「ふぁうぅぅ♥」 それが最初に現れたのは俺の口だった。 密着するだけでは物足りないとばかりに広がり、漫の口を飲み込む。 まるで唇の内側で唇を愛撫しようとするようなそれに漫の口周りげベッタリと汚れていく。 漫の口から漏れた唾液よりも激しく彼女を穢す愛撫に、漫は何ら抵抗を見せず、寧ろ心地よさそうに肩を振るわせた。 今の漫にとってはもう俺の唾液は汚らわしいものではなく、寧ろ所有の証か何かに思えるのかもしれない。 そう思うと胸の奥がジィンと震え、感動とも愛しさとも言えないものが沸き上がってくる。 京太郎「(漫…っ!漫…っ!)」 その感情のままに胸中で漫の名前を呼びながら、俺の指先はゆっくりとお尻の奥へと進んでいく。 尻の谷間へと少しずつ進行するようなそれに漫が擽ったそうにお尻を振るが、決して逃げたりはしない。 寧ろ、密着した漫の太ももからは痙攣めいた震えが伝わり、漫が感じている事を俺に教えた。 それに一つ安堵しながら、俺は尻の谷間をそっと割り、そして揉み潰すように両側から圧力を掛ける。 漫「ぷぁぁっ♥ふぅぅぅっ♪♪」 昨夜、おっぱい相手にもやっていないような激しく、力強い愛撫。 グリグリと尻肉の可動域の限界近くまで弄ぼうとするそれに漫の口が一瞬、外れた。 それにやりすぎたかと思ったものの、次の瞬間には漫から俺へと接吻を捧げ、唇を近づけてくれる。 どうやた気持ち良すぎただけで決して厭うような意思はないようだ。 それに安堵と興奮を強めながら、俺の指先はぎゅっと尻肉を押しこみ、その感触を楽しむ。 漫「んふぅ…ぅ♪ふあ…ぁっ♪♪」 瞬間、まるで寒空の下にいるように漫の腰がブルリと震えだし、それが全身へと波及していく。 突然、スイッチが入ってしまったかのようなそれは俺にとって見慣れたものであった。 昨夜、俺の前で呆れるほどに漫が見せた可愛らしくも淫らな快感の極み。 絶頂とも呼ばれる女の幸せがすぐそこまで迫っているが故のそれに俺は小さな困惑を覚えた。 京太郎「(これだけでイくのか…)」 昨夜、数えきれないほど見たと言っても、それはセックスの真っ最中だった。 或いは執拗におっぱいに対して愛撫を繰り返した果ての事だったのである。 だが、今、俺の目の前で果てようとしている漫とは愛撫もキスも始めたばかりだ。、 かと言って、今、俺の前で漫が見せるそれは決して弱いものじゃない。 いや、寧ろ、昨夜最初に見せたそれよりは激しいような気さえする。 まるでセックスを経て、ドンドンと敏感になっていくようなそれに興奮と違和感を覚えた瞬間、漫の胸が動き出した。 漫「んぁ…あっ♪」 俺の胸板に押し当てた自分の乳房を左右に揺らすような身動ぎ。 それに硬い乳首が甘い軌道を残し、俺の身体を興奮させる。 だが、その発端となっている漫は俺以上に興奮し、そして感じているのだろう。 硬く凝った乳首が乳房の間でピクピクと疼いているのが俺にもはっきりと伝わってくるのだから。 京太郎「(そんなに漫はイきたいんだな…)」 淫らに上体を揺らしてまで快楽を求めようとする漫の姿。 それはほぼ間違いなく、間近に迫った絶頂をより強いものにしようとしているからなのだろう。 貪欲でドロドロの欲望が漫にそれを命じ、ひたすら高めようとしているのだ。 けれど、それが妙に悔しいと思うのは、それが俺自身の手によるものではないからか。 どうせ果てるのであれば、俺の手であって欲しい。 そんな独占欲とも支配欲とも言えない衝動に突き動かされた俺はそっと脚に力を入れる。 京太郎「(だったら…俺が凄いのをくれてやるよ…っ!)」 嗜虐的なその言葉が胸中に溢れるのと同時に俺の膝が漫の足の間を通る。 そのまま愛液が滴る内股を滑るようにして、膝が上へと上がっていった。 自然、その終着点は股間 ―― つまり秘所の真ん前である。 だが、敏感なそこを持ち上げようとするような俺の動きに容赦はない。 流石に蹴るほどの勢いはないにせよ、ぐいっとそこを押しこみ、オマンコ全体を刺激するだけの力はあった。 漫「っっ~~~~~っ♪♪♪」 敏感な女芯にいきなり押し当てられたオスの脚。 それがどれだけ気持ち良いのか、男である俺には分からない。 だが、それが並大抵のものではない事が、俺の前でブルリと震える漫の様子から伝わってきた。 四肢を硬直させるように固まったその身体には震えが走り、ぎゅっと縮こまっている。 それなのに口からは嬌声さえ飛び出さず、まるで快楽に耐えているようだ。 それが何となく悔しくて、漫の股間に押し当てられた俺の膝がゆっくりと前後に動く。 漫「ひぐぅぅぅっ♥♥」 それに耐え切れなかったかのように漫は俺から口を離し、快楽の声をあげる。 それはきっと俺の膝を微かに押し返す小さな豆のような部分が原因だろう。 所謂、陰核やクリトリスと呼ばれるそこは女性の性感帯の中でもかなりの上位に食い込むほどだ。 それを硬い膝で押し潰すように刺激されて、漫が耐えられるはずがない。 目を開けば、ぎゅっと俺へと縋りつくような腕は震えを飛び越えて痙攣を始め、その口からドロドロと唾液が零れ出した漫と目が合った。 京太郎「…漫、可愛いよ」 それは間違いなく、情けないものであり、人によっては軽蔑するものだろう。 興奮する人はあれど、その様を可愛いと受け止められるものはきっと少ないはずだ。 だが、そう思いつつも、俺の口から飛び出たその言葉は決して嘘なんかじゃない。 俺の脚でイってしまい、目元から涙を流しそうなくらい乱れている漫の姿が俺にとっては堪らなく可愛く…そして支配欲を擽られる。 まるで漫の可愛さに俺もまた堕ちているような感覚の中、俺は何度も膝を動かし、漫を喘がせる。 漫「ひぅぅっ♥♥あ゛あぁぁっ♪♪」 その度にケダモノめいた可愛らしい鳴き声をあげる漫の身体がぐったりと脱力していく。 絶頂の波も少しずつ引き、逆に力が入らなくなってきたのだろう。 縋るような腕は俺へと寄りかかるものへと変わり、時折、痙攣を走らせた。 それでも嗜虐心が萎えない俺は余韻を残す漫を抱きとめ、脚を動かす。 漫「やらあっ♥♥だめ…っ♪今はだめええぇっ♪♪」 そんな俺の耳に漫からの拒否するような言葉が届いた。 だが、ここまでやっておいて今更、ダメと言われても止まれるはずがない。 そんな事を言うのであれば、最初から誘惑しなければ良いだけの話だ。 そう責任を転嫁しながら、俺はグリグリとクリトリスを押し上げ、敏感な身体に快楽を注ぎ込む。 漫「だめ…ぇっ♥♥♥クる…来ちゃう…ぅっ♪♪きょぉくんっ♥離れ…ふぇぇっ♥♥」 京太郎「…え?」 そこでようやく漫が言っている言葉を誤解した俺は間抜けな声を返した。 だが、時既に遅く、俺の脚に何か生暖かい液体が吹きかけられる。 おずおずとそちらに視線を向ければ、鮮やかな黄色に染まった液体が俺の膝に伝って脚へと流れていった。 その源は…まぁ…言わずと知れた漫の股間であり…もっと言えば、尿道なのだろう。 何処か呆然とする気持ちでそれを悟った俺の胸に申し訳なさが沸き上がってきた瞬間、漫が震える声をあげた。 漫「見ん…といてぇっ♥おしっこするとこ…みちゃ…やぁぁっ♥♥」 必死に懇願するようなその声を聞いても、俺の視線は下から外れる事はなかった。 見てはいけないとは分かっているのにじっと漫が俺の脚に放尿するところを見てしまう。 そんな俺に涙を浮かべて漫が嫌がるが、一度始まった放尿は中々、止まらない。 チョロチョロと流れる生暖かい液体はそのまま数十秒ほど流れ続けた。 漫「ひぐっ…う…うぅ…」 京太郎「あ……ぅ」 それが収まった頃には漫が嗚咽を漏らし始め、その腕で顔を隠す。 明らかにやりすぎてしまった事を伝えるその姿に俺は何を言えば良いのか分からない。 勿論、謝罪しなければいけない事くらい分かっているが、どんな言葉が良いかまったく浮かんでこないのだ。 漫を辱める言葉は幾らでも浮かぶ癖に慰められない自分に心の中で悪態を吐いた瞬間、漫の唇がゆっくりと動く。 漫「ごめん…なさい…ごめん…うち…京君の事穢してしもうた…ぁ」 京太郎「あ…」 ポツリと漏れたそれはやりすぎた俺を責めるものじゃなかった。 いや、それどころか、放尿した自分を責めている事を感じさせる言葉だったのである。 それを聞いて、何も言えないようじゃ男失格だ。 そう自分に言い聞かせた俺の中で一つずつ言葉が形になっていく。 京太郎「大丈夫だ。俺は穢されたなんて思っていないから」 漫「で…ひくっ…も…ぉ」 京太郎「それにお漏らしするくらい感じてくれたんだろ?とても光栄な事じゃないか」 未だ嗚咽を漏らす漫の頭をそっと撫でながらの言葉は決して嘘なんかじゃない。 確かに驚いたのは確かではあるが、その光景から目を背けられなかったのは逆に魅入られていたからだ。 漫がお漏らしするくらい感じてくれているという姿に俺は夢中になっていたのである。 そんな俺が漫に穢されたなんて思う理由など何処にもなかった。 京太郎「寧ろ、俺の方こそごめんな。やりすぎて…漫の事泣かせてしまった…」 漫「あ…」 そう言って、漫の手をどけるように触れれば、涙を浮かべた彼女と視線が合う。 目尻に沢山、涙を溜めたその姿はそれだけ漫がショックを受けた証左だ。 そう思うと目を背けたくなるが、それは俺の罪同然である。 ここで目を背けるような最低の屑になりたくはない。 胸中でそう覚悟を固めながら、俺はそっと漫の頬を拭った。 京太郎「お詫びになるとは思わないけど…漫の事、綺麗にさせてくれ」 漫「う…ん…♥」 そんな俺の言葉に漫は頷いて、目を閉じてくれた。 言葉だけでなく、身体でも俺に任せる事を表現してくれる彼女に胸の奥が疼く。 良心の呵責と愛しさを半分ずつ混ぜ込んだその感情の正体は俺にも分からない。 だが、それから逃げてはいけないという感覚だけははっきりとあり、俺はずっと漫の頬を拭い続けた。 漫「えへ…♥京君はやっぱり…優しいなぁ…♥♥」 京太郎「そうか?」 それが終わった頃には漫の機嫌も治ったようで再び無邪気に俺へと身体を預けてくれる。 それに安堵する一方で、紡がれた言葉に胸が傷んだ。 本当に優しい奴ならやりすぎて、漫を泣かせる事だってなかったのである。 もっとちゃんとした可愛がり方をして、漫の事を絶頂へと導いてあげる事が出来たはずだ。 だが、俺は何の因果か、こういう愛し方しかしてやる事が出来ない。 そんな自分に自嘲を浮かべる俺の前で、漫が足元の桶を拾い、湯船からお湯を汲み上げた。 漫「優しいよ…♥だって、京君は…何時だってうちのして欲しい事してくれるんやもん…♥」 その言葉と共に俺に向かって、お湯を掛けながら、漫はそっと微笑んだ。 そこには嘘っぽさはまったく見えず、漫が本心からそう言ってくれているのを俺に教える。 だが、俺が漫を追い詰め、泣かせてしまった過去は変わりない。 そう言ってくれるのは嬉しいが、やはり信じ切れないのが本音だった。 漫「さっきのも…恥ずかしかったけど…すっごい気持ち良かった…♪おしっこしとるとこ見られとるのに…ゾクゾクして…♥♥」 京太郎「漫…」 そんな俺の前で漫がその微笑みを淫らなものへと変えていく。 微かに吐息を荒くするその肩に震えが走り、彼女の興奮を俺に伝えた。 それでも尚、俺を綺麗にする事を止めない漫の背中に俺の腕が反射的に伸びる。 そのまま抱き寄せた漫の身体は熱く、未だ冷め切らぬ興奮を宿しているのを感じさせた。 色々とアクシデントがあったものの、漫はまだまだ満足してはいない。 それを感じさせる言葉に俺はゴクリと生唾を飲み込んだ瞬間、俺の耳元にそっと漫が口を近づけた。 漫「これでうちにお漏らし癖がついたら京君の所為やからね…♥」 京太郎「はは…それじゃ、責任を取らないといけないな!」 漫「きゃんっ♥」 囁くような、誘惑するような、漫の言葉に俺はそっと屈んで、漫の事を抱き上げた。 人の愛しさと欲情を刺激するような事ばかり言う可愛らしい俺の妻にそっと笑みが漏れる。 これまで浮かべていた嗜虐的なものとは違うそれに漫もまた嬉しげに頬を緩ませてくれた。 それに胸の奥でジィンと心が震え、何かが奥から漏れ出すのを感じながら、俺はそっと片足をあげる。 そのまま浴槽の淵を超えて、脚がお湯に触れた瞬間、じんわりとした熱が脚から湧き上がるのを感じた。 京太郎「寒かっただろ?ごめんな」 漫「ううん…♥京君と抱き合っとったから全然、寒ぅなかったもん…♥」 溢れ出るような湯気と興奮した漫の身体で暖まっていたとは言え、ずっと裸で居た身体は思った以上に寒かったのだろう。 それをお湯の温度から察した俺が漫に謝罪するが、彼女はそれに健気な言葉を返してくれた。 俺も同感ではあるが、そうストレートに言われるとやっぱり照れてしまう。 それと同時に漫の事が愛しくなってしまう辺り、俺の根はやっぱり単純なんだろう。 けれど、自嘲気味に浮かべたそれが妙に嫌ではなく、俺の笑みは濃くなった。 漫「んんん~っ♪♪」 とは言え、やっぱり漫の身体も俺と同じく冷えていたのだろう。 お姫様抱っこの姿勢でお湯に浸かった漫の肌はブルリと震え、心地よさをアピールした。 快感とはまた違ったそれをはっきりと表現する素直な彼女をゆっくりと底へと下ろそうとする。 漫「やぁ…♥放したら嫌やぁ…♥♥」 だが、それよりも先に漫の両腕が俺の首筋へと周り、きゅっと抱きついてくる。 そのまま解放された身体をお湯の中でグルリと回しながら、向き合うように俺の脚に座った。 対面座位を模すようなそれに俺は昨夜の出来事を思い出し、ピクンとチンポが反応する。 ガチ勃起のまま放置されているムスコの主張は俺だけではなく、漫にも届いたのだろう。 向き合う漫の表情に甘いものが浮かんだかと思うと、そっと身体を寄せて、俺に密着してくる。 漫「京君の…こんなに硬いまんまや…♥♥」 京太郎「うあ…」 そのままスリスリとお腹を揺するその刺激に俺は思わず声をあげてしまった。 さっきのキスで追い詰められていたのは決して漫だけではなかったのだろう。 あまり意識しなかったが、俺のチンポも興奮で張り詰め、今すぐ射精してもおかしくはなかった。 それを否応なく意識させる漫の柔らかなお腹の感触に思わず、ムスコを押し付けたくなってしまう。 漫「うちのお腹ずり…気持ちええ?」 京太郎「良すぎて射精ちゃいそうだ…」 漫「うふぅ…♥♥」 正直な俺の言葉に満足気なため息を吐きながら、漫はそっと微笑んだ。 淫らなものをより強くするそこには微かな陶酔すら混じっている。 被虐的な性質が強いとは言っても、漫はそうやってオスを感じさせる事に喜びを見いだせるタイプなのだろう。 意外とフェラチオとかも好きな方かもしれない。 そんな事を思った瞬間、漫の身体がそっと俺の元から離れた。 漫「ここはお風呂なんやから、そういう事したらあかんよぉ♥」 正論過ぎるほど正論な言葉を紡ぎながら、漫はクルリと振り返る。 浴槽に背を預ける俺に対して、そっとお尻を向けるようなそれに視線が吸い寄せられた。 それを敏感になった漫は感じ取ったのだろう。 俺に淫らな笑みを向けながら、その両手でゆっくりと秘唇を広げた。 漫「射精するんやったら…うちのここに…ね♥♥」 くぱぁと音を立てて、左右に開かれた真っ赤な粘膜は既にドロドロになっていた。 温泉とはまた違った粘ついた液体で溢れたそこは性的な意味でとても美味しそうである。 特に俺の目を引くのはその真ん中から少し外れた場所にある大きな穴だ。 漫の呼吸に合わせるようにしてくぱくぱと開閉するそこはオスを誘っているようにしか見えない。 愛液で濡れたその穴にムスコを突っ込めば、気持ち良くなるという事を視覚的に訴えているようなそれに俺は思わず生唾を飲み込んだ。 京太郎「それは漫が中で射精されたいだけじゃないのか?」 漫「えへ…っ♪そうやで…♥うちはもうずっと前から京君のオチンポ欲しくて堪らんの…っ♥♥」 その興奮を隠しながらの俺の言葉に淫らな返事を返しながら、漫がそっと腰を振るう。 まるで誘惑しているようなその動きではあるが、俺に振り返るその瞳は懇願と媚に濡れていた。 まだ何か足りないと訴えかけるようなそれに俺は一つ肩を落としながら、口を開く。 京太郎「まったく…漫はダメな子だな」 漫「んっ♪ふぁぁい…っ♥うちはダメな子なんっ♥京君と一緒にいるだけで…オチンポ欲しくなっちゃうダメな子やからぁっ♪♪」 そこで言葉を区切る漫の意図を俺は何となく察する事が出来た、 やっぱり被虐的であるとは言え、漫の本質は甘えん坊なんだろう。 今の漫が求めているのはただ、彼女を責め立てるものではなく、甘える事を許してあげる事だ。 そして、それを漫に与える事に俺も異論はない。 何せ、俺のチンポはもうさっきから痛いくらいに疼き続け、俺の思考を揺さぶってくるのだから。 それを愛しい妻が受け入れてくれるのであれば、甘い言葉の一つや二つくらい簡単に口に出来る。 京太郎「おいで、漫。後ろからぎゅってしてあげるから」 漫「あぁ…あぁぁっ♥♥」 そんな俺の言葉に漫は背筋をブルリと震わせた。 その瞬間、ぎゅっと肉穴が締まり、奥から透明な粘液がトロリと漏れだす所が見える。 その周囲までも微かに痙攣しているところを見るに、もしかしたら軽くイッているのかもしれない。 そう思う俺の前で漫の腰はゆっくりと俺に向かって落ち、ぴちゃりとお湯へと浸かった。 漫「きょぉくんっ♥きょうくぅんっ♥」 京太郎「大丈夫。分かってるから」 漫「んふぅ…あぁっ♪」 そのまま俺を甘く呼ぶ漫に頷きながら、俺はそっと彼女の身体を両腕で受け止めた。 もう感じ慣れたその重さに思わず頬を緩ませながら、俺は漫の位置を補正する。 後ろ向きになった漫がちゃんと挿入出来るように整えながらのそれに彼女が幸せそうな声をあげた。 その瞬間、開かれた粘膜に亀頭の先がピタリと触れて、漫の口から嬌声が放たれる。 京太郎「漫、分かる?俺のチンポがそこにあるの」 漫「分かる…でっ♥京君のオチンポぉっ♪うちの…大好きな…オチンポ…っ♥」 恐らく昨夜の事を思い出しているのだろう。 触れただけで漫の言葉はトロトロになり、うわ言めいた言葉が漏れ出した。 可愛らしくも淫らなそれに俺がそっと力を抜けば、肉穴に触れたムスコが漫の体重で飲み込まれていく。 瞬間、温泉よりも遥かに強い熱が俺のチンポを包み込み、背筋にゾクリとした快感を流し込んだ。 漫「ひあ…あぁぁ…あぁぁっ♪♪」 温泉が生み出す浮力の助けがあっても、その挿入は決して緩やかなものじゃなかった。 それは昨夜、漫が何度も達した所為で、俺のムスコに慣れていたからなのだろう。 昨日まで処女だったとは思えないほどのスムーズさでグイグイと飲み込んでいく背筋はブルブルと震えている。 その中にきっと強い快感が流れているのだろうと思うと妙に愛しく思え、中でムスコがピクンと跳ねた。 漫「ひぎぃ…う…ぅぅぅぅっ♪♪♪」 その瞬間、肉棒に何か柔らかな壁が立ちふさがり、侵攻が遮らえた。 肉厚でぽってりとしたそこはピクピクと震えながら、チンポに吸い付いている。 まるでもう一つの口のように情熱的なキスを繰り返すそこは漫の子宮口なのだろう。 背筋を反り返らせながら、アクメを貪る漫の姿からもそれは分かった。 京太郎「相変わらず、ここが弱いんだな」 昨日の様子から漫のそこが並外れた性感帯である事は分かっていた。 それは今日も変わっていない事に俺は強い支配感を覚える。 何せ、漫はつい昨日まで処女であり、俺以外に男を知らないメスなのだ。 そんな彼女の奥を開発したのは間違いなく俺である。 それが今もこうして続いている姿を見ると、自分が漫に刻み込んだ快楽の深さが良く分かり、胸の奥が暗い充実感で満たされた。 漫「京君の所為…やぁ♥京君がうちのそこ一杯いじめるから…うちもう…覚えたぁ…♥チンポ覚えちゃったんやもん…っ♪♪」 そんな俺の感情に気づいているのか、いないのか。。 漫の陶酔と媚に満ちた甘い声は俺の嗜虐的な部分を刺激する。 俺に教えられた事が嬉しくて仕方がないと言うような声に俺の笑みが濃くなった。 勿論、それを背面座位の状態でセックスしている漫に伝わるはずがない。 しかし、漫の中はキュンキュンと悦ぶように俺のムスコを締め付けてくる。 被虐的で献身的なそれはとても気持ち良く、チンポの中がじんわりと暖かくなっていった。 京太郎「俺は覚えてくれなんて一言も言ったつもりはないけれどな。漫が勝手に覚えただけだろ?」 それを隠しながらの言葉は嘘ではないが、真実とも言い切れないものだった。 そんな事を言った事はないのは事実ではあるが、俺にそういう意図がないとは言えない。 いや、寧ろ、必死になって漫の弱点を探したりしていた辺り、そのつもりは間違いなくあったのだろう。 だが、それを漫に一々、伝えるつもりはなかった。 こうして俺に背中を預ける漫が求めているのは真実ではなく、嗜虐的な言葉なのだから。 漫「ふぁぁ…ぅんっ♥そう…やけど…ぉ♪」 京太郎「けど?」 実際、俺の突き放すような言葉に漫の背筋が震え、返事も途切れがちになっていた。 その先を促すように言いながら、俺は漫のお腹をそっと抱く。 豊満な胸を下から支えるようなその拘束に漫が熱い吐息を漏らした。 甘えん坊の漫にとって、こうして後ろから抱きかかえられるのはとても幸せなのだろう。 それは俺のチンポを奥まで咥え込んだ淫肉がピクンと微かに跳ねて締め付け方を変えた事からも伝わってくる。 漫「京君やなかったら…うちだってこんな風にならへんもん…っ♥」 そんな俺に答えるのは拗ねたような漫の言葉だった。 だが、それは精一杯、取り繕うとした偽りのものである事が俺にはすぐに分かる。 その言葉は微かに震えて、また漫の手は俺の腕に押し当てられたのだから。 まるで俺の腕を逃がすまいとするようなそれは拗ねていては決して出来ないものだろう。 意地悪をされているから拗ねて見せているだけで、漫の本心は悦んでいるのだ。 京太郎「こんな風ってどんな風なんだ?」 漫「そ…れはぁ…♥その…チンポ挿入れられて…すぐにイッちゃったりぃ…♪」 京太郎「それだけか?」 漫「ひうぅぅ…っ♪」 実際、漫は俺の問いかけにも素直に答え、自分の欲情を知らせる。 まるで偽ることを知らない子どものような幼いそれに俺の胸が熱くなった。 そんな胸の中で中核を成す支配欲が命ずるままに、俺は漫の耳元で囁くように尋ねる。 それに漫は背筋をブルリと震わせながら、艶のある声を漏らした。 漫「あぁ…嘘ぉ…♥こん…なぁ…ぁっ♪♪」 しかし、それはさっきまでとは違い、胡乱な声へと変わっていく。 まるで自分の中で信じられない事が起こっているようなそれと共に媚肉がキュッと締まった。 奥にある肉棒を逃がすまいとするようなその拘束は強く、そして甘い。 ドロドロになった粘液を押し付けるように肉襞が蠢き、俺のムスコへと絡みついてくる。 それに耐え切れなくなった俺が漫と同じように吐息を漏らした瞬間、彼女の身体がグッと強張り、全身に震えを走らせた。 京太郎「…イッた?」 漫「ん…ぅ…♪イっちゃったぁ…♥」 俺はまったく動いちゃいない。 上に漫が身体がのしかかっているから動けない…とまでは言わないが、かなりの労力が必要な事くらい分かっているのだから。 まだまだセックスが続く以上、こんなところで下手に動いて体力を消費するつもりはなかった。 故にそれは本来あり得ないはずの絶頂であり、間近で見て、そして感じた俺にも信じられない。 だが、熱い声で答える漫に嘘を吐くメリットなどあろうはずもなく、俺は感心と共に興奮を覚えた。 京太郎「意地悪されただけでイくとかどれだけマゾなんだよ」 漫「ち、違…ぅもんっ♥これ…京君の事全身で感じられるからっ♪そっちの方が大きいもんっ♥♥」 京太郎「そっちの方がって事は俺に意地悪されて善がってるのは否定しないんだな?」 漫「う…ぅ…ぅ♪♪」 追い詰めるような俺の言葉に漫の耳まで赤く染まった。 幾ら漫とは言え、言葉だけでイッたと言うのは認めがたいのだろう。 顔を赤くするそれは興奮よりも羞恥の色が強く感じ取れた。 もうこんな関係になっているというのに今更感すらある漫のその様子に俺はそっと顔を綻ばせる。 一度、スイッチが入れば痴女もかくやと言わんばかりの勢いで誘惑してくる漫がどうしてそう恥ずかしがっているのかが分かったような気がしたからだ。 京太郎「…安心しろって。俺は漫がどれだけマゾでも幻滅したり嫌いになったりしない」 漫「ホント…?」 京太郎「当たり前だろ。寧ろ、俺は割りと意地悪な方だから…エッチな漫がとても可愛らしく見えるよ」 俺に尋ねる漫の声には確かめるようなものが強く混じっていた。 俺の事を信じているとは言え、目覚めつつある自分の本性に強い困惑を覚えているのだろう。 