その人がしなやかに走り回る姿はチーターの様で。
その人の劣勢でも折れない強さは獅子の様で。
その人がゴールを狙いすます姿は虎の様で……
洋榎「何や絹、またその番組見とるんか。」
絹恵「あ、お姉ちゃん。 お姉ちゃんも格好ええと思うやろ?」
洋榎「全国ハンドボール特集……長野のエース、須賀京太郎……まぁ確かにイケメンやな。」
絹恵「コートでプレイしてる姿が格好ええんよ! でも今年は県大会決勝で敗退……あーあ、折角全中の会場が大阪やったのに……」
洋榎「まぁ、そないに強いんやったら高校でも出て来るやろ。」
絹恵「せやなぁ……うん、インハイに期待しとこ!」
――――――――
絹恵「インハイで会えたっ!?」
京太郎「??」
絹恵「なぁなぁ……君、須賀京太郎君やろ?」
京太郎「えっ、あ、はい。 そうですけど……?」
絹恵「やっぱり! 私、愛宕絹恵ていうんやけど……須賀君のファンやってん! 握手してもろてええ?」
京太郎「俺のファン? まさか麻雀……な訳ねーか。 ハンドの?」
絹恵「そうそう! でも何で麻雀の会場に……ハンド辞めてしもたん?」
京太郎「ま、まぁ色々ありまして……すんません、そこあんま触れないで貰えます?」
絹恵「あっ、ごめん……堪忍な? 悪気は無かったんやで?」
京太郎「いえいえ、気にしなくていいっすよ。 そうだ、握手でしたよね? はい」(手差し出し)
絹恵「ありがとう! うわぁ、手ぇおっきい……」ニギニギ
京太郎(うっわ、手ぇ柔らかいし温けぇ……!)
絹恵「……な、なぁ、もし良かったらケータイの」
久「はいそこまで。」
京太郎「おわっ! 部長!?」
絹恵(この人、清澄の……)
久「須賀君、気付いてるとは思うけど、その娘は姫松の副将……今の私達とは競い合う間柄よ? 大会中は控えて貰わないと……」
絹恵「……別に、清澄の事聞きたい訳じゃ無いんやけど?」
久「貴女がどう考えてるかじゃないの。 とにかく、大会中に他校の生徒と必要以上に接触するのは好ましくないわ。 須賀君、控え室に戻るわよ?」
京太郎「あぁ、はい……それじゃあ、すいません……!」
絹恵「あっ……行ってしもた……」
絹恵「諦めへんからな、須賀君……!」
須賀京太郎争奪戦 愛宕絹恵、緊急参戦!
カンッ
最終更新:2017年10月12日 21:29