―――Roof-top

まこ「……ん、時間じゃの、今日はここまでじゃ京太郎」

京太郎「あ、はい!お疲れ様です」

まこ「いやー正直助かったわ、毎年この日になると粗品のチョコ目当ての客が多くての」

京太郎「美人なメイドさんから手渡しでチョコ貰えるんですから、そりゃみんな来ますよ」

まこ「(美人…美人って言ったか?///)できれば和達にも手伝ってもらいたかったんじゃがのぉ…優希と仲良くインフルとは…」

京太郎「まぁインフル流行で学級閉鎖になったおかげでこうして平日にバイトできてるわけですけど」ガッコウニハナイショデー

まこ「まあの…しっかし、自分から声かけといて何じゃが青春真っ盛りな男子高生がバレンタインをバイトして過ごすってのもどうなんじゃ?」

京太郎「ふっふっふ…何とでも言ってください!今年の俺は去年までとはひと味違いますからね!」

京太郎「(なんたって今年は…)」


カランカラン


咲「こんばんわー」

京太郎「咲!」

まこ「おう咲、ちょうど今終わったところじゃ」

まこ「ほれ、彼女待たせんと早よ着替えてきんさい」

京太郎「ウィッス!!」

京太郎「(そう、なんたって今年は咲と付き合い始めて初めてのバレンタインだからな!!)」


まこ「咲は今日どうして過ごしとったんじゃ?」

咲「読みたい本が溜まってたので一日中部屋で本読んでました」

京太郎「宿題どっさりだされてただろ」ソワ…

咲「もう殆ど終わったよ」

京太郎「そっか………ところで、さ……咲」ソワソワ…

咲「わかってるよぉ はい京ちゃん、ハッピーバレンタイン♪」

京太郎「おう!!サンキュー………って、あれ?」

まこ「む?」

京太郎「包装とか…サイズが…去年までの義理チョコと変わってないっていうか…去年と全く同じ…?」

咲「うん」

京太郎「え?なんで…?」

咲「えっと…この方がわかりやすいかなと思ったんだけど…」

まこ「!!(ピーン)…なるほどの」

京太郎「え??え??(え、どゆこと? 俺早くも愛想つかされた!?)」オロオロ

咲「その…つまり…去年まであげてたのも実は本命でしたっていう…アレです///」

京太郎「えっ!? …あー…///そういう…///」

咲「///」

京太郎「///」


まこ「うぉっほん!」

京咲「!!?」

まこ「甘々な世界作り出してるところ悪いんじゃが、まだ営業中なもんで、の?」

お客達「………(やっぱり京咲がNo1!)」ニヤニヤ

京咲「」


京太郎「じゃ、じゃあ俺あがりますね!お疲れ様でした!! ほら、行くぞ!」

咲「あ、待ってよ京ちゃん!! すみません先輩、また部活で」

まこ「おう、教師とかに見つからんようになー」



まこ「………」

まこ「青春、じゃの」

まこ「(わしにもどっか良い人おらんもんかの…)」


カン!


ガタリ


まこ「ん?」

シーン…

まこ「(今、窓の外に誰か…気のせいか?)」

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最終更新:2017年10月12日 21:42