そんな漫を受け入れるような言葉は決して嘘じゃない。 俺の微かな仕草や言葉でもイッてしまうほど淫らになっていく漫が逆に堪らなく愛おしいくらいだった。 漫「きょぉくぅん…っ♥♥」 京太郎「ほら、暴れるなよ。またイくぞ」 漫「そやけど…ぉっ♪そんなん言われたら…うち我慢出来ひんもんっ♥」 そう言いながら、漫はお尻を左右に揺らす。 身体の重心を僅かにずらすようなそれに子宮口とムスコが擦れ合う。 肉厚な唇に吸い付かれたままのその刺激はとても気持ちの良いものだった。 無理矢理、漫を犯すようなものとは違う安堵混じりの暖かな快楽に俺は静かに身体が昂っていくのを感じる。 漫「もっと甘えたいのにぃ…っ♥京君のオチンポ我慢出来ひんぅっ♪♪」 そんな俺とは対照的に漫の口には微かな憔悴が混じっていた。 甘えん坊でマゾヒスティックな漫にとって、そのどちらも大事で捨てきれないものなのだろう。 結果、どっちつかずの身動ぎしか出来ず、それが憔悴の種となっている。 だが、どっちを選んでも不満が残るのが分かっているだけに、選ぶ事は出来ない。 それは艶めいた声にも悔しさが滲み出ている辺りから察した推測でしかないが、恐らくそんなところだろう。 漫「きょぉくぅ…ぅぅんっ♥♥」 そう俺に向けられた漫の声はさっきのそれよりも懇願の色が強いものだった。 恐らく、自分ではどっちかを選ぶ事が出来ないので、俺に選んで欲しいと思っているのだろう。 だが、そんな風に言われても、俺が何かを選ぶはずがない。 今の漫にとって現状維持が一番、辛いと分かっているだけに俺は何も言わず、ただ、漫の愛撫に身を任せ続けていた。 漫「意地悪やぁ…♪京君は意地悪ぅ…♥」 京太郎「そんなの前から分かってる話だろ」 そもそも事の発端となった昨夜の時点でも、俺は漫を辱めようと色々と趣向を凝らしたのだ。 そんな俺が一日経ったからと言って、優しくなるはずがない。 寧ろ、漫がどれくらいまでの範囲を許してくれるかというのが、手探りながら分かってきたお陰で、より嗜虐的になっているかもしれないくらいだ。 そんな男に優しさを求める方が間違っている。 京太郎「優しくされたいだけなら、今からでも別の男の所に行けば良いさ」 漫「やぁぁっ♪いやぁっ♪意地悪でも京君がええのぉっ♪♪京君とセックスするのぉっ♥♥」 突き放すような俺の言葉に漫は首を左右に振って、いやいやをする。 俺の腕を抑えるその手に力が入った辺り、本気で嫌がっているのかもしれない。 それに胸の奥が感動でジィンと震えるのを感じながら、俺はそっと抑えられた腕を動かし、漫のお腹を撫でる。 京太郎「じゃあ、漫は意地悪な俺が好きなんだな?」 漫「そう…やぁっ♥うちは…意地悪な京君が好きですぅっ♥♥京君に意地悪されると…子宮キュンキュンすんのぉっ♪♪」 言い寄るような俺の言葉はともすれば、自意識過剰と笑われかねないものだろう。 だが、漫はそんな俺を笑うどころか、うっとりと身体を預けながら好きだと言ってくれた。 勿論、セックスの最中の好きや愛に本気になる方がどうかしている。 しかし、漫に好きだと言わせたと言う達成感が俺の中ではっきりとした快感となり、腰の奥で蠢き始めた。 漫「京君はどぉっ♪素直なうちの事…好きぃ?愛して…くれとるぅ…ぅ?」 京太郎「…」 その言葉に俺はすぐさま返事を返す事が出来なかった。 勿論、ここで適当に突っぱね、漫を辱める方向へ進む事も出来るだろう。 実際、俺の頭の中に浮かんだのは、そう言った類のものだった。 けれど…漫の言葉が…ただの興奮に背を押されただけのものではないと思ったからだろうか。 真剣に答えを求められているような気がして、俺の思考に耽った。 京太郎「(だけど…俺は…)」 流石に好きでもない女性を二度も抱くほど倒錯していないし、漫の事は勿論、好きだ。 幾らか流されているのは自覚しつつも、とても魅力的な女性だと思っているし、恩義も感じている。 だが、それでも素直に頷けないのは心の中にずっと残り続けていたある一人の女性の所為だった。 俺が真っ先に傷つけ、そして今も一人苦しんでいるであろう大事な大事な人。 未だに仄かな恋心を寄せる和の姿に俺は言葉を詰まらせてしまう。 京太郎「……好きだよ」 それでも絞り出した声に嘘はなかったと思う。 たった数日の付き合いではあるが、俺は漫に惹かれ、好意を向けているのは確かだ。 ただ…それが恋人に向けるべき一番の好意であるかどうかまでは確証が持てない。 そんな情けない自分の姿に胸中で悪態が漏れるが、それを表に出す訳にはいかなかった。 今は自分の優柔不断さを断罪する時ではなく、お互いに気持ちを高め合い、愛し合う時間なのだから。 漫「……それやったら…うちらは相思相愛やんな…♥」 京太郎「そうだな。でも、結婚してるんだから今更だろ?」 漫「ぅん…っ♥そうやね…♥」 最早、形骸化した設定を持ち出しながら、俺の胃は微かに傷んだ。 俺の迷いに気づいていないかのように漫はその背中を震わせている。 安堵と幸福感を感じている事を伝えるようなそれは答えを出せなかった俺には眩しすぎた。 思わず目を背けたくなるような小さく歯を食いしばりながら、俺はザバリと立ち上がり、漫に浴槽の縁に手を掛けさせる。 漫「京君…っ♥」 京太郎「ごめん。俺はもう我慢出来ない…!」 それは半分ウソで半分が本当だ。 漫の中は蕩けそうなほど気持ち良くって、昂った身体が射精前に快楽を欲しているのは本当である。 だが、俺がそうやって我慢出来なくなったのはその欲求の所為ではない。 眩しいほどにストレートな喜びと幸せを伝えてくる漫の姿が見てられず、逃げるように快楽を求めてしまうのだ。 漫「ひやぁぁああぁっ♪♪」 そんな俺の抽送に漫が喉を震わせるように鳴く。 それまでずっと動く気配のなかったムスコの攻撃にぐじゅぐじゅになった肉穴は戦慄いていた。 焦らされた所為か、昨夜よりも熱くて粘ついた媚肉はとてつもなく気持ち良い。 滑るようにチンポが動く度に張った肉襞が絡みつき、熱い刺激を俺に与えてくるのだから。 和の優しく包み込むそれとは違い、どこもかしこも肉襞の感触を強く感じるオマンコに俺は… ―― 京太郎「(何を…考えているんだ…こんな時に…!)」 今はあくまでも漫とセックスする時間だ。 お互いに相手の事だけを考えて、興奮に身を任せる為の時間である。 そんな中、比較とはいえ、別の女性のことを考えるだなんて失礼だ。 そう自分を戒めるものの、一度浮かんだ思考は中々、なくなりはしない。 それから逃げるように俺はぐっと漫の腰を掴み、後背位のまま漫の中を責め立てる。 漫「これらめぇっ♥奥来るぅっ♥ズンズンってストレートに奥ぅぅっ♪♪」 そんな俺の抽送に漫が感じてくれているのが救いだった。 俺が逃げている事が決して無駄なだけではないと思えるから。 勿論、それは俺の錯覚であり、ただ漫を逃げ場にしているだけの最低な論理だ。 そうと分かっていても、みっともない俺の逃避は止まらない。 そしてまた淫らに声をあげて快楽をアピールする漫に昂ぶる身体も止まらず、何度も何度も漫に腰を打ち付ける。 漫「これケダモノぉっ♥ケダモノセックしゅぅ…っ♥」 京太郎「あぁ、そうだ。漫の大好きなケダモノセックスだぞ…っ!」 漫「んひぃぃぃっ♪♪」 そう口走りながら俺は漫の上にのしかかるようにして姿勢を変えた。 自然、ムスコの角度も変わり、斜め上からチンポを突き下ろすようなものへと変わる。 勿論、その先にあるのは昨夜、俺が発見した漫の弱点だ。 昨夜、嫌というほど責め立てたお陰で、恐らく子宮口と並ぶほど敏感になった場所への刺激に漫が悲鳴のような嬌声をあげる。 漫「イくぅっ♥それイくぅぅぅんっ♥しょれしゅごいからぁっ♪♪うちもイッちゃうう…ぅぅぅんぅ♥♥」 そんな甘い叫び声と共に漫の背筋が痙攣を走らせる。 微かに反った美しい背筋のラインを魅せつけるようなそれに俺の興奮も高まった。 肉棒が押し当てられる媚肉の壁もひくひくと蠢き、締め付けを強くする。 漫の言葉以上に、強い絶頂を教えるその反応。 それに構わず、俺は腰を使い、漫の中を抉り続ける。 漫「イッてるぅっ♪♪イッへるのにレイプぅっ♥きょぉ君とらぶらぶれいぷぅぅっ♥」 そんな俺の前で漫がさらに蕩け、グチョグチョになっていく。 その言葉などは最早、脈絡すらないものになり、漫が思考すら出来ていない事を何より表現している。 だが、そうやって蕩けた声がオスの本能を何よりも擽り、俺の吐息を荒く、激しくしていった。 京太郎「漫…いい匂いだ…」 だが、そうやって興奮を冷まそうとするように激しい呼吸を繰り返しても、身体はまったく落ち着かない。 勿論、それは俺が未だ腰を振るい続け、漫を貪るように犯していると言う事も無関係ではないのだろう。 しかし、ソレと同じくらい俺を興奮させているのは漫から立ち上るようなメスの匂いだ。 温泉の硫黄臭さにも負けない甘くてトロトロとしたその匂いは呼吸する度に俺の脳へと入り込み、そこで甘いものを広げていく。 漫「きょぉ君もしゅごいんっ♥はつじょぉフェロモンぶわぁって来るぅっ♪♪おむねの中トロトロぉ…♥♥」 それに答える漫の言葉は、加速度的に蕩け、もう何が言いたいのかさえ朧気になっていた。 しかし、それでも漫が俺の匂いに喜んでくれている事だけははっきりと伝わってくる。 それに胸の奥が擽られるように感じながら、俺の腰は激しくなり、漫をさらなる快楽へと突き落とそうとした。 漫「あ゛っ♪♪あぁぁっ♪♪ふあぁぁぁぁっ♥♥」 中腹から奥へと抉りながら移動する肉の塊。 激しさを増したその肉に漫がまた絶頂へと達する。 しかし、オルガズムが収まりきっていない中、達したそれはさっきよりもさらに激しいものだったらしい。 俺と触れ合う漫の可愛らしい脚はカクカクと揺れ始め、今にも崩れ落ちそうになっていた。 京太郎「漫…倒れたらお仕置きだからな…っ」 漫「い゛ぅぅぅっ♥♥」 そんな漫の耳元で囁いた瞬間、彼女は震える声をあげながら、さらにイッた。 俺が分かるだけでも既に片手で数えられないほど、漫はイっているのである。 その身体はとても敏感になり、一突き毎にイッていてもおかしくはないくらいだ。 その上、耳元でこんな言葉を囁かれて、被虐的な漫が我慢出来るはずがない。 それでもまだ必死に脚を踏ん張って、立ち続けているのが不思議なくらいだ。 京太郎「(だから…もっと堕としたくなる…!)」 生意気にも俺の前で我慢しようとしている漫の姿にそんな事を思った。 勿論、俺だって、そうやって漫が必死に我慢しようとしているのは俺がお仕置きだなんて口にしたからだと分かっている。 だが、こうして漫を貪る事で頭が一杯になっている俺にそんな正論が届くはずがない。 自分勝手な論理で嗜虐心を燃え上がらせながら、俺はぎゅっと腕に力を込め、漫の腰を自分の方へと引き寄せる。 漫「しょれぇ…っ♪しょれあかんぅぅぅっっ♪♪」 瞬間、漫が頭を振りながら、叫ぶようにそう言う。 しかし、その腰は逃げる様子はなく、俺の好きなように使われているままだった。 ならば、その『ダメ』は崩れ落ちてしまうが故の『ダメ』なのだろう。 そう判断した俺は漫の後ろで暗い笑みを浮かべ、彼女を何度も責め立てた。 漫「出りゅからぁっ♥♥しょれされりゅとあちゅいの出るぅんっ♪♪」 そんな俺の耳に漫の必死な訴えが届くものの、俺はそれを止めるつもりはなかった。 何せ、既に漫はさっき失禁している訳である。 コレ以上、身体が緩んだところで、さっきのように失禁する事はないだろう。 ならば、漫が漏れると言うそれは恐らく潮だ。 京太郎「俺は見たいよ…漫の潮吹き」 漫「らめぇっ♪だって、ここおんしぇんぅ♥お風呂…ぉっ♥♥」 確かにこんなところで潮を吹いてしまったら、温泉と混ざって分からなくなるかもしれない。 だが、そんな事で俺が今更、止まれるはずないし、何より、止まるつもりもまったくなかった。 寧ろ、そうやって必死に我慢しようとする漫の意識を粉々にしたくて、俺の手はそっと秘所の入り口へと伸びる。 漫「ひぃ…~ぃぃ゛ぃい~っ♥」 そのまま皮をかぶったままのクリトリスを上から指で押しつぶした瞬間、俺の手に熱い何かがかかった。 漫が腰を跳ねるように動かす度に入り口から吹き出して、チョロチョロと音を立てるそれは間違いなく潮だろう。 そしてそれと同時に俺がまた一つ漫に白星を重ねた証だ。 それが歪んだ思考であるという意識はあれど、最早、俺は立ち止まれない。 寧ろ、もっとその証が欲しくて漫の陰核をクリクリと弄り出した。 漫「クリちゃんあかんんぅぅう゛っ♪♪まら潮吹きしゅるからぁっ♥♥ぴゅぴゅするからぁぁっ♪♪」 京太郎「一度も二度も同じだろ?だったら…またイけば良い」 俺が冷たい言葉を放った瞬間、漫のそこからまた潮が吹き出した。 どうやら一度、やってしまった所為で締りが緩くなっているらしい。 それに暗い喜悦を覚えながら、俺は漫のクリトリスを転がり、中を抉る。 中と外からの同時攻撃に漫は何度も達し、俺に心地良い悲鳴を聞かせてくれた。 京太郎「ほら、そろそろ脚に力が入らなくなってきたぞ」 そんな状態が一分も続いた頃には漫の脚はもうガクガクで俺が補助しなければ、立っていられるか怪しいものになっていた。 後背位の状態で結合しているのでその顔までは分からないが、きっと今の漫は涙と汗でグチョグチョになった可愛らしい顔をしているのだろう。 昨夜も堪能させてもらったその顔を想像するだけでチンポがピクンと跳ねるが、今はそれに構っていられない。 折角、ここまで漫を追い詰めたのだから、このまま堕としてみたいという気持ちの方が強かった。 京太郎「もう少し頑張らないと張り合いがないじゃないか」 漫「ひぐぅぅぅぅっ♪♪♪」 揶揄するような言葉と共に子宮をゴンと押し込んで、グリグリと擦る。 まるでムスコの味を教え込もうとするようなそれに漫の口から叫び声が突き出た。 恐らくまたイッてしまい、アクメを貪っているのだろう。 俺の方でも数えていられないほどの絶頂の数は漫を確かに追い詰め、意識を揺らしているのだ。 京太郎「このままじゃお仕置き確定だぞ?それでも良いのか?」 漫「よく…にゃいぃっ♪♪お仕置き…お仕置きいやぁぁ…♥♥」 それでもお仕置きという言葉を怖がるほどの意識があるのか、はっきりと否定してくる。 そんな漫に告げる罰はもう既に俺の中で決まっていた。 決して漫を泣かせるような事はなく、そして俺自身にもメリットがあるもの。 それを恐怖が入り混じった快楽で肩を震わせる漫に伝えようと俺はそっと唇を開いた。 京太郎「だったら…もう少し頑張らないと俺のオナホールになっちゃうな」 漫「おにゃほぉる…ぅ?」 まるで聞いた事のないと言うような漫の言葉。 快楽によって見栄も羞恥も削ぎ落とされたそれはいっそ無垢にも思えるものだった。 それにぐっと胸の奥が興奮を沸き上がらせ、漫を穢したいという欲求が生まれる。 それが命ずるままに俺の思考は単語を繋ぎあわせ、漫が最も悦ぶであろう言葉を模索する。 京太郎「男が使う性欲処理の道具の事だよ。道具だから…漫の意思なんて関係ない。ただ、俺にずっぽずっぽと犯されて、膣内射精されるんだ」 漫「わらひ…おなほぅる……ぅ♥♥」 俺の淫らな説明に漫の声がまた一段と蕩けたのを感じる。 陶酔と幸福感を強く混じらせたそれは、漫がオナホールと化した自分を想像しているからなのだろう。 最早、ストッパーとなる意識が働いているかさえ曖昧だとは言え、素直過ぎるくらい素直なその様子に笑みが浮かんだ。 漫「にゃるぅ…っ♪♪わらひ…きょぉくん専用のオナホーりゅになるぅっ♥♥」 その瞬間、漫の口から宣言が飛び出した。 それは俺の思い通りになった事を教える言葉であると同時に、漫が堕ちた事を知らせる言葉である。 自己のプライドや意思よりも快楽と俺を取った事を表す淫らなその宣誓に俺の身体がぼっと内側から熱くなった。 そう言うと予想していたとは言え、ギリギリのところで興奮を抑えていたものが完全に砕けてしまったのだろう。 また一つ堕ちた漫への愛しさと興奮が混ざり合う中で、俺の腰は一気に激しさを増し、漫の身体を揺さぶった。 漫「ひ…ぃ…にゃああぁぁぁっ♥♥おにゃほ良ひぃっ♪♪最高ぉっ♥♥」 背中越しに見える豊かな双丘がブルブルと揺れるほどの激しい抽送。 入り口から奥までを一気に貫くそれはかなり早いペースで繰り返され、俺たちを追い詰めていく。 いや…追い詰められているのは俺の方だけか。 まるで羞恥心など何処かに忘れてしまったかのように悦びの声をあげる漫はもう昂ぶり切っているのだから。 後はもう俺がそこに達する事が出来るか出来ないかだ。 漫「ジュポジュポ種付けぇっ♥♥わらひ専用らからっ♪♪京君らけのおにゃホールらからぁぁっ♥♥」 京太郎「っ!!」 そんな俺を興奮の渦へと巻き込もうとするような漫の言葉に腰の奥で熱が持ちあがる。 何処か寒気を伴ったそれは一気にムスコへと流れ込み、俺の神経を過敏にさせた。 それと共に血液が海綿体を膨れ上がらせ、内側から火傷してしまいそうなほどの熱が溜まる。 最早、疑う余地もないほどの射精への予兆に俺はぐっと歯を噛み締め、ラストスパートを開始した。 漫「大っきぃぃっ♥京君のチンポ大きふなったぁっ♥♥」 京太郎「漫が…可愛いからな…!!」 それを敏感に感じ取ったのだろう。 俺の抽送に揺さぶられながらの言葉は、俺のムスコが大きくなった事を知らせるものだった。 そして、それと同時に漫の肉穴がキュっと締まり、チンポに肉襞を押し付けてくる。 そのまま奥へ奥へと流動するような動きはまるで俺から精液を搾り取ろうとしているようだ。 漫「イッてぇっ♥♥オナホマンコに種付けしへぇっ♥♥」 京太郎「ぐぅ…ぅ…!」 それが何となく悔しくて我慢を試みるが、最早、それは射精を遅らす事にもならなかった。 既に俺の腰にはゾワゾワとした感覚が纏わりつき、チンポの根本がカッと熱くなっている。 まるで身体の内側から焼けるようなそれを逃がす為には射精しかない。 それをこれまでの経験で理解した俺はぐっと歯を食いしばったまま大きく腰を引いた。 京太郎「(肉襞が絡んで…っ!)」 だが、それだけで漫の肉穴に生えた肉襞が俺の弱点であるカリ首に絡みついてくるのだ。 まるで中から逃がすまいとするようなそれに途中で諦めてしまいそうになる。 それを何とか堪えながら、大きく引いた腰はまるで引き絞った弓のようだった。 もう後、ほんの数センチでも動けば、チュポンと抜けてしまいそうなギリギリの位置。 そこで少し息を吸い込んでから、俺はぐっと漫の腰を掴み、そして陰核をぐっと押し込んだ。 漫「おぁ…あぁぁぁ゛ああぁぁぁっ♪♪♪」 瞬間、強いオルガズムに戦慄き、ぐっと反り返った漫の中を弾かれたように俺の腰が進む。 既に溢れんばかりの愛液で満たされた狭い名器の中に生えた肉襞が露出した粘膜を撫でていく。 その感覚に薄皮一枚だけ残った我慢が揺れるのを感じながらも、俺は諦めなかった。 犬歯を剥き出しにするほど食いしばった歯の犠牲もあって、なんとか射精を堪えながら、漫の最奥へと到達したのである。 京太郎「ぐぅ…うっううううぅぁっ!」 漫「んほ…ぉぉぉおおぉっ♥♥♥」 それを認識した瞬間、俺の中でバキリと何かが砕け、射精が始まった。 その勢いは強く、まるで蛇口が壊れたかのように漫の中へと精液を放つ。 まるで今までの鬱憤を晴らそうとしているようにも思える激しい勢いに俺の身体も震えた。 精液が精管の中を通る度に、快楽神経が焼け付くように感じる絶頂に我慢を続けていた俺の思考が充足を覚える。 京太郎「(だけど…足りない…っ)」 今も続く射精の感覚は気持ち良く、俺の腰が蕩けそうになっているくらいだ。 足元から走る緊張がそれを何とか抑えているものの、一段落すれば倦怠感がずっしりとのしかかってくるのが目に見えている。 しかし、それでも俺の思考は満足出来なかった。 胸の奥底から湧き上がるような充足に安堵を覚える一方で、それをもっともっとと長く求めてしまうのである。 だが、漫の奥底にズッポリと埋まったチンポを動かすほどの力はなく、俺はただ射精の快楽を味わうだけだった。 漫「あぁ…お…♥ふぉ……ぉぉっ♥♥」 結果、俺は漫に出来るのはぐっと押し込んだ漫のクリトリスを弄るくらいなものだった。 それに彼女が甘い声を漏らしながらまたアクメするのを濁った視界の端に捉える。 肉穴とは違う穴から何度目か分からない潮を吹き出しながらの絶頂に漫の背中が強く反り返った。 上にのしかかった俺に背中を当てるようなそれに俺の顔は甘い漫の匂いを一杯に吸い込み、興奮を強くする。 漫「ひ…ぅ…♪♪に…あぁ…あっ♥♥」 だが、それでもやはり何時までも射精は続かない。 漫が震えながら猫のような鳴き声を漏らした頃には俺のチンポは一滴残らず射精しきっていた。 きっともうバキュームフェラでもされない限り、一滴だって漏らす事はないだろう。 そんなムスコに執念深く子宮口が吸い付き、媚肉が絞るようにうねるが、そんな風にオネダリされても出ないものは出ない。 京太郎「(だけど…それは俺も同じだ…)」 俺の身体は一仕事終えた後の達成感と倦怠感に溢れ、インターバルを欲していた。 しかし、それ以上に、ドロドロになるほど熱された俺の本能は快楽を求めていたのである。 まるで飢えたケダモノのようなそれは強く俺の背中を押し、今すぐ腰を動かして再び漫を貪れと訴えていた。 勿論、俺自身、そうする事に異論はない。 一度、射精したとは言え、漫の身体は味わえば味わうほど美味しくなっていくのだから。 だが、それを選ぶ事が出来ないのは偏に漫の身体がぐったりとしているからだ。 京太郎「(このままじゃ…流石に拙いな)」 度重なるオルガズムで力が抜けてしまったのだろう。 漫の身体にはもう力が殆ど入ってはおらず、脚もぐったりと折れてしまっていた。 かろうじて檜風呂の縁に手を置く腕だけは健在だが、それもプルプルと震えて今すぐ折れてもおかしくはない。 恐らくこのまま漫を貪れば、遠からず彼女の身体は完全に崩れ落ち、下手をすれば溺れてしまうだろう。 それを防ぐ為にも、今は漫が溺れずに済むような体位を模索するのが先だった。 漫「きょ…ぉくぅ…ん…♥♥」 京太郎「…どうした?」 そんな俺の名前を熱く呼ぶ漫の声に俺は尋ね返した。 一度、射精を経た所為か、幾分、優し目のそれに漫の背筋がブルリと震える。 最早、何をされてもイくのではないかと思うほど敏感になった漫の姿に俺の顔に笑みが浮かんだ。 漫「らいすきぃ…♥♥愛…してる…ぅ♥♥♥」 京太郎「っ!」 しかし、その笑みが漫の言葉によって強張ってしまう。 ただ、欲情に流されていた俺にとって、それはまだ受け止める覚悟を固め切れていない言葉なのだ。 それに心がサァっと冷め、良心の呵責が胸の奥から湧き上がる。 意図的に目を背けてきたそれが再び蘇る感覚に、俺はどうすれば良いのか分からず、言葉を失ってしまった。 漫「らから…ぁっ♥おなほぉ…っ♪♪しゅずを…オナホにしてぇ…♥♥もっとジュボジュボ…種付けオナホぉっ♥♥」 そして、そんな自分を肯定する言葉が続いて漫の口から出てしまう。 俺を受け入れ、求める欲望の言葉に意識がそちらへと向いていくのだ。 興奮もまたそれを助け、ぼっと身体の内側を燃やして力に変わる。 それを両手に込めながら、俺はそっと漫の身体からチンポを抜きさり、その腰を檜風呂の縁へと座らせた。 漫「あはぁ…♥うち…おにんぎょぉしゃん…みにゃい…♥♥」 京太郎「…漫は俺の専用肉オナホだからな」 漫「んっふぅぅ…ぅぅ♪♪♪」 辱めるその言葉に漫は心地よさそうな声をあげながら、目を細めた。 その背中には壁があり、体重を背中に掛けていればバランスを崩す事はないだろう。 それを確認してから、俺はそっと漫の脚を開かせ、再び女芯にチンポをあてがった。 京太郎「…漫」 漫「ぅ…ん…っ♥♥来れ…ぇ♪♪うちの中に…京君の勃起チンポ挿入れへぇ…♥♥」 そう漫の名前を呼んだのは俺が確認したかったからなのだろう。 こんな情けない俺を本当に受け入れてくれるのかどうかを聞いて…漫に責任の一部を押し付けたかったのだ。 何とも身勝手で…救いようがないその思考に内心が悪態で溢れる。 だが、それでは俺の興奮に勝てず、叩きつけるような快楽の波にあっという間に流されていった。 ……… …… … 数時間後、ある程度、興奮が収まった俺達は再び温泉に入りなおしていた。 アレから水分を補給しに何度か脱衣所に出たものの、それ以外はほぼセックスしっぱなしだった身体に温泉はかなり効く。 特に疲労感が蠢くような脚には効果が抜群であり、そのまま眠ってしまいそうなくらいの心地よさを俺に齎してくれた。 