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  おもちぶらり旅・番外編1 玄「ン~!帰ってきたね~!長野に!」 京太郎「龍門渕はここから乗り換えで5駅か」 京太郎「玄さん、俺切符買ってきますね」 玄「あ、じゃあ私お弁当買ってくるよッ」 京太郎「了解です。 んじゃ」 ――― ―― ― 玄「いやぁ、まさかコンビニでサトウの切り餅が買えるとはッ!」 玄「……いい時代になったものです」ウンウン 玄「っと、京太郎くー……」 玄「ん?」 「今ちこーっと見えちゃったんだよねぇ。その茶袋のな・か・み」 「俺らさ、今ホンットーに金が必要なのよ! その金くれたら代わりにこのふ菓子あげるから!」 「ほんのちょっとでいいから! 先っぽだけでいいから!」 玄「あ、あれは……!」 まさか、自分にあんな映画のヒーローのような体験のチャンスが巡ってくるとは、その時は夢にも思わなかった。 昼の長野の駅、人気の少ない端の方で、私はたまたまその事件現場に遭遇してしまったのだ。 「やめてください、お願いです」哀願する少年を取り囲むように 「いいじゃねぇかぁ、少しくらいよう!」「ふ菓子ふ菓子!」「先っぽだけだから!」と、3人のチンピラ。 玄「……やめないか、悪党」 思わず、口をついで出てしまった挑発の文句。もう後には引けない。 逆上する3人のチンピラ。ふ菓子を手にしたやつもいる。 ならば・・・と、私は左手で、懐からサトウの切り餅を取り出す。 「おもちキック!」 私はすかさず、正面のふ菓子を持ったチンピラの鳩尾に蹴りを叩き込む。悶絶し、倒れるチンピラ。 「おもち裏拳!」 返す右拳を、唖然とするモヒカン頭の顔面に叩き込む。鼻の骨が砕け、昏倒する。 「おもちエルボー!」 もう一人のチンピラの頭蓋骨を砕く。 「おもちチョップ!」 残るひとりの頚動脈を断ち切る。 一撃必殺。 一瞬にして、私を取り囲むように倒れ悶絶する血ダルマが4つできあがった。 玄 「次からは、相手を見て喧嘩を売ることですね……」 返り血で真っ赤に染まったサトウの切り餅を拭き取りながらそっと、私に勝利をくれたサトウの切り餅につぶやいた。 玄「持っててよかった、サトウの切り餅」 キリッ               京太郎「……なんで……俺までッ……」ピクピク ―続く  

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