漫「んー…っ♥随分とヤッたもんやねぇ…♪」 そんな俺が作るあぐらの上に座りながら、『上重さん』は幸せそうに口にした。 実際、数時間で六発は年頃の男子高校生である事を加味しても、中々の好成績だと思う。 その精液が全て上重さんの中に吐き出されたのが多少、不安の種ではあるが、安全日と言う言葉を信じるしかない。 漫「須賀君は満足した?って…してへんやろなあ…これ…♥」 京太郎「う…」 そんな後悔すら覚えるほど上重さんを犯しておいて、俺のムスコはまだ滾ったままだった。 数に誘惑された時からまったく変わらないその昂ぶりはいっそ異常だと思う。 流石に頭の中は最初よりも冷静になっているものの、その気になれば何時でもまたセックス出来そうなくらいなのだから。 まるでさっきのセックスじゃ物足りないと言わんばかりのそれに俺はそっと自分に向かって、ため息を吐いた。 漫「ホント…須賀君は性欲魔神やねぇ…♪もしかして底なしなんちゃう…?」 京太郎「そんなはずはないんですが…」 今まで自家発電に勤しんだ事は数あれど、こんな風に何時までもムスコが硬いままだなんてなかった。 大抵は一日に一回、無性にムラムラする時だって三回も射精すれば、もうふにゃふにゃになっていたのである。 だが、現実に今の俺はそれが嘘か何かのようにバキバキに勃起し、メスを求めている。 京太郎「(まるで…オカルトに合わせて進化したみたいに…って思うのは考えすぎか?)」 俺のオカルトの正体がまだ見えた訳ではないが、常軌を逸した興奮を女性に与える事は分かっている。 そして、それが一度や二度の絶頂では収まるどころか、逆に燃え上がる事も。 そんな女性たちに付き合うには並大抵の精力が足りない。 いや、幾ら精力があったところで、受け身になれば、ただ絞られ続けるだけだ。 俺がセックスの最中に人が変わったように意地悪になるのも、もしかしたらオカルトか何かの影響なのかもしれない。 京太郎「(まぁ…今はそれよりも…)」 京太郎「多分、上重さんがあんまりにも可愛いからですよ」 漫「あー…そういうこと言っちゃうんや…♥」 俺の軽口に上重さんは軽く笑いながら、俺に背中を押し付けてくる。 とは言え、小柄な上重さんはそのままでも軽く、今はお湯の浮力も受けているのだ。 決して重くも不快でもなく、寧ろ柔らかさだけがじぃんと広がる。 そのお尻に触れたムスコがピクピクと揺れ、挿入を強請り始める事だけが唯一のデメリットと言えるだろう。 漫「…なぁ…須賀君」 京太郎「なんです?」 漫「…もうちょっとしたら…お別れやね」 京太郎「…そう…ですね」 後数分もすれば、ここから出て、集合場所に行かなければいけない。 その事実に目を背けてきたものの、何時までもそうしてはいられないのだ。 本当はずっとこうやってぬるま湯のような空間に居たいが、そうやって逃げたところでどうにもならない。 そう思っているのは上重さんも同じのようで、その言葉には寂しさが強く現れていた。 漫「須賀君…さ。このまま姫松に来うへん?」 京太郎「え…?」 そんな上重さんが告げた言葉に俺は思わず聞き返してしまった。 その声は冗談と言い切るには切実な響きを持っていて、何より強いものだったから。 きっと上重さんは冗談でもなんでもなく、本気で俺にそう提案してくれている。 そう思わせる口調に俺の心は揺れてしまっていたのだ。 漫「清澄に居たって黒一点で雑用ばっかりなんやろ?それやったら…姫松の方が絶対にええ環境やで!」 漫「男子麻雀部は強豪やし、色んな打ち手が揃うとる。四人しかおらへん清澄よりは経験になるやろうし、それにオカルトっぽいの持っとる奴かて何人かおる」 漫「須賀君の能力だって…多分、清澄におるよりは…」 そこまで言ってから、上重さんの口調はドンドンと萎んでいく。 まるで自分が言ってた事に後からようやく気づいたようなその反応に俺の胸がぐっと締め付けられた。 上重さんは本心がどうであれ、そうやって人の部活をこき下ろすような人じゃない。 少なくとも、そんな自分を恥じられるような気持ちを持つ立派な女性なのだ。 そんな人がそうやってタガが外れたように俺を勧誘する理由なんて一つしかない。 漫「ごめん…」 京太郎「いえ…構いません」 そっと俯きながら謝罪する上重さんを一体、誰が責められるだろうか。 俺だって…気持ちは同じなのだ。 このまま上重さんと離れたくないと思っているのは一緒なのである。 だが、俺達は学生で…自分ではどうする事も出来ない問題という奴が多々あるのだ。 それを前にして口を滑らす程度、きっと誰しもある経験だろう。 京太郎「(だから…俺は…)」 京太郎「じゃあ…今度は逆に俺の方からお願いがあるんですが」 漫「ん…何なの?」 俺の声に上重さんは少しだけ声を明るくしながら尋ねてくれた。 恐らく先の失態を取り返そうと前向きに考えてくれているのだろう。 それに俺の目論見がひとつ成功した事を感じながら、俺はそっと唇を開く。 京太郎「俺の事、普段から京君って呼んでくれませんか?」 漫「ふぇぇっ!?」カァ そうして俺から漏れたのは呼び名の変更を申し出るものだった。 実はそれは家族風呂に入る時からずっと考えていたものである。 何せ、既に俺達は男女としてコレ以上ないほど深い仲になってしまった訳だ。 それなのに何時まで経っても苗字呼びじゃあ、よそよそし過ぎる。 上重さんが俺の事を友達以上の対象として考え始めてくれているのだとしたら、尚更だ。 最中の愛の言葉に応えられなかった分、これくらいは甲斐性を見せたい。 漫「き、京君はあかんよ…アレは…エッチの時の呼び方やもん…」モジモジ 京太郎「ダメですか?」 漫「ダメやないけど…普段からそれやったら…うちきっとすぐ発情してしまうし…」イジイジ そんな俺の前で両手の指を絡ませながら、上重さんが視線を彷徨わせる。 羞恥心を強く感じさせるそれはさっき俺を痴女めいた誘惑をした人とは到底、思えない。 しかし、そのどちらも上重さんの姿であるという事を理解する俺は今更、困惑などしない。 ただ、上重さんの中で一つ答えが出るのをじっと待つだけだ。 漫「…き、京太郎君やったらあかん?」 京太郎「いえ、別に構わないですよ」 数十秒ほどの逡巡の後、上重さんから飛び出した妥協案を俺はあっさりと飲んだ。 元々、『京君』と言う呼び名にそこまでこだわっていた訳ではないのである。 大事なのは苗字呼びからの脱却であり、それが果たされているならまったく文句はない。 そう思う俺の前で上重さんはさらにモジモジとしながら、次の言葉を放った。 漫「代わりに…その…うちの事も…」 京太郎…『漫さん』」 漫「う…」 先手を取って、上重さん…いや、漫さんの事を呼んだ俺の前で、その身体が固まった。 まるで驚いたようなその姿に俺の表情に笑みが浮かぶ。 どうやら俺のカウンターパンチは想像以上の効果を発揮してくれたらしい。 そう思わせる漫さんの姿に嗜虐的なものが浮かび上がってくるが、理性はそれを強引に押し込めた。 漫「なんで分かったん…?」 京太郎「京太郎君って呼ばれた時点で何となく予想してましたから」 俺のように名前が長い訳じゃなく、一文字しか無いのだから愛称を作る事も難しい。 さらに言えば『漫』『京君』と言う呼び方を選べないのだから、それは漫さんにとって、唯一の選択肢も同然だろう。 それを口にしただけであって、特に何か驚かれるような事じゃない。 しかし、そう思っているのは俺だけのようで、漫さんは俺へと振り返りながら、そっと頬を膨らませた。 漫「うー…何か悔しいわぁ…」 京太郎「まぁまぁ。それだけ俺が漫さんの事を理解してるって事で勘弁してください」 勿論、実際には理解しているとかそういう大仰な事ではないのだけれど、まぁ、これくらいは言っても良いだろう。 俺にだって気になっている女の子を前にして格好つけたい時くらいあるのだ。 それが選択という未来から目を背けているだけのものだと理解していても、止まらない。 男って奴は基本的に意地っ張りな生き物なのだ。 京太郎「それより…試したい事って結局何だったんですか?」 漫「あぁ…アレ…な…」 そんな思考から目を背けるように切り替えた話題に漫さんがそっとその顔を引き締めた。 子どもっぽかったものから頼りになる先輩の顔へと一瞬で変わるそれは見事だとしか言い様がない。 女性は中に色々な自分を飼っていると言うが、この辺の切り替えの速さがそう言われる理由だと思う。 漫「えっと…須賀く…京太郎君の能力の影響って一過性のものやないみたい。多分、後にも尾を引くんやと思う」 京太郎「え…?」 だが、それでも漫さんのその言葉を俺はすぐさま信じる事が出来なかった。 どれだけ漫さんが真剣な顔をしていても、冗談ではないかと思ってしまうのである。 それも当然だろう。 何せ、漫さんの言葉は、能力に因る被害が一度だけではなく、これからも続くかもしれないと告げるものだったのだから。 ある種、冷酷で無慈悲なその宣告に俺の思考が理解を拒否し、頭の芯がクラリと揺れるように感じる。 漫「あの…誤解せんで聞いてほしいねんけど…本当は…朝、京太郎君の顔を見た時から疼いとったんや」 漫「その後も…京太郎君に会う度にうち…どんどん追い詰められとって…」 漫「合わん時も…満たされなさで寂しくって…京太郎君に会いたくって仕方がないんや…」 だが、それを何時までも拒否している訳にはいかない。 そう思ったのは顔を真っ赤に染めながら、必死になって俺に情報をくれる漫さんの姿だった。 自分の恥部を晒すようなその言葉を漫さんだって決して言いたくて言っている訳ではない。 それもこれも、俺の為を思って情報を提供してくれているのだ。 それを幾ら信じがたいからと言って、何時までも拒否している訳にはいかない。 それは俺以上に辛い立場にあるのに、俺と向き合おうとしてくれている漫さんにあまりにも失礼だ。 漫「そして…今、それは強くなっとる。それは…多分…」 京太郎「ヤっちゃったから…ですか…?」 漫「恐らく…やけど…」 ヤればヤるほど相手を魅了し、虜にするオカルト。 それはある種、全人類の男が憧れ、喉から手が出るほど欲するものだろう。 だが、それを実際に手に入れた俺にとって、それはあまりにも重い十字架だった。 実際にそれで二人も犠牲者を出してしまっている以上、胃が痛くて仕方がない。 しかも、その二人ともが俺にとっては恩人であり、好意を寄せる対象であるのだから尚更だ。 漫「多分…その和って子が京太郎君に会われへんのもそうやと思う」 漫「きっとその子は…怖いんや」 漫「一度、京太郎君の味を知って…身体が求めてしまってるから…」 漫「もう一回、会ったら多分、我慢出来へんって知っとるから…学校にも来うへんのやと思う」 そして、漫さんの言葉がそんな俺の心に追い打ちを掛ける。 自分でも薄々、そうだろうとは思っていたとは言え、やはりそうやって事実として突きつけられるのはキツイ。 しかも、それが俺を嫌っているからではなく、能力による影響というどうしようも出来ない事だから尚更だ。 文字通りの意味で俺がいなくなっても解決策にはならないそれに目の前が闇に包まれ、どうして良いか分からなくなる。 漫「だから、京太郎君はその子に会わへんかったらあかん」 京太郎「でも…漫さんの言う事が正しければ…会った時には…」 漫「そりゃ…多分、トロットロのメロメロやろうね。我慢してた分、尚更」 京太郎「う…」 冗談めかした漫さんの言葉は実体験に近いものであるだけに凄い説得力があった。 そして、それだけでは済まないのが未だ俺の中に燻る性欲の灯火である。 一瞬で興奮でトロトロに、そして俺に対してメロメロになった和の姿を想像し、ムスコに疼きが走った。 ピクンと跳ねるそれを背中を預ける漫さんが感じ取れないはずがない。 振り返った顔に呆れと怒りを混ぜる姿が何よりの証拠だろう。 漫「きょぉたろうくぅぅぅん?」 京太郎「すみませんすみません!!!こればっかりは仕方ないんです!!」 そりゃ真剣な話をしている真っ最中にチンポを疼かせてたら誰だって怒る。 だが、それと同じくらい肉体的な反応を見せてしまうのは仕方のない事だった。 これまで恋人なんて一人もいなかった俺の想像力…いや、妄想力はそこそこに鍛えられているのである。 主に自家発電をする時にしか使わないその妄想力の受信感度は高く、そしてエロ方面に強いのだ。 それをなくせと言われても、今まで歩んできた俺の人生の軌跡も同然なだけに不可能である。 漫「まったく…女の子とおるのに他の女の子のこと考えるだけやのうてアレを動かすとか最低やで!」 京太郎「返す言葉もありません…」 漫「…もう…時間さえあれば…一滴残らず絞りとってやるのに…」ブツブツ 悔しそうに呟く漫さんの言葉は聞けなかった事にしようと心の中で呟く。 そこを下手に突っ込んでしまうとやぶ蛇になってしまう可能性が高いのだ。 確かに性欲が未だ俺の中で蠢き、漫さんをセックスしたいとは言っても、そうしている時間が本当に無い。 これからもう一戦となると、どれだけ俺が早漏でも、集合時間には間に合わないのだから。 それを考えれば、ここが地雷になりかねないそれを出来るだけ穏便に処理し、見て見ぬふりをするのが一番だ。 漫「とにかく!今までのこれはうちの推測。だから、京太郎君はさらに詳細を知る為にもその子に会って話をせんかったらあかん!」 京太郎「は、はい…」 漫「その後で謝るなり、セックスするなり好きにすればええやん!うち、もう知らへんから!!」 言い捨てるような勢いで言うだけ言って、漫さんは頬を膨らませながら拗ねた。 ムッスーと口で言いながら、前を見るその様は小柄な事もあってか、とても子どもらしい。 だが、その胸中に渦巻く感情は決して子どもらしいという言葉では説明しきれない大きなものだ。 女としての嫉妬…と言い切るほど自意識過剰にはなれないが、それが無関係ではないとも思えない。 色々と胸中が複雑なのは決して俺だけじゃないのだ。 寧ろ、犠牲者で被害者であるにも関わらず、こうやって積極的に協力してくれる漫さんの方が遥かに複雑だろう。 京太郎「すみません…漫さんには本当に感謝しています」 漫「むー…」 それでも感謝だけは伝えておこうと告げる俺の言葉に漫さんは唸るように言う。 何処か不満を混じらせるそれは誤魔化されていると思っているからか。 確かにこのタイミングでの感謝の言葉はそれっぽいが、俺は本当に漫さんに感謝しているのだ。 漫さんがいなかったら、俺は今頃、血を吐いていてもおかしくはない。 それくらいにまで追い詰められた所からここまで回復する事が出来たのは間違いなく、漫さんのお陰だ。 漫さんがいなかったら俺はきっと今頃、麻雀からも逃げていたかもしれないのだから。 漫「それやったら…」 それが少しは伝わったのだろうか。 漫さんはふと言葉を紡ぎながら、再び俺へと振り返った。 その瞳は微かに濡れていて、何か察して欲しそうなものに溢れている。 だが、俺には今の漫さんが何を言いたいのか分からない。 瞳が濡れている理由が欲情だけではないと言う事だけしか、俺には察する事が出来ないのだ。 漫「…やっぱり何でもない。それよりほら…もうそろそろあがらへんかったらあかんよ」 京太郎「あ…」 そんな俺に失望したのか、話題を切り替えながら、漫さんは立ち上がる。 瞬間、感じ慣れた重みと熱がなくなり、無性に寂しくなった俺から小さな声が漏れた。 しかし、漫さんはそれに振り返らず、とてとてと確かな足取りで扉へと歩いて行く。 どうやらさっきのセックスの影響はもうないらしい。 それに安堵したやら残念やら微妙な気持ちになりながら、俺もそっと湯船の中から立ち上がった。 漫「後…うち、当分…セフレで構わへんから。無理に答えとか出さへんでええよ」 京太郎「え…?」 瞬間、聞こえてきた漫さんの声に聞き返した時には、彼女はもう扉の向こうに消えていた。 まるで、最初から俺の返事など期待していないと言うようなそれに…寂しさとそれ以上の胸の痛みを覚える。 どうやら…最中の睦み言は漫さんの本心であり、尚且つ俺の迷いも既に見通されてしまっていたらしい。 そう思うと…さっきまで俺がやっていた事が残酷な事に思えて、胸中からため息が漏れた。 京太郎「参ったな…」 勿論、俺が逃げている事で漫さんを傷つけないだなんて思っていた訳じゃない。 寧ろ、そうやって逃げたところで余計に傷つける可能性があることはちゃんと考慮していた。 だが、それでもこうして目の前に優しい言葉を与えられると胸の疼きは止まらない。 今すぐ漫さんの足元に這いつくばって謝罪したい気持ちで一杯になった。 京太郎「(でも…それは多分、漫さんが望んでない…)」 そうやって謝罪されたいのならば、ああやって言い捨てるような形で逃げたりはしないだろう。 この話題はここで終わりだと思っているからこそ、漫さんはきっと俺から逃げたのだ。 それが有難い反面、辛いのはやましい事が俺の中に山ほどあるからだろう。 謝罪して楽になりたいという気持ちと、逃げ道を与えてくれて有難いと言う気持ち。 その矛盾した感情が両立するのを感じながら、俺はそっと項垂れた。 京太郎「…うし!」パーン そんな自分に喝を入れる為に頬へと張った一撃は思った以上に骨に響いた。 だが、その痛みがまたヘタレそうになる自分を叱咤し、激励してくれているのを感じる。 折角、漫さんのような女性に好意を向けられているのだ。 あんまり格好悪い真似は出来ない。 京太郎「(とりあえず…後一時間もないんだ)」 漫さんといられる時間がもうすぐそこまで迫っている。 ならば、今は落ち込んでいるよりもその一分一秒を楽しめるものにしよう。 それが未だ答えを出せない俺に出来る最大限の恩返しだと胸中で呟きながら、俺はそっと家族風呂からあがったのだった。 ……… …… … まこ「それではお世話になりました」 郁乃「うんうん。こっちこそ色々、勉強になったで」 優希「あー…もう終わりかぁ…」 咲「何だかあっという間だったね」 優希「お陰であんまり合宿って感じがしないじぇ」 まこ「まぁ、今回のは合宿だけじゃなくてリフレッシュ休暇みたいなもんじゃしの」 郁乃「こっちも似たようなもんかなぁ、まぁ、調整の意図はあったけれど」 絹恵「中核がごっそりおらんようになった今、全国区の打ち手との実戦経験は必要不可欠やからなぁ」 絹恵「そういう意味では清澄さんとことの合宿は得るもんが多かったわ」ニコッ まこ「こちらこそ。来年、インターハイで会えるのを楽しみにしとります」グッ 漫「あっちは何か盛り上がっとるねぇ」 京太郎「合宿中、色々あって仲良くなれたみたいですよ」 漫「あぁ…多分、お互い色々と苦労しとるんやね…」 京太郎「はは…」 漫「それより、ほら、忘れん内に携帯出して」 京太郎「え?」 漫「連絡先の交換。せえへんかったら連絡取れへんやろ?」 京太郎「あー…そう言えばしてなかったですっけ」 漫「うん。うちも完璧に忘れとった」ハハッ 漫「もう何かずっと前から京太郎君と一緒やったような錯覚すらあったわ」 京太郎「俺もですよ。何かこう凄い相性が良かったというか」 漫「ふふ…そういう意味じゃうちらは運命の相手なんかもしれへんね?」 京太郎「赤い糸で結ばれてるのかもしれませんよ」 漫「それやったら…ちゃんとその糸を手繰ってうちに会いに来てくれる?」 京太郎「必ず会いに行きますよ。こんなに可愛い運命の人を放置する訳ないじゃないですか」 漫「もう…歯の浮くようなセリフは得意やね…」 京太郎「最初に振ったのは漫さんの方じゃないですか」 漫「ふふ…そうやね」 咲「京ちゃーん!もうバス出るってー!」 漫「…じゃ、ここでお別れやね」 京太郎「そう…ですね」 漫「ちゃんと連絡してや?」 漫「メール返してくれへんかったら泣くからね!」 京太郎「大丈夫ですよ、そう言うのはマメな方ですし」 京太郎「漫さんこそ途中で寝落ちとかしないでくださいよ」 漫「う…が、頑張る…」 京太郎「(あ…やっぱり結構やるんだ…)」 優希「きょうたろー何時まで上重さん口説いてるんだああ!」 京太郎「口説いてねえよ!!」 漫「…口説いてくれへんの?」クスッ 京太郎「…そう言うのは二人っきりの時の方が良いでしょう」 漫「そうやね…ふふ…♪」 漫「今みたいに注目されとったら…ヘタレな京太郎君には何も言えへんか♪」 京太郎「う…まぁ、事実ですけどね」 京太郎「じゃ…その…また」ガラガラ 漫「うん…また…ね」 漫「……」 漫「……」バイバイ 漫「……」バイバイ 漫「……」バイ…バイ モブ1「あれ…漫ちゃんどうしたん?」 漫「え…?何が?」 モブ1「何って…漫ちゃん泣いとるで?」 漫「え…あ…本当や」アハハ モブ1「…どうしたん?もしかして、さっき須賀君に何かされたんか?」 漫「されたって訳じゃ…いや…されたんかなぁ…」 モブ1「え、えぇ!?ちょ…せ、せやったら監督に言わんと…!!」 漫「あぁ…大丈夫。そういうんやないから」 漫「京太郎君は何も悪くないし…酷い事された訳やない。ただ…」 モブ1「ただ…?」 漫「もし…ああやって京太郎君が帰る場所がうちやったら…どれだけええかって思うて…」 【System】 上重漫の屈服刻印がLv2になりました。 呼び名が変更されました。 上重漫は好意を抱いているようです。
[[前話>おもち少女2-3]] [[次話>おもち少女4]] ~京太郎~ 結果から言えば、俺達の作戦は成功に終わった。 何度か危ない場面こそあったものの、俺達はなんとか誰にも会わずに大浴場へと駆け込み、その汚れを落とせたのだから。 途中、俺が上重さんの着替えを持ってきてもらえるよう、モブさんたちに伝えた時は、ニヤニヤとした目を向けられたが特に追求される事はなかった。 誤解しているのは確かだろうが、やっている事がやっている事だけに否定は出来ない。 結果、俺は曖昧な笑みを浮かべながら、その場を後にし、自分の部屋の後始末に終始していた。 京太郎「(まさかこんなところで磨きあげた雑用スキルが役に立つとは思わなかったが…)」 芸が身を助けるという言葉の意味を実感しながらのそれは大変だった。 何せ、俺や上重さんが眠っていた布団はお互いの体液でベタベタになり、匂いも染み込んでいるのだから。 もってきたタオルで出来るだけ粘液を拭き取り、部屋中に制汗剤を撒いたけれど、誤魔化しきれているか自信がない。 だが、洗濯が出来ず、また俺に残された時間も殆どない以上、他に尽くすべき手は見当たらなかった。 京太郎「(お陰でそわそわしている事をモブさんたちに突っ込まれていたけれど…)」 今日が合宿の最終日とは言え、実質、合宿そのものは昼で終了だった。 ソレ以降は観光を含めた自由時間であり、それが終われば解散になるのだから。 自然、最後の対局は和やかな雰囲気のまま進み、俺が意図的に和了を避けている事には気付かれなかった。 それが彼女たちにとって、俺と上重さんの恋話の方が重要だったのか、或いは俺が和了を誤魔化す手段が上達しているのかは分からない。 ただ、終了を告げる代行さんの笛が鳴り、モブさんたちが去っていった後、俺の肩にズシリと疲労感がのしかかってきたのは確かだった。 漫「お、お疲れ」 京太郎「…上重さんもお疲れ様です…」 にこやかに去っていったモブさんたちとは対照的に俺たちの表情は何処か濁っていた。 それはさっき思いっきり二人にからかわれ続けた事だけが関係しているのではないだろう。 お互いに忙しくて顔を合わせる暇はなく、アレからろくに会話も出来ていなかったのだ。 心の中に積もり積もったそれが俺たちを追い詰め、表情を強張らせているのを感じる。 漫「とりあえず…ちょっと庭にでも出えへん?」 京太郎「そう…ですね」 これから昼食の時間も含めて、ここから先は自由行動だ。 その後はお互いに元の学校へと帰るのだから、ここでこの蟠りを解消するしかない。 その意思をはっきりと感じさせる上重さんの言葉に頷きながら、俺達はそっと歩き出す。 しかし、そんなお互いの間に会話らしい会話はなく、何処か気まずい雰囲気が流れていた。 京太郎「(昨日までは…こんな事なかったんだけれどなぁ…)」 昨日はとても和やかで、まるで数年来の友人のように接する事が出来ていた。 しかし、今はその面影すら見えず、ぎくしゃくとした緊張を強く感じる。 たった一日でここまで変わってしまったと言う事実に目を背けたくなるが、自分がやってしまった事であるだけにそれも許されない。 今の俺がするべきなのは逃げる事ではなく、上重さんに誠心誠意謝る事だ。 漫「ここらへんでええかな…」 そう言って上重さんが足を止めたのは立派な日本庭園の中にある小さな休憩所だった。 本館から少し離れたその場所は周囲を池に囲まれて、心地良いせせらぎの音が鳴っている。 普通であれば安らぎ、リラックス出来るその休憩所の周囲には人影は見えなかった。 丁度、今はお昼時であるので、きっと皆は食事をしに、街へと繰り出しているんだろう。 漫「それで…えっと…やね…」 京太郎「…っ」 そんな場所に腰を下ろしながら、上重さんが気まずそうな言葉を紡ぐ。 緊張の所為か、微かに震えるそれは、それだけ俺が上重さんを傷つけてしまった証だろう。 そう思うと胃の中から吐き気が沸き上がり、背筋に不快感を貼りつけた。 憔悴に良く似たそれに俺は我慢出来ず、その場に膝を下ろし、勢い良く頭を下げる。 京太郎「すみませんでしたぁ!」 漫「…へ?」 所謂、土下座の形で這いつくばる俺の耳に不思議そうな上重さんの声が届いた。 一体、俺がどうして謝罪するのか分からないと言うようなそれにズキリと良心が痛む。 それもこれも俺が前もってちゃんと詳細を上重さんに伝えていれば、防げた事なのだから。 そう思うと頭をあげる気にはどうしてもならず、俺はその場で土下座した姿勢のまま固まった。 漫「ちょ…何で須賀君が謝る必要があるん?しかも、土下座なんて…易々とするもんやないってこの前言ったやろ?」 京太郎「いえ…でも、今回は全部、俺が悪いんです!」 漫「悪いって須賀君は何も悪くないやん。今回の件は…その…全部、うちが誘惑したものなんやし…」 俺の事を擁護しながらも、少しずつ尻すぼみになっていく上重さんの言葉は羞恥に満ちていた。 昨日は痴女のような迫り方をしていたとは言え、本当の上重さんは初心で優しい女性である。 こうやって昨日の事を口にすることだって恥ずかしくて仕方がないんだろう。 それを思うと心臓が握りつぶされるような息苦しさを感じるが、俺は逃げる訳にはいかない。 ここまで巻き込んでしまった以上、例え軽蔑されようとも上重さんに全てを伝えなければいけないのだから。 京太郎「いえ…違うんです。実は…」 そう言って土下座したまま語り出した俺の言葉を上重さんは聞いてくれていた。 以前、別の子にも同じような現象が起こった事。 その時も誘惑され、そしてそれに乗ってしまった事。 そして、それが上重さんの様子と一致するという事に気づいていた事。 それでも尚、俺は上重さんを拒めず、襲ってしまった事。 そのどれもが上重さんに嫌われても仕方のない事で、出来るなら隠しておきたいものだ。 でも、今の俺には少しでも格好つける資格なんてない。 この質の悪い能力の全てを上重さんに伝え、少しでもその重荷を軽くしてあげなければいけないのだ。 京太郎「と…言う事です…」 漫「……」 語り終えた俺に対して帰ってきたのは痛いほどの沈黙だった。 あまりにも荒唐無稽な話に呆れているのか、或いは真実を知って軽蔑されているのか。 顔をあげる事の出来ない俺にはそのどちらかを探る事も出来ず、背中に冷や汗が流れていく。 纏わりつく不快感と共に沙汰を待ち続ける俺に、上重さんが立ち上がる気配が届いた。 漫「須賀君、顔をあげ」 京太郎「…はい…」 強い言葉にゆっくりと顔をあげた俺の目に入ったのは俺の前で膝をついた上重さんの姿だった。 その顔には呆れが強く浮かび、今にもため息を漏らしそうな表情をしている。 それが一体、何を原因にしているかまでは分からないものの、嫌われたのは確かだろう。 それに胸の奥が悲鳴のような痛みを発した瞬間、上重さんの両腕が俺の首に回った。 京太郎「え…?」 漫「もう…仕方のない子やね…」 そう優しく耳元で言ってくれる上重さんのそれに俺は困惑を広げた。 軽蔑されたり、罵られたりする事は予想していたとは言え、こんな事は想像もしていなかったのだから。 俺にとっては脈絡がなく、そして現実感も薄いそれに呆然とした声が漏れる。 漫「うちだって薄々、それくらい気づいとったよ。まぁ…何となくってレベルやし…お風呂に入っとる時やったけれど」 京太郎「じゃ…じゃあ、どうして…!」 気づいていたなら、もっと怒っても良いはずだ。 俺を殴って、罵ってもおかしくはないはずだろう。 それなのに上重さんは寧ろ、俺に優しくしようとしてくれている。 それがどうしても理解出来ず、俺は叫ぶように疑問を投げかけた。 漫「そんなん須賀君だけの責任やないに決まっとるやん。最初に欲望に負けたんは須賀君やなくて、うちやねんから」 京太郎「っ…!でも…それは俺の所為で…」 漫「そう。でも、うちはそれに何て言うた?」 京太郎「何…って…」 漫「受け止めるって…そう言わへんかった?」 優しく言い聞かせるような上重さんの言葉に俺は言葉を詰まらせる。 確かにあの場で上重さんは俺を受け止めると言って、麻雀に向き合うきっかけをくれた。 でも、それは上重さんが俺の能力の詳細を知らず、俺もまたそれを言おうとしなかったからである。 もし、上重さんが知っていれば、あの場であんな事は言わなかっただろう。 漫「例え知ってても…うちはそう言ったで」 京太郎「…っ」 そんな俺の心の中を読み取ったように上重さんが言う。 真っ直ぐに俺の目を見据えて、逃がさないようなその言葉が俺の胸へと突き刺さり、言い訳を封じていった。 俺の中の逃げ場すら奪おうとするような力強いそれに、俺は何も言えず、そっと視線を背ける。 漫「アレはうちが須賀君の力になりたいって思ったからや。だからこそ、絞り出した勇気や。それまで…否定せんとって欲しいな」 まるで逃げ出そうとしているような情けない俺。 だが、それとは対照的に上重さんは俺のことをはっきりと見つめたまま、穏やかに叱るような言葉をくれる。 罪へと向き合い、謝罪しようとする俺ではなく、許しから逃げようとする俺を窘めるそれに拳に力が入った。 それでも俺は自分自身を許す事が出来ず、上重さんの言葉を完全に受け入れる事も出来ない。 漫「それとも須賀君はうちの事を嘘つきで、簡単に発言を翻すような女やって思うとるん?」 京太郎「ち、違います…!」 それが卑怯な物言いであるという思考は俺の中にもあった。 だが、ソレ以上に自分自身を貶めるような上重さんの言葉に我慢出来なかったのである。 そして、半ば、反射的にそれを否定した時にはもう遅い。 俺は自分自身で自分を許してしまう道筋を作ってしまったのだ。 漫「だったら、もうちょっとうちの事信頼してぇや。うちはその程度で怒るほど、狭量な女やないって」 何処か冗談めかした言葉に俺はそっと項垂れる。 そうやって許してくれる上重さんの言葉は優しいが故に、俺にとっては辛いものなのだから。 だが、その一方で情けなくなるくらいに救われている自分がいる。 それに自嘲が浮かび、肩がそっと落ちた瞬間、俺の目の前で上重さんが小さく唇を動かした。 漫「それに…まぁ…嫌って訳じゃなかったし…」 京太郎「えっ」 漫「えっ!?」カァ それに思わず聞き返してしまった俺に上重さんが驚いた顔を見せた。 まるでそんな事を言うつもりなんてなかったと言わんばかりのそれに俺の思考が少しずつ動き出す。 一体、嫌ではなかったとはどういう意味なのか。 それをギシギシとシナプスを軋ませながら、思考する俺の中に一つの答えが生まれた。 京太郎「そ、それって…」 漫「う…い、いや!言わんとって!」 その答えを口にしようとした瞬間、上重さんの顔が真っ赤になって目を背けた。 さっきの俺の姿を模倣するようなそれに俺の中の悪戯心がムクムクと沸き上がってくる。 とは言え、今はとても真面目な話をしている真っ最中なのだ。 ここで上重さんを弄って遊んだりするような余裕はない。 そうは思いつつも、何処か小動物めいた様子の上重さんを見ていると悪戯心が何時までも消える事はなかった 漫「ま、まだ…うち自身も分かってへんし…その…保留って事で…」マッカ 京太郎「え…と…はい…」 幾ら俺が鈍くても、そうやって言われれば、大体の予想はつく。 正直、何時からそうなのかまではまったく理解できないし、理由なんて思いつかないが、どうやら俺は上重さんに好かれているらしい。 自分でも信じがたい事だし、夢ではないのかという気持ちもあるが、太ももを抓れば、はっきりとした痛覚が脳へと伝わる。 どうやら、未遂とは言え、初めての告白された ―― しかも、上重さんほどの美少女に ―― のは夢じゃないようだ。 漫「ま、まぁ…その…だから…うちはそんな感じやし…須賀君の事を嫌いになった訳やあらへん」 漫「だ、だから、問題は次や次!」 京太郎「次…ですか?」 それに胸の奥底からジワジワと喜びが沸き上がってくる俺の前で上重さんがそっと立ち上がった。 そのまま恥ずかしそうに椅子へと座り直す姿が微笑ましくて、思わず笑みを浮かべてしまう。 だが、上重さんはあくまでも俺のことを真剣に考え、そして向かい合おうとしてくれているのだ。 何時までも笑っている訳にはいかないと自分を戒め、向かい合うように上重さんの前へと座る。 漫「さっきモブちゃん達に聞いといたけど、様子がおかしゅうなったんはうちだけみたいや」 京太郎「つまり…俺の能力が発動するには何らかの条件がある…と…?」 漫「多分…やけど…でも、それが分かったら対策も立てやすいやろ?」 京太郎「はい…ありがとうございます」 俺が落ち込んでいる間に上重さんは先を見越して、情報を仕入れてくれていたらしい。 それに感謝しながら、俺はまったく前を見ていなかった自分を恥じた。 これでは上重さんに好かれるような立派な男とは到底、言えない。 そう自分を叱咤しながら、俺はそっと頭を下げた。 漫「それで…その…もう一人の犠牲者…原村さんやったっけ?その人とうちとの共通点やけれど…」 京太郎「んー…真っ先に思いつくのは麻雀が強い…ですけど…」 どちらもインターハイ出場校のレギュラーを張る実力者だ。 正直、今の俺ではよっぽど天運に恵まれなければ、勝てない相手だろう。 いや、恵まれたところで終盤にひっくり返される可能性が高い。 本当に麻雀が強い人達の闘牌と言うのは時に理不尽なくらいの偏りを見せるのだから。 それを全国で嫌と言うほど見てきた俺にとって、両方共、勝てるビジョンが浮かばない相手であった。 漫「でも、モブ1ちゃんやモブ2ちゃんやって他の高校やったらレギュラーになれる実力者やで」 京太郎「確かに…言われてみれば…」 そもそも名門の呼び名高い姫松で一軍ないしその候補に入っている時点でかなりの実力者である事は確定だ。 実際、モブ2さんなどは一昨日、大勝し、卓の総合成績一位をもぎ取っていったのだから。 そんな二人からも和了っているのに、まったく能力が発動する気配もないというのはおかしい。 漫「それに…後天的に得る能力ってのは大抵、思い入れとかそういうのから来てるんや」 漫「うちと原村さんの共通点で、須賀君が思い入れがありそうなものってないのん?」 京太郎「思い入れ…ですか…」 漫「うん。なんかこう…これがあれば生きていける!的なものでもええねんけど…」 京太郎「……」 漫「……」 京太郎・漫「「…あ」」 そこでシンクロしてしまったと言う事は上重さんも大体、同じ予想に到達したのだろう。 今まで出た情報が重ね合わさる部分と言うのは恐らく、これしかないのだから。 とは言え、それを口にするのは恥ずかしくて、俺は口を噤んでしまう。 それは上重さんも同じみたいで、顔を微かに紅潮させながら、チラチラとこっちを見ていた。 漫「あの…須賀君…もしかして…」 京太郎「すみません。言わないで下さい。今、自分で気づいて凹んでいるんです…」 漫「い、いや…でも、向きあわへんかったら…何時までもそのままやで?」 正論すぎるほど正論な上重さんの言葉に俺はそっと項垂れながら頷いた。 確かにここまで来てしまった以上、認めない訳にはいかない。 そもそもここで確認を怠ってしまうと俺はまたあの思考の迷宮の中に堕ちてしまうのだから。 悶々とした気持ちがひたすら続くそれがどれだけ辛い事かなんて俺はもう痛いほど知ってしまっている。 それから逃げる為ならば、今、ここで自分の情けなさに立ち向かう方がよっぽど気が楽だろう。 京太郎「多分…俺の能力の発動条件は…巨乳か否か…だと思います…」 漫「それしかないやんなぁ…」 呆れたような上重さんの言葉に俺はガクリと肩を落とす。 俺をあんなに苦しめていた能力の詳細がこうにも馬鹿らしいものだと、バカバカしすぎて逆に笑えなくなるくらいだ。 被害者の数はまだ何とか抑えられているとは言え、被害の質が酷いのもそれに拍車を掛けている。 漫「い、いや、でも、能力になるくらいおっぱいが好きって凄いやん!」 京太郎「何かもうホント、すみません…」 そんな俺を何とか上重さんが慰めようとしてくれているのは分かるが、そこを褒められても正直、困る。 勿論、上重さんに悪気がないのは分かっているが、それは俺がどれだけ彼女たちを性的な目で見てきたかと言う証左でもあるのだから。 性欲真っ盛りな男子高校生とは言え、人に迷惑を掛けてしまうほどの性癖となると自分で引く。 もう本気で麻雀するのを止めようか。 半ば、自棄になった心の中でそんな感情が浮かんでくるのを感じながら、俺は一つ大きなため息を吐いた。 漫「あぁ、もう…そんな落ち込まへんの。能力の詳細が分かったんやから、一歩前進やん」 京太郎「そりゃ、そうかもしれないですけど…」 漫「それに能力言うても千差万別やで。もしかしたらON-OFFの切り替えが出来るかもしれへんし、対策だってあるかも分からへんやん」 京太郎「あ…」 上重さんの言葉に俺の頭の中に光明が差し込んだ。 確かに全国クラスの打ち手の中にも明らかに条件を満たさなければ発動しないタイプがある。 そうでなくともオカルト対策と言うものは、どの学校もかなり力を入れているものだ。 もしかしたら、その中に俺の能力に対しても有効なものがあるかもしれない。 そう思うと下火になりかけた麻雀への情熱がふつふつと燃え上がり、先行きが少しだけ明るく感じる。 京太郎「そう…ですね。落ち込んでなんかられません」 漫「そうそう。須賀君は元気なんが一番やで」 そう言って、俺の頭を撫でながら、上重さんがニッコリと笑ってくれた。 心の底から俺の復調を喜んでくれているその表情に嘘や陰りは見えない。 あんな事をした原因は俺にあるのに、本気で上重さんは俺のことを嫌っていないらしい。 それがようやく実感となって沸き上がってきた俺の目尻が熱くなり、視界が滲んでいくのを感じる。 京太郎「すみません…もう何から何まで…」 漫「もう乗りかかった船やし、別に構わへんよ。それに…」 そんな俺の前で言葉を区切りながら、上重さんは胸元からハンカチを取り出した。 それを俺の頬に当てるようにして涙を拭ってくれる仕草はとても優しい。 一回一回丁寧に涙を拭っていくそれに俺の心も少しずつ落ちつき、涙が細くなっていく。 漫「今日でお別れやし…色々とポイント稼いどかへんかったらあかんやろ」 京太郎「う…」 冗談めかしたその言葉に、思わず呻いてしまうのは決して嫌だったからなどではない。 寧ろ、そうやって笑う上重さんが堪らなく魅力的に見えてしまったからだ。 現金過ぎて馬鹿らしい話だが、上重さんが俺の事を好きかもしれないと言う事が俺の意識を揺さぶっている。 元々、上重さんがかなり俺の好みに一致する女性だという事もあって、欲情とは違うドキドキ感が俺の胸を支配していた。 京太郎「そ、そうだ!何でもやるって言ってた件を覚えてます?」 そんな自分を上重さんに知られるのが妙に気恥ずかしくて、俺は強引に話題を逸らそうとする。 しかし、努めて明るくしたその声は悲しくなるくらいに白々しく、そして動揺を表すように大きなものだった。 微かに上ずったその声のおかしさに上重さんも築いたのだろう。 俺の前でニンマリと意地悪い笑みを浮かべながら、上重さんがそっと首を傾げた。 漫「何?うちと付き合ってって言ったら、付き合ってくれんの?」 京太郎「い、いや、それは上重さんに悪いって言うか…そういう事で決める事じゃないって言うか…」 漫「…ヘタレ」 京太郎「うぐっ」 ストレートに俺の胸を突き刺す言葉に呻く俺の前でクスリと上重さんが微笑んだ。 何時もどおり俺を弄って遊ぶその姿が嬉しい半面、悔しいのはプライドの問題か。 しかし、今の俺には反撃の手段はなく、ヘタレの汚名も甘んじて受けるしか無い。 漫「まぁ、正直に言うと、別にそんなもん要らへんよ。と言うか、昨日のダッツで帳消しや」 京太郎「いや、でも…結局、ろくに食べれませんでしたし…」 確かに昨日のハーゲンダッツはお礼とお詫びを兼ねて買ってきたものだ。 だけど、そんなもので上重さんへの感謝の気持ちを表現出来ているとは到底、思っていない。 文字通りの意味で、上重さんは俺を二回も救い、そして許してくれたのだから。 そんな上重さんにこれからは気軽に会う事も出来ない距離になる訳だし、出来るだけ今の間に返せるものは返しておきたい。 京太郎「それに俺は今、上重さんの犬な訳で…」 漫「…何?須賀君ってそういうのもイケる口?そやったらうちも責める方、頑張るけど…」 京太郎「違います!」 まぁ、確かに上重さんだったら優しく責めてくれるだろうし、悪くはないと思うが、今はそういう事を言っているんじゃない。 そうは思いつつも制服の中でムスコがピクンと反応してしまったのはオスの性と言う奴か。 好みのタイプであり、尚且つ、好意を示唆してくれる美少女にこんな事を言われるとどうしてもハッスルしてしまうのだ。 流石にガチ勃起とまではいかなくとも、昨夜の情事を思い出し、ムクムクと硬くなっていくのを自覚する。 京太郎「と、とにかく!何か俺にやって欲しい事とかあったら言って下さい。出来るだけ力になりますから」 漫「んー…」 そんな自分を振り払うように力強く言い放つ。 それに上重さんが顎に手を当てながら、そっと考えこむ仕草を見せた。 元々が結構な童顔な所為か、そんな姿も絵になる…と思うのは流石にちょっと失礼か。 だが、俺の悩みを受け止めてくれた先輩の可愛らしい姿に思わず頬が緩むのは否定出来なかった。 漫「それってどれくらいまでオッケー?」 京太郎「俺が他人に迷惑を掛けたりしない事なら何でもやります!」 勿論、上重さんがそんな酷い事をさせたりしないと信じている。 人のことをからかって喜ぶ気質ではあれど、その本質はとても優しくて、包容力のある人なのだから。 故にそれは上重さんの提案を制限する為ではなく、気兼ねなく上重さんが俺に命令出来るようにする為のものだ。 漫「それじゃ…早速で悪いねんけれど…」 京太郎「えぇ。どうぞ」 そんな俺の気遣いが上重さんに届いたのかは分からないが、上重さんはそっと唇を開いた。 微かにこちらに身を乗り出すような姿勢になったその姿は、まるで隠し切れない興奮を表現しているように思える。 昼の暖かな日差しが当たる頬が微かに紅潮しているように見えるのも、俺がその印象を抱く原因になっているのだろう。 そんな自意識過剰も甚だしい自分に自嘲した瞬間、上重さんの口はゆっくりと開き、言葉を放った。 漫「…うちと一緒に家族風呂入ってくれへん?」 京太郎「…え?」 ……… …… … 見目麗しい美少女からの誘い。 しかも、相手は間違いなく好みのタイプで恩人な上、俺に好意を向けてくれている。 その上、『ちょっと須賀君の能力関連で試したい事があるから』と大義名分までくれたその誘いを、断れるような男が果たしているだろうか。 京太郎「(少なくとも俺は無理でした…)」 例え、お互いが水着を着ると言っても、狭い個室の中で半裸に近い男女が二人っきりになるのだ。 自然、如何わしい想像が俺の脳裏に浮かび、ムスコがムクムクと硬くなっていく。 結果、いけないとは思いつつもズルズルと流され、こうして上重さんと家族風呂の前 ―― つまりこじんまりとした脱衣所に立っている。 その身体は緊張と興奮でガチガチに固まって、手に持つ荷物が妙に重く感じられた。 漫「思ったより中、狭いんやねぇ…」 そんな俺とは対照的に、上重さんの仕草はそれほど緊張が見られない。 一度は自分を犯した相手と一緒に風呂に入ると言うのに、まるで身構えないその様は誘っているんじゃないかとさえ思うくらいだ。 だが、これは上重さんが俺の為に試したい事があると提案してくれた事なのである。 今までの人生の中でそうして自意識過剰になって良い事なんて一つもなかったという事もあり、俺は暴走しそうになる自分を必死に抑えていた。 京太郎「ま、まぁ…貸切のお風呂みたいなものですし」 それでも上重さんの呟きに答えるそれはどもった上に震えていた。 分かりやすいほどに緊張と興奮を混じらせる自分に自嘲が湧き上がるが、上重さんは俺に何も言わない。 上重さんも『試したい事』以外に期待しているのか、或いは適当に流しているだけなのか。 普段、俺を嬉々として弄ってくる上重さんの様子から察するに前者だと思うが、正直、確信は持てなかった。 漫「カップルや子ども連れのお客さんがメインターゲットやからなぁ」 普段ならここで『うちらもカップルって思われたかな?』と言う一言くらいあってもおかしくはない。 でも、もしかしたら、俺の誤解かもしれないし…と思うと悶々としてしまう。 こういう時、人の心が読めれば…と思うが、人生それほど甘くはない。 でも、人を発情させるオカルトよりはそういった読心能力のほうが良かったと思うのが、今の正直な気持ちだった。 漫「さて…それじゃ時間もないし…とっとと脱いで入ろっか」 京太郎「…思い切り良すぎじゃないですか?」 漫「だって、もう後、ちょっとしかないねんもん…オロオロしとったらあっという間やで」 俺の言葉に頬を膨らます上重さんの言う通り、解散の時間は刻一刻と迫っていた。 こうして俺の手に二人分のバッグがあるのもそれが理由である。 既にチェックアウトして、部屋に入れなくなった以上、荷物はフロントに預けるか、自分で持ち歩くかしかない。 そして、これから家族風呂に入ろうとしている俺たちには後者しか選べないという訳だ。 漫「よいしょ…」 京太郎「う…」 とは言え、そうやって何の躊躇いもなく自分の上着を脱いでいく上重さんのようには中々、なれない。 勿論、俺だって時間がないのは分かっているものの、やっぱり気恥ずかしさと言うのが先に立つのだ。 既にお互いの裸をこれでもかとばかりに見ているとは言え、それは興奮で思考が滅茶苦茶になっていた時である。 こうして冷静な時に自分で服を脱ぐのとはまた違って、妙にぎくしゃくしてしまう。 漫「うちの脱衣シーン…そんなに色っぽい?」 京太郎「…割りと」 漫「へへ…♪それやったら…もうちょいサービスしてあげよっかなぁ…♥」 そう言って上重さんが制服のシャツにそっと手を掛けた。 そのままこちらへと胸を突き出すように背筋を曲げながら、一つ一つボタンを外していく。 ぷち…ぷち…と一つずつ確かめるようにボタンを外す姿はまるで俺を焦らしているようだ。 その想像に思わず生唾を飲み込んでしまう俺の前でゆっくりと上重さんの肌色面積が増えていく。 そんな中、俺の視線は水色のブラを身につけ、両腕に挟まれて強調されている胸元へと伸びていた。 漫「ふふ…♪これ結構、見られてる方もドキドキするんやね…♪」 京太郎「だ、だったら止めたら良いじゃないですか…」 漫「ここで止めると須賀君に負けた気がするから嫌やし…それに…」 そこで言葉を区切りながら、上重さんが、そっと背筋を正す。 前屈みになって胸元を強調するような姿から普段通りの直立姿勢へ。 だが、それが妙に色っぽく思えるのは、上重さんのボタンが既に外されきっているからだろう。 拘束が外れて両側へと開いたシャツの間に肌色のラインがすっきりと通っている。 何処かチラリズムを彷彿とさせるその独特の隙間に興奮を擽られる俺の前で上重さんがそっと自分のスカートを手に掛けた。 漫「じっとうちの裸見とるやん…♥須賀君も…こういうの嫌いやないんやろ…?」 京太郎「う…」 そのまますっと上へとあげられ、衣服としての役割を果たさなくなるスカート。 その向こう側から見えたのはブラと同じ水色のレースで作られた下着だ。 微かに肌色を透けさせるそれはまさしく勝負下着と言う奴なのだろう。 京太郎「(しかも…濡れて…)」 昨日のように俺の能力が左右した訳じゃない。 今日の俺はまったく和了っていないし、発動する余地もなかったのだから。 けれど、上重さんのそこはもうぐっしょりと濡れていて、べったりと恥丘に張り付いている。 盛り上がったクリトリスの形さえ分かるほどのそれは上重さんが欲情している何よりの証だろう。 漫「昨日のは随分と色気なかったからなぁ…♥今日のは特別やで…♪」 今度は腰を突き出すように姿勢を崩しながら、上重さんがクスリと笑う。 それはまだ俺が良く知る上重さんの領域に踏み留まりながらも、淫らなものを連想させる笑みだった。 普段の上重さんと、昨夜の漫が重なり…何処か誇らしげに自分の下着を魅せつけるその姿。 それに日常と非日常の境目が曖昧になり、頭がクラクラと揺れるように感じる。 漫「ほら…どう…?うちのパンツ…♥興奮…する…?」 京太郎「」コクコクッ 勿論、上重さんだって俺が興奮している事くらい気づいているはずだ。 でなければ、何処か挑発するように、尋ねてきたりはしないだろう。 だが、そうと気づいていても、俺の首は馬鹿みたいに上下して首肯を見せた。 それに上重さんは笑みを深くしながら、そっと手を離す。 京太郎「あ…」 パサリと言う音と共にショーツがスカートのヴェールへと隠されていく様に俺は思わず声をあげてしまう。 決して意図した訳ではないその呟きは思ったよりも大きく、脱衣所の中を震わせた。 まるで俺がそこに集中していた事を知らしめるようなそれに血液が顔に集まっていくのを感じる。 そんな俺の前で上重さんが頬を緩ませながら、ゆっくりと後ろを振り返った。 漫「そんな寂しそうな声あげんでええよ…♥ほら…ぁ♪」 そう言って、上重さんは俺に向かってお尻を突き出すような姿勢になった。 そのまま俺を誘惑するようにフリフリと左右へとお尻を揺する姿に俺の視線は釘付けになる。 流石に和ほど肉付きが良い訳ではないが、上重さんのお尻はとても小ぶりながら、美味しそうだ。 和のそれが埋もれるようにむしゃぶりつきたいとするならば、上重さんのそれは食い尽くすほどにむしゃぶりたい。 漫「やん…♥須賀君の視線…凄いエッチやで…♪」 京太郎「し、仕方ないじゃないですか…!」 そう言いながらも上重さんは決して逃げる事はない。 いや、それどころか、ゆっくりとその腰に手を当てて、スカートのホックを外した。 瞬間、拘束が外れてパサリと落ちていくその向こうに、さっき俺を興奮させた水色の布地がある。 クロッチの部分が変色した淫らなそれにもう一度、俺が生唾を飲み込んだ瞬間、上重さんの手がゆっくりとそこに掛かった。 漫「それじゃ…エッチな須賀君にご褒美…な…♥」 その言葉と共にゆっくりと上重さんの手が下がっていく。 ショーツの端を指に引っ掛けながらのそれは本当にゆっくりで、思わずもっと早く先が見たいと思わせるものだった。 その上、俺を誘惑するように休まずお尻が動き続けているのだから、たちが悪い。 思わず、その手に持っていた荷物をドサリと床へと下ろして、腕がそこへ伸びてしまうくらい、俺は興奮させられていた。 漫「あかんよ…♪おさわり禁止ぃ…♥」 京太郎「う…」 そんな俺の気配を感じ取ったのだろう。 上重さんは肩越しに振り返ってそう言いながら、腕の動きを止めた。 勿論、不自由な姿勢のまま固まっている上重さんに襲い掛かれば、強引に押し切る事も可能だろう。 だが、昨夜、色々とやってしまった経験が俺の中で歯止めを掛け、その腕を中空で立ち止まらせた。 漫「そう…♪ええ子やね…♥後で一杯、構ったげるから…♥」 俺が完全に止まった事を確認してから、上重さんはそっと微笑む。 媚と欲情が混ざりきったその顔はかなり頬が紅潮し、上重さんもかなりの興奮状態にある事を俺に知らせた。 そんな上重さんが一体、何をしたいのか、或いは何をさせたいのかは分からない。 分からないが…ここは上重さんの言葉を信じて、待つべきなのだろう。 漫「ほら…っ♪見えるで…っ♪もう少しで…うちのアソコぉ…♥」 そう考えた俺の意識を現実へと引き戻したのは吐息で途切れがちになった上重さんの言葉だった。 ハァハァと白いもやを吐き出す呼吸に合わせるようにして、下ろされていく下着の向こうにはもう肌色が見えている。 微かに筋が入ったその向こうに赤色の粘膜を覗かせるそこはやっぱりビチャビチャで、粘液が糸を引いていた。 興奮している所為かツゥっと何処までも伸びていくドロドロのそれがクチュリと淫らな音を立てる。 その光景に口が半開きになるほど惹きつけられた瞬間、粘液の糸が途切れ、俺の前に秘唇が晒された。 京太郎「う…おぉ…」 既に粘液で濡れたそこはテラテラと光り、ひくひくと紅潮した肌が揺れている。 それに感嘆とも興奮とも取れるうめき声をあげる俺の前で上重さんが誇らしげに笑った。 欲情を強く混じらせるそれはオスを誘惑できた事に確信を得たメスのものか。 例え、何であれ、それが心臓を鷲掴みにされるほど魅力的なのは事実だった。 漫「ほら…ぁ♪次は…須賀君の番やで…っ♥」 京太郎「は、はい…」 そうやって促す上重さんの意図はまだ分からない。 だが、こんなに魅力的な様を魅せられて、お返しもなしで良いと思えるほど俺は不義理な人間じゃなかった。 興奮で鈍くなった思考が命じるままに俺はそっと自分のシャツに手を掛け、ボタンを外そうとする。 しかし、あまりの興奮の所為か、俺の手は強張り、震えていた。 結果、ボタンを外そうとする目論見は上手くいかず、俺に何とも言えないもどかしさを与える。 京太郎「くそ…っ」 漫「もう…仕方のない子やなぁ…♥」 そんな自分の情けなさに思わず悪態が飛びでた瞬間、上重さんが俺へと近づき、その手がシャツへと伸びた。 そのままぷちぷちと手際よくボタンを外していくそれに羞恥心が燃え上がる。 自分で服も脱げないようなみっともなさを見せただけじゃなく、こうして服を脱がして貰うだなんて考えもしなかった。 だけど、それが擽ったいようで…決して不快ではないのはどうしてなのだろうか。 何だかんだ言って、上重さんが頼れる先輩として成長してきているのか、或いは男としてのプライドが揺らぐほど、俺が上重さんに心を許しているのか。 そのどちらもがありそうな気がして、俺はそっと肩を落とした。 漫「それじゃ…須賀君の逞しい身体御開帳…っ♥」 京太郎「逞しいってほどじゃないと思うんですけど…それに…」 そう言ってグワリと一気に俺のシャツを肌蹴させようとする上重さんにポツリと呟く。 けれど、それはどうやら間に合わなかったようで、俺の前で上重さんを呆然とさせた。 まるである日、コツコツ貯めていたが貯金が0になっていたようなその表情。 それに少しだけ心が痛むが、今、上重さんの前にあるのはどうしようもない現実だった。 漫「シャツやん…」 京太郎「そりゃ制服着てる訳ですし…」 漫「信じてたのに裏切られたぁ…」 クスンと鼻を鳴らしながら落ち込む上重さんはいっそ理不尽とも言えるだろう。 制服の上からでも気づいておかしくはないだろうに、勝手に期待して勝手に自滅したのだから。 そもそも普通で考えれば素肌にシャツを着こむなんて事はしないと分かるはずだ。 しかし、そういった理性的な思考が働かないほどに今の上重さんは興奮している。 それに胸の奥が疼く反面、少しずつ頭が冷静になっていくのを感じた。 漫「もうええもん…♪後で須賀君はぎゅうぅの刑な…♥」 京太郎「それが一体、どんなものかは分かりませんがすっごい理不尽な気がします…」 漫「大丈夫…っ♥須賀君もとっても気持ちええはずやから…な…♪」 そう言って上重さんは俺の胸板に爪を立てるようにしながら、ツゥゥと指を動かす。 くすぐったさと共に微かな快感が伝わってくるそれは魅力的で、俺の心臓がドキリと跳ねた。 それなのに俺の頭の中の冷たさは変わらず、思考も妙にクリアなままである。 そう言えば…本当につい最近、これと似たような状態になっていたような気がするが…何処だったか。 それが思い出せずに首を傾げた瞬間、上重さんがそっと俺の足元に跪いた。 漫「じゃあ…どうせやし、下もうちが脱がせてあげよっか…♪」 京太郎「…じゃあ、お願いします」 京太郎「(…あれ?)」 思った以上にスムーズに出てきたその言葉に俺はそっと首を傾げた。 何時もの俺であれば、多分、思いっきりどもるか、うめき声をあげていたところだろう。 それなのに、先の俺の言葉には動揺がなく、はっきりとしたものだった。 そんな自分に違和感を覚えるものの、それは形にならないまま霧散する。 漫「それじゃ…お口か、手か…どっちがええの…♪」 京太郎「そうですね…じゃあ、口でお願いします」 漫「ふぁぃ…♥んふ…♪お客さん通やねぇ…♥」 京太郎「自分からこういう事を言い出す上重さんほどじゃないですよ…っと」 俺がそう言った瞬間、上重さんの唇がそっとズボンのチャックを捕まえ、歯で拘束する。 そのままジィィと歯でチャックを下ろしていくその様に妙な達成感と支配感を感じた。 まるで調教が進んだ自分の雌奴隷を見るような歪んだその感情に俺の手は突き動かされる。 それを俺に奉仕するように跪いた上重さんの頭にポンと置いて、髪の感触を楽しむように撫で始めた。 漫「えへ…ぇ♥なんや…ちゃんと分かってるやん…♪」 京太郎「分かってるって事は…上重さんもこうされたかったんですか?」 漫「だって…これ…ドキドキするやん…♥須賀君に所有されてるって感じがして…安心する…ぅ♪」 尋ねる俺の言葉にそっと目を細めた上重さんの動きが止まる。 興奮よりも安堵を強く浮かべたその表情に嘘偽りは見えない。 きっと本心から俺の愛撫を受け入れ、ドキドキしてくれているのだろう。 そんな健気な上重さんの姿に俺の胸は一瞬、息苦しくなるほどの興奮を覚えた。 しかし、それでも尚、冷たいままの俺の頭は次に言うべき言葉を探り、跪いた上重さんへと投げかける。 京太郎「女の人って気を許した人じゃないと髪を触らせないって聞きますけど…」 漫「意地悪…♪分かってる癖にそういう事聞くんや…♥」 京太郎「そういうの好きでしょう?」 漫「うん…♪らい好きぃ…♥」」 俺がそう問いを投げかけたのは、上重さんが俺のズボンに口を押し当てた瞬間だった。 勿論、それも意図してタイミングを狙ったからである。 邪魔し過ぎるのはアレだが、少し行動を阻害されるくらいの方が上重さんは好みなのだから。 それは俺のトランクスを歯で引っ張り出しながら答える甘い声が証明しているのだろう。 漫「ん…もうビンビン…♥ん…れろ…♪」 そう呟く上重さんの言葉通り、俺のそこはもうかなり硬くなっている状態だった。 流石に完全に勃起しきっている訳ではないが、トランクスの中が窮屈に思える程度には興奮している。 そんな場所にゆっくりと顔を近づける上重さんの顔は幸せそうに蕩けていた。 まるで俺のチンポの匂いが大好きで堪らないと言わんばかりのそれに俺の胸は跳ね、その髪を優しく撫でたくなる。 漫「ふぁぁ…♥…ん…ふぅっ♪」 そんな俺の愛撫に声をあげながら、上重さんは器用にトランクスのボタンを口だけで外してみせた。 瞬間、中で反り返ったムスコがボロンと外へと溢れだし、上重さんの鼻先に当たる。 突然の俺の反撃に、しかし、上重さんは何も言わず、それを受け入れていた。 いや、それどころか、自分から顔をずいっと近づけ、スンスンと鼻を鳴らして匂いを嗅いでいる。 男の象徴であり、弱点でもある場所の匂いを嗅がれていると思うと気恥ずかしさと共に誇らしさを覚えた。 漫「こんなおっきくて…良い匂いがするもんがうちの中に入っとったんや…♥」 うっとりとして漏らすその声にチンポの根本から疼きが走った。 まるで軽い電流を流されたようにビクンと跳ねるそれに漫さんの陶酔が強くなる。 放っておいたら、そのまま俺のムスコにむしゃぶりついてきそうなほどの表情。 それに嗜虐心を唆られた俺はそっと上重さんの頭から手を離し、口を開く。 京太郎「それじゃ、時間も勿体無いですし…早く脱いでしまいましょうか」 漫「え…あ……う…うん…」 この期に及んで突き放すような俺の言葉に上重さんは目に見えて落胆を浮かべながら、そっと立ち上がった。 そのまま自分の服に手を掛けるが、チラチラとこちらの様子を伺ってくる。 その度に手が止まってしまうので、その作業は到底、順調とは言えなかった。 だが、俺はここで助け舟を出してやるつもりも、手伝ってやるつもりもない。 そう言うのはもうちょっと焦らして…上重さんがどうしようもなくなってからになってからだ。 京太郎「それじゃあ俺、先に入ってますからね」 漫「…あ…」 そんな上重さんを一人脱衣所に残しながら、俺はそっと扉を開いて家族風呂へと踏み入れる。 そこは木目の露出した壁と石の床で出来ており、中央に大きな檜を切り抜いたような浴槽がドンと横たわっていた。 そこに乳白色の温泉がちょろちょろと流れ込む空間は決して広い訳じゃない。 だが、大きく開いたガラス窓から山の景色が見えて、実際の空間よりも広々と感じさせる。 大人数で入れる浴場形式も好きだが、こういう少人数型も落ち着いた雰囲気で良いかもしれない。 そう思いながら、ひんやりと心地良い床を蹴れば、股間でブルブルとムスコが震える。 京太郎「(まぁ…裸だしなぁ…)」 流石にここまで勃起したものを借り物の水着に押し込める気にはなれない。 とは言え、歩く度にチンポが揺れる感覚は新鮮だが、妙に落ち着かなく、俺の肩をそっと落とさせた。 だが、それでもまったく萎える様子がないのはこれから先の展開に期待を抱いているからか。 そんな自分に微かに自嘲を感じるものの、俺はもう止まれない。 頭の中こそ冷たいままだが、身体はもう興奮で熱く、今にも上重さんに襲いかかってもおかしくはないくらいなのだから。 漫「う…」カラカラ そんな事を考えた瞬間、後ろで扉が開く音がする。 それにそっと振り返れば、そこには小さな手ぬぐい以外には何も身に着けていない上重さんがいた。 何時もつけている赤いゴムすら外したその顔は真っ赤で、その両足は何かに耐えるようにもじもじとしている。 その上、俺に何かを察してほしそうに媚を浮かべて、チラチラと見てくるのだから、堪らない。 まるで全身で苛めてほしいと主張するようなそれに俺の口は我慢出来ず、勝手に開いた。 京太郎「あれ?水着は着ないんですか?」 漫「わ、分かっとる癖に…そういう事言うのは卑怯やで…っ♪」 そう俺に向かって強気な言葉を放ちながらも、上重さんは何も隠さない。 いや、それどころか、手ぬぐいを持った両腕でその大きな胸を挟み込み、人並みより長い乳首をピンと張らせている。 微かに生えた黒色の茂みやその下でひくつく大陰唇まで俺に晒しているのだ。 そんな上重さんの言葉が俺に届くはずもなく、まったくと言って良いほど動揺しない。 寧ろ、逆に嗜虐心を唆られた俺はニヤリと意地悪い笑みを浮かべながら、言葉を放った。 京太郎「何がです?分からないんで俺にちゃんと教えてもらえますか?『先輩』」 漫「ん…ぅぅ…♥」 先輩と言う文字に強いアクセントを置いた俺の言葉に上重さんがブルリと震えた。 まるで今の一言で軽い絶頂を覚えたようなその様に俺は内心、クスリと笑う。 何処までも淫らに、そして可愛くなっていく上重さんの姿と言うのは俺に堪らない達成感を与えてくれるのだ。 何処か歪んだ、けれど、はっきりとした愛しさ混じりのそれに俺のムスコが跳ねた瞬間、上重さんがオズオズと口を開く。 漫「うち…もう我慢出来へんの…っ♪須賀君が欲しくて堪らなくって…水着とか…もう着けてられへんで…ぇ♥」 京太郎「欲しいってどういう事ですか?」 ポツリポツリと漏らす上重さんの言葉の意味が分からないほど、俺は鈍感ではない。 実際、俺だって同じ意味で上重さんが欲しくて仕方がないのだから。 けれど、折角、こうして上重さんが自分から身を捧げてくれたのだ。 ここで全てを察して、受け入れてあげる方が失礼と言う奴だろう。 漫「す…須賀君に…須賀君に甘えさせて欲しくて…っ♥」 京太郎「さっき撫でてあげたでしょう?まだ足りないんですか?」 漫「いやぁ…ちが…違うの…っ♥そうやなくて…昨日…っ♪昨日みたいに…うちを…うちをぉ…♥」 そう言ってブルブルと肩を振るわせる上重さんの瞳がジワッと潤み始めた。 焦らされている興奮とギリギリまで達した欲情が、もどかしさとなって上重さんの意識を揺らしているのだろう。 そしてそれを抑えきれなくなった身体が、涙となって放出しそうとしている。 それを感じさせる姿に潮時を悟った俺はそっと上重さんの方へと手を伸ばした。 京太郎「おいで、『漫』」 漫「~~~っ♥♥♥」 昨夜の関係に戻ろうとするような言葉にパァと顔を輝かせた上重さん…いや、漫が俺の元へと駆け出した。 それに一瞬、風呂場で走るなと言う言葉が飛び出そうになるが、それよりも先に軽い衝撃が俺の胸を打つ。 全面に感じる柔らかい感触に思いを馳せるまでもなく、それは漫が俺に飛び込んできたからだ。 決して軽くはないその振動に漫の衝動の強さを改めて教えられた俺はそっとその背中に手を回し、ゆっくりと抱き寄せる。 漫「京君は意地悪やぁ…♥」 京太郎「ごめんな。でも、漫が可愛いから意地悪したくなるんだ」 さっきまでとは打って変わって、幼く甘えてくる漫の姿。 それは本当に可愛らしく、俺の胸を何度も甘く疼かせた。 締め付けるような息苦しさとは少し違うそれは多分、愛しさと言う奴なのだろう。 それがまだ一人の女性としてか、或いは愛玩奴隷に近いものかまではまだ俺にも分からない。 俺の頭は冷静で思考の巡りも悪くないはずなのに、そういった所では思考がまったく働かなかった。 京太郎「(あぁ…そうか。俺…本当に興奮しているんだ…)」 頭の中だけが興奮から除外されているように冷たいままなのは決して俺が冷静だからじゃない。 寧ろ、煮えたぎるような興奮があるからこそ、俺の頭の中が冷えていく。 俺の中の嗜虐的な欲求を満足させる為に、漫を支配している実感を得る為に、被虐的な彼女を満足させる為に。 そのどれもが興奮に身を任せているだけでは決して達成し得ないものだ。 だからこそ、俺の頭は冷たく、そして何時もは言えないような意地悪なセリフが簡単に飛び出す。 そんな自分なりの興奮の仕方を一つ発見した瞬間、俺の胸に擽ったさが広がった。 漫「…一杯…いぃっぱいぎゅうってしてくれへんかったら許さへんもん…♥」 京太郎「あぁ。分かった」 スリスリと俺の胸板に頭を摺り寄せながらのセリフは到底、許さないと言っているようには思えない。 その言葉自体もうっとりとしていて、陶酔を強く感じさせるものだから尚更だ。 けれど、それをこうして素直に甘えてくる漫に言うほど、俺は鬼畜でも浅慮でもない。 頑張った分にはそれ相応の飴をあげるのが、基本なのだから。 漫「後…ちゅうもしてくれへんかったら嫌や…♥」 京太郎「はいはい…」チュッ 漫「むぅ…ぅ」 俺を見上げながらの可愛らしい要求に俺はそっとおでこにキスを落とす。 それに漫が不満気に頬を膨らますが、取りやってやるつもりはない。 幾ら鬼畜ではないと言っても、今の俺は決して優しい訳でもないのだ。 はっきりとオネダリをするまでは、ご褒美をやるはずがない。 それを俺の表情から察したのか、漫は頬を膨らましたまま思案げに俯いた。 漫「ちゃんとうちのお口にちゅーして…ベロベロして…京君のお口でレイプしてくれへんかったらやぁ…♥」 数秒後、漫が口にした言葉はこれ以上ないくらい淫らなものだった。 普段からエロ本を読みふけっている男子高校生ならばともかく、一体、何処からそんなセリフを考えだしたのか、気になるくらいである。 もしかしたら、俺は凄い人とこういう仲になれているのかもしれない、と言う遂行が頭を過るが、それに気圧される訳にはいかない。 あくまでも主導権は俺が握っていなければ、俺も漫も満足出来ないのだから。 京太郎「本当に漫はキスが好きだな…」 漫「らって…京君…甘いんやもん…ぅ♥」 実際、昨夜だって漫は何度もキスを求めてきた。 快感で溢れた涙が顔をぐしゃぐしゃになってもまだそれを欲してきたくらいである。 そして、最早、マトモに思考が働いているかすら曖昧になっていた時だけではなく、今もまたキスを要求されているのだ。 それだけ俺が漫にとってなくてはならない存在のような気がして、満足感が胸を満たす。 そしてそれが命ずるままに俺はそっと漫へと近づいていった。 漫「ん…ぅ…♥」 そんな俺の前でゆっくりと上を向きながら、漫が目を閉じた。 それと同時に微かに突き出された唇はプルプルしていて、とても艷やかである。 ささくれ一つない美しいそれに惹かれるようにして、俺の瞳も閉じていく。 そしてそのまま触れ合った唇同士からふにふにと柔らかい感触が伝わり、俺の胸をじんわりと暖かくした。 漫「はぅ…ぅ♪」 だが、それも数秒の事。 すぐさま俺の舌は漫の唇を割り、その口の中へと入り込む。 懇願通りのそれに漫が甘い声をあげ、背筋がブルリと震わせた。 まだほんの序の口とは言え、敏感な漫は快感を感じているのだろう。 そう思うと妙に漫が愛しくて、ふと笑みが漏れそうになった。 京太郎「(しかし…本当にドロドロだな…)」 漫の口の中は興奮の所為か、既に唾液で一杯だった。 ほんの少し舌が動くだけでねとねとと絡みつき、俺の味覚を刺激する。 まるでシロップのような透明な甘さを感じさせるそれは何時まで味わってても飽きが来ない。 寧ろ、味わえば味わうほどドンドンとそれが欲しくなっていくような魅力を持っていた。 漫「ふぅ…ぅんんっ♪」 そんな唾液がもっと欲しくて、歯茎を這いまわる俺の前で漫が吐息を漏らす。 熱っぽく、そして甘いその吐息は密着した俺の肌を擽った。 これがまったく気にしていない相手であれば、どれだけ美少女出会っても不快だろう。 だが、相手が俺の恩人であり、妻である漫であれば、何ら気にする必要はない。 寧ろ、何とも言えない心地よさを感じた俺はより熱心に漫の粘膜を這いずりまわった。 京太郎「(熱い…)」 そうやって漫の中を舐めれば舐めるほど、粘膜が熱くなっていく。 それと比例するように唾液の量も増え、ドロドロとした感覚も大きくなっていった。 下の口という表現があるが、今の漫は上の口も堪らないくらい貪欲なのだろう。 まるでオマンコを彷彿とさせるように唾液を滴らせ、粘膜を興奮で熱くしているのだから。 漫「んふぅ…♪んくうっ♥」 そんな漫が押し殺した声をあげた瞬間、俺の胸板に柔らかい感触が一気に広がった。 それは乳首が押し潰れそうになるのも構わずに、漫が俺へと抱きついたからだろう。 脚に絡むような肉の感触もそれを肯定し、俺の胸を熱くさせる。 京太郎「(本当…可愛いな…)」 まるで我慢のきかない子どものようにもっともっとと身を寄せて、甘えるような漫の姿。 それは嗜虐的なスイッチの入った俺にとっても変わらず可愛く映り、胸に宿った熱が衝動を生み出す。 もっとこの可愛らしいメスを愛してやりたい。 そんな支配的な衝動が命ずるままに、俺の両腕はそっと下へと下がり、漫の背中からお尻へと移動した。 漫「んんん~っ♥♥」 それに漫が驚いたような声をあげるが、抵抗まではしない。 鼻息荒く俺に口を開き、胸が広がるほど抱きついているままだ。 そんな漫に胸中で暗い笑みを向けながら、俺はぎゅっと指先に力を込める。 瞬間、柔肉がクニクニと形を変えて、指に絡みついてくるのを感じた。 京太郎「(こっちは…おもちよりも柔らかいのか)」 指を飲み込もうとするような柔らかさは、胸に広がる乳肉よりも若干、強い。 しかし、その分、張りは薄く、おもちのように指を跳ね返してくるような感触は薄かった。 とは言え、それは決しておもちに劣ると言う訳ではなく、まったく違った魅力を俺に伝えてくる。 もみ心地は僅かにおっぱいの方が上だと思うが、それがおっぱい信者である俺の贔屓目かどうか自分でも判別しがたい。 京太郎「(それに…もうこんなところまで濡れてる)」 後ろから鷲掴みにした尻肉の合間には愛液が広がって、微かに濡れていた。 恐らくそれはショーツを脱ぐ前に流れ出た愛液が残っていたのだろう。 しかし、汗とは違うそのネバネバとした液体が揉む度に指に絡む気持ちは正直言って素晴らしい。 クチュクチュと微かに鳴らす音さえも俺を興奮させようとしているようで、思わずムスコが熱くなった。 京太郎「(責めてるのはこっちのはずなのに…なんてエロい身体なんだよ…)」 愛撫している俺も高められ、興奮していく。 認めたくはないが、既にガチガチに勃起して、腹筋につきそうなチンポが何よりの証拠だ。 漫の柔らかなお腹との間に挟まれているとは言え、その興奮の殆どが俺の指先や口から湧き出たものである。 それに小さいものではあるものの、戦慄を覚えながらも、俺の愛撫は止まらない。 グニグニクチュクチャと淫らな感触をお互いに伝え続けていた。 漫「はぷ…ぅ♪んんぅ…♥」 そんな俺に向かって漫の舌が突き出され、絡んでくる。 まるで今まで余ってくれなかったことを責めるように、熱々の粘膜は俺の舌を舐め回し、円を描いた。 その感覚は歯茎や唇の内側を舐めるものよりも強く、ゾクゾクとした快感を俺に伝えてくる。 本能が愛し合っていると言う事を強く認識するようなその快感に俺の舌も動き出し、淫らなチークダンスを踊り始めた。 漫「ふ…ぅ♥ふぁ…ん…っ♥」 本格的に始まったディープなキス。 それに満足気な声をあげる漫の舌はさっきよりも幾分、甘かった。 ドロドロとした粘度まで強くするようなその甘さが一体、何処から来るのか俺には分からない。 だが、その甘露が堪らなく美味しくて、俺はドンドンとそのキスに夢中になってしまう。 京太郎「(昨夜は俺が責めてるだけだったからなぁ…)」 早い内から身も心もトロトロになっていた漫はキスを懇願してはいたものの、自分からこうやって舌を動かす余裕はなかった。 結果、俺は勝手気ままに漫の口の中を貪り、上と下の口を同時にレイプし続けたのである。 そんな俺にとって、舌と舌を絡ませるこのキスは初めての経験であり、舌を動かす度にのめり込んでいってしまう。 それが拙いと言う意識はあるが、もう俺の舌は止まらない。 甘露を滑るようにして、クチュクチュと音をかき鳴らし、漫の舌を味わうのだ。 京太郎「(とは言え…そのまんまじゃあまりにも芸がないよな)」 そう胸中で呟きながら、俺は腕をそっと持ち上げる。 重力に逆らうようなその動きに掴んだままの尻肉もそっと上へと持ち上げられていった。 自然、きゅっと締まったヒップラインが形成されるのを手の感触から感じる。 勿論、俺の目的はそのラインを作り出す事…などではない。 そうやって引き締まった尻肉を揉みしだき、さらに漫を追い詰める事にある。 漫「あぅふ…ぅ♪♪」 そんな俺の狙いは外れていなかったらしい。 キスを続ける漫の動きが鈍くなり、その口から耐え切れなかったように吐息が漏れる。 口の中で熟成されたそれは唾液の匂いでも篭っているのか、さっきのものよりも遥かに甘く、そして濃い。 まるでフェロモンそのものを漏らしたようなその甘さに俺の意識がクラリと揺れてしまった。 漫「んっくぅ…ぅ♥♥」 お互いに隙を見せる濡れ場の中で、先に復帰したのは俺ではなく、漫の方だった。 立ち止まった俺の舌を囲むように舌を動かし、クリクリと舌先を尖らせて弄ってくる。 前後左右に揺れるそれは俺にまったく新しい快感を与え、硬直を長くした。 それが不満だったのか、漫の腕が俺の首へと周り、口同士を密着させる。 漫「んんっ…♪♪」 甘えん坊の漫らしい、可愛らしくも淫らな行動。 それにようやく我に返った俺の舌が動き出し、漫に応え始める。 だが、2つの唇を隙間なく触れ合わせている今のキスはさっきよりも粘っこいものだった。 まるで呼吸そのものを捨ててキスに夢中になるような貪欲なそれに復帰したばかりの俺の意識が傾倒していく。 もっとキスをしたい。 もっと漫を味わいたい。 もっと漫を貪りたい。 まるで漫のような欲求を沸き上がらせる俺の愛撫はドンドンと嗜虐的に、そして激しくなっていく。 漫「ふぁうぅぅ♥」 それが最初に現れたのは俺の口だった。 密着するだけでは物足りないとばかりに広がり、漫の口を飲み込む。 まるで唇の内側で唇を愛撫しようとするようなそれに漫の口周りげベッタリと汚れていく。 漫の口から漏れた唾液よりも激しく彼女を穢す愛撫に、漫は何ら抵抗を見せず、寧ろ心地よさそうに肩を振るわせた。 今の漫にとってはもう俺の唾液は汚らわしいものではなく、寧ろ所有の証か何かに思えるのかもしれない。 そう思うと胸の奥がジィンと震え、感動とも愛しさとも言えないものが沸き上がってくる。 京太郎「(漫…っ!漫…っ!)」 その感情のままに胸中で漫の名前を呼びながら、俺の指先はゆっくりとお尻の奥へと進んでいく。 尻の谷間へと少しずつ進行するようなそれに漫が擽ったそうにお尻を振るが、決して逃げたりはしない。 寧ろ、密着した漫の太ももからは痙攣めいた震えが伝わり、漫が感じている事を俺に教えた。 それに一つ安堵しながら、俺は尻の谷間をそっと割り、そして揉み潰すように両側から圧力を掛ける。 漫「ぷぁぁっ♥ふぅぅぅっ♪♪」 昨夜、おっぱい相手にもやっていないような激しく、力強い愛撫。 グリグリと尻肉の可動域の限界近くまで弄ぼうとするそれに漫の口が一瞬、外れた。 それにやりすぎたかと思ったものの、次の瞬間には漫から俺へと接吻を捧げ、唇を近づけてくれる。 どうやた気持ち良すぎただけで決して厭うような意思はないようだ。 それに安堵と興奮を強めながら、俺の指先はぎゅっと尻肉を押しこみ、その感触を楽しむ。 漫「んふぅ…ぅ♪ふあ…ぁっ♪♪」 瞬間、まるで寒空の下にいるように漫の腰がブルリと震えだし、それが全身へと波及していく。 突然、スイッチが入ってしまったかのようなそれは俺にとって見慣れたものであった。 昨夜、俺の前で呆れるほどに漫が見せた可愛らしくも淫らな快感の極み。 絶頂とも呼ばれる女の幸せがすぐそこまで迫っているが故のそれに俺は小さな困惑を覚えた。 京太郎「(これだけでイくのか…)」 昨夜、数えきれないほど見たと言っても、それはセックスの真っ最中だった。 或いは執拗におっぱいに対して愛撫を繰り返した果ての事だったのである。 だが、今、俺の目の前で果てようとしている漫とは愛撫もキスも始めたばかりだ。、 かと言って、今、俺の前で漫が見せるそれは決して弱いものじゃない。 いや、寧ろ、昨夜最初に見せたそれよりは激しいような気さえする。 まるでセックスを経て、ドンドンと敏感になっていくようなそれに興奮と違和感を覚えた瞬間、漫の胸が動き出した。 漫「んぁ…あっ♪」 俺の胸板に押し当てた自分の乳房を左右に揺らすような身動ぎ。 それに硬い乳首が甘い軌道を残し、俺の身体を興奮させる。 だが、その発端となっている漫は俺以上に興奮し、そして感じているのだろう。 硬く凝った乳首が乳房の間でピクピクと疼いているのが俺にもはっきりと伝わってくるのだから。 京太郎「(そんなに漫はイきたいんだな…)」 淫らに上体を揺らしてまで快楽を求めようとする漫の姿。 それはほぼ間違いなく、間近に迫った絶頂をより強いものにしようとしているからなのだろう。 貪欲でドロドロの欲望が漫にそれを命じ、ひたすら高めようとしているのだ。 けれど、それが妙に悔しいと思うのは、それが俺自身の手によるものではないからか。 どうせ果てるのであれば、俺の手であって欲しい。 そんな独占欲とも支配欲とも言えない衝動に突き動かされた俺はそっと脚に力を入れる。 京太郎「(だったら…俺が凄いのをくれてやるよ…っ!)」 嗜虐的なその言葉が胸中に溢れるのと同時に俺の膝が漫の足の間を通る。 そのまま愛液が滴る内股を滑るようにして、膝が上へと上がっていった。 自然、その終着点は股間 ―― つまり秘所の真ん前である。 だが、敏感なそこを持ち上げようとするような俺の動きに容赦はない。 流石に蹴るほどの勢いはないにせよ、ぐいっとそこを押しこみ、オマンコ全体を刺激するだけの力はあった。 漫「っっ~~~~~っ♪♪♪」 敏感な女芯にいきなり押し当てられたオスの脚。 それがどれだけ気持ち良いのか、男である俺には分からない。 だが、それが並大抵のものではない事が、俺の前でブルリと震える漫の様子から伝わってきた。 四肢を硬直させるように固まったその身体には震えが走り、ぎゅっと縮こまっている。 それなのに口からは嬌声さえ飛び出さず、まるで快楽に耐えているようだ。 それが何となく悔しくて、漫の股間に押し当てられた俺の膝がゆっくりと前後に動く。 漫「ひぐぅぅぅっ♥♥」 それに耐え切れなかったかのように漫は俺から口を離し、快楽の声をあげる。 それはきっと俺の膝を微かに押し返す小さな豆のような部分が原因だろう。 所謂、陰核やクリトリスと呼ばれるそこは女性の性感帯の中でもかなりの上位に食い込むほどだ。 それを硬い膝で押し潰すように刺激されて、漫が耐えられるはずがない。 目を開けば、ぎゅっと俺へと縋りつくような腕は震えを飛び越えて痙攣を始め、その口からドロドロと唾液が零れ出した漫と目が合った。 京太郎「…漫、可愛いよ」 それは間違いなく、情けないものであり、人によっては軽蔑するものだろう。 興奮する人はあれど、その様を可愛いと受け止められるものはきっと少ないはずだ。 だが、そう思いつつも、俺の口から飛び出たその言葉は決して嘘なんかじゃない。 俺の脚でイってしまい、目元から涙を流しそうなくらい乱れている漫の姿が俺にとっては堪らなく可愛く…そして支配欲を擽られる。 まるで漫の可愛さに俺もまた堕ちているような感覚の中、俺は何度も膝を動かし、漫を喘がせる。 漫「ひぅぅっ♥♥あ゛あぁぁっ♪♪」 その度にケダモノめいた可愛らしい鳴き声をあげる漫の身体がぐったりと脱力していく。 絶頂の波も少しずつ引き、逆に力が入らなくなってきたのだろう。 縋るような腕は俺へと寄りかかるものへと変わり、時折、痙攣を走らせた。 それでも嗜虐心が萎えない俺は余韻を残す漫を抱きとめ、脚を動かす。 漫「やらあっ♥♥だめ…っ♪今はだめええぇっ♪♪」 そんな俺の耳に漫からの拒否するような言葉が届いた。 だが、ここまでやっておいて今更、ダメと言われても止まれるはずがない。 そんな事を言うのであれば、最初から誘惑しなければ良いだけの話だ。 そう責任を転嫁しながら、俺はグリグリとクリトリスを押し上げ、敏感な身体に快楽を注ぎ込む。 漫「だめ…ぇっ♥♥♥クる…来ちゃう…ぅっ♪♪きょぉくんっ♥離れ…ふぇぇっ♥♥」 京太郎「…え?」 そこでようやく漫が言っている言葉を誤解した俺は間抜けな声を返した。 だが、時既に遅く、俺の脚に何か生暖かい液体が吹きかけられる。 おずおずとそちらに視線を向ければ、鮮やかな黄色に染まった液体が俺の膝に伝って脚へと流れていった。 その源は…まぁ…言わずと知れた漫の股間であり…もっと言えば、尿道なのだろう。 何処か呆然とする気持ちでそれを悟った俺の胸に申し訳なさが沸き上がってきた瞬間、漫が震える声をあげた。 漫「見ん…といてぇっ♥おしっこするとこ…みちゃ…やぁぁっ♥♥」 必死に懇願するようなその声を聞いても、俺の視線は下から外れる事はなかった。 見てはいけないとは分かっているのにじっと漫が俺の脚に放尿するところを見てしまう。 そんな俺に涙を浮かべて漫が嫌がるが、一度始まった放尿は中々、止まらない。 チョロチョロと流れる生暖かい液体はそのまま数十秒ほど流れ続けた。 漫「ひぐっ…う…うぅ…」 京太郎「あ……ぅ」 それが収まった頃には漫が嗚咽を漏らし始め、その腕で顔を隠す。 明らかにやりすぎてしまった事を伝えるその姿に俺は何を言えば良いのか分からない。 勿論、謝罪しなければいけない事くらい分かっているが、どんな言葉が良いかまったく浮かんでこないのだ。 漫を辱める言葉は幾らでも浮かぶ癖に慰められない自分に心の中で悪態を吐いた瞬間、漫の唇がゆっくりと動く。 漫「ごめん…なさい…ごめん…うち…京君の事穢してしもうた…ぁ」 京太郎「あ…」 ポツリと漏れたそれはやりすぎた俺を責めるものじゃなかった。 いや、それどころか、放尿した自分を責めている事を感じさせる言葉だったのである。 それを聞いて、何も言えないようじゃ男失格だ。 そう自分に言い聞かせた俺の中で一つずつ言葉が形になっていく。 京太郎「大丈夫だ。俺は穢されたなんて思っていないから」 漫「で…ひくっ…も…ぉ」 京太郎「それにお漏らしするくらい感じてくれたんだろ?とても光栄な事じゃないか」 未だ嗚咽を漏らす漫の頭をそっと撫でながらの言葉は決して嘘なんかじゃない。 確かに驚いたのは確かではあるが、その光景から目を背けられなかったのは逆に魅入られていたからだ。 漫がお漏らしするくらい感じてくれているという姿に俺は夢中になっていたのである。 そんな俺が漫に穢されたなんて思う理由など何処にもなかった。 京太郎「寧ろ、俺の方こそごめんな。やりすぎて…漫の事泣かせてしまった…」 漫「あ…」 そう言って、漫の手をどけるように触れれば、涙を浮かべた彼女と視線が合う。 目尻に沢山、涙を溜めたその姿はそれだけ漫がショックを受けた証左だ。 そう思うと目を背けたくなるが、それは俺の罪同然である。 ここで目を背けるような最低の屑になりたくはない。 胸中でそう覚悟を固めながら、俺はそっと漫の頬を拭った。 京太郎「お詫びになるとは思わないけど…漫の事、綺麗にさせてくれ」 漫「う…ん…♥」 そんな俺の言葉に漫は頷いて、目を閉じてくれた。 言葉だけでなく、身体でも俺に任せる事を表現してくれる彼女に胸の奥が疼く。 良心の呵責と愛しさを半分ずつ混ぜ込んだその感情の正体は俺にも分からない。 だが、それから逃げてはいけないという感覚だけははっきりとあり、俺はずっと漫の頬を拭い続けた。 漫「えへ…♥京君はやっぱり…優しいなぁ…♥♥」 京太郎「そうか?」 それが終わった頃には漫の機嫌も治ったようで再び無邪気に俺へと身体を預けてくれる。 それに安堵する一方で、紡がれた言葉に胸が傷んだ。 本当に優しい奴ならやりすぎて、漫を泣かせる事だってなかったのである。 もっとちゃんとした可愛がり方をして、漫の事を絶頂へと導いてあげる事が出来たはずだ。 だが、俺は何の因果か、こういう愛し方しかしてやる事が出来ない。 そんな自分に自嘲を浮かべる俺の前で、漫が足元の桶を拾い、湯船からお湯を汲み上げた。 漫「優しいよ…♥だって、京君は…何時だってうちのして欲しい事してくれるんやもん…♥」 その言葉と共に俺に向かって、お湯を掛けながら、漫はそっと微笑んだ。 そこには嘘っぽさはまったく見えず、漫が本心からそう言ってくれているのを俺に教える。 だが、俺が漫を追い詰め、泣かせてしまった過去は変わりない。 そう言ってくれるのは嬉しいが、やはり信じ切れないのが本音だった。 漫「さっきのも…恥ずかしかったけど…すっごい気持ち良かった…♪おしっこしとるとこ見られとるのに…ゾクゾクして…♥♥」 京太郎「漫…」 そんな俺の前で漫がその微笑みを淫らなものへと変えていく。 微かに吐息を荒くするその肩に震えが走り、彼女の興奮を俺に伝えた。 それでも尚、俺を綺麗にする事を止めない漫の背中に俺の腕が反射的に伸びる。 そのまま抱き寄せた漫の身体は熱く、未だ冷め切らぬ興奮を宿しているのを感じさせた。 色々とアクシデントがあったものの、漫はまだまだ満足してはいない。 それを感じさせる言葉に俺はゴクリと生唾を飲み込んだ瞬間、俺の耳元にそっと漫が口を近づけた。 漫「これでうちにお漏らし癖がついたら京君の所為やからね…♥」 京太郎「はは…それじゃ、責任を取らないといけないな!」 漫「きゃんっ♥」 囁くような、誘惑するような、漫の言葉に俺はそっと屈んで、漫の事を抱き上げた。 人の愛しさと欲情を刺激するような事ばかり言う可愛らしい俺の妻にそっと笑みが漏れる。 これまで浮かべていた嗜虐的なものとは違うそれに漫もまた嬉しげに頬を緩ませてくれた。 それに胸の奥でジィンと心が震え、何かが奥から漏れ出すのを感じながら、俺はそっと片足をあげる。 そのまま浴槽の淵を超えて、脚がお湯に触れた瞬間、じんわりとした熱が脚から湧き上がるのを感じた。 京太郎「寒かっただろ?ごめんな」 漫「ううん…♥京君と抱き合っとったから全然、寒ぅなかったもん…♥」 溢れ出るような湯気と興奮した漫の身体で暖まっていたとは言え、ずっと裸で居た身体は思った以上に寒かったのだろう。 それをお湯の温度から察した俺が漫に謝罪するが、彼女はそれに健気な言葉を返してくれた。 俺も同感ではあるが、そうストレートに言われるとやっぱり照れてしまう。 それと同時に漫の事が愛しくなってしまう辺り、俺の根はやっぱり単純なんだろう。 けれど、自嘲気味に浮かべたそれが妙に嫌ではなく、俺の笑みは濃くなった。 漫「んんん~っ♪♪」 とは言え、やっぱり漫の身体も俺と同じく冷えていたのだろう。 お姫様抱っこの姿勢でお湯に浸かった漫の肌はブルリと震え、心地よさをアピールした。 快感とはまた違ったそれをはっきりと表現する素直な彼女をゆっくりと底へと下ろそうとする。 漫「やぁ…♥放したら嫌やぁ…♥♥」 だが、それよりも先に漫の両腕が俺の首筋へと周り、きゅっと抱きついてくる。 そのまま解放された身体をお湯の中でグルリと回しながら、向き合うように俺の脚に座った。 対面座位を模すようなそれに俺は昨夜の出来事を思い出し、ピクンとチンポが反応する。 ガチ勃起のまま放置されているムスコの主張は俺だけではなく、漫にも届いたのだろう。 向き合う漫の表情に甘いものが浮かんだかと思うと、そっと身体を寄せて、俺に密着してくる。 漫「京君の…こんなに硬いまんまや…♥♥」 京太郎「うあ…」 そのままスリスリとお腹を揺するその刺激に俺は思わず声をあげてしまった。 さっきのキスで追い詰められていたのは決して漫だけではなかったのだろう。 あまり意識しなかったが、俺のチンポも興奮で張り詰め、今すぐ射精してもおかしくはなかった。 それを否応なく意識させる漫の柔らかなお腹の感触に思わず、ムスコを押し付けたくなってしまう。 漫「うちのお腹ずり…気持ちええ?」 京太郎「良すぎて射精ちゃいそうだ…」 漫「うふぅ…♥♥」 正直な俺の言葉に満足気なため息を吐きながら、漫はそっと微笑んだ。 淫らなものをより強くするそこには微かな陶酔すら混じっている。 被虐的な性質が強いとは言っても、漫はそうやってオスを感じさせる事に喜びを見いだせるタイプなのだろう。 意外とフェラチオとかも好きな方かもしれない。 そんな事を思った瞬間、漫の身体がそっと俺の元から離れた。 漫「ここはお風呂なんやから、そういう事したらあかんよぉ♥」 正論過ぎるほど正論な言葉を紡ぎながら、漫はクルリと振り返る。 浴槽に背を預ける俺に対して、そっとお尻を向けるようなそれに視線が吸い寄せられた。 それを敏感になった漫は感じ取ったのだろう。 俺に淫らな笑みを向けながら、その両手でゆっくりと秘唇を広げた。 漫「射精するんやったら…うちのここに…ね♥♥」 くぱぁと音を立てて、左右に開かれた真っ赤な粘膜は既にドロドロになっていた。 温泉とはまた違った粘ついた液体で溢れたそこは性的な意味でとても美味しそうである。 特に俺の目を引くのはその真ん中から少し外れた場所にある大きな穴だ。 漫の呼吸に合わせるようにしてくぱくぱと開閉するそこはオスを誘っているようにしか見えない。 愛液で濡れたその穴にムスコを突っ込めば、気持ち良くなるという事を視覚的に訴えているようなそれに俺は思わず生唾を飲み込んだ。 京太郎「それは漫が中で射精されたいだけじゃないのか?」 漫「えへ…っ♪そうやで…♥うちはもうずっと前から京君のオチンポ欲しくて堪らんの…っ♥♥」 その興奮を隠しながらの俺の言葉に淫らな返事を返しながら、漫がそっと腰を振るう。 まるで誘惑しているようなその動きではあるが、俺に振り返るその瞳は懇願と媚に濡れていた。 まだ何か足りないと訴えかけるようなそれに俺は一つ肩を落としながら、口を開く。 京太郎「まったく…漫はダメな子だな」 漫「んっ♪ふぁぁい…っ♥うちはダメな子なんっ♥京君と一緒にいるだけで…オチンポ欲しくなっちゃうダメな子やからぁっ♪♪」 そこで言葉を区切る漫の意図を俺は何となく察する事が出来た、 やっぱり被虐的であるとは言え、漫の本質は甘えん坊なんだろう。 今の漫が求めているのはただ、彼女を責め立てるものではなく、甘える事を許してあげる事だ。 そして、それを漫に与える事に俺も異論はない。 何せ、俺のチンポはもうさっきから痛いくらいに疼き続け、俺の思考を揺さぶってくるのだから。 それを愛しい妻が受け入れてくれるのであれば、甘い言葉の一つや二つくらい簡単に口に出来る。 京太郎「おいで、漫。後ろからぎゅってしてあげるから」 漫「あぁ…あぁぁっ♥♥」 そんな俺の言葉に漫は背筋をブルリと震わせた。 その瞬間、ぎゅっと肉穴が締まり、奥から透明な粘液がトロリと漏れだす所が見える。 その周囲までも微かに痙攣しているところを見るに、もしかしたら軽くイッているのかもしれない。 そう思う俺の前で漫の腰はゆっくりと俺に向かって落ち、ぴちゃりとお湯へと浸かった。 漫「きょぉくんっ♥きょうくぅんっ♥」 京太郎「大丈夫。分かってるから」 漫「んふぅ…あぁっ♪」 そのまま俺を甘く呼ぶ漫に頷きながら、俺はそっと彼女の身体を両腕で受け止めた。 もう感じ慣れたその重さに思わず頬を緩ませながら、俺は漫の位置を補正する。 後ろ向きになった漫がちゃんと挿入出来るように整えながらのそれに彼女が幸せそうな声をあげた。 その瞬間、開かれた粘膜に亀頭の先がピタリと触れて、漫の口から嬌声が放たれる。 京太郎「漫、分かる?俺のチンポがそこにあるの」 漫「分かる…でっ♥京君のオチンポぉっ♪うちの…大好きな…オチンポ…っ♥」 恐らく昨夜の事を思い出しているのだろう。 触れただけで漫の言葉はトロトロになり、うわ言めいた言葉が漏れ出した。 可愛らしくも淫らなそれに俺がそっと力を抜けば、肉穴に触れたムスコが漫の体重で飲み込まれていく。 瞬間、温泉よりも遥かに強い熱が俺のチンポを包み込み、背筋にゾクリとした快感を流し込んだ。 漫「ひあ…あぁぁ…あぁぁっ♪♪」 温泉が生み出す浮力の助けがあっても、その挿入は決して緩やかなものじゃなかった。 それは昨夜、漫が何度も達した所為で、俺のムスコに慣れていたからなのだろう。 昨日まで処女だったとは思えないほどのスムーズさでグイグイと飲み込んでいく背筋はブルブルと震えている。 その中にきっと強い快感が流れているのだろうと思うと妙に愛しく思え、中でムスコがピクンと跳ねた。 漫「ひぎぃ…う…ぅぅぅぅっ♪♪♪」 その瞬間、肉棒に何か柔らかな壁が立ちふさがり、侵攻が遮らえた。 肉厚でぽってりとしたそこはピクピクと震えながら、チンポに吸い付いている。 まるでもう一つの口のように情熱的なキスを繰り返すそこは漫の子宮口なのだろう。 背筋を反り返らせながら、アクメを貪る漫の姿からもそれは分かった。 京太郎「相変わらず、ここが弱いんだな」 昨日の様子から漫のそこが並外れた性感帯である事は分かっていた。 それは今日も変わっていない事に俺は強い支配感を覚える。 何せ、漫はつい昨日まで処女であり、俺以外に男を知らないメスなのだ。 そんな彼女の奥を開発したのは間違いなく俺である。 それが今もこうして続いている姿を見ると、自分が漫に刻み込んだ快楽の深さが良く分かり、胸の奥が暗い充実感で満たされた。 漫「京君の所為…やぁ♥京君がうちのそこ一杯いじめるから…うちもう…覚えたぁ…♥チンポ覚えちゃったんやもん…っ♪♪」 そんな俺の感情に気づいているのか、いないのか。。 漫の陶酔と媚に満ちた甘い声は俺の嗜虐的な部分を刺激する。 俺に教えられた事が嬉しくて仕方がないと言うような声に俺の笑みが濃くなった。 勿論、それを背面座位の状態でセックスしている漫に伝わるはずがない。 しかし、漫の中はキュンキュンと悦ぶように俺のムスコを締め付けてくる。 被虐的で献身的なそれはとても気持ち良く、チンポの中がじんわりと暖かくなっていった。 京太郎「俺は覚えてくれなんて一言も言ったつもりはないけれどな。漫が勝手に覚えただけだろ?」 それを隠しながらの言葉は嘘ではないが、真実とも言い切れないものだった。 そんな事を言った事はないのは事実ではあるが、俺にそういう意図がないとは言えない。 いや、寧ろ、必死になって漫の弱点を探したりしていた辺り、そのつもりは間違いなくあったのだろう。 だが、それを漫に一々、伝えるつもりはなかった。 こうして俺に背中を預ける漫が求めているのは真実ではなく、嗜虐的な言葉なのだから。 漫「ふぁぁ…ぅんっ♥そう…やけど…ぉ♪」 京太郎「けど?」 実際、俺の突き放すような言葉に漫の背筋が震え、返事も途切れがちになっていた。 その先を促すように言いながら、俺は漫のお腹をそっと抱く。 豊満な胸を下から支えるようなその拘束に漫が熱い吐息を漏らした。 甘えん坊の漫にとって、こうして後ろから抱きかかえられるのはとても幸せなのだろう。 それは俺のチンポを奥まで咥え込んだ淫肉がピクンと微かに跳ねて締め付け方を変えた事からも伝わってくる。 漫「京君やなかったら…うちだってこんな風にならへんもん…っ♥」 そんな俺に答えるのは拗ねたような漫の言葉だった。 だが、それは精一杯、取り繕うとした偽りのものである事が俺にはすぐに分かる。 その言葉は微かに震えて、また漫の手は俺の腕に押し当てられたのだから。 まるで俺の腕を逃がすまいとするようなそれは拗ねていては決して出来ないものだろう。 意地悪をされているから拗ねて見せているだけで、漫の本心は悦んでいるのだ。 京太郎「こんな風ってどんな風なんだ?」 漫「そ…れはぁ…♥その…チンポ挿入れられて…すぐにイッちゃったりぃ…♪」 京太郎「それだけか?」 漫「ひうぅぅ…っ♪」 実際、漫は俺の問いかけにも素直に答え、自分の欲情を知らせる。 まるで偽ることを知らない子どものような幼いそれに俺の胸が熱くなった。 そんな胸の中で中核を成す支配欲が命ずるままに、俺は漫の耳元で囁くように尋ねる。 それに漫は背筋をブルリと震わせながら、艶のある声を漏らした。 漫「あぁ…嘘ぉ…♥こん…なぁ…ぁっ♪♪」 しかし、それはさっきまでとは違い、胡乱な声へと変わっていく。 まるで自分の中で信じられない事が起こっているようなそれと共に媚肉がキュッと締まった。 奥にある肉棒を逃がすまいとするようなその拘束は強く、そして甘い。 ドロドロになった粘液を押し付けるように肉襞が蠢き、俺のムスコへと絡みついてくる。 それに耐え切れなくなった俺が漫と同じように吐息を漏らした瞬間、彼女の身体がグッと強張り、全身に震えを走らせた。 京太郎「…イッた?」 漫「ん…ぅ…♪イっちゃったぁ…♥」 俺はまったく動いちゃいない。 上に漫が身体がのしかかっているから動けない…とまでは言わないが、かなりの労力が必要な事くらい分かっているのだから。 まだまだセックスが続く以上、こんなところで下手に動いて体力を消費するつもりはなかった。 故にそれは本来あり得ないはずの絶頂であり、間近で見て、そして感じた俺にも信じられない。 だが、熱い声で答える漫に嘘を吐くメリットなどあろうはずもなく、俺は感心と共に興奮を覚えた。 京太郎「意地悪されただけでイくとかどれだけマゾなんだよ」 漫「ち、違…ぅもんっ♥これ…京君の事全身で感じられるからっ♪そっちの方が大きいもんっ♥♥」 京太郎「そっちの方がって事は俺に意地悪されて善がってるのは否定しないんだな?」 漫「う…ぅ…ぅ♪♪」 追い詰めるような俺の言葉に漫の耳まで赤く染まった。 幾ら漫とは言え、言葉だけでイッたと言うのは認めがたいのだろう。 顔を赤くするそれは興奮よりも羞恥の色が強く感じ取れた。 もうこんな関係になっているというのに今更感すらある漫のその様子に俺はそっと顔を綻ばせる。 一度、スイッチが入れば痴女もかくやと言わんばかりの勢いで誘惑してくる漫がどうしてそう恥ずかしがっているのかが分かったような気がしたからだ。 京太郎「…安心しろって。俺は漫がどれだけマゾでも幻滅したり嫌いになったりしない」 漫「ホント…?」 京太郎「当たり前だろ。寧ろ、俺は割りと意地悪な方だから…エッチな漫がとても可愛らしく見えるよ」 俺に尋ねる漫の声には確かめるようなものが強く混じっていた。 俺の事を信じているとは言え、目覚めつつある自分の本性に強い困惑を覚えているのだろう。 そんな漫を受け入れるような言葉は決して嘘じゃない。 俺の微かな仕草や言葉でもイッてしまうほど淫らになっていく漫が逆に堪らなく愛おしいくらいだった。 漫「きょぉくぅん…っ♥♥」 京太郎「ほら、暴れるなよ。またイくぞ」 漫「そやけど…ぉっ♪そんなん言われたら…うち我慢出来ひんもんっ♥」 そう言いながら、漫はお尻を左右に揺らす。 身体の重心を僅かにずらすようなそれに子宮口とムスコが擦れ合う。 肉厚な唇に吸い付かれたままのその刺激はとても気持ちの良いものだった。 無理矢理、漫を犯すようなものとは違う安堵混じりの暖かな快楽に俺は静かに身体が昂っていくのを感じる。 漫「もっと甘えたいのにぃ…っ♥京君のオチンポ我慢出来ひんぅっ♪♪」 そんな俺とは対照的に漫の口には微かな憔悴が混じっていた。 甘えん坊でマゾヒスティックな漫にとって、そのどちらも大事で捨てきれないものなのだろう。 結果、どっちつかずの身動ぎしか出来ず、それが憔悴の種となっている。 だが、どっちを選んでも不満が残るのが分かっているだけに、選ぶ事は出来ない。 それは艶めいた声にも悔しさが滲み出ている辺りから察した推測でしかないが、恐らくそんなところだろう。 漫「きょぉくぅ…ぅぅんっ♥♥」 そう俺に向けられた漫の声はさっきのそれよりも懇願の色が強いものだった。 恐らく、自分ではどっちかを選ぶ事が出来ないので、俺に選んで欲しいと思っているのだろう。 だが、そんな風に言われても、俺が何かを選ぶはずがない。 今の漫にとって現状維持が一番、辛いと分かっているだけに俺は何も言わず、ただ、漫の愛撫に身を任せ続けていた。 漫「意地悪やぁ…♪京君は意地悪ぅ…♥」 京太郎「そんなの前から分かってる話だろ」 そもそも事の発端となった昨夜の時点でも、俺は漫を辱めようと色々と趣向を凝らしたのだ。 そんな俺が一日経ったからと言って、優しくなるはずがない。 寧ろ、漫がどれくらいまでの範囲を許してくれるかというのが、手探りながら分かってきたお陰で、より嗜虐的になっているかもしれないくらいだ。 そんな男に優しさを求める方が間違っている。 京太郎「優しくされたいだけなら、今からでも別の男の所に行けば良いさ」 漫「やぁぁっ♪いやぁっ♪意地悪でも京君がええのぉっ♪♪京君とセックスするのぉっ♥♥」 突き放すような俺の言葉に漫は首を左右に振って、いやいやをする。 俺の腕を抑えるその手に力が入った辺り、本気で嫌がっているのかもしれない。 それに胸の奥が感動でジィンと震えるのを感じながら、俺はそっと抑えられた腕を動かし、漫のお腹を撫でる。 京太郎「じゃあ、漫は意地悪な俺が好きなんだな?」 漫「そう…やぁっ♥うちは…意地悪な京君が好きですぅっ♥♥京君に意地悪されると…子宮キュンキュンすんのぉっ♪♪」 言い寄るような俺の言葉はともすれば、自意識過剰と笑われかねないものだろう。 だが、漫はそんな俺を笑うどころか、うっとりと身体を預けながら好きだと言ってくれた。 勿論、セックスの最中の好きや愛に本気になる方がどうかしている。 しかし、漫に好きだと言わせたと言う達成感が俺の中ではっきりとした快感となり、腰の奥で蠢き始めた。 漫「京君はどぉっ♪素直なうちの事…好きぃ?愛して…くれとるぅ…ぅ?」 京太郎「…」 その言葉に俺はすぐさま返事を返す事が出来なかった。 勿論、ここで適当に突っぱね、漫を辱める方向へ進む事も出来るだろう。 実際、俺の頭の中に浮かんだのは、そう言った類のものだった。 けれど…漫の言葉が…ただの興奮に背を押されただけのものではないと思ったからだろうか。 真剣に答えを求められているような気がして、俺の思考に耽った。 京太郎「(だけど…俺は…)」 流石に好きでもない女性を二度も抱くほど倒錯していないし、漫の事は勿論、好きだ。 幾らか流されているのは自覚しつつも、とても魅力的な女性だと思っているし、恩義も感じている。 だが、それでも素直に頷けないのは心の中にずっと残り続けていたある一人の女性の所為だった。 俺が真っ先に傷つけ、そして今も一人苦しんでいるであろう大事な大事な人。 未だに仄かな恋心を寄せる和の姿に俺は言葉を詰まらせてしまう。 京太郎「……好きだよ」 それでも絞り出した声に嘘はなかったと思う。 たった数日の付き合いではあるが、俺は漫に惹かれ、好意を向けているのは確かだ。 ただ…それが恋人に向けるべき一番の好意であるかどうかまでは確証が持てない。 そんな情けない自分の姿に胸中で悪態が漏れるが、それを表に出す訳にはいかなかった。 今は自分の優柔不断さを断罪する時ではなく、お互いに気持ちを高め合い、愛し合う時間なのだから。 漫「……それやったら…うちらは相思相愛やんな…♥」 京太郎「そうだな。でも、結婚してるんだから今更だろ?」 漫「ぅん…っ♥そうやね…♥」 最早、形骸化した設定を持ち出しながら、俺の胃は微かに傷んだ。 俺の迷いに気づいていないかのように漫はその背中を震わせている。 安堵と幸福感を感じている事を伝えるようなそれは答えを出せなかった俺には眩しすぎた。 思わず目を背けたくなるような小さく歯を食いしばりながら、俺はザバリと立ち上がり、漫に浴槽の縁に手を掛けさせる。 漫「京君…っ♥」 京太郎「ごめん。俺はもう我慢出来ない…!」 それは半分ウソで半分が本当だ。 漫の中は蕩けそうなほど気持ち良くって、昂った身体が射精前に快楽を欲しているのは本当である。 だが、俺がそうやって我慢出来なくなったのはその欲求の所為ではない。 眩しいほどにストレートな喜びと幸せを伝えてくる漫の姿が見てられず、逃げるように快楽を求めてしまうのだ。 漫「ひやぁぁああぁっ♪♪」 そんな俺の抽送に漫が喉を震わせるように鳴く。 それまでずっと動く気配のなかったムスコの攻撃にぐじゅぐじゅになった肉穴は戦慄いていた。 焦らされた所為か、昨夜よりも熱くて粘ついた媚肉はとてつもなく気持ち良い。 滑るようにチンポが動く度に張った肉襞が絡みつき、熱い刺激を俺に与えてくるのだから。 和の優しく包み込むそれとは違い、どこもかしこも肉襞の感触を強く感じるオマンコに俺は… ―― 京太郎「(何を…考えているんだ…こんな時に…!)」 今はあくまでも漫とセックスする時間だ。 お互いに相手の事だけを考えて、興奮に身を任せる為の時間である。 そんな中、比較とはいえ、別の女性のことを考えるだなんて失礼だ。 そう自分を戒めるものの、一度浮かんだ思考は中々、なくなりはしない。 それから逃げるように俺はぐっと漫の腰を掴み、後背位のまま漫の中を責め立てる。 漫「これらめぇっ♥奥来るぅっ♥ズンズンってストレートに奥ぅぅっ♪♪」 そんな俺の抽送に漫が感じてくれているのが救いだった。 俺が逃げている事が決して無駄なだけではないと思えるから。 勿論、それは俺の錯覚であり、ただ漫を逃げ場にしているだけの最低な論理だ。 そうと分かっていても、みっともない俺の逃避は止まらない。 そしてまた淫らに声をあげて快楽をアピールする漫に昂ぶる身体も止まらず、何度も何度も漫に腰を打ち付ける。 漫「これケダモノぉっ♥ケダモノセックしゅぅ…っ♥」 京太郎「あぁ、そうだ。漫の大好きなケダモノセックスだぞ…っ!」 漫「んひぃぃぃっ♪♪」 そう口走りながら俺は漫の上にのしかかるようにして姿勢を変えた。 自然、ムスコの角度も変わり、斜め上からチンポを突き下ろすようなものへと変わる。 勿論、その先にあるのは昨夜、俺が発見した漫の弱点だ。 昨夜、嫌というほど責め立てたお陰で、恐らく子宮口と並ぶほど敏感になった場所への刺激に漫が悲鳴のような嬌声をあげる。 漫「イくぅっ♥それイくぅぅぅんっ♥しょれしゅごいからぁっ♪♪うちもイッちゃうう…ぅぅぅんぅ♥♥」 そんな甘い叫び声と共に漫の背筋が痙攣を走らせる。 微かに反った美しい背筋のラインを魅せつけるようなそれに俺の興奮も高まった。 肉棒が押し当てられる媚肉の壁もひくひくと蠢き、締め付けを強くする。 漫の言葉以上に、強い絶頂を教えるその反応。 それに構わず、俺は腰を使い、漫の中を抉り続ける。 漫「イッてるぅっ♪♪イッへるのにレイプぅっ♥きょぉ君とらぶらぶれいぷぅぅっ♥」 そんな俺の前で漫がさらに蕩け、グチョグチョになっていく。 その言葉などは最早、脈絡すらないものになり、漫が思考すら出来ていない事を何より表現している。 だが、そうやって蕩けた声がオスの本能を何よりも擽り、俺の吐息を荒く、激しくしていった。 京太郎「漫…いい匂いだ…」 だが、そうやって興奮を冷まそうとするように激しい呼吸を繰り返しても、身体はまったく落ち着かない。 勿論、それは俺が未だ腰を振るい続け、漫を貪るように犯していると言う事も無関係ではないのだろう。 しかし、ソレと同じくらい俺を興奮させているのは漫から立ち上るようなメスの匂いだ。 温泉の硫黄臭さにも負けない甘くてトロトロとしたその匂いは呼吸する度に俺の脳へと入り込み、そこで甘いものを広げていく。 漫「きょぉ君もしゅごいんっ♥はつじょぉフェロモンぶわぁって来るぅっ♪♪おむねの中トロトロぉ…♥♥」 それに答える漫の言葉は、加速度的に蕩け、もう何が言いたいのかさえ朧気になっていた。 しかし、それでも漫が俺の匂いに喜んでくれている事だけははっきりと伝わってくる。 それに胸の奥が擽られるように感じながら、俺の腰は激しくなり、漫をさらなる快楽へと突き落とそうとした。 漫「あ゛っ♪♪あぁぁっ♪♪ふあぁぁぁぁっ♥♥」 中腹から奥へと抉りながら移動する肉の塊。 激しさを増したその肉に漫がまた絶頂へと達する。 しかし、オルガズムが収まりきっていない中、達したそれはさっきよりもさらに激しいものだったらしい。 俺と触れ合う漫の可愛らしい脚はカクカクと揺れ始め、今にも崩れ落ちそうになっていた。 京太郎「漫…倒れたらお仕置きだからな…っ」 漫「い゛ぅぅぅっ♥♥」 そんな漫の耳元で囁いた瞬間、彼女は震える声をあげながら、さらにイッた。 俺が分かるだけでも既に片手で数えられないほど、漫はイっているのである。 その身体はとても敏感になり、一突き毎にイッていてもおかしくはないくらいだ。 その上、耳元でこんな言葉を囁かれて、被虐的な漫が我慢出来るはずがない。 それでもまだ必死に脚を踏ん張って、立ち続けているのが不思議なくらいだ。 京太郎「(だから…もっと堕としたくなる…!)」 生意気にも俺の前で我慢しようとしている漫の姿にそんな事を思った。 勿論、俺だって、そうやって漫が必死に我慢しようとしているのは俺がお仕置きだなんて口にしたからだと分かっている。 だが、こうして漫を貪る事で頭が一杯になっている俺にそんな正論が届くはずがない。 自分勝手な論理で嗜虐心を燃え上がらせながら、俺はぎゅっと腕に力を込め、漫の腰を自分の方へと引き寄せる。 漫「しょれぇ…っ♪しょれあかんぅぅぅっっ♪♪」 瞬間、漫が頭を振りながら、叫ぶようにそう言う。 しかし、その腰は逃げる様子はなく、俺の好きなように使われているままだった。 ならば、その『ダメ』は崩れ落ちてしまうが故の『ダメ』なのだろう。 そう判断した俺は漫の後ろで暗い笑みを浮かべ、彼女を何度も責め立てた。 漫「出りゅからぁっ♥♥しょれされりゅとあちゅいの出るぅんっ♪♪」 そんな俺の耳に漫の必死な訴えが届くものの、俺はそれを止めるつもりはなかった。 何せ、既に漫はさっき失禁している訳である。 コレ以上、身体が緩んだところで、さっきのように失禁する事はないだろう。 ならば、漫が漏れると言うそれは恐らく潮だ。 京太郎「俺は見たいよ…漫の潮吹き」 漫「らめぇっ♪だって、ここおんしぇんぅ♥お風呂…ぉっ♥♥」 確かにこんなところで潮を吹いてしまったら、温泉と混ざって分からなくなるかもしれない。 だが、そんな事で俺が今更、止まれるはずないし、何より、止まるつもりもまったくなかった。 寧ろ、そうやって必死に我慢しようとする漫の意識を粉々にしたくて、俺の手はそっと秘所の入り口へと伸びる。 漫「ひぃ…~ぃぃ゛ぃい~っ♥」 そのまま皮をかぶったままのクリトリスを上から指で押しつぶした瞬間、俺の手に熱い何かがかかった。 漫が腰を跳ねるように動かす度に入り口から吹き出して、チョロチョロと音を立てるそれは間違いなく潮だろう。 そしてそれと同時に俺がまた一つ漫に白星を重ねた証だ。 それが歪んだ思考であるという意識はあれど、最早、俺は立ち止まれない。 寧ろ、もっとその証が欲しくて漫の陰核をクリクリと弄り出した。 漫「クリちゃんあかんんぅぅう゛っ♪♪まら潮吹きしゅるからぁっ♥♥ぴゅぴゅするからぁぁっ♪♪」 京太郎「一度も二度も同じだろ?だったら…またイけば良い」 俺が冷たい言葉を放った瞬間、漫のそこからまた潮が吹き出した。 どうやら一度、やってしまった所為で締りが緩くなっているらしい。 それに暗い喜悦を覚えながら、俺は漫のクリトリスを転がり、中を抉る。 中と外からの同時攻撃に漫は何度も達し、俺に心地良い悲鳴を聞かせてくれた。 京太郎「ほら、そろそろ脚に力が入らなくなってきたぞ」 そんな状態が一分も続いた頃には漫の脚はもうガクガクで俺が補助しなければ、立っていられるか怪しいものになっていた。 後背位の状態で結合しているのでその顔までは分からないが、きっと今の漫は涙と汗でグチョグチョになった可愛らしい顔をしているのだろう。 昨夜も堪能させてもらったその顔を想像するだけでチンポがピクンと跳ねるが、今はそれに構っていられない。 折角、ここまで漫を追い詰めたのだから、このまま堕としてみたいという気持ちの方が強かった。 京太郎「もう少し頑張らないと張り合いがないじゃないか」 漫「ひぐぅぅぅぅっ♪♪♪」 揶揄するような言葉と共に子宮をゴンと押し込んで、グリグリと擦る。 まるでムスコの味を教え込もうとするようなそれに漫の口から叫び声が突き出た。 恐らくまたイッてしまい、アクメを貪っているのだろう。 俺の方でも数えていられないほどの絶頂の数は漫を確かに追い詰め、意識を揺らしているのだ。 京太郎「このままじゃお仕置き確定だぞ?それでも良いのか?」 漫「よく…にゃいぃっ♪♪お仕置き…お仕置きいやぁぁ…♥♥」 それでもお仕置きという言葉を怖がるほどの意識があるのか、はっきりと否定してくる。 そんな漫に告げる罰はもう既に俺の中で決まっていた。 決して漫を泣かせるような事はなく、そして俺自身にもメリットがあるもの。 それを恐怖が入り混じった快楽で肩を震わせる漫に伝えようと俺はそっと唇を開いた。 京太郎「だったら…もう少し頑張らないと俺のオナホールになっちゃうな」 漫「おにゃほぉる…ぅ?」 まるで聞いた事のないと言うような漫の言葉。 快楽によって見栄も羞恥も削ぎ落とされたそれはいっそ無垢にも思えるものだった。 それにぐっと胸の奥が興奮を沸き上がらせ、漫を穢したいという欲求が生まれる。 それが命ずるままに俺の思考は単語を繋ぎあわせ、漫が最も悦ぶであろう言葉を模索する。 京太郎「男が使う性欲処理の道具の事だよ。道具だから…漫の意思なんて関係ない。ただ、俺にずっぽずっぽと犯されて、膣内射精されるんだ」 漫「わらひ…おなほぅる……ぅ♥♥」 俺の淫らな説明に漫の声がまた一段と蕩けたのを感じる。 陶酔と幸福感を強く混じらせたそれは、漫がオナホールと化した自分を想像しているからなのだろう。 最早、ストッパーとなる意識が働いているかさえ曖昧だとは言え、素直過ぎるくらい素直なその様子に笑みが浮かんだ。 漫「にゃるぅ…っ♪♪わらひ…きょぉくん専用のオナホーりゅになるぅっ♥♥」 その瞬間、漫の口から宣言が飛び出した。 それは俺の思い通りになった事を教える言葉であると同時に、漫が堕ちた事を知らせる言葉である。 自己のプライドや意思よりも快楽と俺を取った事を表す淫らなその宣誓に俺の身体がぼっと内側から熱くなった。 そう言うと予想していたとは言え、ギリギリのところで興奮を抑えていたものが完全に砕けてしまったのだろう。 また一つ堕ちた漫への愛しさと興奮が混ざり合う中で、俺の腰は一気に激しさを増し、漫の身体を揺さぶった。 漫「ひ…ぃ…にゃああぁぁぁっ♥♥おにゃほ良ひぃっ♪♪最高ぉっ♥♥」 背中越しに見える豊かな双丘がブルブルと揺れるほどの激しい抽送。 入り口から奥までを一気に貫くそれはかなり早いペースで繰り返され、俺たちを追い詰めていく。 いや…追い詰められているのは俺の方だけか。 まるで羞恥心など何処かに忘れてしまったかのように悦びの声をあげる漫はもう昂ぶり切っているのだから。 後はもう俺がそこに達する事が出来るか出来ないかだ。 漫「ジュポジュポ種付けぇっ♥♥わらひ専用らからっ♪♪京君らけのおにゃホールらからぁぁっ♥♥」 京太郎「っ!!」 そんな俺を興奮の渦へと巻き込もうとするような漫の言葉に腰の奥で熱が持ちあがる。 何処か寒気を伴ったそれは一気にムスコへと流れ込み、俺の神経を過敏にさせた。 それと共に血液が海綿体を膨れ上がらせ、内側から火傷してしまいそうなほどの熱が溜まる。 最早、疑う余地もないほどの射精への予兆に俺はぐっと歯を噛み締め、ラストスパートを開始した。 漫「大っきぃぃっ♥京君のチンポ大きふなったぁっ♥♥」 京太郎「漫が…可愛いからな…!!」 それを敏感に感じ取ったのだろう。 俺の抽送に揺さぶられながらの言葉は、俺のムスコが大きくなった事を知らせるものだった。 そして、それと同時に漫の肉穴がキュっと締まり、チンポに肉襞を押し付けてくる。 そのまま奥へ奥へと流動するような動きはまるで俺から精液を搾り取ろうとしているようだ。 漫「イッてぇっ♥♥オナホマンコに種付けしへぇっ♥♥」 京太郎「ぐぅ…ぅ…!」 それが何となく悔しくて我慢を試みるが、最早、それは射精を遅らす事にもならなかった。 既に俺の腰にはゾワゾワとした感覚が纏わりつき、チンポの根本がカッと熱くなっている。 まるで身体の内側から焼けるようなそれを逃がす為には射精しかない。 それをこれまでの経験で理解した俺はぐっと歯を食いしばったまま大きく腰を引いた。 京太郎「(肉襞が絡んで…っ!)」 だが、それだけで漫の肉穴に生えた肉襞が俺の弱点であるカリ首に絡みついてくるのだ。 まるで中から逃がすまいとするようなそれに途中で諦めてしまいそうになる。 それを何とか堪えながら、大きく引いた腰はまるで引き絞った弓のようだった。 もう後、ほんの数センチでも動けば、チュポンと抜けてしまいそうなギリギリの位置。 そこで少し息を吸い込んでから、俺はぐっと漫の腰を掴み、そして陰核をぐっと押し込んだ。 漫「おぁ…あぁぁぁ゛ああぁぁぁっ♪♪♪」 瞬間、強いオルガズムに戦慄き、ぐっと反り返った漫の中を弾かれたように俺の腰が進む。 既に溢れんばかりの愛液で満たされた狭い名器の中に生えた肉襞が露出した粘膜を撫でていく。 その感覚に薄皮一枚だけ残った我慢が揺れるのを感じながらも、俺は諦めなかった。 犬歯を剥き出しにするほど食いしばった歯の犠牲もあって、なんとか射精を堪えながら、漫の最奥へと到達したのである。 京太郎「ぐぅ…うっううううぅぁっ!」 漫「んほ…ぉぉぉおおぉっ♥♥♥」 それを認識した瞬間、俺の中でバキリと何かが砕け、射精が始まった。 その勢いは強く、まるで蛇口が壊れたかのように漫の中へと精液を放つ。 まるで今までの鬱憤を晴らそうとしているようにも思える激しい勢いに俺の身体も震えた。 精液が精管の中を通る度に、快楽神経が焼け付くように感じる絶頂に我慢を続けていた俺の思考が充足を覚える。 京太郎「(だけど…足りない…っ)」 今も続く射精の感覚は気持ち良く、俺の腰が蕩けそうになっているくらいだ。 足元から走る緊張がそれを何とか抑えているものの、一段落すれば倦怠感がずっしりとのしかかってくるのが目に見えている。 しかし、それでも俺の思考は満足出来なかった。 胸の奥底から湧き上がるような充足に安堵を覚える一方で、それをもっともっとと長く求めてしまうのである。 だが、漫の奥底にズッポリと埋まったチンポを動かすほどの力はなく、俺はただ射精の快楽を味わうだけだった。 漫「あぁ…お…♥ふぉ……ぉぉっ♥♥」 結果、俺は漫に出来るのはぐっと押し込んだ漫のクリトリスを弄るくらいなものだった。 それに彼女が甘い声を漏らしながらまたアクメするのを濁った視界の端に捉える。 肉穴とは違う穴から何度目か分からない潮を吹き出しながらの絶頂に漫の背中が強く反り返った。 上にのしかかった俺に背中を当てるようなそれに俺の顔は甘い漫の匂いを一杯に吸い込み、興奮を強くする。 漫「ひ…ぅ…♪♪に…あぁ…あっ♥♥」 だが、それでもやはり何時までも射精は続かない。 漫が震えながら猫のような鳴き声を漏らした頃には俺のチンポは一滴残らず射精しきっていた。 きっともうバキュームフェラでもされない限り、一滴だって漏らす事はないだろう。 そんなムスコに執念深く子宮口が吸い付き、媚肉が絞るようにうねるが、そんな風にオネダリされても出ないものは出ない。 京太郎「(だけど…それは俺も同じだ…)」 俺の身体は一仕事終えた後の達成感と倦怠感に溢れ、インターバルを欲していた。 しかし、それ以上に、ドロドロになるほど熱された俺の本能は快楽を求めていたのである。 まるで飢えたケダモノのようなそれは強く俺の背中を押し、今すぐ腰を動かして再び漫を貪れと訴えていた。 勿論、俺自身、そうする事に異論はない。 一度、射精したとは言え、漫の身体は味わえば味わうほど美味しくなっていくのだから。 だが、それを選ぶ事が出来ないのは偏に漫の身体がぐったりとしているからだ。 京太郎「(このままじゃ…流石に拙いな)」 度重なるオルガズムで力が抜けてしまったのだろう。 漫の身体にはもう力が殆ど入ってはおらず、脚もぐったりと折れてしまっていた。 かろうじて檜風呂の縁に手を置く腕だけは健在だが、それもプルプルと震えて今すぐ折れてもおかしくはない。 恐らくこのまま漫を貪れば、遠からず彼女の身体は完全に崩れ落ち、下手をすれば溺れてしまうだろう。 それを防ぐ為にも、今は漫が溺れずに済むような体位を模索するのが先だった。 漫「きょ…ぉくぅ…ん…♥♥」 京太郎「…どうした?」 そんな俺の名前を熱く呼ぶ漫の声に俺は尋ね返した。 一度、射精を経た所為か、幾分、優し目のそれに漫の背筋がブルリと震える。 最早、何をされてもイくのではないかと思うほど敏感になった漫の姿に俺の顔に笑みが浮かんだ。 漫「らいすきぃ…♥♥愛…してる…ぅ♥♥♥」 京太郎「っ!」 しかし、その笑みが漫の言葉によって強張ってしまう。 ただ、欲情に流されていた俺にとって、それはまだ受け止める覚悟を固め切れていない言葉なのだ。 それに心がサァっと冷め、良心の呵責が胸の奥から湧き上がる。 意図的に目を背けてきたそれが再び蘇る感覚に、俺はどうすれば良いのか分からず、言葉を失ってしまった。 漫「らから…ぁっ♥おなほぉ…っ♪♪しゅずを…オナホにしてぇ…♥♥もっとジュボジュボ…種付けオナホぉっ♥♥」 そして、そんな自分を肯定する言葉が続いて漫の口から出てしまう。 俺を受け入れ、求める欲望の言葉に意識がそちらへと向いていくのだ。 興奮もまたそれを助け、ぼっと身体の内側を燃やして力に変わる。 それを両手に込めながら、俺はそっと漫の身体からチンポを抜きさり、その腰を檜風呂の縁へと座らせた。 漫「あはぁ…♥うち…おにんぎょぉしゃん…みにゃい…♥♥」 京太郎「…漫は俺の専用肉オナホだからな」 漫「んっふぅぅ…ぅぅ♪♪♪」 辱めるその言葉に漫は心地よさそうな声をあげながら、目を細めた。 その背中には壁があり、体重を背中に掛けていればバランスを崩す事はないだろう。 それを確認してから、俺はそっと漫の脚を開かせ、再び女芯にチンポをあてがった。 京太郎「…漫」 漫「ぅ…ん…っ♥♥来れ…ぇ♪♪うちの中に…京君の勃起チンポ挿入れへぇ…♥♥」 そう漫の名前を呼んだのは俺が確認したかったからなのだろう。 こんな情けない俺を本当に受け入れてくれるのかどうかを聞いて…漫に責任の一部を押し付けたかったのだ。 何とも身勝手で…救いようがないその思考に内心が悪態で溢れる。 だが、それでは俺の興奮に勝てず、叩きつけるような快楽の波にあっという間に流されていった。 ……… …… … 数時間後、ある程度、興奮が収まった俺達は再び温泉に入りなおしていた。 アレから水分を補給しに何度か脱衣所に出たものの、それ以外はほぼセックスしっぱなしだった身体に温泉はかなり効く。 特に疲労感が蠢くような脚には効果が抜群であり、そのまま眠ってしまいそうなくらいの心地よさを俺に齎してくれた。 漫「んー…っ♥随分とヤッたもんやねぇ…♪」 そんな俺が作るあぐらの上に座りながら、『上重さん』は幸せそうに口にした。 実際、数時間で六発は年頃の男子高校生である事を加味しても、中々の好成績だと思う。 その精液が全て上重さんの中に吐き出されたのが多少、不安の種ではあるが、安全日と言う言葉を信じるしかない。 漫「須賀君は満足した?って…してへんやろなあ…これ…♥」 京太郎「う…」 そんな後悔すら覚えるほど上重さんを犯しておいて、俺のムスコはまだ滾ったままだった。 数に誘惑された時からまったく変わらないその昂ぶりはいっそ異常だと思う。 流石に頭の中は最初よりも冷静になっているものの、その気になれば何時でもまたセックス出来そうなくらいなのだから。 まるでさっきのセックスじゃ物足りないと言わんばかりのそれに俺はそっと自分に向かって、ため息を吐いた。 漫「ホント…須賀君は性欲魔神やねぇ…♪もしかして底なしなんちゃう…?」 京太郎「そんなはずはないんですが…」 今まで自家発電に勤しんだ事は数あれど、こんな風に何時までもムスコが硬いままだなんてなかった。 大抵は一日に一回、無性にムラムラする時だって三回も射精すれば、もうふにゃふにゃになっていたのである。 だが、現実に今の俺はそれが嘘か何かのようにバキバキに勃起し、メスを求めている。 京太郎「(まるで…オカルトに合わせて進化したみたいに…って思うのは考えすぎか?)」 俺のオカルトの正体がまだ見えた訳ではないが、常軌を逸した興奮を女性に与える事は分かっている。 そして、それが一度や二度の絶頂では収まるどころか、逆に燃え上がる事も。 そんな女性たちに付き合うには並大抵の精力が足りない。 いや、幾ら精力があったところで、受け身になれば、ただ絞られ続けるだけだ。 俺がセックスの最中に人が変わったように意地悪になるのも、もしかしたらオカルトか何かの影響なのかもしれない。 京太郎「(まぁ…今はそれよりも…)」 京太郎「多分、上重さんがあんまりにも可愛いからですよ」 漫「あー…そういうこと言っちゃうんや…♥」 俺の軽口に上重さんは軽く笑いながら、俺に背中を押し付けてくる。 とは言え、小柄な上重さんはそのままでも軽く、今はお湯の浮力も受けているのだ。 決して重くも不快でもなく、寧ろ柔らかさだけがじぃんと広がる。 そのお尻に触れたムスコがピクピクと揺れ、挿入を強請り始める事だけが唯一のデメリットと言えるだろう。 漫「…なぁ…須賀君」 京太郎「なんです?」 漫「…もうちょっとしたら…お別れやね」 京太郎「…そう…ですね」 後数分もすれば、ここから出て、集合場所に行かなければいけない。 その事実に目を背けてきたものの、何時までもそうしてはいられないのだ。 本当はずっとこうやってぬるま湯のような空間に居たいが、そうやって逃げたところでどうにもならない。 そう思っているのは上重さんも同じのようで、その言葉には寂しさが強く現れていた。 漫「須賀君…さ。このまま姫松に来うへん?」 京太郎「え…?」 そんな上重さんが告げた言葉に俺は思わず聞き返してしまった。 その声は冗談と言い切るには切実な響きを持っていて、何より強いものだったから。 きっと上重さんは冗談でもなんでもなく、本気で俺にそう提案してくれている。 そう思わせる口調に俺の心は揺れてしまっていたのだ。 漫「清澄に居たって黒一点で雑用ばっかりなんやろ?それやったら…姫松の方が絶対にええ環境やで!」 漫「男子麻雀部は強豪やし、色んな打ち手が揃うとる。四人しかおらへん清澄よりは経験になるやろうし、それにオカルトっぽいの持っとる奴かて何人かおる」 漫「須賀君の能力だって…多分、清澄におるよりは…」 そこまで言ってから、上重さんの口調はドンドンと萎んでいく。 まるで自分が言ってた事に後からようやく気づいたようなその反応に俺の胸がぐっと締め付けられた。 上重さんは本心がどうであれ、そうやって人の部活をこき下ろすような人じゃない。 少なくとも、そんな自分を恥じられるような気持ちを持つ立派な女性なのだ。 そんな人がそうやってタガが外れたように俺を勧誘する理由なんて一つしかない。 漫「ごめん…」 京太郎「いえ…構いません」 そっと俯きながら謝罪する上重さんを一体、誰が責められるだろうか。 俺だって…気持ちは同じなのだ。 このまま上重さんと離れたくないと思っているのは一緒なのである。 だが、俺達は学生で…自分ではどうする事も出来ない問題という奴が多々あるのだ。 それを前にして口を滑らす程度、きっと誰しもある経験だろう。 京太郎「(だから…俺は…)」 京太郎「じゃあ…今度は逆に俺の方からお願いがあるんですが」 漫「ん…何なの?」 俺の声に上重さんは少しだけ声を明るくしながら尋ねてくれた。 恐らく先の失態を取り返そうと前向きに考えてくれているのだろう。 それに俺の目論見がひとつ成功した事を感じながら、俺はそっと唇を開く。 京太郎「俺の事、普段から京君って呼んでくれませんか?」 漫「ふぇぇっ!?」カァ そうして俺から漏れたのは呼び名の変更を申し出るものだった。 実はそれは家族風呂に入る時からずっと考えていたものである。 何せ、既に俺達は男女としてコレ以上ないほど深い仲になってしまった訳だ。 それなのに何時まで経っても苗字呼びじゃあ、よそよそし過ぎる。 上重さんが俺の事を友達以上の対象として考え始めてくれているのだとしたら、尚更だ。 最中の愛の言葉に応えられなかった分、これくらいは甲斐性を見せたい。 漫「き、京君はあかんよ…アレは…エッチの時の呼び方やもん…」モジモジ 京太郎「ダメですか?」 漫「ダメやないけど…普段からそれやったら…うちきっとすぐ発情してしまうし…」イジイジ そんな俺の前で両手の指を絡ませながら、上重さんが視線を彷徨わせる。 羞恥心を強く感じさせるそれはさっき俺を痴女めいた誘惑をした人とは到底、思えない。 しかし、そのどちらも上重さんの姿であるという事を理解する俺は今更、困惑などしない。 ただ、上重さんの中で一つ答えが出るのをじっと待つだけだ。 漫「…き、京太郎君やったらあかん?」 京太郎「いえ、別に構わないですよ」 数十秒ほどの逡巡の後、上重さんから飛び出した妥協案を俺はあっさりと飲んだ。 元々、『京君』と言う呼び名にそこまでこだわっていた訳ではないのである。 大事なのは苗字呼びからの脱却であり、それが果たされているならまったく文句はない。 そう思う俺の前で上重さんはさらにモジモジとしながら、次の言葉を放った。 漫「代わりに…その…うちの事も…」 京太郎…『漫さん』」 漫「う…」 先手を取って、上重さん…いや、漫さんの事を呼んだ俺の前で、その身体が固まった。 まるで驚いたようなその姿に俺の表情に笑みが浮かぶ。 どうやら俺のカウンターパンチは想像以上の効果を発揮してくれたらしい。 そう思わせる漫さんの姿に嗜虐的なものが浮かび上がってくるが、理性はそれを強引に押し込めた。 漫「なんで分かったん…?」 京太郎「京太郎君って呼ばれた時点で何となく予想してましたから」 俺のように名前が長い訳じゃなく、一文字しか無いのだから愛称を作る事も難しい。 さらに言えば『漫』『京君』と言う呼び方を選べないのだから、それは漫さんにとって、唯一の選択肢も同然だろう。 それを口にしただけであって、特に何か驚かれるような事じゃない。 しかし、そう思っているのは俺だけのようで、漫さんは俺へと振り返りながら、そっと頬を膨らませた。 漫「うー…何か悔しいわぁ…」 京太郎「まぁまぁ。それだけ俺が漫さんの事を理解してるって事で勘弁してください」 勿論、実際には理解しているとかそういう大仰な事ではないのだけれど、まぁ、これくらいは言っても良いだろう。 俺にだって気になっている女の子を前にして格好つけたい時くらいあるのだ。 それが選択という未来から目を背けているだけのものだと理解していても、止まらない。 男って奴は基本的に意地っ張りな生き物なのだ。 京太郎「それより…試したい事って結局何だったんですか?」 漫「あぁ…アレ…な…」 そんな思考から目を背けるように切り替えた話題に漫さんがそっとその顔を引き締めた。 子どもっぽかったものから頼りになる先輩の顔へと一瞬で変わるそれは見事だとしか言い様がない。 女性は中に色々な自分を飼っていると言うが、この辺の切り替えの速さがそう言われる理由だと思う。 漫「えっと…須賀く…京太郎君の能力の影響って一過性のものやないみたい。多分、後にも尾を引くんやと思う」 京太郎「え…?」 だが、それでも漫さんのその言葉を俺はすぐさま信じる事が出来なかった。 どれだけ漫さんが真剣な顔をしていても、冗談ではないかと思ってしまうのである。 それも当然だろう。 何せ、漫さんの言葉は、能力に因る被害が一度だけではなく、これからも続くかもしれないと告げるものだったのだから。 ある種、冷酷で無慈悲なその宣告に俺の思考が理解を拒否し、頭の芯がクラリと揺れるように感じる。 漫「あの…誤解せんで聞いてほしいねんけど…本当は…朝、京太郎君の顔を見た時から疼いとったんや」 漫「その後も…京太郎君に会う度にうち…どんどん追い詰められとって…」 漫「合わん時も…満たされなさで寂しくって…京太郎君に会いたくって仕方がないんや…」 だが、それを何時までも拒否している訳にはいかない。 そう思ったのは顔を真っ赤に染めながら、必死になって俺に情報をくれる漫さんの姿だった。 自分の恥部を晒すようなその言葉を漫さんだって決して言いたくて言っている訳ではない。 それもこれも、俺の為を思って情報を提供してくれているのだ。 それを幾ら信じがたいからと言って、何時までも拒否している訳にはいかない。 それは俺以上に辛い立場にあるのに、俺と向き合おうとしてくれている漫さんにあまりにも失礼だ。 漫「そして…今、それは強くなっとる。それは…多分…」 京太郎「ヤっちゃったから…ですか…?」 漫「恐らく…やけど…」 ヤればヤるほど相手を魅了し、虜にするオカルト。 それはある種、全人類の男が憧れ、喉から手が出るほど欲するものだろう。 だが、それを実際に手に入れた俺にとって、それはあまりにも重い十字架だった。 実際にそれで二人も犠牲者を出してしまっている以上、胃が痛くて仕方がない。 しかも、その二人ともが俺にとっては恩人であり、好意を寄せる対象であるのだから尚更だ。 漫「多分…その和って子が京太郎君に会われへんのもそうやと思う」 漫「きっとその子は…怖いんや」 漫「一度、京太郎君の味を知って…身体が求めてしまってるから…」 漫「もう一回、会ったら多分、我慢出来へんって知っとるから…学校にも来うへんのやと思う」 そして、漫さんの言葉がそんな俺の心に追い打ちを掛ける。 自分でも薄々、そうだろうとは思っていたとは言え、やはりそうやって事実として突きつけられるのはキツイ。 しかも、それが俺を嫌っているからではなく、能力による影響というどうしようも出来ない事だから尚更だ。 文字通りの意味で俺がいなくなっても解決策にはならないそれに目の前が闇に包まれ、どうして良いか分からなくなる。 漫「だから、京太郎君はその子に会わへんかったらあかん」 京太郎「でも…漫さんの言う事が正しければ…会った時には…」 漫「そりゃ…多分、トロットロのメロメロやろうね。我慢してた分、尚更」 京太郎「う…」 冗談めかした漫さんの言葉は実体験に近いものであるだけに凄い説得力があった。 そして、それだけでは済まないのが未だ俺の中に燻る性欲の灯火である。 一瞬で興奮でトロトロに、そして俺に対してメロメロになった和の姿を想像し、ムスコに疼きが走った。 ピクンと跳ねるそれを背中を預ける漫さんが感じ取れないはずがない。 振り返った顔に呆れと怒りを混ぜる姿が何よりの証拠だろう。 漫「きょぉたろうくぅぅぅん?」 京太郎「すみませんすみません!!!こればっかりは仕方ないんです!!」 そりゃ真剣な話をしている真っ最中にチンポを疼かせてたら誰だって怒る。 だが、それと同じくらい肉体的な反応を見せてしまうのは仕方のない事だった。 これまで恋人なんて一人もいなかった俺の想像力…いや、妄想力はそこそこに鍛えられているのである。 主に自家発電をする時にしか使わないその妄想力の受信感度は高く、そしてエロ方面に強いのだ。 それをなくせと言われても、今まで歩んできた俺の人生の軌跡も同然なだけに不可能である。 漫「まったく…女の子とおるのに他の女の子のこと考えるだけやのうてアレを動かすとか最低やで!」 京太郎「返す言葉もありません…」 漫「…もう…時間さえあれば…一滴残らず絞りとってやるのに…」ブツブツ 悔しそうに呟く漫さんの言葉は聞けなかった事にしようと心の中で呟く。 そこを下手に突っ込んでしまうとやぶ蛇になってしまう可能性が高いのだ。 確かに性欲が未だ俺の中で蠢き、漫さんをセックスしたいとは言っても、そうしている時間が本当に無い。 これからもう一戦となると、どれだけ俺が早漏でも、集合時間には間に合わないのだから。 それを考えれば、ここが地雷になりかねないそれを出来るだけ穏便に処理し、見て見ぬふりをするのが一番だ。 漫「とにかく!今までのこれはうちの推測。だから、京太郎君はさらに詳細を知る為にもその子に会って話をせんかったらあかん!」 京太郎「は、はい…」 漫「その後で謝るなり、セックスするなり好きにすればええやん!うち、もう知らへんから!!」 言い捨てるような勢いで言うだけ言って、漫さんは頬を膨らませながら拗ねた。 ムッスーと口で言いながら、前を見るその様は小柄な事もあってか、とても子どもらしい。 だが、その胸中に渦巻く感情は決して子どもらしいという言葉では説明しきれない大きなものだ。 女としての嫉妬…と言い切るほど自意識過剰にはなれないが、それが無関係ではないとも思えない。 色々と胸中が複雑なのは決して俺だけじゃないのだ。 寧ろ、犠牲者で被害者であるにも関わらず、こうやって積極的に協力してくれる漫さんの方が遥かに複雑だろう。 京太郎「すみません…漫さんには本当に感謝しています」 漫「むー…」 それでも感謝だけは伝えておこうと告げる俺の言葉に漫さんは唸るように言う。 何処か不満を混じらせるそれは誤魔化されていると思っているからか。 確かにこのタイミングでの感謝の言葉はそれっぽいが、俺は本当に漫さんに感謝しているのだ。 漫さんがいなかったら、俺は今頃、血を吐いていてもおかしくはない。 それくらいにまで追い詰められた所からここまで回復する事が出来たのは間違いなく、漫さんのお陰だ。 漫さんがいなかったら俺はきっと今頃、麻雀からも逃げていたかもしれないのだから。 漫「それやったら…」 それが少しは伝わったのだろうか。 漫さんはふと言葉を紡ぎながら、再び俺へと振り返った。 その瞳は微かに濡れていて、何か察して欲しそうなものに溢れている。 だが、俺には今の漫さんが何を言いたいのか分からない。 瞳が濡れている理由が欲情だけではないと言う事だけしか、俺には察する事が出来ないのだ。 漫「…やっぱり何でもない。それよりほら…もうそろそろあがらへんかったらあかんよ」 京太郎「あ…」 そんな俺に失望したのか、話題を切り替えながら、漫さんは立ち上がる。 瞬間、感じ慣れた重みと熱がなくなり、無性に寂しくなった俺から小さな声が漏れた。 しかし、漫さんはそれに振り返らず、とてとてと確かな足取りで扉へと歩いて行く。 どうやらさっきのセックスの影響はもうないらしい。 それに安堵したやら残念やら微妙な気持ちになりながら、俺もそっと湯船の中から立ち上がった。 漫「後…うち、当分…セフレで構わへんから。無理に答えとか出さへんでええよ」 京太郎「え…?」 瞬間、聞こえてきた漫さんの声に聞き返した時には、彼女はもう扉の向こうに消えていた。 まるで、最初から俺の返事など期待していないと言うようなそれに…寂しさとそれ以上の胸の痛みを覚える。 どうやら…最中の睦み言は漫さんの本心であり、尚且つ俺の迷いも既に見通されてしまっていたらしい。 そう思うと…さっきまで俺がやっていた事が残酷な事に思えて、胸中からため息が漏れた。 京太郎「参ったな…」 勿論、俺が逃げている事で漫さんを傷つけないだなんて思っていた訳じゃない。 寧ろ、そうやって逃げたところで余計に傷つける可能性があることはちゃんと考慮していた。 だが、それでもこうして目の前に優しい言葉を与えられると胸の疼きは止まらない。 今すぐ漫さんの足元に這いつくばって謝罪したい気持ちで一杯になった。 京太郎「(でも…それは多分、漫さんが望んでない…)」 そうやって謝罪されたいのならば、ああやって言い捨てるような形で逃げたりはしないだろう。 この話題はここで終わりだと思っているからこそ、漫さんはきっと俺から逃げたのだ。 それが有難い反面、辛いのはやましい事が俺の中に山ほどあるからだろう。 謝罪して楽になりたいという気持ちと、逃げ道を与えてくれて有難いと言う気持ち。 その矛盾した感情が両立するのを感じながら、俺はそっと項垂れた。 京太郎「…うし!」パーン そんな自分に喝を入れる為に頬へと張った一撃は思った以上に骨に響いた。 だが、その痛みがまたヘタレそうになる自分を叱咤し、激励してくれているのを感じる。 折角、漫さんのような女性に好意を向けられているのだ。 あんまり格好悪い真似は出来ない。 京太郎「(とりあえず…後一時間もないんだ)」 漫さんといられる時間がもうすぐそこまで迫っている。 ならば、今は落ち込んでいるよりもその一分一秒を楽しめるものにしよう。 それが未だ答えを出せない俺に出来る最大限の恩返しだと胸中で呟きながら、俺はそっと家族風呂からあがったのだった。 ……… …… … まこ「それではお世話になりました」 郁乃「うんうん。こっちこそ色々、勉強になったで」 優希「あー…もう終わりかぁ…」 咲「何だかあっという間だったね」 優希「お陰であんまり合宿って感じがしないじぇ」 まこ「まぁ、今回のは合宿だけじゃなくてリフレッシュ休暇みたいなもんじゃしの」 郁乃「こっちも似たようなもんかなぁ、まぁ、調整の意図はあったけれど」 絹恵「中核がごっそりおらんようになった今、全国区の打ち手との実戦経験は必要不可欠やからなぁ」 絹恵「そういう意味では清澄さんとことの合宿は得るもんが多かったわ」ニコッ まこ「こちらこそ。来年、インターハイで会えるのを楽しみにしとります」グッ 漫「あっちは何か盛り上がっとるねぇ」 京太郎「合宿中、色々あって仲良くなれたみたいですよ」 漫「あぁ…多分、お互い色々と苦労しとるんやね…」 京太郎「はは…」 漫「それより、ほら、忘れん内に携帯出して」 京太郎「え?」 漫「連絡先の交換。せえへんかったら連絡取れへんやろ?」 京太郎「あー…そう言えばしてなかったですっけ」 漫「うん。うちも完璧に忘れとった」ハハッ 漫「もう何かずっと前から京太郎君と一緒やったような錯覚すらあったわ」 京太郎「俺もですよ。何かこう凄い相性が良かったというか」 漫「ふふ…そういう意味じゃうちらは運命の相手なんかもしれへんね?」 京太郎「赤い糸で結ばれてるのかもしれませんよ」 漫「それやったら…ちゃんとその糸を手繰ってうちに会いに来てくれる?」 京太郎「必ず会いに行きますよ。こんなに可愛い運命の人を放置する訳ないじゃないですか」 漫「もう…歯の浮くようなセリフは得意やね…」 京太郎「最初に振ったのは漫さんの方じゃないですか」 漫「ふふ…そうやね」 咲「京ちゃーん!もうバス出るってー!」 漫「…じゃ、ここでお別れやね」 京太郎「そう…ですね」 漫「ちゃんと連絡してや?」 漫「メール返してくれへんかったら泣くからね!」 京太郎「大丈夫ですよ、そう言うのはマメな方ですし」 京太郎「漫さんこそ途中で寝落ちとかしないでくださいよ」 漫「う…が、頑張る…」 京太郎「(あ…やっぱり結構やるんだ…)」 優希「きょうたろー何時まで上重さん口説いてるんだああ!」 京太郎「口説いてねえよ!!」 漫「…口説いてくれへんの?」クスッ 京太郎「…そう言うのは二人っきりの時の方が良いでしょう」 漫「そうやね…ふふ…♪」 漫「今みたいに注目されとったら…ヘタレな京太郎君には何も言えへんか♪」 京太郎「う…まぁ、事実ですけどね」 京太郎「じゃ…その…また」ガラガラ 漫「うん…また…ね」 漫「……」 漫「……」バイバイ 漫「……」バイバイ 漫「……」バイ…バイ モブ1「あれ…漫ちゃんどうしたん?」 漫「え…?何が?」 モブ1「何って…漫ちゃん泣いとるで?」 漫「え…あ…本当や」アハハ モブ1「…どうしたん?もしかして、さっき須賀君に何かされたんか?」 漫「されたって訳じゃ…いや…されたんかなぁ…」 モブ1「え、えぇ!?ちょ…せ、せやったら監督に言わんと…!!」 漫「あぁ…大丈夫。そういうんやないから」 漫「京太郎君は何も悪くないし…酷い事された訳やない。ただ…」 モブ1「ただ…?」 漫「もし…ああやって京太郎君が帰る場所がうちやったら…どれだけええかって思うて…」 【System】 上重漫の屈服刻印がLv2になりました。 呼び名が変更されました。 上重漫は好意を抱いているようです。 [[前話>おもち少女2-3]] [[次話>おもち少女4]] #comment

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